受験生の必読書?源氏物語の2大漫画『あさきゆめみし』と『まろ、ん?』

日本で最も有名な古典文学、源氏物語。
でもなかなか読めない、難しい、わからない。そんな悩みを解決します!

なぜ源氏物語を漫画で読む必要があるのか?

源氏物語は大学受験でよく出題される題材です。また受験に関係なくても、学校の授業で必ず学びます。(ということは定期テストの範囲になったり課題になる可能性が高いということです)
しかし内容を理解しようとすると、とにかく人間関係が複雑で、話自体が長い。おまけに当時の貴族の暮らしや文化の知識も必要とくるので、なかなか自力で理解するのは難しいです。
そこでヴィジュアル化することで登場人物や物語の展開を把握しやすくなります。
これが、源氏物語を漫画で読む理由です。

では、何を読んだらいいか。
世の中には源氏物語を漫画化した作品がたくさんあります。
しかし玉石混交です。残念ながら登場人物の描き方が魅力的でないために途中で読むのをやめてしまったり、説明を端折りすぎて逆に理解しにくいということがあります。
そこでこれを読めば間違いなし!の漫画を2つ紹介します。

王道の少女漫画『あさきゆめみし』

昔からよく名前を挙げられるのが、この『あさきゆめみし』(大和和紀)です。
いかにも少女漫画という画風なのできらきらした絵が好みでない方や男の子は抵抗あるかもしれませんが、当時の貴族の感性を理解することができ、また建物の構造や貴族の着物を視覚的に認識できることは大きなメリットです。
当然複雑な人間関係やストーリーの理解の手助けにもなります。ですから、この漫画を読み終わってから問題文(だいたい限定されたワンシーンです)を読んでみると、「ああ、これがあのシーンか、ということは登場人物はこの人とこの人だな」とぴんときて推測できるので本文を読むのがぐっと楽になります。

桐壺帝と桐壺更衣が出会うシーン。源氏物語本文にはこのようなセリフは出てこない

ただ一方で、デメリットもあります。
それは、時々作者の大和和紀さんの創作したシーンが入ることです。つまり原文には無い場面やセリフが登場することを意味します。
たとえば、第1巻で桐壺更衣(光源氏の実母)と桐壺帝(光源氏の実父)の出会いは描かれていますが、これは原文にはありません。
おそらくこういった創作は漫画作品としての質を高めるためであったり、読み手にわかりやすくするために成されていると思われます。
したがって『あさきゆめみし』に描いてあることがすべてだ、と思い込んでしまうと原文よりも情報量が増えてしまいます。

源氏物語漫画の革命児、『まろ、ん?』

このとぼけた栗が光源氏

先程挙げた『あさきゆめみし』とは対照的に、イラストがシンプルで割と男の子が手にとりやすい漫画です。
『まろ、ん?』が革新的なところは、
①4コマ漫画でストーリーを説明している
②一冊で完結している
③光源氏を栗にしている
です。

それぞれの特徴について利点をわかりやすく補足説明します。
①…4コマにすることで単純な構成となりどんどん読み進めることができます。淡白にとにかく源氏物語の話の大筋だけを掴みたいという方にうってつけです。
②…他の漫画だと完結するまでに複数巻に渡ってしまう(そもそも源氏物語そのものがかなり長い)ので、飽きる前に読み終わることができます。
③…どれが光源氏かわかりやすいです。

残念な点としては、簡略化しすぎているということです。
だいたいのストーリーを追うことだけを目的とするならば充分ですが、『まろ、ん?』だけを読んで原文を読むと細かい部分がわからないといった事態が起こります。
また、早く読み終わってしまうため登場人物を忘れやすいという点も挙げられます。

まとめ

源氏物語の理解の手助けとなる漫画を2つ挙げました。
それぞれ一長一短なのでどちらが自分に合っているかということに尽きます。
最強手段は『あさきゆめみし』と『まろ、ん?』の両方を読むことです。
(私も実際両方読みました。意外と読めるものです)
また少々受験生を意識した紹介になってしまいましたが、もちろん大人の方が読んでも楽しめます。教養として源氏物語の概略を知るのもよし、純粋に漫画として楽しむのもよし、です。

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