【進撃の巨人】サムエル「全員立体機動に移れッ!!」【厳選名作SS】

進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。今回は普段影の薄いモブたちが格好良く活躍するSSです。モブ達の中には正直名前を聞いても誰だかわからないキャラも…。 最後にキャラ紹介を載せています。

347: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 13:56:20 ID:Tm99OmYE
ミーナ「…出てきなよ。信者さん」

ガサッ

信者1「女型の奴は逃がしたか…」

信者2「おさげちゃんの相手できるなんてラッキーだな。
ヒィヒィ言わせてやるよ」

ミーナ「あれ、もう1人は?
まさか逃げたわけじゃないよね」

信者1「裏切り者を逃がすと思うか?」

信者2「消耗した状態じゃ逃げきれないだろ。
女型も捕まえて一緒に楽しもうぜぇ」

ミーナ「…ダスト・トゥー・ダスト。
ゴミはゴミ箱へ捨ててあげないとね…」

349: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 17:38:18 ID:Tm99OmYE
信者1巨人「オオオオッ!!」

ドゴオォン!

ミーナ「…っ!ちょっとマズったかなぁ…」

ミーナは苦戦を強いられていた。
たかが知能巨人が二体。
それもアニほど手練れでもない。

普段のミーナなら瞬殺していただろう。

大きな力には反動がある。
アニとの戦いでミーナの体は限界を超えた。
通常の人間の体ではとても耐えられる動きではない。
ミーナとてそれは同じことだった。

酷使した肉体が徐々に悲鳴をあげ始めていた。

351: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 20:38:00 ID:Tm99OmYE
ミーナは自分のコンディション、ガスの残量を考えると短期決戦しか残されていなかった。

巨人の攻撃を掻い潜り、背後からうなじを狙う。

ミーナ「ハアアアッ!!」

ザンッ

ミーナの斬撃は巨人のうなじを削ぐことに成功。
しかしーーーー

352: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 21:05:22 ID:Tm99OmYE
ズキンッ

ミーナ「痛っ…!」

巨人1「ガアアッ!」

ミーナ(浅かった!?しまっ…)

ガシッ!

体の痛みで反応が遅れたミーナは、巨人の手を回避することができなかった。

ミーナ「あ…ぐっ…!」ギリギリ

信者2「ようやく捕まえたか。
随分と手間かかったがお楽しみタイムと行くか。
手離すんじゃねぇぞ」

354: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 23:37:27 ID:Tm99OmYE
ミーナ「…どうせ…エロい事でもするんでしょ…エロ同人誌みたいに…!」ギリギリ

信者2「その通りだ。
まずはその邪魔な服を…」グイッ

ミーナ「あっ…」

信者2「キツくて中々脱げねぇな…。
おー予想通りいい体してるじゃねぇか」

ミーナ「やめ…て…」

信者2「しかし邪魔なパーカーだな。
破いちまうか」

ミーナ「…アニの…」ビキッ

信者2「ほーら。ご開帳だ」ググッ

ミーナ「アニのパーカーに汚い手で触るなああああッ!!!」

356: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/25(月) 23:51:22 ID:Tm99OmYE
ドンッ!!

信者2「あ?」

信者2の目の前にいたミーナが突如消える。
同時に自分の手が消し飛んだ事に気付く。

信者2「あれ?俺の手ーーーー

ズバンッ!

一瞬。
信者2の体が細切れにされ、無惨に崩れ落ちる。

358: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 12:38:38 ID:Fnzl8KKs
ミーナ「ぐっ……ああああああッ!!!」ゴオッ!

信者1(なっ、なんだこの動き!?
信者2が一瞬で肉塊になっただと!)

ミーナは選んだ。

自分の体が壊れてもいい。
死んだって構わない。
親友に手をかけようとしたこの2人を許さない。

ミーナは再びリミッターを解除した。

359: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 12:54:07 ID:Fnzl8KKs
巨人1「オオオッ!!」ブンッ

ミーナの気迫にたじろぎながらも反撃にでる。

ズガガガガガッ!!

ミーナに向けた拳がミンチになる。

巨人1「ッ!?」

ミーナ「~~~ッ!!」ミシッ

ブレードを振る度に自身の筋肉が割ける音が聞こえる。
しかしミーナが止まる事はない。

歯を食いしばり巨人の首に一直線に突っ込む。

ミーナ(…このまま中身ごと首を…!!)バシュウウウ!!

360: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 12:59:48 ID:Fnzl8KKs
現実は残酷であった。

プシュッ

ミーナ「!?」ガクッ

体より先に限界を迎えたものがあった。
そうーーー
ガスの残量が底をついたのだ。

ミーナ「…あっ」

眼前に迫る巨人の口。
空中に投げ出されたミーナは身動きを取ることができなかった。

バクッ…

366: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 16:55:50 ID:Fnzl8KKs
アニ「ハァッ…ハァッ…!」

アニは出せる限りの速度で逃走を試みた。
しかし、ミーナとの戦いで消耗しきった体力は回復していない。
信者3との距離が徐々に縮まっていく。

アニ(巨人化する体力も無い…。
立体機動で奴を倒せる実力も無い…。
ここまでか…)

ガシッ

アニ「!!」

信者3「…ツカアエタ」ガパッ

アニの片足を掴み大口を開けて迫る信者3。

アニは抵抗する事も無く目を瞑った。

アニ「…ごめん、ミーナ」

醜悪な笑みを浮かべ、ゆっくりとアニを口へ運びーーー

ゴクン

アニを丸呑みした。

367: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 17:08:23 ID:Fnzl8KKs
信者3「…ゴチソウサマ」

「…まだデザートが残っとるでぇ」

信者3「!?」

仲間の元へ引き返そうした信者3は背後からの殺気に気付き振り向く。

ズバンッ!

信者3「オッ…ア…!」ズルッ…

振り向くと同時に胴体が切断される。
信者3は切断面に佇む1人の男に目を向けた。

モブリット「よっしゃ、まだ消化されてないみたいやな。
ギリギリセーフや」

アニ「……う…?」

モブリット「安心せぇ。今、あのゴミを片付けたるわ」

信者「ウ…ガアアッ!!」ブンッ!

上半身を崩れ落ちながらも、モブリット目掛けて拳を放つ。

369: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 17:27:40 ID:Fnzl8KKs
モブリット「おいおい。この子に当たってまうやろ」シュッ

ズバァァァッ!

モブリットの振り上げたブレードが信者3の拳を腕ごと裂く。
その切り口は肩まで届き、拳がモブリットにかすることは無かった。

タンッタンッタンッ

裂けた腕を伝い、モブリットは信者3の頭上高くまで跳びーーーー

モブリット「激甘スイーツ奢ったるわ。
残さず食べや」バシュウウウ!!

ザンッ!!

一刀両断。
信者3は土煙を巻き上げて沈んだ。

371: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 17:49:47 ID:Fnzl8KKs
モブリット「立てるか?
ベトベトやけど外傷はなさそうやな」

アニ「私は大丈夫…でもミーナが…」

モブリット「ミーナ?
あいつならこんな雑魚何匹いても平気…」

アニ「ミーナが化け物みたいに強い
のは知ってるよ…。
…でも別れ際のミーナは様子がおかしかったんだ」

モブリット「…おかしい…やと」

アニ「…なんか体を動かすのも辛そうだった。
それに服もボロボロに…」

モブリット「…まさか…!あのアホ…!」

アニ「お願いだ…ミーナを頼む…!」

モブリット「……任せとき」ビキッ

372: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 17:59:37 ID:Fnzl8KKs
モブリット「とりあえず嬢ちゃんはここにおるんや。
あとでトーマスに拾いに行かせたる。
ほな、また後でな」

ドンッ!!

アニ「うわっ!?
速っ…もうあんな所に…」

モブリット「粘れや…ミーナ」

ゴオッ!!

374: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 19:42:14 ID:Fnzl8KKs
ミーナ(…短い人生だったなぁ。
やりたい事もあったし、恋だってしたかった。
結局ダズには一度も勝てなかったし…。
ま、楽しかったからいいや。

アニ…絶対逃げ切ってね)

ミーナ「…皆、元気でね」

バクッーーーー

375: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 19:51:23 ID:Fnzl8KKs
信者1は勝利を確信し、ゆっくりと咀嚼する。

信者1(信者2はやられたが…まぁいい。
今頃、他の奴らも片付いた頃だろう。
合流して調査兵団を壊滅しに……ん?)

信者1は異変を感じる。
噛み殺したはずなのに血が出ていない。
それどころか口の中に何もいないことに気付く。

信者1(馬鹿な…!あの状態で回避など…)

「悪い。遅れてすまなかったな」

信者1「!?」

376: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 19:56:20 ID:Fnzl8KKs
ミーナが噛み砕かれる寸前、
信者1の眼前を高速で横切った者がいた。

信者1(なっ…!?一体どこから…)

ミーナ「…ごめん。もう死ぬかと思ったよ……。
もうちょっと早く来てよね。

ミリウス」

ミリウス「ヒーローは遅れてくるもんだ。
…後は任せときな」ニカッ

378: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 23:32:49 ID:Fnzl8KKs
ミリウス「ーーーウチのアイドルに手を出したらどうなるか思い知らせて…」

グシャッ!

ミリウス「えっ」

ミーナ「えっ」

突如、巨人の頭が消し飛ぶ。

モブリット「お、どうにか間に合ったみたいやな」

ミーナ「せ、先生…!」

モブリット「ミーナ…リミッター解除にはあれほど気をつけぇ言うたのに…ん?
ミリウス、こんな所で何しとるんや?」

ミリウス「…返せ」

モブリット「は?」

ミリウス「俺の見せ場を返せえええええ!!」

モブリット「うおっ!?」

379: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/26(火) 23:45:40 ID:Fnzl8KKs
モブリット「あー…今日で1番焦ったわ…。
いきなり襲ってこんでもええやろ…」

ミリウス「…だって…せっかくミーナをカッコ良く助けて…これからだったのに…」グスン

ミーナ「よしよし。ミリウスのおかげで助かったんだから。
ほら、元気出して。ね?」

ミリウス「…オーライ」グスン

ミリウス・ぜムルスキー

本気で忘れられるほどの屈指の存在感を持つ。
まさにモブの中のモブである。

実力はモブの中のでもそこそこ強い。

380: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 00:42:28 ID:/kgERjeE
ミリウス「ここに来たのはトムの指示ですり
ユミルを奪還したら直ぐにこっちに向かうように、と」

モブリット「お見通しってわけか。
…末恐ろしいやっちゃのう」

ミーナ「そうだ!アニは!?
ここへ来る途中で会いませんでしたか!?」

モブリット「安心せぇ。
追手を始末して避難させといたわ」

ミーナ「よかったぁ…」

モブリット「俺はとりあえず本隊に戻るで。
ミリウス。アニとミーナは任せるわ」

ミーナ「両手に花だよ。頑張って!」

ミリウス「今度こそ任せときな」

382: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 01:46:44 ID:/kgERjeE
壁内

ハンナ「…どうやらあなたが最後みたいよ。
何か言い残す事はある?」

巨人「ウ…ウ……ウオオオ!!」

ハンナ「クスッ…そんなに焦らないで。
直ぐにあなたも逝かせてあげる…」

ガシッ

ハンナ「あら?」

巨人はハンナの放ったアンカーを掴んだ。
偶然ではあったが、千載一遇のチャンスと感じた巨人はワイヤーを力いっぱい引き寄せたーーーが。

ギシッ

巨人「!?」

動かない。何故?
あの小柄な少女にそんな力があるはずがない。
引いても引いてもピクリと動かない。
巨人の頭によぎったイメージ。

それは山。

ハンナ「ふふっ。力比べかしら?
…いいわ。全力で来なさい」

384: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 12:09:17 ID:D4ygUxxo
巨人「~~~ッ!!」ギリギリ

力いっぱいワイヤーを引っ張る。
しかし、ハンナは微動だにしない。
踏ん張る様子も見せず、ただ片手でワイヤーを持っている。
それだけに見えた。

ハンナ「気は済んだかしら?
それじゃ…終わりにしようね」グイッ

巨人「!?」グオッ

釣り上げられた魚のように宙を舞う巨人。

これは夢か。
巨人の頭では理解できない事だった。

ズゥゥゥン…

385: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 12:20:12 ID:D4ygUxxo
ハンナ「さて…中身はどんな人かな…」

背後から聞こえる少女の声。
可愛らしい声には似合わぬ言葉。

信者は股間に生温かさを感じた。

グチャッ

ハンナ「んー…この辺かな?」グチャグチャ

巨人のうなじに手を突きたて、中身を掻き回す。

信者は無意識に肛門が緩んでしまった。

グチャッ…グチャッ…

…ガシッ

ハンナ「見ーつけた」ニコッ

ブチブチブチ…

ズル…

ハンナ「んー…フランツの方が断然かっこいいわね」

信者は体中の穴という穴から液体が溢れ出た。

386: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 12:23:05 ID:D4ygUxxo
信者「ご、ごめんなさい…許してくださ…」

ハンナ「聞こえないよ」ニコッ

信者「…ひっ」

グシャッ

387: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 12:27:52 ID:D4ygUxxo
ハンナ「制圧完了…。
早く撤退しないとね。
…あれ?フランツ…?
どこに行ったのかな…」

カンカンカンカン

ハンナ「撤退の鐘鳴っちゃったな…。
フランツったら…勝手にいなくならないでって言ってるのに」

388: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 12:41:48 ID:D4ygUxxo
壁内 某所

フランツ「……」

「フランツ。何処へ行くんですか?
もう撤退の鐘は鳴ってますよ」

フランツ「!…やあ。トム」

トム「こんにちわ。フランツ」

フランツ「悪いけど、僕は少し遅れるよ。
まだ仕事が残ってるんだ」

トム「それはいけない。
私も手伝いましょう」

フランツ「…大丈夫だよ。僕1人で充分さ」

トム「おや、そうですか?
参謀として聞きますが、その仕事の内容はなんでしょう?」

フランツ「…君は本当に厄介だね」

トム「…答えになってませんね。
命令です。仕事の内容を答えなさい。
いや…答えろ。
王政府直轄暗殺部隊兵長のフランツ」

389: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 12:53:44 ID:D4ygUxxo
フランツ「…いつから気付いていたんだい?」

トム「三年前。
あなたに出会った時から歳を重ねる毎に不自然に思いました。
最初は体格が良いだけだと思いましたが、確信に変わりました。
あなたの容姿が三年経っても一切変わっていないことに、ね」

フランツ「……」

トム「おかしいでしょう?
人間でいう成長期のはずなのに、変わらない体格。
あなたは人間ではありませんね?」

390: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 13:18:19 ID:D4ygUxxo
フランツ「…失敗したなあ。
やはり君は危険だった。
早いうち始末するべきだったよ」

トム「…今からでも遅くないと思いますが」

フランツ「…そうだね」

トム「…」

フランツ「でも今の君とやり合うと、僕も無傷じゃ済まなそうだ。
大人しく引き上げさせてもらうよ」

トム「…見逃すと思いますか?」

フランツ「…強がるなよトム。
手が震えてるじゃないか」

トム「…試してみますか?」

391: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 14:30:34 ID:D4ygUxxo
フランツ「…後悔しないでくれよ」バシュッ!

放たれたアンカーがトムの背後に突き刺さる。
同時にフランツがトムの首元にブレードを突きたてた。

トム「……!」バッ

咄嗟に体を反転させて回避。
しかしーーー

ドコッ!

トムの腹部にフランツの膝食い込む。

トム「…甘いですよ」

フランツの膝を掴みトムは直撃を防ぐ。

シュッ

フランツ「…っ!」ババッ

高速の斬撃がフランツを狙うも、難なく回避される。

トム「…掠っただけですか」

フランツ「…皮一枚。痛み分けさ」

トムは首、フランツは頬から血が流れ落ちた。

392: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 14:36:02 ID:D4ygUxxo
フランツ「…潮時かな。
それじゃ、また会おう」

トム「逃がさないと言ってるでしょう?」

フランツ「…折れた腕じゃ僕には勝てないよ」

膝を防いだトムの腕がだらりと下がる。

トム「…何のことやら分かりませんね」

フランツ「また今度相手してあげるよ。
じゃあね」

393: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 15:18:31 ID:D4ygUxxo
トム「…次は手加減しませんからね」

鐘の音が戦いの終わりを告げる。
人類は物的被害はあるものの、負傷が多数、死者は0という大勝であった。

397: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 16:58:04 ID:D4ygUxxo
数日後

ウォール教のクーデターによる混乱も次第に収まり、復興が進むに連れて壁内は徐々に活気を取り戻しつつあった。

ウォール教は壊滅し、王政への黒い繋がりも明るみに。
調査兵団や駐屯兵団による調査で上層部の人間が摘発され、事態は終結へ向かいつつある。
398: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 17:18:44 ID:D4ygUxxo
モブリット「よっしゃ、全員揃ったみたいやな。
そろそろ行くで」

トーマス「やべっ、煙草持ったっけ…」

ミリウス「禁煙するんじゃなかったのか?」

トーマス「俺の分じゃねぇよ」

ミリウス「ああ…そういうことか」

アンカ「ミーナ、まだ回復してないんだから無理するんじゃないよ」

ミーナ「…無理してでも行きたいんです。
行かなきゃ寂しがると思うし…」

アンカ「…そうか。あんたが1番長い付き合いだったね」

モブリット「さて…会いに行ったろか。
ナックの所へな」

399: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 17:24:25 ID:D4ygUxxo
巨大樹の森

トーマス「…よう。会いに来たぜ」

ミリウス「随分でかい墓だな…」

高くそびえる巨大樹には大きくこう刻まれていた。

最高の馬鹿野郎 ここに眠る

ーーーと。

400: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 17:59:24 ID:D4ygUxxo
ミーナ「あれ?あそこになんかあるよ?」

モブリット「…酒、やな」

トーマス「…あいつ…めんどくせぇとか言ってたくせに…」

ミリウス「こっちにも何かあるぞ」

アンカ「…始末書だな」

ミーナ「トムって…鬼だね」

モブリット「かっかっか!
あいつららしいわ!」

401: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 18:45:25 ID:D4ygUxxo
モブリット「ほなそろそろ戻るでー」

ミーナ「…はい」

アンカ「…巨人の気配がするな」

トーマス「…本当ですか?俺には何も……?
…いや、いますね」

モブリット「…せやな。
ぎょーさんおるわ。
ちと片付けてくるから、ミーナはここで待っとれや」

ミリウス「え?そんな気配はどこにも…」

トーマス「いいから行くぞ。おら」グイッ

ミリウス「???」

ミーナ「ちょっ、立体機動つけてないのに…」

モブリット「んなもんいらんわ。
留守番任せたで。
…ナックと2人でな」

ミーナ「…!」

402: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 18:47:58 ID:D4ygUxxo
ミリウス「で、巨人はどこにいるんですか?」

トーマス「お前なぁ…空気のくせに空気読めないってどうなんだよ…」

モブリット「アホやな」
アンカ「馬鹿だな」

ミリウス「えええ…?」

403: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 18:51:27 ID:D4ygUxxo
ミーナ「…ねぇナック。
私もっと強くなるから。
強くなってナックの記録抜くんだ。

そしたらさ…。
また、報告しに来るから。
…待っててね」

409: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 19:22:38 ID:D4ygUxxo
ここまで読んでくれてありがとう。

変な伏線張っといて続編は考えてないけど、モブ達の訓練兵時代とか考えてたり。

序盤と比べるとノリもダズの性格もブレまくっていて、続編書いて後悔した…。

後日談とか嘘予告とか、今夜投下できたらしようと思うからよろしくね。

414: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 23:36:42 ID:Ur75Ipzw
モブ達が訓練兵時代に起きた最大の試練。
巨大な壁にモブ達が挑む物語である。

迫り来る座学という狂気。

モブ達に立ち向かう術はあるのか!?

焦燥するサムエル!

サムエル「…マズイな。
自分の名前のスペルがうろ覚えだぜ…っ!」

聡明のミーナ!
ミーナ「立体機動の最高速度は…かなり速い…と」

ステルスミリウス!
ミリウス「教官!自分の分の用紙がありません!」

うっかりナック!
ナック「テストに筆記用具がいるだと!?
聞いてないぜ!」

415: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/27(水) 23:49:22 ID:Ur75Ipzw
苛立つトーマス!
トーマス「クソッタレ!ヤニ切れでおかしくなりそうだ!」

意外と頭が悪いトム!
トム「…見つからなければカンニングとは言わないのですよ」

問題外のダズ!
ダズ「立体機動がどれくらい速いか…
火照ったフッカーがエクスタシーに達するくらい…と」

刻一刻と迫りくる卒業試験!!
脳筋達は無事卒業できるのか!?

訓練兵時代編!
乞うご期待ッ!!

416: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/28(木) 00:10:43 ID:H6rhOUeo
後日談

ダズ「…マスター。おかわりだ」

トム「まったく…飲み過ぎですよ」

ガチャッ

モブリット「おっ、トムとダズやん」

トム「どうも」

モブリット「トム。腕どうしたんや?」

トム「フランツとやり合った時に…。油断しましたよ」

モブリット「…フランツか。次やったら勝てるんか?」

トム「そうですね…フランツも実力の半分も出してなかったみたいですから。
勝率は二割程度…ですかね」

モブリット「…それほどやったか。
流石は王政府の隠し球ってとこやな」

ダズ「…俺がやるよ。先生」

モブリット「おいおい…どういう風の吹きまわしや?」

ダズ「…てめぇのラマンを泣かせたからな」

トム「ハンナ…ですか」

417: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/28(木) 00:21:41 ID:H6rhOUeo
モブリット「ハンナはどうなん?」

トム「直後は取り乱しましたが…
今は落ち着いてますが何とも言えません」

モブリット「また暴走されたら敵わん。
今度は街が消し飛ぶかもしれんで」

ダズ「…させねぇよ。
レディが泣いてちゃ酒が進まねぇ」

モブリット「ハンナは任せるわ。
ところであいつらはどうしたんや?」

トム「ライナー達ですか。
人里離れた小屋にとりあえず住ませてます。
もちろん監視付きですが」

モブリット「監視?
誰が行ってるんや?」

トム「休養中の怪我人を1人」

モブリット「大丈夫なん…それ」

419: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/28(木) 00:38:29 ID:H6rhOUeo
山奥 某所

ミーナ「ライナー!アニー!
こっちこっちー!!」

アニ「ミーナ…!」

ライナー「…あそこが俺たちの新しい家か?」

アニ「…みたいだね」

420: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/28(木) 00:51:38 ID:H6rhOUeo
アニ「…お待たせ、ミーナ」

ミーナ「うん。アニも元気そうでよかった!」

アニ「あんたはどうなんだい?
かなり無茶したらしいじゃないか」

ミーナ「全身の筋肉が避ける寸前だっみたい。
ガスが切れなかったら二度と立てなくなってかもね」

アニ「かもね…って、治るのかい?」

ミーナ「一ヶ月は安静だって。
治るまではここにいていいって!」

アニ「そうか…よかった…」

ライナー「お前…本当にアニか?」

421: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/28(木) 01:01:16 ID:H6rhOUeo
アニ「どういう意味?」

ライナー「い、いや何でも無い…」

ミーナ「ライナーも元気そうだね!」

ライナー「おう」

「あれ?ライナーとアニ?」

アニ「えっ…?」

ライナー「ベルト…ルト…」

422: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/28(木) 01:16:49 ID:H6rhOUeo
ミーナ「ビックリした?
ベルトルトは先にここに住んでて貰ってたんだ」

アニ「ベルトルトは死んだって…」

ミーナ「普通の人だったら死んでたかもしれないけど、巨人の力って凄いね。
ベルトルトって分かった時、凄い心配したんだから!
まぁ、やったのは私だけど…」

ベルトルト「えっ…」

ミーナ「ベルトルトまで引かないでよ!」

ライナー「ミーナもダズと同じか…」

アニ「あんたじゃ勝てないよ?」

ライナー「馬鹿言え。命がいくつあっても足りん」

423: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/11/28(木) 01:34:06 ID:H6rhOUeo
ベルトルト「…それで、僕達はどうすればいいのかな」

ミーナ「さぁ…トムは聞きたい事は無いから好きにしてくださいって」

ライナー「好きにしろって…どうすりゃいいんだよ…」

ミーナ「お腹減ったし、ご飯にしようよ」

アニ「そうだね。何か食べ物は…」

ベルトルト「何も無いよ。基本的に自給自足だからね」

アニ ライナー「 」

ミーナ「と、いうわけで私は動けないからよろしくね!」

アニライナー「……」

Holy shit!!!!

おまけ キャラ紹介

出典: shingekikyojin.net

ミーナ

ミーナ・カロライナ

お下げ髪をした黒髪の少女。
トロスト区出身。
超大型巨人出現時は固定砲整備4班、トロスト区攻防戦では訓練兵団34班に所属。
エレンの言葉を受け調査兵団入団を目指していた。

トロスト区防衛戦における立体機動中に壁に叩きつけられ気絶し、その隙に巨人に襲われ戦死する。

フランツ&ハンナ

第104期訓練兵団卒業生。
両者とも訓練生時代から相思相愛の関係にある(エレン曰く「バカ夫婦」)。

フランツはエレンと喧嘩をするジャンをたしなめるなど、穏やかな性格であったが、トロスト区防衛戦にて下半身を巨人に喰われて戦死。

ハンナもまた、争いを好まない優しい性格だったが、トロスト区防衛戦でフランツの死を受け入れられず、無意味な蘇生術を行うなど錯乱状態に陥っていた。

トーマス

トーマス・ワグナー

金髪の少年。トロスト区出身。
エレン、アルミンらと同じ訓練兵団34班(トロスト区攻防戦区割)のメンバー。
超大型巨人出現時は固定砲整備4班で、エレン、コニー、サシャ、サムエル、ミーナとも同じ班。
成績優秀者が皆憲兵団入団への意思を示す中、エレンの調査兵団入りの熱い意思に感化され、希望をともにする。

しかし野心を持って臨んだ初陣のトロスト区防衛戦にて奇行種の巨人に襲われ戦死してしまう。

ダズ

第104期訓練兵団卒業生。
顔のほうれい線が特徴。

トロスト区防衛戦で巨人に仲間を目の前で食い殺されたことから大きな恐怖を植え付けられる。
そのことをマルコに打ち明け、巨人に食い殺されるくらいならと自決しようとしていた。

その後、奪還作戦が実施されると聞かされると逃亡を考えていたが、ピクシスの演説を受けて留まることを決意した。

ミリウス

ミリウス・ゼルムスキー

エレン、アルミンらと同じ訓練兵団34班のメンバー。
ミリウスは金髪で短髪の少年。

トロスト区防衛戦にてエレンの脚を食った巨人に立ち向かうも返り討ちに遭い戦死する。

ナック

ナック・ティアス

エレン、アルミンらと同じ訓練兵団34班のメンバー。
ナックは黒髪でオールバック風の少年。

トロスト区防衛戦にてエレンの脚を食った巨人に立ち向かうも返り討ちに遭い戦死する。

サムエル

固定砲整備4班所属の黒髪の少年。
超大型巨人の襲撃を受け、気絶したまま壁上から転落したが、間一髪のところでサシャに立体機動のアンカーを脚に打ち込まれ、助けられる。
その後の描写はない。

トム

トロスト区奪還戦にて立体機動装置のガス欠により行動がとれなくなったところ、巨人の集団に囲まれる。

彼を助けようと援護に向かった同期生達と共に巨人に捕食されて戦死するも、彼らに巨人が群がった隙をついたジャンらが本部到達への足がかりとした。

出典: shingekikyojin.net

モブリット

モブリット・バーナー

調査兵団所属の兵士。
分隊長であるハンジの副官であり、突飛な行動を行うハンジを度々諫める。

出典: shingekikyojin.net

ケイジ

調査兵団所属の兵士。
短髪の男性。

第57回壁外調査での「女型の巨人」捕獲作戦では発破の用意をするようエルヴィンに命じられる。

ストヘス区での女型の巨人捕獲作戦時には水晶体に籠もったアニに対し激高して折れた剣を何度も突き立てたところをハンジに窘められた。

トーマ

調査兵団所属の兵士。
ミケの部下の髭面の男性。
馬術に優れる。

ミケの命によりウォール・ローゼ内に巨人が侵入したことをエルミハ区へ伝令する。
その後、休む間もなくエルヴィンのいるストヘス区へ伝令に行く。

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