侍道3(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『侍道3』とは2008年11月にplaystation3用ソフトとしてスパイクが発売した和風アクションアドベンチャーゲームである。侍道シリーズの4作目にあたる。タイトルは3となるがシリーズ3作目は『外伝 サムライウエスタン』なので実質4作目。制作は前作までと同様アクワイアが担当している。2009年2月26日にXbox 360版が発売し、同年10月29日にはPS3用のみだが主人公モデルやアクセサリー、伴侶などをさらに追加した廉価版である『侍道3plus』がリリースされた。

主膳を追いかけ天奈城へ

天奈城で襲ってくる桐江正継

城内からは藤森の兵と用心棒の浪人が雪崩出てくる。天奈城の天守閣にたどり着くため侍は無我無中に敵を斬り続けた。それに続けと信之助や佑馬、野武士、果ては農民達すらも必死に戦っていた。そんな中ようやく門が開き城内へ入ることが出来た。あとはこのまま天守閣まで行ければ主膳を打ち倒す事が出来ると先を急いでいたが、「貴様ら、いい加減にしろよ…」と言ってその行く手に桐江正継が現れる。「せっかく侍として大出世するつもりだったのに…ぶち壊しだ!大殿も大殿だ。敵でも味方でも、とにかく皆殺しにすりゃよかったんだ」一瞬うつむいて顔を上げた桐江は刀を抜き、言い放った。「皆殺しだ!皆殺しだ!皆殺しだ!」その瞬間、部屋の周りに潜んでいた忍達が一斉に飛び出し、信之助達は囲まれてしまった。そして桐江が侍に切りかかる。主膳の右腕とだけあり実力は本物、だが侍も負けるわけにはいかない。鬼の気迫で剣を振るい見事に桐江を仕留めることが出来た。

倒れる桐江正継

倒れた桐江はなおも「出世して…明るい未来へ…。」とつぶやき息絶えた。だがこれで終わりではない。またどこからともなく藤森の兵が現れる。これでは切りがないと判断した信之助は「ここは任せろ!お主は主膳を!」と先に行くよう侍へ告げ、佑馬と共に敵中へ消えていった。

藤森主膳の元へ

刀を抜く藤森主膳

信之助達が食い止めてくれたおかげでいよいよ天守閣に着いた。主膳は酒を飲みながらよい気分だと笑みを浮かべた。「肴は、死合う者どもの発する気合い…」この言葉を聞き刀に手をやる侍。「どれ、ひとつ…舞ってみるか…。」盃を投げ捨て立ち上がった主膳は両腰に携えた刀を抜き、二刀流の構えを見せる。いざ藤森主膳との真剣勝負。立ち合った瞬間に多方向から斬撃が飛んでくる。「さぁ、ワシをたのしませてみよ」凄まじい剣さばきで侍を圧倒する。主膳は「しかとワシの舞の相手を務めよ」とまだまだ余裕なようだが、この戦いは万が一にも負ける訳にはいかないのだ。ひるむことなく食い下がる侍。どちらも引かない果たし合いが繰り広げられたがいよいよ決着の時がきた。藤森主膳の一瞬の隙を突き、侍の刀が主膳を捉えた。「み…見事…。」主膳は刀を突き立て、膝をついた。死期を悟った主膳は「是非もない事よ…静流姫に伝えよ…汝…覇道を進むべし…とな…さもなくば天奈のような小国、すぐに他国に飲み込まれようぞ…無念に散った父のようになりたくなくば、殺したくなくとも殺せ…壊したくなくとも壊せとな…」そう言うとその場に倒れ、息を引き取った。覇道を生きた男のわずかばかりの助言のつもりだったのか。それともただの遺言か。

藤森主膳との真剣勝負に勝利する主人公

そこへ駆け付けた信之助は横たわる主膳を見つけた。「ついに…ついに!」信之助にとっては待ちに待った念願の主膳討伐の日だったのだ。しかし喜びの余韻に浸る暇はない。まだ藤森主膳の死を知らない者達が戦い続けている。急いで知らせ、戦を止めなければならない。

天守閣へ駆けつける信之介

天奈城内で激しくぶつかり合う藤森軍と佑馬達。どれほどの血が流れ、どれほどの命が今日散ったのか。激戦の中、信之助の声が響き渡る。「みな聴け!藤森主膳はこの者が見事討ち取った!」我らの勝利だと刀を突き上げる。それを聞いた宗近とおせい(静流)は顔を見合わせ喜んだ。「みなの者、戦いをやめろ!これ以上同胞の血を流してはならない!」信之助の声に藤森の兵は膝から崩れ落ち、桜花党の野武士達は雄たけびをあげ勝利を喜んだ。「おおおおおおおおおおおおおおおお!やったぞー!」

勝利を宣言する信之介と主人公

おせいは命を賭して戦った野武士や農民に「ありがとう…これもすべてみなさんと…」おせいは侍に目をやる。「あなたのおかげです…。」長かった藤森主膳による圧政は終わりを告げた。佑馬も駆け寄り今日からまた始まる桜井家の歴史に胸が高鳴っているようだった。しかし、全ての脅威が去ったわけではない。喜びも束の間、宗近が口を開いた。「しかし難問は山積みです。まずは国境の信長の軍に対処せねば…」信之助は兵を取りまとめ急ぎ国境へ向かうと話すと、おせいが悲しい表情を浮かべた。「やっと戦が終わったと思ったらまた戦…人がまた、大勢死ぬのですね…。」その時、「いや、そうとは限らないですよぉ」現れたのは謎の茶人“雪園“だった。

平和の訪れ

藤森主膳の死から二日後…。桜井家先代の御首が眠る首無し地蔵に手を合わせるおせい達。信之助が「ところで考えてくれたか?正式に桜井家に仕官するという話を」と侍に聞くと「私からもお願いいたします!」おせいも侍を見つめた。「これからの祇州天奈には、あなたのような人が必要なのですと言われ、考え込む侍。

詳細を説明する雪園

そこにまた「その話、まぜてくださいな」と雪園が現れた。雪園を見た信之助は「雪園殿…いや…半兵衛様…」と言う。実は雪園は織田信長の家臣である豊臣秀吉の使いであったのだ。堅苦しいのはなし、雪園のままでいいと笑う半兵衛に宗近が近づく。「あなたが戻られたという事は…」雪園が事の顛末を話す。「えぇ、和睦の話まとまりましたよ。うちの大将が御館様に直訴してくれましてねぇ。」雪園の口利きのおかげだと頭下げる宗近達だったが「いやいや…何というか…静流様の仁愛、信之助殿の忠義、佑馬殿の勇気、宗近殿の理知、そして…おまえさんの行動力!」と侍の肩をたたき話す雪園。「これがそろえば祇州天奈は天下一の国になる。そんな所と争ってもうま味や儲けは少ないですからねぇ」おせいが口を開く。「全ての国が仲良くなれればいいのですが…」

桜の下に集う桜井家の人々

雪園は答えた。「夢ですなぁ…だが、そんな夢を見たくなってきましたよ」さらに雪園は「お前さんに関わったせいでね…どうです、禄ならはずみますよ。うちの大将と共に働きませんか?」と侍を見て言ったが、おせいが止めに入った。「こまります、雪園様!祇州天奈にはあなたが必要なのです…どうか…」すると幸太が今度こそ剣を教えてくれと騒ぎ出した。これを見ていた信之助が侍に不思議な奴だと言い笑い声を上げた。あっという間にみなの心をつかんでしまったと関心しているようだった。信之助は侍に問う。「その剣、これからなんのために振るう?侍としてどう生きるつもりだ?」平和が訪れた天奈で桜のもとに集う人々。数多の困難を乗り越えてやっと手に入れた束の間の平穏を喜ぶのであった。

エンディング「おせいとともに」

関所を超え天奈から去る侍とおせい

マルチエンディングの一つ「おせいとともに」。こちらは高種村にいるおせいとのエンディングになる。渡世はやらなくてもよい。おせいと会話を繰り返し好感度をあげていく。信長襲来後の高種村でのイベントで選択肢の「わかった。」を選択後、信之助との戦闘に勝利する。おせいは昔、宗近に「藤森主膳の手が伸びるなら、手の届かない所まで一人逃げろ。」と言われたが心の中では一人になるのが怖かった。しかし、侍が現れた事でその迷いは無くなった。おせいは「わたしはもう何もいらない。あなたさえいれば。」と侍と顔を見合わせる。それに頷く侍。そしておせいは戦乱の天奈に背をむけ、どこか遠くの誰にも邪魔されない場所で侍と2人生きていくことを選び、関所を超える事を決意する。去り際におせいは「静流、さようなら」とつぶやいた。義を捨て、愛に生きるというのもひとつの人の生き方なのである。

エンディング「主膳とともに」

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