ホイッスル!(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ホイッスル!』とは、1998年から2002年まで週間少年ジャンプに連載された樋口大輔によるサッカー漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。
主人公はサッカーが大好きな中学生、風祭将。
身長が低く足も速くない、サッカーにおいて決して恵まれた体格でもなければ、ボールを扱う技術が高いわけでもない。そんな彼には誰にも負けない強みがあった。
彼のひたむきで一生懸命な姿に周囲が巻き込まれていく。
サッカーを通して少年達が選手としてだけでなく、人間としても成長していく姿を描いた作品である。

『ホイッスル!』の概要

『ホイッスル!』とは、1998年から2002年まで週間少年ジャンプに連載された樋口大輔によるサッカー漫画、およびそれを原作としてアニメ作品である。
2003年にはPlayStation用ソフト、ゲームボーイアドバンス用ソフトも発売され、
また、2016年には舞台『ホイッスル!BREAK THROUGH-壁をつき破れ-』も上演されている。
サッカー強豪校である武蔵森学園中等部から桜上水中学校に転向生としてやってきた風祭将(以下、将とする)。彼は幼少期からプロサッカー選手を夢見るサッカーを愛する少年だ。中学校受験でサッカー強豪校である武蔵森学園中等部への入学を見事果たすも身長が低いことを理由に雑用を命じられ、大好きなサッカーができない毎日。ついにはサッカーが出来る環境を求め、サッカー弱小校である桜上水中学への転校を決意する。
ひたむきに頑張る将を中心に、サッカー少年達が選手としてだけでなく、人間としても成長していく姿を描いた作品である。

本作は大きく2部構成になっており、前半は桜上水中学校サッカー部での活動について、後半は東京都選抜としての活動について、それぞれ描かれている。

『ホイッスル!』のあらすじ・ストーリー

桜上水中学校編

サッカーが大好きな中学2年生、風祭将。
桜上水中学校への転校初日、彼はいつものように自宅で身長を測っていた。
『変化なし』そう呟くと登校の準備を進めるのだった。
将は兄の風祭功と二人暮らし。
登校前、功は将に『今度はサッカーできるといいな』と声をかけ、それに対して『うん』と力強く返事をして家を出る将。

将はサッカー強豪校である武蔵森学園中等部に入学を果たすも身長が低いことを理由に雑用を命じられ、大好きなサッカーができない毎日が続いた。そこで、サッカーが出来る環境を求め、桜上水中学校への転校を決意したのだ。

転校初日

桜上水中学校転校初日、誰もいないグラウンドでボールを蹴る将とそのを様子を見る水野。

転校後、サッカー部に入るも決してサッカーが上手なわけではない将。入学当初は「武蔵森学園中等部からの転校生」という周囲が彼に抱く期待と実力のギャップに苦しむが、持ち前の一生懸命さで練習を重ねるうちに周囲からも認められ、次第に環境に溶け込んでいく。

そんな練習の虫である将の練習場所は河川敷。部活以外の時間は河川敷で練習している。テレビを持ち込み、世界のスター選手の映像を見ながらボールを蹴るのがいつものパターンだ。河川敷でテレビを見るためには電源が必要。将をサポートしているのは河川敷で屋台を営むおでん屋の店主、通称「おやっさん」だ。強面だが、河川敷で練習を重ねる将を見て、将をサポートすることになる。

河川敷での練習風景

将はこの河川敷で猛特訓を重ねている。おでん屋のおやっさんとの出会いもこの河川敷だ。

桜上水中学校サッカー部は2年生以下で構成されている。中心は水野竜也(みずのたつや)と佐藤成樹(さとうしげき)、不破大地(ふわだいち)。そしてチームを指揮する監督は松下左右十(まつしたそうじゅう)だ。3年生が在籍していないのは、将が入学したタイミングで水野が3年生に対して退部を懸けた勝負を挑み、勝利した背景がある。

桜上水中学校サッカー部

桜上水中学校サッカー部の中心4名。
真ん中:風祭将(FW)
2段目:水野竜也(MF)
3段目:不破大地(GK)
4段目:佐藤茂樹(FW)

水野はチームのキャプテンであり、エース番号10番を背負うクールな男。
彼は武蔵森学園中等部の監督の息子で、武蔵森学園中等部の入学試験に合格するも入学を辞退。父を見返すため、桜上水中学校で打倒武蔵森学園中等部を目指している。

佐藤は謎多き金髪ロン毛。関西弁を話す。周囲からはシゲの愛称で親しまれる。運動神経抜群でズバ抜けたサッカーセンスを持つ彼は、当初ゴールキーパーをしていたが、不破の入部によりFWに転向。攻撃の軸として将とコンビを組んでいる。

不破は頭脳派のGK。中学校内では「クラッシャー」と呼ばれる。論理的に相手の精神面を破壊することが由来だ。サッカーは未経験だが、将と出会ったことでスポーツの楽しさや相手を思いやる気持ちを知り、サッカーにのめり込んでいく。

松下は元々プロサッカー選手として活躍していたが、後輩を引退に追い込んでしまったことを後悔し、自らも引退。その後は怠惰な生活をしていたが、熱烈なアプローチによって監督に就任する。

水野を筆頭に桜上水中学校はサッカー強豪校として知られる武蔵森学園中等部を倒すことを目標に掲げている。そんな武蔵森学園中等部サッカー部の中心は渋沢克郎(しぶさわかつろう)、藤代誠二(ふじしろせいじ)、間宮茂(まみやしげる)だ。そして、チームの指揮を執るのは水野の父桐原総一郎(きりはらそういちろう)だ。

武蔵森学園サッカー部

武蔵森学園サッカー部2枚看板である渋沢克郎と藤代誠二。
2段目:渋沢克郎(GK)
3段目:藤代誠二(FW)

※一段目は桜上水中学校サッカー部の不破大地(GK)

渋沢はGKであり、チームをまとめる頼れる3年生キャプテン。世代別日本代表にも選ばれたこともある超中学生級の選手だ。誰からも慕われる彼は将や不破など桜上水中学校サッカー部にも影響を与える存在だ。

藤代はチームのエースストライカー。渋沢と共に世代別日本代表にも選ばれたこともある。
渋沢と並び、武蔵森学園中等部の2枚看板としてチームを支える。人懐っこい性格で誰とでも分け隔てなく、コミュニケーションを取れる彼は渋沢同様、桜上水中学校サッカー部に影響を与える存在だ。

間宮は通称マムシと呼ばれるボランチの選手。マンマークを得意とし、地味な役割ではあるが、相手を苦しめる武蔵森学園中等部の影の立役者だ。

打倒武蔵森学園中等部を掲げる桜上水中学校だが、その目標を果たすためにはまず、都大会に出場しなければならない。都大会に出場するためには、地区大会で決勝戦まで勝ち上がらなければならない。決してサッカーエリートが揃っているわけではない桜上水中学校にはとても高い目標に思えるが、将を中心にチームワークが生まれ、大会を勝ち進み、いよいよ地区大会決勝戦まで駒を進め、都大会への切符を手にする。

藤代との会話

将と藤代の会話。
武蔵森学園中等部は地区大会免除のため、桜上水中学校が打倒武蔵森を叶えるためには地区大会を突破しなければならなkった。藤代は桜上水中学校に期待を寄せていた。

地区大会決勝の相手は飛葉中学校。
飛葉中学校は創部してまもないチームであり、過去のデータはない。しかしながら、決勝戦まで勝ち上がってきたパフォーマンスは高く評価され、武蔵森学園中等部の監督(水野の父)、渋沢、藤代も決勝戦を観に来るほどだ。
そんな飛葉中学校の中心は椎名翼(しいなつばさ)、黒川柾輝(くろかわまさき)、畑五助(はたごすけ)、畑六助(はたろくすけ)、井上直樹(いのうえなおき)の強力DF陣だ。そして、指揮を執るのは女性監督西園寺玲(さいおんじあきら)だ。

飛葉中学校サッカー部

飛葉中学校の強力DF陣。
1段目真ん中:椎名翼
2段目右:黒川柾樹 2段目左:井上直樹
3段目右:畑五助 3段目左:畑六助

椎名はチームのキャプテンであり、センターバック。小柄ながらクレバーなプレーを武器にもう1人の監督のような存在感を放つ。飛葉中学に転向でやってきたのち、サッカー部を自ら立ち上げた。運動神経に優れ、サッカー経験があるにもかかわらず、ヤンチャに明け暮れていた黒川、畑兄弟、井上らをサッカー部に入部させた。

黒川は椎名の側近としてチームを支えるウイングバック。運動量豊富なプレーが特徴だ。

畑兄弟は兄の五助、弟の六助共にストッパーとしてチームを支える。二人とも体格が良く身体能力を活かしたプレーが特徴だ。

井上は黒川と反対サイドにウイングバックを担う。他のプレイヤーに比べ技術は劣るが情熱を武器にした熱いプレーが特徴だ。小学生の時にシゲとサッカー勝負をして負けたことを根に持っている。関西出身で関西弁を話し、シゲ同様金髪なのも特徴だ。後にシゲに大きな影響を与えることになる。

西園寺はかつて元日本女子サッカーリーグの選手として活躍した。椎名のはとこにあたる。飛葉中学で指揮を執るが、東京都選抜の選考にも関わっているという噂が囁かれている。

試合序盤は椎名率いる飛葉中学校の固い守備に歯が立たない桜上水中学校だったが、将のポジションにこだわらない運動量をきっかけにして試合はどちらに転ぶかわからない熱戦に。最終的には桜上水中学校が飛葉中学を下し、地区大会優勝で幕を下ろすことになった。
この試合前に椎名から「打倒武蔵森なんて小さい目標、世界を目指せよ」と言われた将は新たな目標を手にするのだった。そして、飛葉中学校の監督である西園寺は粗削りながらも魅力を放つ将のプレーに目を見張るものを感じるのだった。

その後、都大会に出場した桜上水中学校だったが、武蔵森学園中等部と対戦ならず、3回戦敗退。武蔵森学園中等部が優勝を果たすことになる。

東京都選抜編

東京都選抜は文字通り東京都の中学に通う中学生を対象にした選抜チームだ。
東京都選抜を率いるのは尾花沢監督。また、コーチとして飛葉中学校の監督である西園寺が脇を固める。
飛葉中学校との試合で西園寺の目に留まった将は東京都選抜の選考会合宿に召集される。
桜上水中学校からは将の他、水野、不破も召集されることになる。シゲはケガを案じた松下監督の意向により、辞退となった。
その他も飛葉中から椎名を筆頭に黒川、畑兄弟。そして、武蔵森学園中等部からは渋沢、藤代、間宮等が招集された。
このような実力者ばかりが招集された厳しい選考レースに戸惑いを隠せない将。
将と同じFWとして注目されているのは大型長身でヘディングが得意の鳴海貴志(なるみたかし)、U-14代表にも選ばれるユースのエリート組としてMFの郭英士(かくえいし)、若菜結人(わかなゆうと)と共に選出されている真田一馬(さなだかずま)、将とも親交があり、練習試合で対戦経験もある大柄でありながら足下のテクニック、強烈なシュート力が武器の天城燎一(てんじょうりょういち)、足の速さは合宿最速の小岩鉄平(こいわてっぺい)、そして言わずもがな藤代だ。
合宿期間中、同部屋で過ごすことになったのは同じFWでライバルの小岩と高いキック精度が武器のMF杉原多紀(すぎはらたき)だ。杉原はユース組である郭をライバル視している。2人とは良きライバルとして、そして良き友人として互いを支え合いながら選考会を乗り越えていく関係性だ。将は彼らからも沢山のことを学ぶことになる。

東京都選抜選考会の風景①

東京都選抜選考会も佳境を迎える。
選考会最終日を控え、ライバル達が火花を散らしている。
上段左:天城燎一(国分第二中学校・FW)
上段右:不破大地(桜上水中学校・GK)
下段:鳴海高志(明星中学校・FW)

東京都選抜選考会の風景

東京都選抜選考会の最終日は試合形式の選考会。
交代した者から合格になるサバイバル形式のなか、将は残ることができるのか。

いよいよ選考最終日。GK、DF、MF、FWの各ポジションで競争が激化するなか、最終日前夜時点では、将は合格に値する評価を得ることができていなかった。しかしながら、生き残りを懸けた最後の試合形式の選考でアピールに成功。補欠というかたちではあるが、ライバルらと共に見事、東京都選抜に選ばれるのだった。

その後、尾花沢監督の入院に伴い、西園寺が新監督に就任。西園寺指導のもと、選抜チームが始動することに。補欠としてメンバーに選ばれ、なかなか活躍の機会は与えられない将と小岩だが、高校生との練習試合や韓国への遠征を経て、徐々に自身の序列を高めていく。将の成長に反比例して、焦りや戸惑いによって精神的な壁にぶつかるメンバーもいるが、選手としてだけでなく人間として成長していく東京都選抜メンバーなのだった。

韓国遠征

韓国遠征の一コマ。
これまで周囲と上手く溶け込めていなかった水野も東京都選抜の10番として信頼される存在となる。
この韓国遠征をはじめ、試合や練習を通してバラバラだった東京都選抜も少しずつまとまりを見せる。

いよいよ東京都選抜の集大成となる大会が開催される。それはナショナルトレセンだ。ナショナルトレセンとは北海道、東北、東京都、関東、東海、北信越、関西、中国、四国、九州と全国各地の選抜メンバーが一堂に会する育成を目的としたプログラム。数日間の合同練習の後、プログラムのメインは各地選抜チームによるトーナメント形式の大会だ。

45km199
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