冥冥（呪術廻戦）とは【徹底解説・考察まとめ】

虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）

『呪術廻戦』の主人公。
呪術高専1年生。呪術師の等級は不明だが、姉妹校交流会で呪術高専京都校3年の東堂葵（とうどう あおい）と特級呪霊・花御の侵略を防いだり、八十八橋（やそはちばし）で特級呪物「呪胎九相図（じゅたいくそうず）」の次男・壊相（えそう）を祓除するなどの実績を経て、東堂葵と冥冥から1級呪術師に推薦される。冥冥のことを冥さんと呼ぶ。

人並み外れた身体能力を持っている以外は普通の高校生だった。しかし虎杖の通う杉浦第三中学に任務で訪れた伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）と出会い、伏黒や自身の所属するオカルト研究会の仲間を救うために特級呪物「両面宿儺の指」を体に取り込む。それが原因で一度秘匿死刑が決定されるが、即時執行から執行猶予が与えられることになった。祖父である虎杖倭助（いたどり わすけ）からの「人を助けろ」という遺言や自身が持ち合わせていた善性に従って人を救うために、呪術師の道を歩むこととなる。

渋谷事変では冥冥チームに配属され、憂憂と共に青山霊園で待機。その後明治神宮前駅に降ろされた帳を破壊するために冥冥の指揮下懸命に働く。呪霊・蝗GUYの戦闘で圧倒的な勝利を収めたことで、「君、もう充分1級レベルだよ。」と冥冥から賛辞を受けた。冥冥は1級呪術師に虎杖を推薦しているが、その前後の描写から五条から依頼があって推薦したと考えられる。そのため冥冥が虎杖の実力を真に認めたのがこの場面だと言われている。

虎杖悠仁（呪術廻戦）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）とは、『呪術廻戦』の主人公で、その身に“呪いの王”両面宿儺を宿す少年。
宮城県の学校に通う高校生で、陸上の世界記録を軽々と更新するほどの驚異的な身体能力を誇る。心霊現象研究会に所属していたが、ある日仲間を救うため特級呪物をその身に取り込み、両面宿儺と肉体を共有するようにる。その力を御する術を学ぶため東京都立呪術高等専門学校に転入し、最強の術者である五条悟の下、両面宿儺の力を狙う呪霊たちと戦いを繰り広げながら、同級生の伏黒恵、釘崎野薔薇らと共に呪術師を目指していく。

冥冥の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「どっち？私は金の味方だよ」

冥冥というキャラクターを象徴する名セリフ。

貯金というゲームを楽しむ冥冥は、呪術界の派閥などには興味がないらしく、保守派からもその保守派を毛嫌いする五条悟からも仕事を請け負っているようだ。
呪術高専東京校と京都校の代表生徒で行われる姉妹校交流会では、団体戦をモニターするために術式「黒鳥操術」を使用して団体戦の会場である森にいるカラス達と視覚を共有し、それを画面に映し出していた。しかし何故だか虎杖悠仁周りの映像がよく切れる。そのことを不審がる五条が、東京校の学長・夜蛾正道や京都校の学長・楽巌寺嘉伸がいる目の前で「ぶっちゃけ冥さんってどっち側？」と尋ねる。” どちら ” というのは、両面宿儺を内に宿す虎杖悠仁を殺そうとする保守派なのか、それともそうでない側なのかを指していると思われる。それに対して冥冥は派閥の思惑など知ったこっちゃないというふうに「どっち？私は金の味方だよ」と右手の親指と中指で円を作ってお金を示す。さらに冥冥は「金に換えられないモノに価値はないからね。なにせ金に換えられないんだから。」と続ける。

このことから冥冥というキャラクターが一番重要視しているのは金であり、金のためであれば誰の味方にもなり得る可能性があるキャラクターとして読者に印象付けられた。そのため冥冥黒幕説などの考察も生まれ、敵か味方かわからない、でも魅力的なキャラクターとして『呪術廻戦』の物語に定着した。
ちなみにTVアニメ第17話「京都姉妹校交流会―団体戦3―」でこのシーンが放映された際は、担当声優の三石琴乃が圧巻の演技を見せファンを沸かせた。

「だから若い頃は必死に鍛えたよ。術式なしでも戦えるようにね。」

冥冥は呪詛師・蝦名仁次との戦闘中に、蝦名に自分の過去を語った。

冥冥の術式「黒鳥操術」はカラスを操るだけというシンプルなもので、ハッキリ言って術式としては弱い。そのため冥冥は若い頃に体を鍛えまくったそうだ。呪術師の真価は術式ではないと自分に言い聞かせ、術式なしでもやっていけるようにそれはもう必死に体を鍛えたのだとか。「だから若い頃は必死に鍛えたよ。術式なしでも戦えるようにね。」と蝦名に語るその表情は誇らしげで実に美しい。しかしそれでも肉体の強化には限界が来る。冥冥はそれに挫けたこともあったが、そこでまた自身が弱いと評価していた術式と向き合い、1級呪術師として花を開かせた。

冥冥は少なくても10年以上1級呪術師として呪術界に貢献している大ベテラン呪術師。そんな彼女も挫折を経験し、その挫折からまた立ち上がり努力した。冥冥の不屈の精神、諦めずに努力を続けることの大切さなどがわかる名セリフである。

「幾年振りかな。私の命に指が掛かるのは。」

冥冥が特級特定疾病呪霊・疱瘡神／疱瘡婆との戦闘時に言ったセリフ。

長らく呪術界の最高位（特級を除く）である1級呪術師を務めてきた冥冥は、過去手強い呪霊と戦ってきた経験がたくさんあると思われる。その中には苦戦を強いられるものもあったと予想される。しかし特級呪霊である疱瘡神を前に口にしたこの「「幾年振りかな。私の命に指が掛かるのは。」からは圧倒的な強者の貫禄が伺える。過去の苦戦を感じさせない強気な発言が冥冥の強さを象徴しているとも言える。

冥冥の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

単行本0巻『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』に登場

『呪術廻戦』の前日譚であり、プロトタイプでもある『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』に冥冥は既に登場しているようだ。

呪詛師に転変した夏油傑が呪術高専にやってきて、「百鬼夜行」の決行を宣言する。夏油の来訪を察知した呪術高専東京の学長である夜蛾正道は、夏油傑をここで討つため側にいた五条に「校内にいる準1級以上の術師を正面ロータリーに集めろ！！」と指示を出した。その夜蛾の指示通り、正面ロータリーには続々と呪術高専内にいた呪術師達が集まってくる。その時の一人に冥冥によく似た人物がいるのだ。三編みにはしていないが、前髪を長く垂らした髪の長い女性が夜蛾の後ろに控えており、手には大きな斧を持っている。冥冥の特徴と一致しており、『呪術廻戦』の本編が始まる前から冥冥というキャラクターが既に考えられていたことがうかがえる。

同じ場面に二級呪術師の猪野琢真もおり、これについては作者・芥見下々から「0巻に収録される話の中で準1級以上の術師の招集の中に猪野がいます。」というコメントがあった。しかし冥冥については公言されておらず、冥冥が『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』に登場しているということは読者間での憶測の域を出ない状況になっている。

しかし2021年12月24日に公開された劇場版『呪術廻戦 0』に登場。夏油傑が”百鬼夜行”の決行を宣言しに呪術高専に現れた際の夜蛾の招集に応えて現れた。その後のミーティングにも参加する姿が描かれており、”百鬼夜行”当日は新宿サイドで呪霊相手に戦う華麗な姿を披露した。これによって『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』に描かれていた大斧を持った女性が冥冥であることが濃厚になった。

冥冥の貯金額は実に500億円弱

金に汚いのではなく、あくまで貯金というゲームを楽しんでいるという冥冥。彼女の貯金額について気になっている読者は多い。冥冥の貯金は一体いくらなのか、という質問が2021年3月に発売された『呪術廻戦 公式ファンブック』の冥冥のコーナーに寄せられており、作者の芥見下々は以下のようにコメントしている。

「Q. ずばり貯金額はいくらでしょうか？」
「A. もう少しで屋形越えに挑めるくらい。」

多くの読者はこの「屋形越え」という言葉がわからず、結局冥冥の貯金がいくらなのかもわからないという状況に陥った。
しかしわかる人にはわかる。「屋形越え」というのは、別の漫画作品で登場する言葉であり、そしてそれが意味する金額は500億円だというのだ。
「屋形越え」とは漫画『嘘喰い（うそぐい）』に登場する制度の一つ。

『嘘喰い』は集英社の『週刊ヤングジャンプ』で連載がされていた迫稔雄が描くギャンブルを題材にした漫画である。完結済みの漫画作品であり、2006年から2018年にかけて連載されていた。2021年7月時点でシリーズ累計発行部数は880万部をしているヒット作で、2016年5月には連載10周年を記念して実写映画化もされている。

その『嘘喰い』には倶楽部「賭郎」（くらぶ・かけろう／通称「賭郎」）と呼ばれる秘密組織が存在する。要請に応じて立会人を派遣しあらゆる賭博を取り仕切る役目を持つ組織だそうだ。そしてその賭郎の長が「お屋形様（おやかたさま）」と呼ばれる人間である。賭郎の会員は自分の命と莫大な資金をもって「お屋形様」に勝負を挑むことができる。もちろん挑戦者が勝てば賭郎のトップの座を奪えるのだ。このシステムを「屋形越え」という。一攫千金、人生一発大逆転を狙える制度だが、過去に成功した事例はないという。

「屋形越え」に挑むには自分の命と莫大な資金が必要であると前述したが、この莫大な資金というのが「少なくとも500億円」だというのだ。つまりもうすぐ「屋形越え」に挑める冥冥の貯金額は500億円に近い金額であると言える。

冥冥が五条からの入金を確認している通帳を見ると、残額は2億5千万円。これだけでも気が遠くなるような大金であるが、これは冥冥の貯金のほんの一部にすぎないということである。

第102話の扉絵は映画『マルサの女』をイメージ

ジャンプコミックス12巻に収録されている第102話「渋谷事変20」で冥冥は扉絵をカラーで飾っている。第102話と言えば、冥冥が特級特定疾病呪霊・疱瘡神／疱瘡婆と領域内で戦闘を繰り広げ見事に勝利する話である。

この話の扉絵は作者・芥見下々のお気に入りの映画『マルサの女』をオマージュしたものだそうだ。
『マルサの女』は1987年に公開された日本の映画。国税局査察部（通称マルサ／〇査) に勤務する女性査察官と脱税者との戦いをコミカルに、シニカルに描いている。『マルサの女』が大ヒットとなったことを受け、翌年に続編の『マルサの女2』が公開されただけでなく、カプコンによってゲーム化されるなど様々な展開が行われた。

芥見下々はオマージュするに当たって映画『マルサの女』を見返したそう。それをきっかけに新たな面白さを発見することができたと話している。