「東山魁夷」常に自然と向き合い対話を重ね続けて産み出された超自然の風景画

東山 魁夷(ひがしやま かいい 1908年7月8日~1999年5月6日)は日本の画家、著述家。昭和を代表する日本画家の一人といわれる。文化勲章受章者。千葉県市川市名誉市民。本名は東山 新吉(ひがしやま しんきち)。

東山魁夷。この代表的な日本画家の絵は他の同世代の多くの日本画と比較してどこかメルヘンチックであったり、また絵本的な絵とも捉えられる作品も多く残されていて何か世代を超越した感があります。

ごく一般的に頭に浮かぶいかにも日本画という絵のタッチの素晴らしい作品も東山魁夷作品に数多ありますが、日本画の岩絵の具を使って描かれたヨーロッパ絵画を思わせる『晩 鐘』などの絵は国境を越えて無国籍な印象さえ感じさせます。もしかすると東山魁夷先生ご自身はタッチなどという垣根を意識せずに絵筆の赴くままに描かれてこられたのかも知れません。

『晩 鐘』

《北山初雪》

全ての作品に共通して感じられるのは、みな“静けさを纏っている”ということ。そこには観ている者に語りかけてくるような風景だけがあり、生き物が登場するのはその風景を引き立たせている鳥であったり馬であったりするだけなのです。あくまでも自然との対話の中から産み出された風景画はときに神秘的とさえ思われる情感を醸し出しています。

『夕 静 寂』

また濃紺色の深い山の中に一筋の白い瀧が描かれている『夕 静 寂』と名付けられた絵からは遠くに瀧の音を聞いたような気分がしてきます。

『年 暮 る』

更に風景画としては珍しいモチーフだと思われるのですが、古都京都の屋根が連なる瓦の上に雪がしんしんと降り積もっている情景を描いた『年 暮 る』からは、去っていく今年とやって来る新年を待ちわびている日本人に共通する“思い”が滲み出しています。
東山魁夷先生が肌で感じ取られた自然がもたらした感動の風景が全ての作品から伝わってきます。

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