極上のミステリーを味わおう「本格推理モノから極上ミステリーまで」やみつきになる小説5選

さあ、読書の季節がやって来ました!香り高い珈琲を片手に、極上のミステリ小説を堪能しましょう。これでもかと絡まり合う謎を華麗に解きほぐす快感と、鮮やかなどんでん返しの妙が堪能出来る小説5選です。

キングを探せ

出版:講談社 著者:法月綸太郎
繁華街のカラオケボックスに集う四人の男。めいめいに殺意を抱えた彼らの、今日は結団式だった。目的は一つ、動機から手繰られないようターゲットを取り換えること。トランプのカードが、誰が誰を殺るか定めていく。四重交換殺人を企む犯人たちと、法月警視&綸太郎コンビの、熾烈な頭脳戦をご堪能あれ!

初の法月作品。タイトルに惹かれて何となく図書館で手に取った本作。いや~面白かった。四重交換殺人の本筋が解明されたとき、正直『マジか?やられた!』と思った。完全に作者にしてやられました。

出典: bookmeter.com

緻密。四重交換殺人。綸太郎の推理が犯人の一役を買ってしまうあたりや、ちょっとした叙述も素晴らしい。パズルのようの最後は鮮やかにツイストが決まる。傑作。

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日本の本格推理小説家と言えば、必ず名前が上がるほどの名手、法月綸太郎氏の作品です。
主役の法月警視&綸太郎コンビと共に緻密な犯罪計画を解き明かしてゆく時間は、まさに極上です。
複雑に絡み合った謎が解明されるラストは、思わず唸ってしまいます。
他にも「生首に聞いてみろ」「ノックスマシン」などもオススメです。

13階段

出版:講談社 著者:高野和明
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。2人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

参った、参りました。大好きです、高野さん。タイムリミットまでの疾走感、追いつ追われつの展開、流石です。死刑囚の冤罪を証明するため、元受刑者と刑務官がコンビを組む。死刑論、被害者、加害者、重たいテーマもバランスよく混ぜ、押し付けずにちょうど良い。

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変わった題名…と思い、手にしたら最後、読み終わるまで何にも手につきませんでした。
描写が細かすぎて、背筋がぞっとするシーンも多々あり…。思わず生唾のみこむ、なんてことも。
三上も、南郷の二人のことが、なんだか切なくて切なくて…
死刑執行制度についての観点からもぜひ、たくさんの人に読んでもらいたいなあ…と私事ですが。

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死刑制度の是非を考えさせられる大きく重いテーマですが、ストーリー展開はタイムリミットがある為に非常に緊迫しています。
電車で読んだら、ウッカリ乗り越してしまったなどという方も。
発見される証拠品に、かえって謎が深まってしまったり、目が離せない展開です。
実は反町隆史主演で映画化されていますが、小説の方が人気が高いようです。

ハサミ男

出版:講談社 著者:殊能将之
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。三番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作。

ハサミ男の犯行そのままの、周到な罠がある。終わりの方でえっとなる。騙されてびっくりしなかった人がいるのだろうか。再読してみたが実は無駄のない文章で良くできている。前評判通り、面白かった。スタイリッシュでトリッキー。

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真相が明らかになった時にあまり驚きに私の脳は理解できずしばらく思考が止まってしまいました。「ハサミ男」という奇抜なタイトルを目にした時から既にトリックに嵌っていたのですね…。

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デビュー作でこれか!と評判を呼んだ「ハサミ男」です。
自殺願望、深い闇を抱える異常な心理、多重人格、サイコチックな殺人、犯人が犯人を捜すという不思議な展開、あらゆるものを放り込んで、しかし絶妙な構成です。
著者は2013年に亡くなられています。大変残念です。

噂(うわさ)

出版:新潮社 著者:萩原 浩
「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。

魅力的な人物像、テンポ、展開に引き込まれて読み進めやすい小説です。途中からこういうラストならいいなと思える展開にもなり、満足して読了しようとした瞬間、「衝撃のラスト1行」という帯がなければ素直に信じがたいラスト1行が待っていました。いろいろと小説は読んできたつもりですが、今のところナンバーワンではないでしょうか。ラストの解釈が間違っていないのか、合っているのか自問自答が続いています。

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女子高生の口コミの恐怖と皮肉を描いた、まさに彼女たちが主役ともいうべき猟奇ミステリー。とにかく最後の一行の強烈な切れ味と、それによってもたらされる世界の変容にガツンとやられてしまう。子持ちやもめ同士の男女の刑事がコンビを組み事件捜査にあたるのだが、読後にオチをふまえたうえで振り返ったとき、その設定がはらむなんともいえない意地の悪さにぞくぞくしてしまった。

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一部に熱烈なファンを持つこの作品、帯の言葉通りにラストでやられてしまう小説です。
都市伝説と女子学生の口コミをうまく使ったミステリーで、ラストまで読んで衝撃を受け、もう一度読み返しても更に楽しめる構成は流石です。
一冊で二度美味しいミステリーです。

Another

出版:角川文庫 著者:綾辻行人
その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。

とても長い本でしたが、長さを感じさせないストーリーでした。時期的にも今と物語の中ぎ重なる部分があり、時期の描写が頭にスッと浮かんできます。ホラーとミステリーが混ざっていて、WHAT?WHY?HOW?WHO?が物語を巡ります。久しぶりに夢中になれました!

出典: bookmeter.com

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