現代版ミザリー!? 映画「パーフェクトメモリー」の魅力をご紹介!

映画「ミザリー」を彷彿とさせるストーリー展開と、謎めいた女の正体を探るミステリーが溶け合った物語です。ジャンルはミステリーですが、サイコホラーな側面もあり単なる謎解きでは終わらないのが特徴で、ラストには驚愕の結末が待っています。今回は映画「パーフェクトメモリー」をご紹介したいと思います。

あらすじ・ストーリー

自動車事故による昏睡状態から目を覚ました男。見覚えのない部屋のベッドに横たわり、記憶を辿るも何が起こったのかまったく思い出せない。ベッドの横には自分の妻だと名乗る美しい女がいて、献身的に看護してくれる彼女の話を男は信じた。しかし、身体が回復するにつれ、男の記憶が次第に蘇る。車の中、運転する自分、助手席に座る妻、そして後部座席には自分の娘と思われる少女―。だが、家の中のどこにも娘の姿はない。妻は二人に娘などいないと言う。妻の不可解な行動に対して、男は徐々に自分の記憶を疑い始める。この女は本当に妻なのか?娘はどこにいるのか?果たしてこの記憶は本物なのか?家の中を捜索し始めた男は、衝撃の真実を目の当たりにする。

ミザリーっぽい何か

「パーフェクトメモリー」というタイトルから、失われた記憶に関するミステリーかなと思いましたがまあ概ねその通りでした。物語の展開は「思い出せ、あの女は誰だ」というパッケージの煽り通り、次第に女に不信感を募らせた男の必死の抵抗劇が主となります。物語の中盤あたりからそこはかとない「ミザリー」臭が漂い始めましたね。具体的に言うと女の「妊娠したい」という言葉らへんから。ただそれを意識してしまったがばかりに、どうしても「ミザリー」と比べて陳腐な感が否めないという感想を抱いてしまいました。

ミステリアスな雰囲気で話が進むのは良く、また女が時々呟くちょっぴり哲学な言葉もその雰囲気に拍車をかけています。全体的に悪くはなかったのですが、どんでん返しの見せ方がちょっと物足りなかったです。私としてはもっと視聴者を振り回して振り回して、最後に反転させてほしかったです。物語の筋的にツイストがもう2,3回ほど足りない印象でしたかね。

また、ラストに明かされる真相もちょっと弱かったですね。ある程度予想はつきますし、つかなかったとしても、あ、そうなんだ、で終わる程度のものでした。この設定に求められるのはやはり視聴者をいかにして騙すか、そしてその先にどんな意外性を持ってくるかだと思いますので、その点では物足りなかった印象です。

評点:60点/100点

とはいえ、90分に満たない上映時間ということもあって退屈せずに楽しめました。最後はサイコホラーっぽい展開も見れましたので、ミステリアスな雰囲気だけで終わらせなかったのは好印象です。ただ惜しむらくは良くも悪くも「ミザリー」っぽさが足りなかったです。あちらの映画では狂気の度合いが凄まじかったのに対し、こちらは終始静かな雰囲気です。もっと欲望を前面に押し出した狂気の発露が私としては見たかったですね。まあ違う映画を引き合いに出してその要素を求めるというのも変な話なんですけどね。

加えて1つ、娘(本当は違うけど)の行動が意味不明でした。せっかく監禁から逃れられたのに出口に向かわないで家の固定電話で警察に連絡しようとするってどういうことよ。普通逃げるでしょ。真っ先に出口向かうでしょ。ドアの場所がわからないにしても家の中で逃走劇繰り広げるでしょ。そこは脚本が甘かったですね。その部分にもうちょい尺取ってくれれば、物語全体がまた引き締まったと思います。残念です。

まとめ

面白いか面白くなかったかでいえば面白かったです。しかしそれもどちらかと言えば、という程度のものですので、二者択一ではなく五段階評価でと言われれば、3かなあという感じですね。良くも悪くも普通ですね。女を演じた女優ケイト・ボスワースが色んな衣装を見せてくれて、また最後にはナースのコスプレ(?)を披露してくれるのでそれは目の保養になりました。演技も上手かったですしね。

手放しに称賛できるという作品ではありませんでしたが、観賞後に時間を無駄にしたと失望することはないと思います。ああ、こういう映画もあるのね、くらいの気持ちで観て頂ければ幸いです。興味のある方はぜひご観賞ください。

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@keeper

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