薄桜鬼の登場人物・キャラクターと史実上のモデルまとめ

『薄桜鬼』とは、ゲームメーカー、女性向けゲームブランド「オトメイト」から発売されている乙女ゲームシリーズである。幕末に実在した浪士隊「新選組」の史実を元にした作品となっており、緻密なまでに作り込まれた物語背景により、乙女ゲームファンから歴史好きな女性まで、幅広い層から支持を受けている。多くの後続作品に加え、ノベライズ、アニメ、映画、OVA、舞台、ミュージカルと様々なメディア展開も行われている。そんな『薄桜鬼』に登場する人物達のモデルとなった人物についてまとめた。

原田左之助

CV:遊佐浩二

新選組十番隊組長。喧嘩っ早い、赤髪の青年。口も悪く、昔居た藩で口喧嘩をした挙げ句、それが原因で腹を詰める事になった程だったりする。スケベな一面もあり、物語序盤では、男装していた千鶴を女と確かめる為に服を脱がす事も考えていたらしい。しかしその実、人情に厚く義理堅い性格の青年でもある。新選組幹部内では、藤堂平助、永倉新八と仲がいい。一緒に酒を飲む事も多い模様。

刀よりも槍を得意としている。しかし刀で戦えないわけでもなく、槍がない時は刀で戦う。

また『薄桜鬼』の個別ルート(攻略対象のキャラクター事に用意されたストーリーの事)内で唯一、「羅刹」化しないキャラクターでもある。「羅刹」とは、作中に登場する薬「変若水」を飲む事で手にできる力の事であり、人間とは思えない驚異の力や回復力を手に入れる事できる。ただしその代わりに、力を使う時は髪が白く目が赤くなると言った変化に加え、日の下を歩けなくなる、時折激しい吸血衝動に襲われるといった代償もついてくる形になる。
さらに個別ルートのエンディングでは、唯一千鶴との間に子どもがいる描写もされているキャラクターとなっており、それが理由となってファンからは「走る18禁」「セク原田」といったあだ名がつけられる事になってしまった。残念なイケメンキャラクターとなっている。

史実情報

天保11年(1840年)、伊予松山藩(現在の愛媛県松山市)の子どもとして生まれる。藩の武家奉公人になるも出奔してしまう。後に新選組隊士の1人となる谷万太郎から十文字槍を使った槍術や薙刀術を教えていた流派「種田流槍術(「宝蔵院流槍術」ともいう)」を教わり、免許皆伝した。

原田左之助が京都へやってきたのは文久3年(1863年)2月の頃。江戸幕府第14代将軍、徳川家茂が上洛(京へ入る事)の為に必要な警護を務める浪士組を募集しているのを耳にし、京へ向かった近藤勇率いる天然理心流に付き従う形で、京都へやってきたとされる。壬生浪士組改新選組では、十番隊組長を務めた。十万対組長として、また槍の達人として、新選組を語る上では外せないいくつもの大きな戦闘(「池田屋事件」や「禁門の変」等)に加わったとされる。

また新選組最期の戦となった旧幕府軍対新政府軍の戦争「戊辰戦争」にも原田左之助は参加していた。だが新政府軍側の武士、板垣退助らが率いた軍隊「御親征東山道先鋒総督軍」に敗れた後、江戸に敗走する事になる。江戸にて近藤勇らと合流するも戦況に関する話で意見衝突してしまい、新選組を離脱した。そうして同じ新選組幹部であった永倉新八と共に「靖兵隊」を結成するが、江戸を離れ戦場へ向かうとしたその矢先、突然用を思い出したといって、江戸へ戻る。だがそれは原田左之助の嘘だった。江戸に戻った彼は、将軍徳川慶喜の警護などを目的として作られた部隊「彰義隊」に入隊。靖兵隊から1人勝手に離脱した形になる。

だがその後、「戊辰戦争」の1つ江戸上野を戦場とした「上野戦争」にて負傷。それが原因で慶応4年(1868年)5月17日に亡くなったとされる。享年29歳であったという。

永倉新八

新選組二番組組長。新選組一の剣術の腕を持つ男。筋肉自慢の多い脳筋な隊士であるが、実は政治にも詳しい教養のある隊士でもあったりする。それなりの立場のある武家の出らしい。

面倒見の良い兄貴気質。千鶴の事を「可愛い妹分」という事も多い。しかし酒と女が大好き過ぎるきらいがある。島原(京にある花街。現在の京都市下京区に位置する)の遊女に貢いだ結果お金がなくなるのは日常茶飯事で、よくお金関連で悩んでいる。

初期に発売された『薄桜鬼〜新選組奇譚〜』では個別ルートは用意されていなかったが、人気の高さとメイン格のキャラクター達と一緒に居る事が多い事が起因してか、後に発売されたVita版 リメイク『薄桜鬼 真改 風ノ章/華ノ章』にて個別ルートが追加された。

史実情報

天保10年4月11日(1839年5月23日)、松前藩(現在の北海道松前郡松前町にあった藩)の江戸定府取次役(江戸に定住する将軍や藩主、または彼らに仕える者)の長倉勘次の次男として永倉新八は生まれた。弘化3年(1846年)、神道無念流剣術道場「撃剣館」に入門。数年で切紙(修行した技によってつけられた段位が記された紙切れのこと。段位によって記される媒体が代わり、紙切れである切紙は一番最初の段位であったとされる)を手にし、安政3年(1856年)で本目録(切紙に次ぐ段位を記した媒体。様々な技が書かれた目録書となっている)を手にする。この時、永倉新八は18歳の若者であった。

しかし、剣術好きが昂じて脱藩(所属している藩を勝手に抜けること)してしまう。その際、長倉ではなく永倉と姓を名乗るようになる。江戸の本所亀沢町にあった道場でさらに剣術について学んでいく。その後は松前藩の藩士、市川宇八郎と剣術の旅を始め、様々な場所を歩き回る事になる。江戸に持ってきた後は、心形刀流剣術伊庭秀業の門人にその剣技を見込まれ、道場師範代を務めた。そこで後に新選組隊士となる門下生、島田魁と出会う。さらに、後に新選組隊長となる近藤勇とも知り合い、彼が宗家であった「天然理心流」の門客(君主たちが才能のある人物を客として遇して養う代わりに、いざという時はその人物に助けて貰うという関係のことを指す)となる。文久3年(1863年)2月頃、江戸幕府第14代将軍、徳川家茂が上洛の為に必要な警護を務める浪士組を募集しているのを耳にし、志願する為に京へ向かった近藤勇と天然理心流らと共に永倉新八は京へ向かう。そうして発足された壬生浪士組改新選組の1人となり、二番組組長や撃剣師範を務めた。

新選組最期の戦いともいえる「戊辰戦争」の1つ、「鳥羽・伏見の戦い」では、決死隊を募り刀一つで敵部隊に突撃していったとされる。しかし最終的には新政府軍の武士、板垣退助らが率いる軍隊「御親征東山道先鋒総督軍」に敗れ、江戸へ敗走する事になる。江戸にて近藤勇らと合流するも戦況に関する話で意見衝突してしまい、新選組を離脱した。同じ新選組幹部であった原田左之助と共に「靖兵隊」を結成するが、江戸を離れ戦場へ向かうとしたその矢先、原田左之助が離脱してしまう。それでも永倉新八は靖兵隊を引き連れて北関東にまで出向き、そこで新政府軍との戦闘を繰り広げるが、その最中、新選組直属の上司にあたる会津藩が新政府軍に降伏した事を知り、江戸へ帰還した。

江戸帰還後、松前藩士(150石)として帰参が認められた永倉新八は、明治4年(1871年)、藩医杉村介庵の娘と結婚し、婿養子という形で松前に渡る事となった。

明治6年(1873年)、永倉新八は杉村家の家督を継ぐ事になる。その際、名前を杉村治備と改名した。さらにその後、北海道小樽へ移り、刑務所「樺戸集治監」の剣術師範として、看守達に剣術を指導を行った。退職した後は、東京牛込にて剣術の道場を開く。その後、幾度かの転居を繰り返すが、明治42年(1909年)7月、北海道小樽市花園町に定住。東北帝国大学農科大学(現在の北海道大学)の剣道部の指導をするようになる。
また明治の頃、永倉新八は新選組に関する話をまとめた手記『浪士文久報国記事』、『七ケ所手負場所顕ス』を記している。小樽市の地域紙「小樽新聞」の記者吉島力からの新選組に関する取材にも応じ、『新選組顛末記』を作り上げた。これらの手記、書物は新選組という部隊に纏わる歴史を紐解く上での貴重な資料となっている。

大正4年(1915年)1月5日、永倉新八は小樽市内で亡くなる。死因は虫歯が原因で発症してしまった骨膜炎と敗血症だったという。享年77歳。なお、同年9月28日には、同じく元新選組幹部であった斎藤一も亡くなっている事が発覚している。この年まで生き抜いた新選組幹部は数少なく、永倉新八はその貴重な1人であった。

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