涅ネム(BLEACH)とは【徹底解説・考察まとめ】

涅ネム(くろつち ねむ)は、久保帯人によって『週刊少年ジャンプ』で連載されていた『BLEACH』の登場人物で、護廷十三隊十二番隊副隊長。同隊隊長の涅マユリによる改造魂魄計画・眠(ネムリ)によって生み出された被造死神である。主のマユリに従順で感情は見せなかったが、尸魂界に侵攻してきた見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)のペルニダとの戦闘において、自らが盾となってマユリを庇い、大脳以外すべて食い尽くされてしまった。その後、大脳を回収したマユリの手によって眠八號として幼い新個体となって復活した。

涅ネムのプロフィール・人物像

性別:女性
一人称:私
所属:護廷十三隊・十二番隊副隊長 兼 女性死神協会理事(副会長代理)
出身:技術開発局
身長:167cm
体重:52kg
誕生日:3月30日
斬魄刀:不明(未登場)
趣味:実験
特技:人体実験
好きな食べ物:秋刀魚
嫌いな食べ物:ネギ
休日の過ごし方:瀞霊廷通信を隅々まで読む

CV:釘宮理恵

涅ネム(くろつち ねむ)は護廷十三隊・十二番隊副隊長、女性死神協会の理事を務めており、同隊隊長の涅マユリの改造魂魄計画・眠により生み出された被造死神である。身体能力は極めて高く、性格はおとなしくマユリに従順である。千年血戦篇までは、マユリからの暴力や、敵もろとも斬られるなど、理不尽な命令にもすべて従っていた。マユリから血液を与えてもらって作られたため、マユリの娘とされている。眠計画では壱號から順に作られ、六號まで研究が上手くいかなかったが、七號であるネムが初めて劇的な成長を見せて研究が成功した。千年血戦篇の見えざる帝国・星十字騎士団(シュテルンリッター)のペルニダ・パルンカジャスとの戦いの中では、マユリが命令していないにも関わらず、マユリを守るためにネム自身の考えで行動し、マユリを攻撃から守った。マユリはなぜ命令してないのに加勢したのかネムに問うが、ネムは「わかりません」となぜその行動に至ったのか自覚していない。これまでの戦いでは、マユリが命令することで戦闘に加勢し、マユリがネムに教えることでネムの知識としてインプットされていた。しかし、黒崎一護たちや破面等との戦闘を数多く経験することにより、ネム自身で勝手に学ぶことができるようになるまで成長していたことが明らかとなる。マユリと共闘し、ペルニダとの戦闘になるが、ペルニダに大脳以外を食い尽くされてしまう。見えざる帝国との戦いから10年後、マユリが回収した大脳とこれまでの研究により、新たな眠計画の個体・眠八號として再び登場した。年齢は幼児~小児相当である。

涅ネムの能力

所持する斬魄刀については原作でも未登場であり、公式ファンブック『BLEACH 13BLADEs.』でも不明とされている。斬魄刀戦術の最終奥義・卍解は未習得のようで、原作では登場しない。卍解は斬魄刀始解時の5倍から10倍の戦闘能力が出せるが、奥義というだけあってその習得は難しい。護廷十三隊副隊長以下の席官で卍解を習得しているものは数名しかいないとのこと。

涅ネムの必殺技

義魂重輪銃(ぎこんじゅうりんじゅう)

見えざる帝国のペルニダ・パルンカジャスとの戦闘の中で使用した技。自身の魂魄の6%を消費して直接敵に打ち込んで破壊する。

涅ネムの来歴・活躍

原作では十二番隊副隊長を務め、マユリの登場シーンに合わせて登場していた。千年血戦篇まで戦闘するシーンは見られなかったが、マユリとの掛け合いなどで存在感を出していた。

涅ネム(眠七號)の誕生

幼少期の涅ネム(眠七號)

涅ネムは、無から新たな魂を作るという全死神の夢を叶えるための被造魂魄計画(通称・眠計画)により生み出された、被造死神である。ネムは眠計画の七個体目・眠七號(ネムリななごう)が正式名称であり、自身の娘としてマユリがネムと名付けた。眠計画では一號から三號まで立て続けに失敗し、四號で初めて脳髄が完成した。その次の五號は胎児まで成長し、マユリはこの技術を応用して自身の斬魄刀を改造し、相手の四肢の自由を奪う能力を有する疋殺地蔵(あしそぎじぞう)を作ったとされている。その後、六號は2歳相当まで成長したが、細胞分裂を起こさずに亡くなっている。これが被造魂魄細胞の寿命であるとされていたが、ネムの脳下垂体に被造魂魄細胞の細胞分裂の限界を突破するための加速器官を埋め込み、大脳で制御しながら脳下垂体の加速器官を暴走させて細胞分裂させることで、劇的に成長する七號であるネムを誕生させた。寿命を超えて七號が成長したときのマユリの喜びようは半端ではなかったと、後に同隊三席の阿近(あこん)が幼少期のネムに話している。このことからも、ネムはマユリにとっての最高傑作としている。また、千年血戦篇の中で、ネムが自ら成長して進化する魂魄になっていたことも含め、浦原を超える研究が成功したことをマユリは喜んでいる。

なお、無から新たな魂を作るという夢は全死神の夢ではなく、マユリの夢とされている。もし被造死神が完成した際には、起きたまま夢を見ている(=夢が叶う)という皮肉から、眠計画とマユリ自身が名付けている。そして最高傑作のネムが完成し、そのネムが日々何かを学び、成長していくことで夢が叶ったマユリはずっと夢の中におり、それをネムに悟られるのが恥ずかしいため、眠七號とは呼ばず、ネムと呼ぶのではないかと、阿近の口から話されている。

尸魂界篇

尸魂界篇では、処刑執行される朽木ルキアを助けるため、現世から瀞霊廷内に侵入した黒崎一護の仲間・石田雨竜の前に涅マユリと共に登場した。雨竜との戦闘においては、マユリの攻撃をサポートするため雨竜を捕らえた状態で一緒にマユリに斬られるなど、異常な従順さが描かれていた。その際に斬られた傷により、機能が維持できなくなるため、身体の一部を再生させる補肉剤(ほじくざい)を投与してもらえないかマユリに懇願するが、その程度の傷でマユリが作ったネムの体が動けなくなる訳がないと、かえって逆上したマユリから暴行を受け、戦闘から離脱する。その後、雨竜の滅却師(クインシー)としての能力が消滅するほどの一撃により、負傷したマユリが逃走。マユリの卍解状態の斬魄刀・金色疋殺地蔵(こんじきあしそぎじぞう)の能力により、毒を浴びた雨竜に解毒剤を与え、マユリを殺さないでくれたことへのお礼を告げる。直に駆けつける十二番隊の隊員からも逃げるよう言い、侵入者である雨竜を逃がす。藍染惣右介、市丸ギン、東仙要らの謀反を聞いた後も、(駆けつけるか)どうするかをマユリに尋ねるが、興味がないと発言したマユリに従う。

破面篇

詳細な描写は無いが栄養を注入され復活するネム

破面篇では、現世と尸魂界の狭間にある虚圏(ウェコムンド)に涅マユリと共に登場した。破面とは、死神と虚(ホロウ)両方の能力を有する虚のことで、浦原喜助が生み出した崩玉(=死神と虚の境界線を取り払うもの)を藍染惣右介が使用し、数多くの破面達が作られた。破面の中でも戦闘能力の高い上位10体が順に数字を与えられ、彼らは総称して十刃(エスパーダ)と呼ばれている。なお、藍染率いる破面(アランカル)達は、虚圏にある宮殿のような建物の虚夜宮(ラスノーチェス)に住んでいる。虚圏では、石田雨竜と阿散井恋次が第8十刃(オクターバ・エスパーダ)のザエルアポロ・グランツに苦戦する中、交代する形でマユリとネムが参戦した。ザエルアポロは敵と同じ体内構造をした人形を作り出し、その人形の体の一部を破壊すると、同期してその人形の元となった敵の体の一部を破壊することができる。マユリとネムは、そのザエルアポロの能力により、ザエルアポロを油断させるため負傷したフリをしていたが、能力が効いておらず、またマユリにより馬鹿にされたことに腹を立てたザエルアポロにネムが捕らえられる。マユリはネムが捕らえられた状態であったが、卍解状態の斬魄刀・金色疋殺地蔵(こんじきあしそぎじぞう)により、ザエルアポロに毒を浴びせる。ザエルアポロは毒を回避するためネムの体内に自身を産み付け、ネムの栄養や霊圧すべてを奪い、復活。ネムは干からびたような状態になり、戦線離脱となる。その後、ザエルアポロに勝利したマユリにより、青年漫画のような音を立てて栄養を与えられ、干からびた状態から復活する。

ザエルアポロとの戦闘の後、現世(空座町)の壊滅を企てる藍染が虚圏と現世を行き来するための黒腔(ガルガンダ)と呼ばれる道を封じた。これにより護廷十三隊員や黒崎一護たちは虚圏に閉じ込められることになったが、マユリがザエルアポロの研究室から黒腔の解析データを収集したため、黒腔を開くためのエネルギー(恐らく霊圧)をネムが提供し、一護を現世へと送った。

千年血戦篇

滅却師の一団・見えざる帝国の星十字騎士団が尸魂界を襲撃する中、護廷十三隊の居る瀞霊廷が一瞬でかき消される。千年もの間、死神が最も警戒していなかった瀞霊廷の影の中に霊子空間を作り、瀞霊廷の影にできた見えざる帝国を表在化させることで瀞霊廷を消したのである。見えざる帝国は影の中に作られているため、影がなければ消されないことを察知した涅マユリとネムは、全身ピカピカに輝く、影を作らないスーツに身をまとって登場した。マユリとネムが居た研究室も、影をすべてなくしたために消されずに済んでいる。護廷十三隊と星十字騎士団の戦闘が行われる中、滅却師の始祖・ユーハバッハは霊王を殺害し、自身の体内に取り込む。霊王とは、世界の均衡を維持する尸魂界の絶対的な存在であり、瀞霊廷の遥か上空にある霊王宮に住んでいる。霊王を取り込んだユーハバッハは、霊王宮も自身の力によって新たな城に作り替えてしまう。後にユーハバッハは、霊王宮を作り替えた新たな城を真世界城(ヴァールヴェルト)と名付けている。ユーハバッハおよび見えざる帝国を壊滅させるため、真世界城に黒崎一護たち旅禍と、護廷十三隊隊士が同時に到着する。この時、マユリ、ネム、十一番隊隊長の更木剣八、三席の班目一角、五席の綾瀬川弓親らは別行動を取り、真世界城の別の地点に到着する。そして到着してすぐ、見えざる帝国・星十字騎士団の一員、ペルニダ・パルンカジャスと出会い、戦闘となる。ペルニダは霊王の左腕であり、自身の神経を敵の体に潜り込ませて、強制的に動きを制御する能力を持つ。星十字騎士団のメンバーは、ユーハバッハから聖文字(シュリフト)と呼ばれる、A~Zのアルファベット1文字で始まる能力を与えられる。ペルニダは強制的に相手の動きを制御することから、頭文字Cの強制執行(The compulsory)の聖文字を与えられている。なお、霊王の左腕の形をしたペルニダの五本の指のうち、切断された指は新たな左腕となって分身が作られる。

最初は能力を見せないペルニダに、真っ向から剣八が斬りかかるが、ペルニダの能力により神経を打ち込まれ、剣八の右腕が折り畳まれる。このままだと全身が折り畳まれると咄嗟に判断した剣八は、自身の右腕をもぎ取る。マユリは能力がわからないペルニダに挑む剣八を制止するが、剣八は聞く耳を持たず、再度ペルニダを斬ろうとする。これによって次は両足を折り畳まれる剣八に対し、マユリは自身の斬魄刀・疋殺地蔵により剣八の四肢を麻痺させ、剣八の動きを封じる。麻痺によって剣八の両足が折り畳まれなくなったことから、マユリはペルニダの能力が神経に由来するものであると気づき、マユリは新たに改造した卍解を使用してペルニダと戦闘する。新たに改造したマユリの卍解は、戦闘の中でマユリが得た情報を元に、それに対応した疋殺地蔵を産みだすことが出来る。この方法により、七万の神経層を持つことでペルニダの神経攻撃を七万回無効にできる疋殺地蔵を産みだし、疋殺地蔵にペルニダ本体(指を2回もがれ分身が別に2体おり、計3体のペルニダがいる)を丸呑みさせ殺そうとする。しかし、疋殺地蔵が内部から爆発し、ペルニダが生きていたことにマユリは驚く。そして剣八と戦っていた当初、言葉も発することが出来なかったペルニダは戦闘の中で進化し、知能が高くなっていることにマユリは気づく。最初は神経や滅却師の矢で単調に攻撃していたペルニダも高度な攻撃を行うようになり、ついには神経でつないだ滅却師の矢を操作してマユリを襲う。空中で身動きが取れず、確実に矢が刺さると認識したマユリであったが、刺さる寸前のところでマユリが命令をしていないにも関わらず、ネムが盾となってマユリをかばい加勢する。マユリはなぜ命令してないのに加勢したのかネムに問うが、ネムは「わかりません」となぜその行動に至ったのか自覚していない。これまでの戦いでは、マユリが命令することで戦闘に加勢し、マユリがネムに教えることでネムの知識としてインプットされていた。しかし、黒崎一護たちや破面等との戦闘を数多く経験することにより、ネム自身で勝手に学ぶことができるようになるまで成長していたことが明らかとなる。そしてこの時、原作で初めてマユリがネムのことを「眠七號」と呼び、ネムはこの名前で呼ばれたことに驚きを見せる。なお、この時マユリはネムに死んでほしくないという想いから、ネム自身の判断で行動してはならないこと、マユリの命令以外で死んではならないと叱りつける。

ネムがマユリに加勢した元々の理由は、ペルニダとの戦いで負傷したマユリの腕を修復するため、補肉剤をマユリに手渡すためであった。マユリは、いつも出撃の際に必ず薬品棚から補肉剤を持っていくが、今回の見えざる帝国との戦いではマユリが補肉剤を持っていかず、マユリの感情に何らかの変化があったことをネムが察知し、代わりに補肉剤を持って出ていた。マユリはそんなネムを気味が悪いと言いつつも、次なる作戦でペルニダを倒すため、ネムと共闘する。ネムが加勢する前、ペルニダを斬ると血液が流れたことから、神経で操っている矢を無力化させて血液凝固剤を打ち込み、血液を凝固させて殺すことをマユリは計画する。そして、マユリが麻酔薬を散布しながら神経で繋がれた矢を無力化し、ネムが矢を通じて血液凝固剤をペルニダに打ち込むことに成功し、2体のペルニダの分身を殺すことに成功する。しかし、知能が高くなっている本体のペルニダは、危険を察知して凝固した指を自ら切り落とした。この時、ペルニダが剣八のような話し方をしていたこと、そして剣八がペルニダにより折り畳まれた右腕の危険を察知して右腕をもぎ取っていたことから、ペルニダは神経を流し込んだ敵の情報を吸い出すことができる能力も持っていることにマユリが気づく。剣八のレベルまでペルニダの神経のレベルが進化していれば、ネムが攻撃を躱しきれないとすぐに察したマユリであったが、時すでに遅く、ペルニダは先に爆発させたマユリの卍解の能力を使いながら、マユリとネムに攻撃を始めた。

戦いの最中、眠七號が誕生した回想シーンが描かれ、ネムは自身がマユリの最高傑作であり、今よりも更に進化できることを改めて認識する。そして、自身の肉体が組織崩壊する0.8%手前のレベルまで力を引き出し、マユリを飲み込もうとするペルニダを貫いてバラバラにするが、ペルニダは分身せず再び1体に戻る。マユリはネムの進化した力に驚き、そしてまた命令をしていないにも関わらず飛び出したネムを責めようとする。しかし、ネムは命令ではなくマユリを守るという使命で動いていると答える。マユリはネムの使命は成長だと言うが、ネムはマユリを守ることでその成長を体現できると答え、マユリが初めてネムに言い負かされる。ネムは自身の魂魄を消費して打ち込む義魂重輪銃により、ペルニダをバラバラにするが、粉々になったペルニダの各々の指が分身となり、神経をネムに打ち込む。神経を多方から打ち込まれたネムの体は爆発し、バラバラにされてしまう。マユリは娘であり、最高傑作であるネムが爆発してしまったことに絶望した。しかしその刹那、夢の中でマユリを見下すように、ザエルアポロが現れ、マユリの目を覚まさせて現実に引き戻すのだった。マユリはネムの研究を今後も継続するため、ネムの大脳だけを回収する。ネムの脳下垂体には、被造魂魄細胞の細胞分裂限界を突破するための加速器官が埋め込まれており、ネムの大脳でこの器官を制御しながら細胞分裂させることで問題なく成長させている。したがって、ネムの脳下垂体の加速器官は、大脳による制御がなくなると、過剰な細胞分裂を起こし続けてしまう。マユリはこれを逆手に、ネムの大脳以外の組織をすべてペルニダに食べさせることで体内で過剰な細胞分裂を起こさせ、ペルニダを爆発させ戦いに勝利する。

眠八號の誕生

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