目玉焼きの黄身 いつつぶす?(漫画・アニメ・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』とは、おおひなたごうによるフードコメディ漫画。『コミックビーム』にて、2012年10月号から連載された。主人公・田宮丸 二郎は食事に異常なこだわりを持つ男だ。同棲中の恋人・長嶋 みふゆが自分とは違う目玉焼きの食べ方をしていたことから「自分の食べ方はメジャーではないのか?」と衝撃を受ける田宮丸。それ以降もことあるごとに他人の食事の仕方に疑問を持ち、首を突っ込んで食べ方について論争していく。周囲と食べ方で衝突しながらも、田宮丸が人として成長していくストーリー。

大貫は両親とご飯をシェアしていた名残から、友人たちにも「一口ちょうだい」と言って一口せがむ癖がついていた。
しかし人によっては「一口ちょうだいで多めに食べられ不快な思いをした」「一口ちょうだいの時に自分が口をつけたスプーンを使って欲しくない」「一口ちょうだいされたら何か返さなければと思ってしまう」などと不快になることを知った大貫。
そこで作成したのがこの「一口ちょうだいアンケート」である。アンケート内容は「一口ちょうだいと言われたらどうしますか?」「一口ちょうだいを言ったことがありますか?」という項目が5つ記載されている。

その他

ワードバスケット

服部がハマっているカードゲーム。

ワードバスケットとは、しりとりをカードゲームにしたもの。
50音が書かれたカードと特殊カードの計60枚からなる。その中から5枚、手札として配られる。ルールは簡単で「場に出ている文字で始まり、手持ちにある文字で終わる」単語を考えていち早く言うだけ。
例えば場に「ま」のカードが出ており、自分の手札に「ろ」があれば「マシュマロ」と言って「ろ」のカードを出す。残り1枚になった時に「リーチ」と宣言し、先に手札の5枚を消化できた方が勝ち。
特殊カードは「7文字以上の単語」などの縛りがあるものが多い。

『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

田宮丸 二郎「焼き鳥が…陵辱されてしまったかのようだ…」

「焼き鳥が…陵辱されてしまったかのようだ…」と悲しむ田宮丸。

仕事仲間と居酒屋で焼き鳥を食べている時、田宮丸は串にかぶりついて食べていた。しかし、目の前に座る女性たちは串から肉やネギを外しており、その理由を問うと「1人一本食べると足りないし、コースだと追加料金がかかるから。それに色んな味をシェアして食べたいから」だった。
串にかぶりつく食べ方が一番美味しいと思っている田宮丸は、串から外された焼き鳥たちを見て「焼き鳥が…陵辱されてしまったかのようだ…」と悲んだ。

その後、この件をみふゆに相談したところ「女の子は特に女子力アピールも兼ねてしてるんじゃないかな?」と言われる。女性が串にかぶりつく姿に萌えていた田宮丸は、この事実を知りショックを受けるのだった。

服部 龍峰「食器洗いはクリエイティブじゃないからさ…」

服部は食器洗いという家事に関して「食器洗いはクリエイティブじゃないからさ…」と感じている。

田宮丸は友人である服部と卵かけご飯を食べた際に、田宮丸は衝撃を受ける。それは服部が「白ご飯の上に生卵を乗せて醤油を垂らし、かき混ぜて食べる」というものだった。しかし田宮丸は「一度小皿で卵を溶き、醤油と混ぜた上で白ご飯にかける」タイプだった。
服部がなぜそんな食べ方をするのかと田宮丸が聞くと、服部は「洗う食器を増やしたくない」からだった。小皿に生卵を入れれば、その分洗う食器が増える。そして食器を洗う行為は「食器洗いはクリエイティブじゃないからさ…」と感じているからだった。
その発言を聞いた田宮丸は「食器洗いをそこまで深く考えたことがなかった」と己の未熟さにショックを受ける。しかし、やはり卵は溶いてから食べたい田宮丸。
そこで見つけた方法は、茶碗へ先に卵を入れて醤油を入れて溶き、その上に白ご飯を乗せるというものだった。この画期的な発想を近藤に伝えるが、近藤から「それは卵にご飯をかけているものじゃないか?」と指摘されたことから、まだまだ卵かけご飯の真髄には辿り着けていない。

志岐 カオル「シロップは…切った後にかけるのよっ」

「シロップは…切った後にかけるのよっ」と力説する志岐。

田宮丸は偶然、小学校の時の同級生で委員長の志岐に再会する。2人でパンケーキを食べていると、田宮丸は昔のことを思い出した。
それはお誕生日会の時だった。志岐の家に行った田宮丸は、パンケーキを振る舞われ「3枚重なっているパンケーキにメイプルシロップをかけて、3枚貫通するように切れ込みを入れて」食べていた。一方で志岐は「バターを全体に塗った後、パンケーキをナイフで刺しメイプルシロップをかける」というものだった。
当時のあの食べ方はなんだったんだ、と田宮丸は聞くと志岐は「私はバターもメイプルシロップもパンケーキ全体に染み込ませたいの。だからナイフでパンケーキに穴を開けていたのよ」と説明した。大人になった今、流石にナイフで穴を開けることは無くなったが、志岐の食べ方は「バターを全体に塗り、8等分した後にメイプルシロップをかける」というものだった。これも全体にメイプルシロップを染み込ませる方法の一つで、これを見た田宮丸は自分とは違う食べ方ではあるものの、一線を凌駕する食べ方のこだわりに衝撃を受ける。

この頃、田宮丸はみふゆと食べ方の違いからすれ違いを感じていた。そしてクールな志岐にも惹かれ始めていた。そこで田宮丸は「みふゆのパンケーキの食べ方を見て決めよう」と決意する。
早速みふゆと連絡をとり、カフェで待ち合わせをしてパンケーキを食べる田宮丸。肝心なみふゆのパンケーキの食べ方は「バターを塗りメイプルシロップをかけ、1枚ずつ食べる」というものだった。自分とは違う食べ方に「やっぱり俺とみふゆは合わないんだ」と感じてみふゆと別れる。
もちろん志岐と自分の食べ方は違うものの「みふゆと別れるまでしたんだ。俺が志岐に食べ方を合わせる」と思っていた。

その後、志岐と再び会いパンケーキを食べる。田宮丸は「俺は志岐の食べ方に合わせるよ!」と言って、パンケーキにバターを塗ってメイプルシロップをかけ8等分する。しかし、その姿を見た志岐は激怒。「シロップは…切った後にかけるのよっ」と無理に合わせてきた田宮丸の姿にも不服そうにし、志岐は店を出ていく。田宮丸は志岐にもフラれてしまった。

近藤 雄三「お前に…食べ方で排除される辛さを…知って欲しかった…!」

「お前に…食べ方で排除される辛さを…知って欲しかった…!」と苦しみながら伝える近藤。

田宮丸はフラワー企画の社長でもある羅生門 竜彦と、仕事仲間たちと焼肉に来ていた。その際、白飯を食べているのは田宮丸だけで周囲の人は「肉だけ」「ビールと一緒に」という食べ方をしていた。さらに羅生門は田宮丸に対し「焼肉屋で白飯を食うなど言語道断、そういった行為は金輪際私の前でするな」と怒る。
店を出た後、田宮丸は「なんだよあの言い方!白飯を食べてる人の前で言うことじゃないだろ!あんな人の下では働けない!」と理不尽に怒られたことに怒りを感じていた。その姿を見た近藤は「お前も食べ方が違うだけでみふゆさんを排除したんだろ。お前と一緒じゃないのか」と正論を放つ。それを聞いた田宮丸は、今まで自分はこんな風に周りの人を食べ方だけで拒絶していたのかと落ち込む。

翌日も田宮丸は「焼肉の時に白飯を食べてはいけないのか」と悩んでいた。それを知った近藤は田宮丸を焼肉に誘う。そして近藤は田宮丸に白飯を頼ませて、肉はホルモンを用意した。
近藤は「ホルモンと一緒に飯を食ってみろ」と田宮丸にホルモンと白飯を食べさせる。するとホルモンはよく噛まなければいけないのに対し、白飯はそこまで噛まずとも飲み込める。そうなるとホルモンと白飯を飲み込むタイミングがズレるということに気づいた。
カルビなどと白飯は合うのに、ホルモンなど肉の種類によっては白飯が合わない。その事実にショックを受ける田宮丸。その後も様々な肉の部位で白飯を試す田宮丸。自分の世界が広がったようで、もやもやしていた田宮丸は「白飯と肉は奥が深い」と感心していた。さらに近藤は「飯が欲しければビビンバやクッパもある」と田宮丸を励ます。

焼肉屋を出た後、近藤は衝撃の事実を口にする。実は羅生門は大の白飯好きで、焼肉屋でも必ず白飯を頼むタイプだということだった。しかし、白飯を食べ過ぎて糖尿病を悪化させ入院したことにより、妻から「2度と白米を食べません」という誓約書を書かされた。
つまり羅生門が「焼肉と白飯を一緒に食べるやつは言語道断」と否定するのは、自身が白米を食べられない悔しさを誤魔化している意味もあったのだ。それを知った田宮丸は「そんなの身勝手すぎる!それにどうして近藤さんは教えてくれなかったんですか!?」と近藤に詰め寄る。すると近藤は「お前に…食べ方で排除される辛さを…知って欲しかった…!」と苦しみながら告白した。
田宮丸の度重なる「他人の食べ方を否定する姿勢」を危惧して、近藤はあえて黙っていたのだ。それを知った田宮丸は「そんなに俺のことを思ってくれてたんですか…!」と感動した。

田宮丸 二郎「一緒に飯を食べてくれる人が欲しいよ…」

「一緒に飯を食べてくれる人が欲しいよ…」と本音を口にする田宮丸。

田宮丸はみふゆと別れた後、田宮丸は食に対するモチベーションが下がっていた。
以前は「行列が出来る店」や「有名店」や「行きつけのお店」にも通っていたのに、今では家でカップラーメンを食べる日々。そこで「そうか、食事は人との関わりを持つ時間でもあったんだな」ということを知る。
また「みふゆとなら行列に並んでるのも楽しかったな」とみふゆとの思い出に浸る田宮丸。そしてみふゆの食べ方を「自分とは違う」というだけで否定していたことも思い出し、「俺はなんてことを」と後悔する。この頃、みふゆは『MANZAI GP』の決勝に進んでいたこともあり、田宮丸は「自分が突き放したこともあるけど、みふゆは少し遠い存在になったのかな」と感じていた。
そんな心境の中、服部と会ったときに田宮丸は「一緒に飯を食べてくれる人が欲しいよ…」と素直な自分の気持ちを吐露した。今までは「自分の食べ方が1番」「うまい食べ方が1番」と思っていた田宮丸が、人それぞれ違う食べ方があると分かりながらも「誰かと食事を共にしたい」と思うようになった変化だった。

長嶋 みふゆ「調味料に囚われ過ぎ!!」

なんにでも調味料をかける田宮丸に「調味料に囚われ過ぎ!!」と怒るみふゆ。

田宮丸は今まで、餃子を「酢醤油にラー油」というタレで食べていたが「醤油を入れる」「酢を入れる」人もいることや、食べ方のバリエーションは調味料次第で変わるということを知った。そのため田宮丸はみふゆの料理にも、一口食べた上で様々な調味料をかけ始める。
田宮丸はピザにソースをかけて食べてみるが、想像よりも不味い。それに懲りず、「ワサビなら合うかも!」と色々試してみる。しかしそれは新しい味を追求するというよりも、食べ物で遊んでいるようにしか見えない。そんな田宮丸に対し、みふゆは「調味料に囚われ過ぎ!!」と怒る。
調味料はあくまでもサブ的な立ち位置で、料理本来の味がメインであることを田宮丸に再認識させた。

syotostar
syotostar
@syotostar

目次 - Contents