【進撃の巨人】サシャ「もう、嫌だ……暴力なんて……」【厳選名作SS】

進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。なんだか最近サシャの様子がおかしい。ちょっとしたことで感情的になったり、対人格闘訓練中にぼーっとしていたり…一体サシャに何が起こっているのでしょうか?

サシャ「もう、嫌だ……暴力なんて……」

出典: wall.sf.co.ua

ライナー「――……!?い、ってぇ……」

サシャ「…………」

ベルトルト「ライナー!だ、大丈夫か?」

ライナー「あ、あぁ。かなり痛ぇが……」

ジャン「なんだ……?一体、何が……」

コニー「け、喧嘩か?ライナーとサシャが?」

ライナー「……どういうつもりだ、サシャ……。
突然殴られるようなことをした覚えはないぞ……」

サシャ「……え……。あ、あれ?私、今……えっ……?」

アルミン(っ……!サシャ、やっぱり君は――)

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 20:29:14.26 ID:zQpjp8J3o

……全ての始まりは数日前のことだった。

サシャ「はぁ~、今日の訓練も疲れましたねぇ」

エレン「なんだよサシャ、へばっちまったのか?」

アルミン「仕方ないよ。サシャはほら、
対人格闘術の時に教官に怒られてその後かなり走らされたから……」

コニー「へへっ!それなら俺もだが、別にへばったりはしてないぜ!」

ミカサ「自慢するようなことじゃないと思うけど……」

訓練後の談笑……それは、いつもと変わらない日常の風景。
しかし、それは突然やってきた。

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 20:34:50.58 ID:zQpjp8J3o

サシャ「あぁっ!アルミン、なんてことを!それは私の水ですよ!」

アルミン「えっ?あ、本当だ!ご、ごめんサシャ」

コニー「オイオイ、しっかりしろよアルミン」

エレン「まぁ仕方ないんじゃねぇか?
見た目は同じなんだし、名前が書いてあるわけでも……」

珍しいアルミンのミスを、エレンとコニーは軽く笑い、流そうとする。
当然これも日常の中の些細な出来事のはずだった。
だが……

サシャ「私の水……!返してください!」

突然そう叫んだサシャ。
そして次の瞬間、サシャはアルミンに向かって勢い良く拳を振り上げ……

アルミン「痛ッ!?」

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 20:39:53.97 ID:zQpjp8J3o

サシャ「水!私の水!!」

エレン「!?オ、オイ。サシャ……」

アルミン「ちょ、ちょっとサシャ、いっ、ご、ごめん!ごめんってば!」

何度も、何度も、拳を振り上げ、振り下ろし、アルミンを殴打するサシャ。
アルミンも必死に腕で顔や頭を守ってはいるが、サシャの拳は容赦なくその腕を打ちつける。

コニー「そ、そんなに殴らなくたって良いだろ!落ち着けよ!」

ミカサ「サシャ、落ち着いて……!」

その明らかにじゃれ合いの度を越した様子を見、
ミカサがサシャの両手を掴んで静止させる。
そうして、ようやくサシャの暴力は治まった。

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 20:43:56.90 ID:zQpjp8J3o

サシャ「うぅ、私の水……」

コニー「なんだよ水くらいで……。ほら、俺のやるよ」

そうコニーに水を差し出された途端……
サシャは先ほどまでの様子がまるで嘘だったかのようにその表情を一変させた。

サシャ「!本当ですか?ありがとうございます!」

コニー「……良いよ別にこのくらい。変な奴だな」

サシャ「ゴク、ゴク……ぷはぁ~」

ミカサ「アルミン、大丈夫?」

アルミン「あ、あぁ大丈夫……いたた……」

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 20:48:57.08 ID:zQpjp8J3o

サシャ「あ……」

左腕を押さえ、苦痛に顔を歪めるアルミン。
水を飲み満足げな表情を浮かべていたサシャだったが、アルミンのその様子を見ると、
その表情は再び180度色を変え、

サシャ「ご、ごめんなさいアルミン!
その……よく考えたらちょっとやりすぎでした……」

アルミン「イ、イヤ、良いよ。僕にも原因はあるんだし……」

エレン「ったく……やりすぎってのがわかってるんなら良いけどよ」

サシャ「はい、反省してます……。どうして私、ただの水であんな……」

アルミン「…………」

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 20:53:49.57 ID:zQpjp8J3o

夕食

エレン「……アルミン?」

アルミン「えっ?何、どうかした?」

エレン「イヤ、なんかぼーっとしてたからよ……大丈夫か?」

アルミン「あぁ、うん。なんともない、大丈夫だよ」

サシャ「…………」

何か考え事をしていたのか、あまり食事が進んでいないアルミン。
そしてそんなアルミンをじっと見つめるサシャ。
それに一番早く気付いたのは……

ミカサ「……サシャ」

サシャ「は、はいっ?」

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 20:59:20.34 ID:zQpjp8J3o

ミカサ「あなたもしかして……」

サシャ「え!なんですか?別に何も考えてませんよ?
食欲がないのなら残りもらっても良いかなぁなんてそんな!」

ミカサ「……アルミンにあんなことをしておいてその上夕食まで奪おうとするなんて……」

エレン「サシャ……お前は反省が足りんようだな……」

サシャ「だ、だから反省して、口には出さないようにと我慢を……」

サシャの食欲に呆れ果てる2人だが、
その反応を見て、サシャは明らかに落ち込む。
反省の意を込め、一応は本気で遠慮しようとしていたらしい。

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:05:13.83 ID:zQpjp8J3o

ミカサ「口に出さないようにって……」

エレン「結局出しちゃってんじゃねぇか」

サシャ「すみません……」

落ち込むサシャを見てバツが悪くなったのか、
アルミンは自分の食器をサシャの方にずらしつつ、口を開く。

アルミン「い、いいよ。そろそろ腹八分だし……あげるよ」

サシャ「良いんですか!?ありがとうございます!そしてさっきはすみませんでした!」

エレン「お前なぁ……。まぁアルミンが良いってんならこれ以上何も言わねぇが」

サシャ「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

アルミン「…………」

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:09:35.06 ID:zQpjp8J3o

男子部屋。
普段よく会話するメンバーが集う、そう珍しくも無い光景。
ただ今日の話題はいつものような他愛も無いものとは少し違う……例の事件についてのことだった。

コニー「しかしビビったよなぁサシャの奴。いきなりアルミンに殴りかかるんだもんよ」

ライナー「俺は詳しくは知らないんだが、何かあったのか?」

マルコ「なんでも、アルミンがサシャの水を間違えて飲んだとか……」

ジャン「は?たったそれだけのことでか?あいつの食い意地はただの水にまで向いてんのかよ」

コニー「知らねぇけどそういうことじゃねぇの?」

ライナー「あいつならあり得ると思えてしまうところが恐ろしいな」

ベルトルト(教官の目の前で盗んだ芋を食べるくらいだしなぁ……)

13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:16:00.37 ID:zQpjp8J3o

マルコ「でも殴りかかるって言っても冗談みたいなものだろ?
イヤ、僕は直接見たわけじゃないから分からないんだけど」

コニー「ん~……オレが見た感じじゃ結構本気だったように見えたぞ」

ライナー「流石にそれはないと思うが……。
たかが水ぐらいで本気で殴るなんて、いくらあいつでも考えられん」

ジャン「本気かどうかは当事者に聞きゃ分かるだろ。アルミンの奴はどこだ?」

そう言い、ジャンは辺りを軽く見回す。
しかし……

ベルトルト「少し前に出て行ったよ。色々持ってたから……多分浴場じゃないかな」

コニー「えっ?風呂って、今頃か?」

マルコ「そう言えば、さっきみんなで行った時は居なかったような……」

ライナー「よく見りゃエレンも居ないな……あいつも一緒なのか」

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:20:44.26 ID:zQpjp8J3o




アルミン「っ……」

脱衣所で1人、濡れた体を拭くアルミン。
右手に持ったタオルで左腕を拭き……少しだけ顔を歪める

恐る恐る、もう一度指で軽く押す。
……やっぱり痛い。
1日経てば少しは良くなるだろうか。

そんなことを考えていた……その時だった。

エレン「アルミン、お前……!」

アルミン「!?エ、エレン!?もう入浴は済ませたはずじゃ……!?」

16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:24:48.04 ID:zQpjp8J3o

エレン「お前の様子が何か変だったから来てみたんだよ……。
それより!その左腕、見せてみろ!」

アルミン「あっ……!」

歩み寄り、少し強引にアルミンの左手を掴むエレン。
そして次の瞬間、エレンの目に飛び込んできたのは……

エレン「っ……痣になっちゃってるじゃねぇか……!」

アルミン「いや、これは……ちょっと、打っちゃって……」

エレン「何言ってんだよ!ここ、サシャに殴られたとこだろ!?
しかも一箇所じゃねぇ……ここも、ここも……!痣になってたり、腫れてたり……」

アルミン「っ……」

エレン「あ、あいつ、こんなになるまで本気で殴ってたってのかよ……!」

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:31:01.07 ID:zQpjp8J3o

エレン「間違って水飲まれたぐらいでどうかしてるぞ!?」

アルミン「ち、力の加減ができなかっただけだよ……!」

エレン「そういう問題じゃ……」

怒りを露にして、更に何か言おうとするエレン。
しかし、その言葉はアルミンによって静止された。

アルミン「エレン……!サシャはもう、謝ってくれたんだから。
反省もしてたし、それで全部おしまいだ。
後になって新しい事実が分かったからって、騒ぎ立てるべきじゃないよ」

エレン「……!それは……そうかも知れねぇけどよ……」

アルミン「僕なら大丈夫だから。このことはもう、忘れてくれ」

18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:36:08.74 ID:zQpjp8J3o

エレン「……お前がそう言うなら……。だが、本当に大丈夫なのか?
訓練に支障が出たりはしねぇだろうな……?」

アルミン「そこまでじゃないよ。触ると少し痛むけど、それだけだ」

エレン「そうか……悪い。なんつーか、昔を思い出してつい熱くなっちまった。
普段ミカサにガキ扱いするなとか言っといて、オレも人のことは言えないな。
……それじゃ、先に戻ってる。お前も早く来いよ?」

アルミン「うん。それじゃ、また」

そうして、脱衣所にはアルミンが1人残された。
痣をなで、例の事件からのサシャの様子を振り返る。

“いくらなんでも、流石にやりすぎじゃないのか”
“食い意地が張っていると言っても、水ごときで本気で他人に殴りかかるような人間だっただろうか”

そんな、当然抱く違和感。
それがすべての始まりだった。

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:41:21.17 ID:zQpjp8J3o




ユミル「……シャ。オイ、サシャ。オイ聞いてんのか芋女」

サシャ「あ……え?はい?」

ユミル「はい?じゃねぇよ馬鹿。水汲みだよ、行くぞホラ」

クリスタ「だ、だからやめなよユミル。駄目だって、そんなことしちゃ」

ユミル「良いんだよ。こいつが恩返しのためにやってんだから。なぁサシャ?」

サシャ「あはは……は、はい」

クリスタ「だから……!そ、そうだサシャ。今日、体調悪いんじゃないの?
ううん、今日に限らず最近ずっと変だよ?」

サシャ「え……?」

22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:45:53.17 ID:zQpjp8J3o

ユミル「こいつが変なのはいつものことだろ?」

クリスタ「もう!ユミルは黙っててっ」

ユミル「チッ……」

サシャ「あぁ、えっと……」

クリスタ「だから、無理はしないで?水汲みはちゃんと私達でやるから。ね?」

サシャ「その……あ、ありがとうございます……!」

ユミル「ハァ……言っとくが、今日だけだからな。体調が治ったらまた……」

クリスタ「ユミルっ!」

ユミル「あぁーわかったよ、ハイハイ。じゃあさっさと終わらせようぜ」

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:50:09.11 ID:zQpjp8J3o

サシャ「あ、クリスタ……!」

クリスタ「?なに?」

サシャ「その……私、体調悪いように見えました?ど、どんな風に見えました?」

クリスタ「どんな風?えっと……ぼーっとするって言うか、
何か考えてるような何も考えてないような、そんな表情になるって言うか……。
最近、いきなりそうなることが多いような気がして。
もしかして……気付いてなかったの?」

サシャ「あぁ、いえ!今ぼーっとしてたかな、とは時々……。
えっと、わかりました!ありがとうございます……」

ユミル「……?もう良いだろ、クリスタ。ほら、早く行くぞ」

クリスタ「あ、うん……」

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:55:03.96 ID:zQpjp8J3o

サシャ「…………」

サシャには、自覚があった。
ぼーっとすると言えば大した問題ではないように聞こえるが、
ここ数日、不意に意識が飛ぶことが何度かあった。

今日の水の件……実はサシャには、はっきりとした記憶が残っていない。
イヤ、正確には記憶はあるのだが……それが自分のものだという実感がない。

アルミンが自分の水を飲んでいることに気付いた瞬間、ほんの少しだけ感情が動いたのは事実だ。
だがそれは、怒りなどとは到底呼べない些細な感情の揺らぎ。

“もう、アルミン。気を付けてくださいよっ?”
“ただの水とは言っても、人のものを勝手に飲むのは駄目なんですからね!”

この程度で済むべき問題のはずだった。
しかし……現実は違った。
現実の自分は怒りを露にし、手加減もせずに殴りかかり……。

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/05/30(木) 21:59:54.34 ID:zQpjp8J3o

片手で拳を作り、もう片方の手でその拳をそっと撫でる。
少し、痛い。
何故か今になって、痛み出してきた。

その痛みで改めて……自分がとても酷いことをしたということに気付かされる。
殴った拳がまだ痛むんだ。
殴られた方は当然、もっと痛いに決まってる。
自分はそんな力で、何度も、何度も、アルミンを殴ったのか。

……やっぱり残ったご飯は、遠慮するべきだった。
エレンの言う通りだ。
自分には、反省が足りてなかった。

どうしてあんなことをしたんだろう。
殴っている時の記憶がないわけじゃない。
ただ、まるで夢の中の出来事か、自分じゃない誰かがやったことかのように……。
どこかふわふわしていて、実感がない。
しかし、あれは間違いなく自分がやったこと。

私は……どうして、あんなことをしたんだろう。

34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 19:29:40.79 ID:09j9HPcto

翌朝。
食堂に行き、いつもの席に向かうと……
当然、そこにはいつものように、エレン、ミカサ、そしてアルミンが居た。

サシャ「あ……あの」

まずは挨拶をしなければと、おずおずと話しかけるサシャ。
それに対しサシャに気付いたアルミンは、いつものように明るく挨拶する。

アルミン「やぁ。おはよう、サシャ」

エレン「よぉ」

ミカサ「おはよう」

サシャ「お……おはようございます……。え、えっと、その……き、昨日は……」

アルミン「サシャ。良いよ、僕なら大丈夫だから」

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 19:35:50.98 ID:09j9HPcto

サシャ「でも、私……」

ミカサ「サシャ。アルミンが良いと言ってるんだから、もうその話はするべきじゃない」

サシャ「ミカサ……」

エレン「ったく……まぁその様子だと晩のうちにしっかり反省したみたいだな。
謝罪は昨日済ませたんだし、もう忘れようぜ?」

サシャ「っ……は、はい!ありがとうございます!」

3人の優しさに触れ、サシャは罪悪感が少し和らいだ気がした。
アルミンがそれを望んでいるのなら、自分も昨日のことは忘れよう。
いつものと同じように振舞おう。
そう決めて席に座った、その時。
アルミンが小声で話しかけてきた。

アルミン「……ねぇ、サシャ。その……最近、体調が悪かったりはしない?」

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 19:41:42.41 ID:09j9HPcto

サシャ「えっ……?あ、えっと……ど、どうしてですか?」

アルミン「あぁイヤ……なんでもないなら良いんだ」

サシャ「…………」

アルミン「ただ、もし何か体に異変を感じたら……無茶はしないで欲しいんだ……。
……ごめん、変なこと言って」

サシャ「い……いえ。心配してくれてどうも……ありがとうございます」

どうやらアルミンも『体調不良』に気付いていたらしいことがサシャには分かった。
しかし何故このタイミングでそれを訊いたのか……。
それがよく分からなかった。

アルミンが気付いていた異変がクリスタと同じ異変だとすれば、
ぼーっとすることと昨日の件が、何か関係あるとアルミンは考えた……?

……しかしサシャには、それ以上は何も分からなかった。

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 19:48:55.31 ID:09j9HPcto




コニー「オラァ!」

サシャ「とうっ!ふふっ……まだまだ甘いですねコニー!」

対人格闘術……。
今日は、サシャはコニーと組み、訓練に励んでいる。

昨日の件や今朝のアルミンの様子に少し引っかかるところはあったものの……
こうして体を動かしているうちは、余計なことを忘れていられる。
だからサシャは、努めてこの訓練に熱中することにした。
しかし……サシャが忘れているか否かに関わらず、『それ』はやってくる。

コニー「くそっ!もうこうなったら俺の新技を見せるしかねぇようだな!」

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 19:56:40.26 ID:09j9HPcto

サシャ「し、新技ですって!?一体どんな!」

コニー「そいつはな……実際に食らってその身で知りやがれ!」

サシャ「む!?望むところです!」

コニー「行くぞ!オラァー!」

サシャ「どんな技か知りませんが、そんな大振りな動きが私に当た…………」

……コニーが異変に気付いた時には、既に遅かった。
あと少し早ければ、体を捻るなりして上手くやれたはずだが……。

コニー「っ……!?」

“危ない”“避けろ”

そんな言葉を口にするヒマもなく。
思い切り飛び上がってから繰り出されたコニーの蹴りがサシャの側頭部を直撃し……
うめき声すら上げることもなく、サシャはそのまま地面に倒れた。

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 20:02:18.98 ID:09j9HPcto

コニー「う……嘘だろオイ……!オイ、サシャ!大丈夫か!?オイ!?」

サシャ「…………」

コニーは慌てて屈み、サシャに呼びかける。
しかしサシャはぐったりとして、何の反応も示さなかった。

コニー「っ……!だ、誰か!誰か手伝ってくれ!」

ライナー「なんだ、どうした!」

エレン「!?サ、サシャに何かあったのか!?」

コニー「オ、オレのせいでサシャが、えっと、えっと……!
せ、説明はあとだ!良いから医務室に!早く!あっ、でも頭を打ったから……!」

ライナー「わかった。エレン、運ぶぞ!頭を動かさねぇよう気を付けろ!」

エレン「あ、あぁ!」

41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 20:11:27.23 ID:09j9HPcto




サシャ「……ン、あれ……?ここは……」

目を覚ました時、一瞬自分がどこに居てどういう状況なのか分からなかった。
天井が初めに目に映り、そして少し視線をずらすと……

クリスタ「サシャ!よ、良かった、目を覚まして……」

サシャ「クリスタ……?えーっと……?」

……どうやら自分に何かあって医務室に運ばれたらしい、とサシャはなんとなく分かった。
部屋の中に居たのは、まずクリスタ。
その横にユミル、そしてアルミン、エレン、ミカサだった。
キョロキョロと周りを見回していたサシャに、アルミンが恐る恐る声をかける。

アルミン「も、もしかして覚えてないの……?
対人格闘術の時にコニーの蹴りが頭に当たった、って聞いたけど……」

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 20:18:02.11 ID:09j9HPcto

サシャ「あ……そう言えば……」

言われて徐々にはっきりと思い出してきた。
そうだ、自分が最後に見たのは確か、跳び上がって蹴りを繰り出そうと勢いをつけるコニー……。

サシャ「それじゃあ、えっと……コニーは……?」

エレン「教官に滅茶苦茶怒られたあと、走らされてたな。
“ブラウスと同じ状態になるまで走れ”って。多分今もまだ走ってるんじゃないか?」

サシャ「そ、そうですか。何か、申し訳ないですね……」

ミカサ「それよりサシャ……具合は?」

サシャ「あ、えーっと。ちょっと頭の左側が痛いですけど、その他には別に……」

アルミン「左側……コニーの足が当たったところだね。傷が残らなきゃ良いけど……」

43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 20:23:18.79 ID:09j9HPcto

ユミル「はッ。どうせふざけてたんだろ?自業自得じゃねぇか」

クリスタ「ユ、ユミル!怪我人なんだから、そんな……」

サシャ「い、いえ……ユミルの言う通りです。
その……コニーは外なんですよね?ちょっと会って来ます」

エレン「オ、オイ。大丈夫かよ?もう立ち上がったりして……」

サシャ「はい、打ったところが痛む以外はなんともありませんから」

アルミン「い、一応僕たちも付いていくよ」

クリスタ「そうだね、何かあったらいけないし……」

サシャ「すみません……ありがとうございます」

44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 20:30:40.61 ID:09j9HPcto




サシャ「っ……!」

コニー「ぜぇっ、ぜぇっ、ぜぇっ……!」

既に日が暮れた中、息も絶え絶えに走るコニー。
その姿を確認し、サシャは駆け寄る。

サシャ「コニー!」

コニー「っ……!サ、シャ……!?お、お前、もう、体、大丈、夫……」

サシャ「しゃ、喋らなくて良いですよ。まずは息が落ち着いてから……」

コニー「駄目、だ……まだ、気絶、して、ねぇ……!オレ、は……オェエエエエエ」

サシャ「ひえぇーー!も、勿体無い!」

コニー「ハァ、ハァ……オエッ……うぐぐ……」

サシャ「も、もう良いですって!ホラ、私はこの通り元気ですから!」

45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 20:36:38.26 ID:09j9HPcto

コニー「うっ……す、すまん、サシャ、本当に……ぐすっ……オレがふざけたせいで……」

サシャ「な、何も泣かなくても……。
それに私だってふざけてたんですから、お互い様ですって!」

コニー「で、でもよ……」

サシャ「良いから!私はもう元気なんですから、コニーも元気出してください!」

コニー「ぐすっ……あ、あぁ、わかった……。
そ、そうだよな、教官にお前と同じ状態になれって言われてんだもんな……!」

サシャ「え?あ、あぁー、そうです、はい!
だからコニーも元気にならなくちゃ駄目ですよ!」

コニー「へへっ……悪いな、サシャ……。変に……気ぃ遣わせちゃってよ……」

サシャ「いえいえ。それよりホラ、水も持ってきてますからまずはこれを!」

コニー「あぁ……すまん……!」

46 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 20:45:35.97 ID:09j9HPcto




コニー「ぶはぁ~、生き返った……。うっ、安心したせいか、急に疲れが……」

サシャ「それじゃ、もう戻りましょう。
近くにエレンたちも居るはずですから、部屋まで連れて行ってもらえますよ」

コニー「あぁ、そうなのか……悪いな、手間かけさせて……」

サシャ「いえ、このくらい!」

サシャはそう言って、コニーに背を向けみんなの居る方へ歩き出す。
コニーもそのすぐ後ろを付いて歩き出し……小さな声で、呟くようにして言った。

コニー「……あのよ、サシャ。1つ訊いて良いか……?」

サシャ「はい?」

コニー「その……こんなこと訊くのも変かもしれねぇが……。
……お前、なんで避けなかったんだ……?」

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 20:52:20.69 ID:09j9HPcto

サシャ「……それは……」

コニー「あぁイヤ!もちろん悪いのはオレなんだが……。
だがなんつーか……お前なら絶対避けられたはずだって、オレは……。
……悪い。これじゃまるで言い訳してるみたいだな……忘れてくれ」

サシャ「…………コニーの技が凄すぎたんですよ!
あんなの、流石の私でもなかなか避けられるものじゃありません!」

コニー「!そ、そうなのか?」

サシャ「はい、そうです!」

コニー「……そうか……あれがそんなに恐ろしい技だったとは……。
永遠に封印するべきかもしれねぇな……」

サシャ「……そうですよ、危険な技でしたからね!」

コニー「あぁ……そう、だ、な……」

次の瞬間、コニーの膝ががくりと折れた。
サシャは驚き、慌ててコニーの体を支える。
まさかコニーの体調にまで何か、とサシャの頭を一瞬不安がよぎったが……

サシャ「……寝てるだけ……ですね」

48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 21:00:14.20 ID:09j9HPcto

と、ちょうどその時。
近くに居たエレンたちが様子を見に来た。

エレン「よぉ、話は終わったか?……って、コニー!?」

クリスタ「ど、どうしたの!?大丈夫!?」

サシャ「あっ、みなさん……!て、手伝ってください、流石に1人で支えるのは……」

アルミン「もしかして本当に気絶を……」

ミカサ「……違う。寝てるだけ」

見ると確かに、コニーは深い寝息を立て、ぐっすりと眠っているようだった。
いびきすらかいているようにも見える。

ユミル「ハァ……能天気な野郎だぜ」

クリスタ「し、仕方ないよ。ヘトヘトだったんだし……。
それに、きっとサシャが元気になったの見て安心して寝ちゃったんだよ」

エレン「ったく、しょうがねぇな……。じゃあオレが右側支えるから、アルミン。
お前が左側支えてくれ。2人で男子部屋まで連れてくぞ」

アルミン「あ、あぁ分かった!」

49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 21:07:42.53 ID:09j9HPcto

サシャ「すみません、それじゃあお願いします……」

エレン「……ん?なんか変なニオイしねぇか?」

クリスタ「このニオイってもしかして……」

ユミル「オイオイ……まさかこいつ吐きやがったのか?きったねぇな……」

ミカサ「……よく見たら服に少しかかってる」

エレン「うわっ!?オ、オレの服にもちょっと付いちゃってるじゃねぇか。
目が覚めたら洗ってもらうぞコニー……」

アルミン「あはは……」

サシャは回復し、コニーとの関係がこじれることもなく……これで一件落着のはず。
しかしアルミンは、どうしても不安が拭い去れなかった。
今回の頭部へのダメージが、何か悪い方向に影響してしまわないかという不安が……。

そしてその不安は、的中することになる。

53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:23:24.51 ID:09j9HPcto




それは翌日の夜……食事が終わった頃に起きた。

エレン「しかしサシャ、お前に何もなくて良かったぜ。
いつも通りに訓練できてたもんな。怪我が影響してないかと心配だったが」

サシャ「はい、何事もなくて良かったです」

アルミン「うん……そうだね、本当に何もなくて良かったよ」

確かに、今日1日サシャに特におかしなところはなかった。
怪我のことは、心配しすぎだったか……。
アルミンがそう考え始めた、その時だった。

サシャ「…………」

エレン「?なんだ急に立ち上がって。どうかしたか?」

54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:31:03.34 ID:09j9HPcto

何の脈絡もなく立ち上がったサシャの行動に、3人は疑問を覚える。
しかしエレンの質問に、サシャは答えない。
イヤ……何の反応も示さない。
その表情は何か考えているようでもあり、何も考えていないようでもあり……。
そこからは一切の感情を読み取れなかった。

ミカサ「……サシャ?」

アルミン「ま、待ってサシャ!どこへ……!」

ミカサの呼びかけにもアルミンの制止にも応じずに、サシャは席を離れ、どこかへ向かう。
……が、その歩みはすぐに止まった。

ライナー「おっと……悪い。ぶつかりそうになっちまったな」

サシャ「…………」

55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:38:26.38 ID:09j9HPcto

サシャは少し目線を上げ、自分の目の前に立っている人物……ライナーの顔を見る。
じっと見ると言えば良いのか、ぼんやりと見ると言えば良いのかは分からない。

ライナー「……?あぁ、そう言えばお前もう頭の方は……」

昨日の事故を思い出したライナーの、サシャを案ずる言葉。
しかしその言葉は、唐突に止められた。
……唐突にもらった“平手打ち”によって。

ライナー「!?」

乾いた音が食堂に響き渡る。
一体、何が起こったのか。
ライナーがそれを理解しようとする前に、サシャは今度は思い切り拳を振りかぶった。

“拳で殴られる――”

瞬時にそう思った……が、ライナーを襲ったのは“肘”。
予想外の“肘”の衝撃により、ライナーは思わずよろけ、尻餅をついた。

56 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:45:19.92 ID:09j9HPcto

ライナー「……!?い、ってぇ……」

サシャ「…………」

頬と顎をさすり、表情を歪めるライナー。
その様子を、サシャは相変わらずの無表情で見下ろしていた。

ベルトルト「ライナー!だ、大丈夫か?」

ライナー「あ、あぁ。かなり痛ぇが……」

少し離れたところに居たベルトルトが、慌てて駆け寄る。
その表情はとにかく困惑を浮かべていた。
しかし困惑していたのは彼だけではない。
その場、食堂に居たほぼ全員が、サシャの唐突な暴力を目にしていた。

ジャン「なんだ……?一体、何が……」

コニー「け、喧嘩か?ライナーとサシャが?」

59 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:51:24.22 ID:09j9HPcto

ライナー「……どういうつもりだ、サシャ……。
突然殴られるようなことをした覚えはないぞ……」

身に覚えのない暴力……。
その目に、困惑と微かな怒りの色を映し、ライナーはサシャを問いただす。
しかし返ってきた反応は、その場に居た全員の誰もが予想していなかったものだった。

サシャ「……え……。あ、あれ?私、今……えっ……?」

まるで感情の読み取れなかった表情から一変……。
今のサシャが浮かべているのは、周囲の人間と同じ……イヤ、それ以上の困惑の色だった。

アルミン(っ……!サシャ、やっぱり君は……)

ライナー「……オイ、サシャ。どういうことだ……?
説明してもらうぞ。こんなことをした理由を聞かせて貰いたいんだ」

サシャ「えっ、あ、その……」

61 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 22:57:39.78 ID:09j9HPcto
ベルトルト「……?」

ライナー「聞こえなかったか……?俺を殴った理由を聞かせてくれと言ったんだが」

サシャ「り、理由……えっと……」

ライナー「……無いってのか?」

サシャ「え、えっと、あの……」

ライナー「……特に理由もないのに暴力を振るわれるとはな……」

まず困惑、そしてかすかな怒り、さらに、呆れ……。
特に理由のない暴力に襲われ、様々な負の感情を抱き始めたライナー。
しかし……すぐに彼は1つの推測に至った。

ライナー「まさかお前……頭の怪我が……」

サシャ「!」

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 23:05:31.63 ID:09j9HPcto

ライナー「頭はやばいと聞くが、何かそのことが……関係してるんじゃねぇのか。
でなきゃお前が理由もないのに暴力を振るうなんて考え辛いしな……」

理不尽な暴力に遭いつつもただ感情的になるだけでなく、
状況を整理してその上、相手の心配までする……。
流石と言うべきか、同期から慕われるライナーらしい反応だった。
しかし……

コニー「……オレのせいで、サシャがおかしくなっちまったってのか……?」

ライナー「!コニー……そうか、確かお前との訓練で……」

コニー「お、おかしくなるって、それってかなりヤバイってことだよな?
オ、オレの、せいで……サシャが……」

そう、ライナーの推測が正しいとすると、全ての責任はコニーにあることになる。
コニーの悪ふざけのせいで、仲間の脳に障害を残したということに……。

63 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 23:13:21.76 ID:09j9HPcto

元々自責の念に苛まれていたコニーにとって、
そんな事実をここまではっきりと突きつけられるということはあまりに酷なことだった。

……ライナーとサシャに向けられていた周囲の視線は、今はそのすべてがコニーに向けられている。
それはつまり、非難の目がコニーへ向いたことを意味していた。

“コニーのせいでサシャはおかしくなった”
“コニーが悪ふざけをしたせいで”
“コニーのせいで……”

……少なくともサシャは、そういう意味だと思った。

サシャ「っ……ち、違います!私はおかしくなんかありません!
頭の怪我も、関係ありませんから!」

その言葉で、視線は再び一気にサシャに集まる。
サシャは本能的に、この視線を二度と逃してはいけないと感じた。

サシャ「そ……そう、私は、その、ライナーのことが嫌いなんです!」

64 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/01(土) 23:22:23.55 ID:09j9HPcto

ライナー「……嫌われるようなことをした覚えはねぇが」

サシャ「な、なんとなくですよ!そう、アレです!生理的に無理ってやつです!
筋肉ムキムキだし!目つきはいやらしいし!
さっきは急に私の前に立たれたからつい手が出ちゃったんです!」

ライナー「…………」

ライナーは、ほんの少し前まではサシャの突然の意味不明な行動に困惑しつつも、
頭部へのダメージの影響を考え、彼女を心配していた。
しかし、今ライナーの目に浮かぶ主な感情は……。

サシャ「ふ……ふん!これに懲りたらもう私に近付かないことですね!ライナーのバーカ!」

ライナー「……言われなくてもそのつもりだ」

サシャ「っ……」

ベルトルト「ラ、ライナー……」

ライナー「行くぞ、ベルトルト」

ベルトルト「あ……あぁ」

そうしてライナーは、周りの誰とも目を合わせることなく……食堂を去った。

73 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:07:41.76 ID:j/wo2EsFo




夕食後。
男子部屋ではつい先ほど起きた事件の話題で持ちきりだった。
尤も……渦中に居たライナーとベルトルトは除く者たちの中でだが。

ジャン「しかし驚いたな……。まさかサシャの奴がライナーのことを嫌っていたとはよ」

マルコ「あぁ、本当にその通りだ……」

コニー「あ、あのさ……あれって、マジだったのかな」

ジャン「は?どういう意味だよ。サシャがそういうんだからそうじゃねぇのか」

コニー「そ……そうかな……」

エレン「うーん……しかし参ったな。明日からサシャと上手く接せる自信がないぞ。
あんな変な理由でライナーのこと殴るんだもんよ、サシャのやつ……」

ジャン「まぁな……。こう言っちゃなんだが、サシャはアレでかなり敵を作っただろうぜ。
同期にゃ今までライナーに助けられた奴も多いしよ……」

75 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:17:04.69 ID:j/wo2EsFo




ライナー「…………」

ベルトルト「…………」

ベッドで1人横になり、目を瞑っているライナー。
そしてベルトルトはそんなライナーに話しかけることもできず、ただ気まずそうに様子を見ていた。
が、その時……誰かが梯子を上って来る気配にベルトルトは気付く。
彼らのベッドの下から顔を出したのは……

ベルトルト「!アルミン……」

アルミン「……や、やぁ」

ベルトルト「どうしたの?何か用?」

アルミン「あ、うん……良いかな、ライナー」

ライナー「……なんだ」

76 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:30:36.53 ID:j/wo2EsFo

アルミン「その、実は……さっきの、サシャとのことについて、ちょっと聞きたいことがあるんだ」

ベルトルト「……!アルミン、でもそれは……」

その話題は避けたほうが良いと、ベルトルトは制止しようとする。
しかしライナーは、横になっていた体を起こし、アルミンに向き直った。

ライナー「イヤ……良い。興味本意ってわけでもなさそうだしな。
とりあえず質問してみろよ。答えられそうなら答えるぜ」

アルミン「ありがとう。まず確認したいことがいくつかあって……。
ライナー、君はサシャと何か喧嘩したとか、そういうことはないんだよね?
怒らせるようなことをしたとか、そういうことは?」

ライナー「少なくとも覚えはねぇな。オレが無自覚だっただけかも知れんと思って
さっきベルトルトにも訊いたが、こいつも何もわからねぇと言っていた」

ベルトルト「……あぁ。ライナーとは大体一緒に行動してるけど、
そもそもサシャと会話すること自体がそんなに多いわけじゃないし……」

77 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:36:12.16 ID:j/wo2EsFo

アルミン「そうか……。それじゃあ、えっと……。サシャが君を殴った力は、本気だった?」

ライナー「……多分な。見た目こそあまり目立っちゃいねぇが、口の中が切れて今も痛ぇ」

ベルトルト「…………」

アルミン「やっぱり、本気だったのか……。
それはそうだよね、ライナーが尻餅をつくくらいなんだし……」

ライナー「訊きたいことってのはそれだけか?」

アルミン「あぁ、うん……」

ライナー「……お前もあいつに本気で殴られたのか」

アルミン「!」

ベルトルト「それは……例の、水を間違えて飲んだとかいう……?」

78 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:42:29.15 ID:j/wo2EsFo

ライナー「どうなんだ、アルミン。
お前も似たような目に遭ったから、それで俺にも訊きに来たんじゃないのか」

アルミン「う……うん。そうなんだ……。僕も、その……」

アルミンはそう言い、少し袖を捲くる。
左腕にはまだ、サシャに殴られた時の痣がしっかりと残っていた。

ベルトルト「……!」

ライナー「やっぱりか……。サシャの奴……ここまで手加減のできねぇ奴だったとはな。
数年一緒に過ごしてきたが、まったく知らなかったぜ……」

アルミン「……本当に、『知らなかった』んだろうか」

ライナー「なに……?どういう意味だ」

アルミン「『サシャのそういう一面を知らなかった』んじゃなくて……
そもそもそんな一面は今まで、『存在しなかった』んじゃ……」

ライナー「そりゃつまり……あいつがおかしくなっちまったってことか?」

79 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:48:09.31 ID:j/wo2EsFo

アルミン「あくまで僕の推測に過ぎないけど……」

ライナー「……それはもちろん俺も考えたさ。だが、あいつが頭を打ったのは昨日だろ。
お前の件にはまったく関係ないはずだ」

アルミン「それはそうなんだけど、でもなんと言うか……。
頭を打つ前から、サシャはどこかおかしかったような気がするんだ。
イヤ、はっきりしたことは何も分からないんだけど……」

ライナー「お前の言うことが本当だとして……じゃあどうするんだ?」

アルミン「それは……まだ、分からない……。
そもそも僕の気のせいかも知れないんだし、本当だとしても原因も何も分からないし……」

ライナー「……今俺に出来ることと言えば、あいつに近付かねぇことだ。
だが……何か分かったことがあれば言ってくれ、アルミン。
立場が似たもの同士、協力しようぜ」

アルミン「う……うん、ありがとう。それじゃ、また明日……」

80 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 21:54:08.40 ID:j/wo2EsFo




サシャ「…………」

言い過ぎた……。

食堂に1人残り、サシャは頭を抱え後悔の念に苛まれていた。
その場の勢いでついあんなことを言ってしまったが、
他にもっとやり方があったんじゃないのか……?
完全にライナーを怒らせてしまった。
あの後にみんなが自分を見る目も……。

……当然だ。
生理的に無理なんて下らない理由で唐突に暴力を振るう人間が、好ましく思われるはずがない。

多少常識に欠けるサシャにも、それは分かった。

81 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:00:16.69 ID:j/wo2EsFo

……だけど、どうして……。
記憶はある。
だけど、その記憶の中に……意識があったとは思えない。
ただぼんやりと、自分がライナーを殴っている様子を無感情に眺めているような……。
そして突然、そこに感情が戻ってきたような……そんな感覚。

どうしてしまったんだろう……。
まさか本当に、頭を打った時の影響が……?
イヤ、でも……さっきのあれは、アルミンの時と似ていた。
アルミンの件は、自分が頭を打つ前……。

……分からない。
自分は、どうしてしまったんだろう。

サシャ「……ごめんなさい」

さっき言えなかった……言うべきだった言葉を1人、誰も居ない食堂で呟いた。

82 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:07:49.20 ID:j/wo2EsFo




翌朝、食堂。

サシャ「あ……お、おはよう、ございます」

エレン「……よぉ」

アルミン「うん……おはよう」

ミカサ「おはよう」

サシャ「…………」

やはり……ほんの少しだけ、雰囲気が違う。
自分が現れた瞬間にほんの少しだけ空気が緊張したのをサシャは敏感に感じ取っていた。
3人とも出来るだけいつも通りを装おうとはしているが……
やはりあんなことがあった翌日にまったくの今まで通りとは行かないのだろう。

……しかしそれでも、出来るだけ今まで通りを装おうとしてくれているだけ良い方だった。

83 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:14:07.25 ID:j/wo2EsFo

どちらかと言えば仲の良い3人だから、いつもと変わらぬようにしてくれてはいるが……。
普段あまり話さない他の同期たちは、あからさまだった。
自分を見るものは全員、ヒソヒソと何か小声で話し、目を向けるとピタリと止め、目を逸らす。

入団式の翌日にも似たようなことはあったが……似ているようで、明らかに違う。
あの時はまだ、大して気にはならなかった。
むしろ自分が話のネタにされていることに、言われてから気付いたくらいだった。

しかし、今回は明らかに違う。
信頼の厚いライナーに向けて特に理由のない暴力を振るったことにより……
あの時とは違う、圧倒的な負の感情が自分に向けられている。
自分自身の後悔の念もあり、そのことは痛いほど感じ取れていた。

サシャ「…………」

目の前の食事が、いつもよりずっと美味しくなさそうに見える。
パンを口に運ぶ。
……味はいつもと変わらなかった。
でも、やっぱりいつもより美味しくなかった。

84 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:21:04.46 ID:j/wo2EsFo




今から始まるのは対人格闘術の訓練。
サシャは、ここまで気の進まない訓練は始めてだった。

まずコニーとの事故を思い出してしまうというのもあるが……。
何より、自分とペアを組んでくれる人が居るとは思えなかった。
現に、今自分は1人だ。
もうすぐ始まってしまうというのに、誰も自分と組んでくれない。
話しかけても、みんな逃げるようにどこかへ行ってしまう。

……これも、当然か……。
理由もなく人を本気で殴るような人間を相手に格闘術の訓練をするなんて、嫌に決まってる。
仕方ない……今日はアニのように、教官にバレないようサボろう。
上手くできるかわからないけど……。
と、サシャがそう思ったその時だった。

クリスタ「ね……ねぇ、サシャ」

86 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:33:49.37 ID:j/wo2EsFo

サシャ「え……?」

クリスタ「その……もし良かったら、私と組んでくれないかな」

サシャ「……!え、あ……で、でも……」

クリスタ「私、あぶれちゃって……相手が居ないの。だからお願いできない、かな?」

そんなはずはない。
サシャは瞬時にそう思った。
クリスタは同期の中では嫌われているどころか、むしろ人気の高い方だと言える。
彼女が組んでくれと言えば、たとえ既にペアが出来ていたとしても
3人組みとして組んでもらえるだろう。

……イヤ、それはクリスタでなくてもそうかも知れない。
3人組みにすら入れてもらえない今のサシャの状況が特殊なのだ。
そしてクリスタは恐らく、そんなサシャの様子を見て、居た堪れなくなって声をかけたのだ。

クリスタが自分に気を遣ってくれていることは、すぐにわかった。
しかしそれでも……サシャにはそれが何より嬉しかった。

87 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:42:27.64 ID:j/wo2EsFo

サシャ「で、でも、その……私なんかと組んで……。だって、私……」

昨日の件に触れようと、おずおずと話すサシャ。
そんなサシャにクリスタは、少し困ったような笑顔で答える。

クリスタ「うん……。えっと、昨日のことは……きっとサシャが悪かったと思うの。
どんな理由があっても、いきなり人を殴るなんて、いけないことだと思うから……。
でも……反省したんだよね?
今朝のサシャの様子見てたら、それがすごく伝わってきて……」

サシャ「ううっ……ぐすっ……」

クリスタ「や、やだ、泣かなくても……」

サシャ「ほ、本当に、良いんですか……?私と、組んでもらえるんですか……?」

クリスタ「……みんなはきっと、サシャに対して怒ってるんだと思うけど……。
でもサシャはもう反省したんだし……
こうやって仲間はずれみたいにするのは、良くないことだと思うの」

89 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:51:08.66 ID:j/wo2EsFo

クリスタ「えっと、だから……この訓練が終わったら、まずはライナーに謝りに行こうよ!
きちんと謝れば、きっとライナーも許してくれるから!
私もこの後みんなに、サシャはすっごく反省してるって言っておくよ。
そしたらまた、みんなと一緒に楽しく笑えるようになるよ!」

サシャ「か……神様……!」

クリスタ「も、もう、その呼び方やめてってば。恥ずかしいよ……。
えーっと、それじゃあ……組んでくれるよね?」

サシャ「も、もちろん!あ……で、でも……」

クリスタ「?どうしたの?」

サシャ「……私……いえ、えっと……う、上手く説明できないんですが……」

クリスタ「……?」

サシャ「も……もし何か私の様子が変だと思ったり、
危なくなったりしたら……すぐ、逃げてくださいね?」

クリスタ「え……?う、うん。わかった……」

90 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 22:57:57.57 ID:j/wo2EsFo




クリスタ「えいっ!」

サシャ「あうっ!や、やられました……」

クリスタ「大丈夫……?怪我になったりはしてない?」

サシャ「あぁ、はい。それは全然」

訓練も中盤……普段はよくふざけるサシャだが、
当然今日は少しもふざけることなく真面目に訓練に取り組んでいた。
心配されていたような異変も特になく、順調に進んでいる。

クリスタ「良かった、それじゃあ今度は私がならず者をやるね」

サシャ「はい、いつでも襲って来てください!」

92 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 23:05:36.94 ID:j/wo2EsFo

クリスタ「じゃあ行くよ!はあっ!」

サシャ「ほっ!」

クリスタの短刀を、サシャは素早い動きでかわす。
かわされたところをまた斬りつけ、またかわす。
そして3度目。
サシャはわずかな隙を見つけ、
短刀を持っていたクリスタの腕を掴み、足を引っ掛け、転ばせた。
もちろん、怪我をさせないように注意しながら。

サシャ「てぇいっ!」

クリスタ「きゃっ!いたた……やられちゃった」

サシャは腕と同時に短刀も掴んでおり、既にクリスタは短刀を手放していた。
だから、これで一旦は終わりで、また仕切りなおし。
……の、はずだった。

サシャ「…………」

94 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 23:13:33.28 ID:j/wo2EsFo

……クリスタが仰向けに倒れた状態から起き上がろうとした、次の瞬間。
強い力がそれを止めた。

クリスタ「きゃっ!?」

突然の衝撃に驚いて一瞬目を閉じてしまったクリスタだが、
一体何が起きたのかと慌てて視認する。
クリスタの目に映ったのは……
自分の腹辺りに馬乗りになり、無表情でこちらを見下ろすサシャだった。

クリスタ「え……?サ、サシャ?もう短刀は……」

そこまで言い、クリスタは思い出した。
訓練前にサシャが言っていた言葉と、今のサシャの表情に見覚えがあることを。
サシャの表情は……昨日ライナーを殴った時のそれと、まったく同じだった。

それに気付いたと同時に、サシャの拳が、クリスタを襲った。

95 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/06/02(日) 23:21:33.12 ID:j/wo2EsFo

クリスタ「あぐっ……!?」

サシャ「…………」

咄嗟に手で防ごうとしたクリスタだが、サシャの拳はクリスタの両手の間を縫い、
右目辺りを直撃した。
鈍い痛みに怯むクリスタ。
だが……サシャの暴力はそれで終わりではなかった。

クリスタ「いっ、痛ッ!や、やめ、サシャ!ッ……やめて!やめてぇ!」

何度も、何度も、サシャの両拳がクリスタを襲う。
クリスタも必死に腕で守ってはいるが、
マウントポジションからの容赦ない攻撃を完全に防ぎきることはできない。
この拘束から抜け出そうと?いても、元々体格に差があるせいか、それも叶わなかった。

クリスタ「ぐぅっ、ぁっ……やっ、おねがっ……サ、シャっ……!」

抵抗もむなしく、クリスタは何度も、何度も、拳をその顔に浴びる。

maple12
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エレン・クルーガーとは『進撃の巨人』の登場人物で、ユミルの民であることを偽造してマーレ人になりすまし、マーレ治安当局の職員として潜入していたエルディア復権派のスパイである。九つの巨人の一つである「進撃の巨人」の力を身に宿し、通称「フクロウ」と呼ばれている。 ユミルの呪いによって寿命が近い自分の代わりに、グリシャ・イエーガーにエルディア復権の願いを託して壁の中へ行くよう指示した。その後進撃の巨人を継承させる為無垢の巨人化したグリシャに捕食され、スパイとしての任務を果たし、その生涯を終えた。

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アニ・レオンハート(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

アニ・レオンハート(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

アニ・レオンハートとは、『週刊少年マガジン』に連載されている諫山創原作の漫画・テレビアニメ作品に登場する人物である。主人公のエレン・イェーガーと同じ第104期訓練兵団に所属し、卒業後は憲兵団に入団する。口数が少なく感情を表に表さないため、取っ付きにくい印象を与える性格。しかし格闘技に優れており、冷静な判断を下せるため訓練兵団卒業の際は4位の成績を収める実力の持ち主。

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フロック・フォルスター(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

フロック・フォルスター(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

フロック・フォルスターとは『進撃の巨人』の登場人物で、104期訓練兵団の卒業生。当初は駐屯兵団に所属していたが、ウォール・マリア最終奪還作戦の前に調査兵団に移籍した。「獣の巨人」を倒すための特攻作戦では唯一生き残り、瀕死のエルヴィン団長をリヴァイ達の元へ連れて行った。その後はエレンをパラディ島の救世主として祭り上げる「イェーガー派」の中心人物として、兵団総統を暗殺しクーデターを先導した。

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エレン・イェーガー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

エレン・イェーガー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

エレン・イェーガーとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の主人公。壁の外の世界に強い憧れを持っており、幼少期から調査兵団に入ることを目指してきた。その想いは、母親を巨人に食い殺されたことで一層強まり、調査兵団に入って巨人を駆逐することを心に誓う。性格は熱血漢で直情的。無鉄砲と思えるほどの勇敢さから、強大な巨人相手にも物怖じせずに向かっていく。命の危機に瀕した際に巨人化する能力に目覚め、人類の自由のためにその力を振るっていくことになる。

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ファルコ・グライス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ファルコ・グライス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ファルコ・グライスとは『進撃の巨人』のキャラクターでマーレの戦士候補生。戦士候補生の同期であるガビ・ブラウンに好意を抱いており、彼女を救うために「鎧の巨人」継承を目指している。内気な性格だが、「悪魔の末裔」と言われるパラディ島の人々に対しても自分達と変わらない人間だと捉える優しい心の持ち主。心的外傷を負った兵士にも親切に接しており、そこでクルーガーと名乗る負傷兵と出会い、交流を深めていく。

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グリシャ・イェーガー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

グリシャ・イェーガー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

グリシャ・イェーガーとは『進撃の巨人』の登場人物で主人公エレン・イェーガーの父。シガンシナ区で診療所を開き街の人々から尊敬を集めていたが、シガンシナ区に巨人が流入した後行方不明となる。失踪直前エレンに巨人化の薬を打ち込み、世界の真実が隠された自宅地下室の鍵をエレンに託した。物語中盤で彼が壁外の世界から「始祖の巨人」奪還のためにやってきた巨人化能力者であったことが明らかとなる。

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ピーク・フィンガー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ピーク・フィンガー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ピーク・フィンガーとは『進撃の巨人』の登場人物で「車力の巨人」の継承者。「九つの巨人」継承者で構成されるマーレの戦士の一員として、数々の戦場で功績を打ち立ててきた。当初は始祖奪還計画に参加せずマーレ本国を守っていたが、850年「獣の巨人」であるジーク・イェーガーと共にパラディ島に上陸する。ウォール・マリア奪還を狙う調査兵団との決戦では後方支援を担当し、負傷したジークと「鎧の巨人」であるライナー・ブラウンの逃走を助けた。性格はマイペースだが、冷静沈着で判断力に優れている。

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キース・シャーディス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

キース・シャーディス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

キース・シャーディスとは『進撃の巨人』の登場人物で第104期訓練兵団の指導教官。スキンヘッドに顎ひげを生やした強面の男性で、訓練兵の間では鬼教官として恐れられている。元々は第12代団長として調査兵団を率いていたが、無謀な壁外調査を繰り返し多くの部下を死なせたにもかかわらず成果を残せなかったことから、自分の無能を悟りエルヴィン・スミスに団長職を引き継がせた。主人公エレンの父親であるグリシャ・イェーガーとは以前から面識があり、彼が消息を絶つ直前に顔を合わせた最後の人物である。

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ダイナ・フリッツ(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ダイナ・フリッツ(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ダイナ・フリッツとは『進撃の巨人』の登場人物。主人公エレンの父親グリシャの前妻で「獣の巨人」ジークの母。その正体はフリッツ王家の末裔。ストーリー上、巨人の歴史と王家の情報を語る重要な役割を持つ。パラディ島に移住することを拒みマーレに留まった一族は、代々巨人の情報を隠し持っており、その末裔であるダイナはエルディア復権派と共に始祖の巨人の奪還を企てるが、計画は息子ジークの密告により失敗。ダイナは巨人化後、グリシャの後妻であるカルラを捕食する。最期はエレンの持つ座標の力で巨人の群れに喰われた。

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ロッド・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ロッド・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ロッド・レイスとは、「進撃の巨人」に登場するキャラクターである。壁内人類の真の王家であるレイス家当主。実質的には壁内での最高権力者である。ウーリ・レイスの兄であり、フリーダ・レイスやヒストリア・レイスの父親。正妻との間に5人の子がいたが、当時使用人として働いていたアルマとも関係を持ち、ヒストリアが産まれたことにより、事実的には子供は6人。だがグリシャにより正妻との間の子は皆殺されてしまい、生き残っている子供はヒストリアただ1人である。

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ケニー・アッカーマン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ケニー・アッカーマン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ケニー・アッカーマンとは『進撃の巨人』の登場人物で、中央第一憲兵団対人立体機動部隊の隊長。かつて「切り裂きケニー」の異名を取った大量殺人鬼だったが、ウーリ・レイスとの出会いを経て現在は中央第一憲兵団に所属し対人戦闘を専門とする部隊を率いている。リヴァイ・アッカーマンの育ての親であり、彼に戦闘技術を教えた人物でもある。その戦闘能力はリヴァイと同等かそれ以上であり、対立した調査兵団を大いに苦しめた。

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ヒッチ・ドリス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ヒッチ・ドリス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ヒッチ・ドリスとは『進撃の巨人』の登場人物で、憲兵団の新兵。アニ・レオンハートとは同期でルームメイト。ウェーブヘアが特徴の少女で、軽薄で不真面目な言動が多い。他の新兵同様安全な内地で楽をするために憲兵団に入ったが、実は機転の利くところがある。アニのことは愛想のない同期だと思っていたが、ストヘス区の戦闘以降行方不明になったことを心配しており、アニの正体が「女型の巨人」であることを知って大きなショックを受けていた。同期のマルロ・フロイデンベルクに好意を持っているが、マルロ本人は気づいていない。

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エルヴィン・スミス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

エルヴィン・スミス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

エルヴィン・スミスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、調査兵団第13代団長である。調査兵団は人類の生存圏を広げることを目的とし、日々巨人との死闘を繰り広げている。その類まれなる頭脳と判断力から大きな功績を挙げているが、目的のためなら手段を選ばない非情さから「悪魔的」と称されることもある。彼の真の目的は世界の真実を解き明かし、「人類は王家によって記憶を改竄された」という父の仮説を証明すること。人類最強と称されるリヴァイ兵士長を調査兵団に入れたのも彼である。

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ベルトルト・フーバー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ベルトルト・フーバー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ベルトルト・フーバーとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団団員。第104期訓練兵団を3位で卒業し、どの分野でもそつなくこなすことができる優秀な人物である。ただし優柔不断で判断を他人に任せる傾向があり、積極性に欠けることから他の同期と比べると少し影が薄い。その正体は、ウォール・マリア陥落の主因となった「超大型巨人」であり、始祖奪還作戦のために大国マーレから派遣された「マーレの戦士」の1人だった。任務を達成し故郷に帰ることを切望していたが、結局その願いは叶わず異国の地で命を落とすこととなる。

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ライナー・ブラウン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ライナー・ブラウン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ライナー・ブラウンとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団の団員。主人公エレン・イェーガーとはウォールローゼ南区第104期訓練兵団時代の同期である。責任感が強く、リーダーシップもあることから同期の中ではまとめ役を担っていた。しかし、その正体はウォール・マリアを破壊した「鎧の巨人」であり、始祖奪還を目的にパラディ島に送り込まれたマーレの戦士である。正体が判明した後はたびたびエレン達と対立し、始祖の力を巡って死闘を繰り広げていく。

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ポルコ・ガリアード(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ポルコ・ガリアード(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ポルコ・ガリアードとは『進撃の巨人』の登場人物で「顎の巨人」の継承者。「九つの巨人」継承者で構成される「マーレの戦士」の一員として、「顎の巨人」の持ち味である硬い顎と牙や俊敏性を活かし数々の戦場で活躍している。戦士候補生時代の同期であるライナー・ブラウンとは「鎧の巨人」継承権をめぐって争ったライバルだった。自分ではなく能力の低いライナーが「鎧の巨人」継承者として選ばれたことや、兄のマルセルがライナーをかばって巨人に食われたことから、ライナーに対して悪感情を抱いている。

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ガビ・ブラウン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ガビ・ブラウン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ガビ・ブラウンとは『進撃の巨人』の登場人物で、「マーレの戦士」候補生。天真爛漫で型破りな性格で、憧れの従兄であるライナーから「鎧の巨人」を継承するため日夜訓練に励んでいる。パラディ島のエルディア人を悪魔の末裔として強く憎んでおり、彼らを皆殺しにして自分達善良なエルディア人を収容区から解放することを願っていた。しかし成り行きでパラディ島に渡ることとなり、そこで出会った人々との交流からガビの考え方は変化し始める。

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ハンジ・ゾエ(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ハンジ・ゾエ(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ハンジ・ゾエとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団所属のベテラン兵士。初登場時は分隊長だったが、後にエルヴィン・スミス団長の後を継いで調査兵団第14代団長に就任する。ゴーグル(平常時は眼鏡)を着用し、茶髪を無造作に1つにまとめた中性的な外見をしている。明るく聡明な人物だが、巨人に対する情熱は人一倍で変人揃いの調査兵団内でも特に異彩を放っている。ウォール・マリア最終奪還作戦以降は左目を負傷したことから眼帯を着用している。

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アルミン・アルレルト(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

アルミン・アルレルト(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

アルミン・アルレルトとは『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。金髪ボブカットの中性的な外見を持つ。大人しいが芯の強い勇敢な性格で探求心が強い。祖父の影響で人類はいずれ壁の外に出るべきだという思想を持っており、エレンが外の世界に憧れるようになったのもアルミンの影響である。小柄で身体能力は低いものの、知能や判断力はずば抜けており、エレンや調査兵団の窮地をその知略で度々救っている。

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ダリス・ザックレー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ダリス・ザックレー(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ダリス・ザックレーとは『進撃の巨人』の登場人物で憲兵団・駐屯兵団・調査兵団の3つの兵団を束ねる総統。特別兵法会議においてエレン・イェーガーの処遇を調査兵団に委ねた人物である。王政編では調査兵団団長のエルヴィン・スミスや駐屯兵団司令官のドット・ピクシスらと共にクーデターに加担する。実はエルヴィンが決起する以前から王政に根深い嫌悪感を抱いており、密かに体制転覆の機会をうかがっていた。王都制圧後は身柄を拘束した王政幹部達に喜々として拷問を行っている。

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進撃!巨人中学校(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

進撃!巨人中学校(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『進撃!巨人中学校』とは中川沙樹が描く、諫山創の『進撃の巨人』の公式学園パロディ漫画。2015年にProduction I.G製作でアニメ化。前半をアニメパート、後半を出演声優たちによるバラエティ番組の実写パートとして30分枠で放送。中学生になったエレン・イェーガーは進撃中学校へ入学する。学校には巨人も在籍しており、エレンは巨人に恨みを持っており巨人を駆逐しようと非公式部活「調査団」へ入部した。

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ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ミカサ・アッカーマンとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。本作のヒロイン的ポジションで、幼い時にエレンに助けられた経験から、彼を守ることを自分の使命だと考えている。驚異的な身体能力を持ち、トップの成績で訓練兵団を卒業。実戦でも1人で複数の巨人を討伐する実績を残す。性格は寡黙で口下手だが、エレンのこととなると取り乱す一面もある。物語後半において、母方の祖先が東洋にあるヒィズル国将軍家だったことが明らかになった。

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クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

クリスタ・レンズ(ヒストリア・レイス)とは、諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物。第104期訓練兵団卒業生であり、主人公エレン・イェーガーは同期の1人。小柄で温厚、思いやりのある可愛らしいアイドル的な存在として登場する。同期のユミルと仲が良い。成績10位以内に入っているが、実際はユミルからその座を譲られただけで身体能力は人並みである。本名はヒストリア・レイスといい、壁内世界の真の王家の末裔であることが後に発覚する。

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イェレナ(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

イェレナ(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

イェレナとは『進撃の巨人』の登場人物で反マーレ派義勇兵の中心人物。マーレに滅ぼされた国の出身で、「獣の巨人」継承者で王家の血を引くジーク・イェーガーの信奉者として活動し、パラディ島の近代化に大きく貢献した。ジークの提唱する「エルディア人安楽死計画」達成のためなら寝食を共にした仲間すら殺害する冷酷な性格の女性。しかし実際にはマーレの被害者というのは虚偽であり、「世界を救う英雄」に憧れているだけのごく一般的なマーレ人である。

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ジャン・キルシュタイン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ジャン・キルシュタイン(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

ジャン・キルシュタインとは『進撃の巨人』の登場人物で、調査兵団に所属する兵士。第104期訓練兵団を6番で卒業した。自己の保身を第一に考える現実主義者で、思ったことを率直に言い過ぎる性格からたびたび主人公のエレン・イェーガーと対立していた。当初は巨人の脅威から逃れるために内地への配属を希望していたが、友人のマルコ・ボットが戦死したことで考えを大きく変え、調査兵団に入団する。入団後は持ち前の現状把握能力を活かして同期のまとめ役として活躍した。

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フリーダ・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

フリーダ・レイス(進撃の巨人)とは【徹底解説・考察まとめ】

フリーダ・レイスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、レイス家の長女。黒髪で青い瞳を持つ。レイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第1子として生まれた。表向きは地方の貴族として振る舞っているが、実際は壁内の真の王家の末裔。レイス家に代々引き継がれている特別な巨人能力を叔父のウーリ・レイスから引き継ぎ、宿している。本人の飾らない性格は多くの者から慕われており、妾の子である異母妹ヒストリアにも姉として優しく接していた。

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