「ウルトラハンド」「ラブテスター」 電子ゲーム以前の任天堂玩具

横井軍平がつくった数々のユニークな玩具の中から、時代を席巻した代表的な2つについてまとめました。

第1作 ウルトラハンド

1966年発売。定価600円。
設備の点検しか仕事がなかった横井氏は、暇つぶしで「伸び縮みする棒のおもちゃ」を作って遊んでいました。するとその様子を当時の社長だった山内溥氏見られてしまい、社長室に呼び出されます。「怒られるだろうな」と思っていた横井氏でしたが、なんと社長は「それをゲームとして商品化しろ」と命じました。横井氏は「ただの伸び縮みする棒」に、キャッチする「ボール」と、それを置く「台」を同梱することでゲームへと昇華させ、何とか商品化へと漕ぎ着けました。このシンプルで分かりやすい構造が子供たちに受け、140万個という驚異の売り上げを記録しました。
商品は社長が命名。1964年の東京オリンピックの影響で当時流行していた「ウルトラC」という語にちなんでいます。以後、「ウルトラマシン(1968)」「ウルトラスコープ(1971)」と続く「ウルトラシリーズ」玩具の第1弾となりました。

ラブテスター

1969年発売。1800円。
使い方は、本体から延びる一対のコードの先についている金属のボールを男女が一つずつ握り、空いている手で握手します。するとメーターの針が振れ、文字盤の数を指します。単位は「ラブ」で、例えば80を指したら「80ラブ」。数値が大きいほど愛情度が高いということになります。
原理はいわゆる「ウソ発見器」と同じで、手のひらにかく汗の量が大きいほど、人体に流れる微弱な電流がより感知され易くなるというものです。しかし気がある相手を前にするとより多く発汗するかもしれないので、ラブ数値はあながちでたらめでもないのかもしれません。
開発の動機は「男女が気兼ねなく手を繋げる」ということからだそうですが、おもちゃの中に「コミュニケーション要素を取り込む」という横井氏の信条が端的に表れている作品と言えます。また彼の哲学である「枯れた技術の水平思考」も活かされています。検流計という「使い古された技術」を、握手するという「水平思考」で結び付けた発明です。

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