タランティーノ絶賛の映画「オオカミは嘘をつく」の魅力をご紹介!

クエンティン・タランティーノが大絶賛した映画が「オオカミは嘘をつく」です。タランティーノといえば世界に名だたる名監督ですが、果たして彼が絶賛した映画の内容とはいかなるものなのか。その魅力と共にご紹介したいと思います。

あらすじ・ストーリー

イスラエルのとある森で、少女がむごたらしく暴行された果てに殺される事件が起きる。その容疑者として浮かび上がったのは、中学校で宗教学を教えているドロール(ロテム・ケイナン)。刑事のミッキ(リオル・アシュケナージ)が責任者として彼の尋問にあたるものの、証拠がなく釈放されてしまう。さらに行き過ぎた取り調べが何者かによって録画され、動画サイトにアップされてしまったことでミッキは交通課に異動になってしまう。しかし、ミッキはドロールが犯人だと思っていて……。

出典: movies.yahoo.co.jp

タランティーノ、お願いだからどこを絶賛したのか教えてください

タランティーノ監督が絶賛しているということで手に取った今作ですが、一体彼はこの映画のどの部分にそんなにも惹かれたのでしょうか。ぜひとも、その部分を本人に聞きただしたいところです。私から見ればこの映画は平々凡々な普通の映画でしかなく、ラストこそちょっと捻りを加えたものの、全体的に冗長な雰囲気が拭えませんでした。面白いといえば面白いのですが、タランティーノの名前を出したことでかなりハードルが高くなってしまい、視聴者が求める満足度に遠く及ばないものという結果になってしまった作品です。その点で観れば、ある意味この映画は被害者なのかもしれませんね。

この映画はR18に指定されています。それは少女の猟奇殺人という観点からではなく、おそらく中盤から終盤にかけてのちょっとした拷問シーンから為された判断でしょう。しかし、果たして18禁にするほどのシーンはあったかなという疑問を覚えます。確かに凄惨なシーンはありましたが、そこまでグロテスクなものではありません。そこを論ずるのは映画の主旨と反することなのでしょうが、どうも「疑わしきは禁ず」という固定観念がまかり通っている気がしてなりませんでした。

結末は意外か否か(ネタバレあり)

さて、ここで1つ質問です。娘を殺された父親が、容疑者と思われる男に対し拷問をし、殺してしまった。果たしてこの男は犯人だと思いますか。おそらく常識的な判断を下せば、この男は実は犯人ではなく、別に真犯人がいるという考えを持つでしょう。しかし、おそらくこの質問をした時点で皆さんは分かっているはずです、この拷問をなされ、殺されてしまった人物こそ、真犯人なのです。果たしてこれは、称賛に値するものなのかどうか、私には少々疑問があります。

捻った糸を、もう一度捻って元通りにする。いわばそういうトリックですよね。私自身、最後の最後まで誰が真犯人なのだろうとワクワクしていました。しかし、蓋を開けてみれば犯人役は真犯人の器にすっぽり収まり、残ったのは虚しい期待感だけ。意外な結末でも何でもありません。一体、何がしたかったのでしょうか。常識を疑ってほしかったのでしょうか。犯人が犯人でありそうなのは、現実世界にして往々にあることで、それとは別の世界を見せてくれるのが映画というものです。フィクションが現実をなぞってどうする。ノンフィクション、ドキュメンタリーならまだしも、これは創作。期待を紙のように破き、ポイ捨てするような所業ですよ、これは。

まとめ

タランティーノの名前が無ければ、あるいはもう少し楽しめたかもしれません。いかんせん期待値が大きすぎました。常識を覆す結末に意味があるという声もありますが、常識を覆して、また常識に戻ってしまったら何の意味もありませんよね。雰囲気は良く、キャラも立っていた。でも内容がいまいち。せめてもう30分加えてくれれば、もっと違った結末も用意できたのでは、と思います。

見る価値は、ないとは言いませんが、常識を飛び越えてはきません。その他大勢の1つとして、あくまで趣味の一環として読むことをオススメします。少なくとも、私からは。

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