目玉焼きの黄身 いつつぶす?(漫画・アニメ・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』とは、おおひなたごうによるフードコメディ漫画。『コミックビーム』にて、2012年10月号から連載された。主人公・田宮丸 二郎は食事に異常なこだわりを持つ男だ。同棲中の恋人・長嶋 みふゆが自分とは違う目玉焼きの食べ方をしていたことから「自分の食べ方はメジャーではないのか?」と衝撃を受ける田宮丸。それ以降もことあるごとに他人の食事の仕方に疑問を持ち、首を突っ込んで食べ方について論争していく。周囲と食べ方で衝突しながらも、田宮丸が人として成長していくストーリー。

混ぜて食べた方が楽だと語る大貫。

CV:荒井聡太

田宮丸と同じスーツアクターで後輩。主にヒマりんの中に入っている。太めの体型に角刈りが特徴的。

納豆を全部ご飯にかけることや、カレーをライスとルーを混ぜて食べることから田宮丸に「混ぜラー」と呼ばれている。
しかし、過去にワサビをかけ過ぎて辛い思いをしたことから、ちらし寿司や海鮮丼は混ぜずに「刺身をご飯の上から取り、ワサビ醤油につけてご飯に戻し食べる」という食べ方をしている。

また大貫は「一口ちょうだい」の常習犯であった。それは小さい頃から、親子で「一口ちょうだい」と言い合ってお互いの食べ物を交換していたからである。
しかし仕事仲間に「一口ちょうだい」と言うと、軒並み不評であった。その理由として「少ししかないものを一口ちょうだいと言われたら、自分が食べる分が少なくなるから」「自分のペースで食べていたのに、一口食べられることで乱されるから」「一度口をつけた箸で食べられたくない」「自分も相手に一口ちょうだいと言った方がいいのかと悩む」などが挙げられた。
このことから大貫は「一口ちょうだい」と言うのはタブーなのかもしれないと落ち込む大貫。
そんなとき、ショーの最中ステージから落ちそうになって助けた亜希(あき)が話しかけてくる。亜希は「私にだけ一口ちょうだいって言ってくれませんでしたよね」と大貫に言った。大貫はいつの間にか亜希に特別な思いを抱いており、そのことから気軽に「一口ちょうだい」と言えなかったのである。大貫は素直に「自分にとって亜希ちゃんは特別で…」と思いを告白する。
すると亜希も「私も大貫さんが好きです。私なら一口いつでもあげます。これからは一緒に美味しいものを共有しましょう」と言われたことにより、亜希と交際することになった。
ちなみにこの出来事から「一口ちょうだいアンケート」を作成し、事前に答えてもらうことで「一口ちょうだい」で相手を不快にさせないようにしている。

亜希(あき/演:武田玲奈)

田宮丸を気にかける亜希。

CV:長久友紀

ショーやイベントで司会をしている声優志望の女性。度々好意はないが田宮丸から可愛いと思われている。

第2巻10話の『つけ麺なぜ食べる?』では「つけ麺はぬるい方がいいんです」と亜希は発言した。その理由は「あったかいラーメンだと鼻水が垂れちゃうから」だった。
また第5巻32話『カップ麺の蓋全部取る?』では「カップラーメンの蓋は残しておく」タイプの亜希。その理由は「食べられているところを見られるのが恥ずかしいから」であり、この理由に田宮丸は「可愛い!」と心でキュンとしていた。

あるショーの最中、田宮丸ことどくフラワーがうっかり亜希にぶつかってしまい、亜希がステージから落ちそうになる。そこを大貫ことヒマりんが助けたことにより、2人は急接近する。
その頃、大貫は周囲の人に「一口ちょうだい」と言ったことに悩んでいた。大貫は親子間で食べ物をシェアするのが当たり前だったため、周囲の人も同じ気持ちだと思っていた。しかし「一口ちょうだい」にいい思い出がある人ばかりではなく、大貫が思っていたより「一口ちょうだい」は周囲の人を困らせる一言だった。
そんな中でも大貫は亜希を特別に思っているためか、亜希だけには「一口ちょうだい」が言えずにいた。「一口ちょうだいは困らせる一言だったんだ」と落ち込む大貫に、亜希は声をかける。
亜希は「私だったらいつでも一口あげますよ」と大貫を励ました。そして亜希は大貫に「これからは私と一緒に美味しいものを共有しませんか?」と告白。2人は交際へと発展した。

靖雄(やすお/演:遠藤史也)

若手スーツアクターの靖雄。

CV:CR岡本物語

田宮丸の後輩。同じくスーツアクターで若手。スーツアクターに一生懸命で、田宮丸や大貫、近藤などフラワー企画の人間を尊敬している。

食べ方のこだわりから悩み事が増え、キレが悪くなった田宮丸はどくフラワーを降ろされる。その代わりとしてどくフラワーに入っていたのが靖雄である。
しかし、田宮丸はどくフラワーを演じた後、まるでどくフラワーと一心同体になったように鼻水を垂らすのだが、靖雄はどう頑張っても鼻水を垂らせなかった。そのことから「俺にどくフラワーは無理です」と田宮丸に謝った。一生懸命な靖雄に田宮丸は「靖雄なら出来るよ」と励ました。これは田宮丸がまだどくフラワーに自信を持てないことからと、靖雄の努力を認めてからのことだった。
そんなある日、田宮丸はどくフラワーは自分にとって唯一無二だと徐々に思えるようになり、靖雄に「どくフラワー代わってくれ」と言おうと話しかける。しかし、どくフラワーを演じた後の靖雄が鼻水を垂らしていた。田宮丸がうじうじしている間に、靖雄はどくフラワーと心を通わせ始めていたのである。
田宮丸は「このまま靖雄がどくフラワーに鎮座するのでは」と懸念していたが、新キャラクターが登場しその中を靖雄が務めることになったため田宮丸の杞憂で終わる。

その後、有名監督の映画の主役に選ばれフラワー企画を去る。
ちなみに焼き鳥は串から外すタイプだが、その理由は「串を食べるときに面白い顔になるから」である。

焼野原 一面(やけのはら いちもく)

牛丼を好んで食べる焼野原。

笠原作の『目玉焼き どう食べる?』の演出。

田宮丸との初対面は牛丼屋であった。田宮丸の向かい側に座っている男性は、牛丼から溢れるほど紅生姜をかけて食べていた。もはや紅生姜丼である。
そのインパクトが忘れられず、田宮丸は「どうしてあんなに紅生姜をかけて食べるんだ?」と疑問が残ったままだった。

その後、笠原たちと舞台の打ち合わせで合流した時に焼野原とも再会する。
そして田宮丸は「どうしてあんなに紅生姜をかけて食べるんだ?」と気になっていたことを聞いた。
しかし焼野原は「食べてみれば分かる」と明確に教えてくれなかった。それから田宮丸は牛丼屋に行き、焼野原と同じように紅生姜を牛丼にたっぷりかけて食べてみる。しかし「辛い」「しょっぱい」ばかりで、食べ切っても意味は見出せなかった。
それなのに気がつけば、深夜だろうが牛丼屋に行き、紅生姜を大量にかけて食べている自分がいた。田宮丸は「こういうことだったのか」とようやく意味を見つける。
紅生姜丼は正直なところ美味しくはない。それなのに気がつけば体が欲して、深夜だろうが食べに行ってしまう。それは「刺激欲しさ」からだった。それを焼野原に打ち明けると「何かストレスに心当たりは?」と聞かれる。
田宮丸は今まさに、「芝居をするべきなのか」や「それなら近藤さんにどくフラワーの継続を相談するべきなのか」と板挟みになっていた。

焼野原も一時期仕事のストレスから紅生姜丼を食べており、恋人が出て行った時には七味までかけて食べていた。そんな無茶な食べ方をしていたせいで、胃を壊し入院。
そんな時、笠原から『目玉焼き どう食べる?』の脚本をもらい面白さから笑ってしまった。そしてそれが希望の光に感じた。
焼野原は田宮丸に「何かストレスがあるなら、それを取り除いた方がいい」と田宮丸にアドバイスする。その一言で田宮丸は近藤に「芝居をしてみたいこと、どくフラワーは稽古中は継続できないこと」を打ち明けた。
近藤は「自分のしたいことがあるやつを止めるつもりはない」とどくフラワーの代役を探し、田宮丸が芝居に熱中できるようにしてくれた。これ以降、田宮丸はストレスから解放され紅生姜丼を食べたいと思わなくなった。

『目玉焼き どう食べる?』の稽古が始まったものの、芝居未経験の田宮丸はガチガチに緊張しセリフひとつも満足に言えない。
ようやく言えた「お前バカか?」というセリフも、焼野原は「もっと驚くような言い方をこうして」「ニュアンスを意識して」などと指示を出してくる。
それを聞いた田宮丸は「この話は俺が原作なんだろ!?俺の言い方が1番あってるはずだ!」と焼野原に怒ってしまう。焼野原はこのことから田宮丸を主役から下ろし、家に帰す。その行動に笠原は「やりすぎなんじゃないか」と田宮丸をフォローしたが、焼野原は「俺には俺のこだわりがある。演出の言うことを聞けない役者はいらない」とキッパリ断った。
しかしここで笠原は「ところで焼野原、お前のその食べ方なんだよ」と焼野原に驚く。2人はラーメン屋に来ておりラーメンを食べていたのだが、焼野原の食べ方は独特だった。
焼野原はレンゲに乗せられるだけ麺や具を乗せ、まるでミニラーメンをレンゲの上に作ってからそれを一口食べていた。焼野原はこれを指摘されたことから、あることを思いつく。

翌日、「主役をもう一度だけさせてくれ」と懇願する田宮丸に対し「今からラーメン屋に来られるか?」と焼野原は聞いた。田宮丸はすぐにラーメン屋へ向かう。
そして田宮丸は「昨日は悪かった」と自分も言い過ぎたことを謝ってから、焼野原を見ると焼野原はレンゲでミニラーメンを作ってから食べていた。その食べ方に当然、田宮丸は「何やってんだ?」と聞く。焼野原は「いいだろこの食べ方。上品だし、ラーメンからミニラーメンを作って食えるんだぜ」と自慢げに話した。
思わず田宮丸は「お前、バカか?」とみふゆにも言った芝居のセリフを口にした。それを見た焼野原が「その感じだよ!」と田宮丸を誉める。焼野原はこの一言を引き出すために、田宮丸の前であえてこのような食べ方をしたのだった。それを知った田宮丸は反省し、焼野原について行くことを決める。
仲直りした2人だったが、焼野原がプライベートでもミニラーメンという食べ方をしていると知った田宮丸は「お前、本当にバカなのか?」と引いていた。

羅生門 竜彦(らしょうもん たつひこ/演:山下真司)

フラワー企画の代表・羅生門。

フラワー企画の社長。常に大声で話している。性格は荒っぽく、自分の意見を通そうとする時がある。

大のお米好きで「味噌汁を一口飲んだらご飯を5口食べる」くらいお米をドカ食いする。しかしその食べ方が祟り、糖尿病を悪化させ一時は入院を余儀なくされた。これにより妻から「2度と白米を食べません」という誓約書を書かされ、それ以降は徹底的に白米を禁止している。
心では白米を食べたいと思っているため、田宮丸が焼肉屋で白飯とカルビを食べていた時は「焼肉屋で白飯を食うなんてあり得ない」と貶した。さらには「焼肉にはマッコリが合う、ビールを飲むのも粋じゃない」とビールを飲んでいる人々を見下した。
しかし、その本心は自分が食べられないから、白飯やビールを食べられる人たちへの当てつけが大きかった。

蛇錦(へびにしき)

どくフラワー改名賛成派の蛇錦。

市が建設しているテーマパークの開発チーフプロデューサー。

市のテーマパークのキャラクターとしてどくフラワーを起用したいという声があった。しかし「どくフラワー」では印象が悪いので「らぶフラワー」に改名して見た目も変えようと、スポンサー並びに蛇錦は田宮丸たちに言ってきた。
蛇錦を説得するために、田宮丸は食事の場を設ける。
中華料理店で田宮丸は「どくフラワーにはちゃんと由来があってあの名前と見た目なんです」と伝えようとするが、蛇錦は「誰も由来なんて気にしませんよ!そんなことより大衆受けする見た目が大事なんです!異質なものは排除しましょう、このパイナップルのように」と酢豚に入っていたパイナップルを避ける。
田宮丸は「でもパイナップルの酸味が酢豚を引き立てますし、パイナップルの成分が肉を柔らかくするんですよ」と説得するが、蛇錦は「パイナップルは元々高級感を出すためだけに入れられただけで、加熱するとその成分も無くなるんですよ」と完全に論破した。
その上で蛇錦は「どくフラワーも見た目が大事。らぶフラワーに改名しましょう」と意見は変わっていなかった。

しかし翌日、あの場にいたテーマパーク開発のディレクター・逆中川(ぎゃくなかがわ)から田宮丸に連絡が入る。それは逆中川もどくフラワーのファンであるからこそ、改名は許せないというものだった。そして逆中川は田宮丸に「実は蛇錦、昨日はあんなにパイナップルを貶してましたが、ハンバーグと食べる時には必ずパイナップルをつけるんです」と蛇錦の秘密を教える。
その情報を得た田宮丸は変装し、逆中川と蛇錦がハンバーグ屋で食事をする場面に立ち会う。蛇錦は確かにハンバーグを食べる時には必ずパイナップルが添えられているものを注文しており、なおかつオプションでパイナップルの追加を頼むほどだった。
現場を押さえた田宮丸は変装をとき、蛇錦に「昨日はパイナップルは料理と相容れないって言っていたのに、ハンバーグには追加するまで頼むなんて矛盾してるじゃないですか!」と詰め寄る。蛇錦はこれに対し「ハンバーグ屋のパイナップルは違う。しっかりと焼かれていて歯ごたえがあり、焦げた部分もうまい」と熱弁。そして蛇錦は「同じパイナップルだからって酢豚のものとハンバーグ屋のものと一緒だと、見た目で判断するな」と怒る。
それを聞いた田宮丸は「どくフラワーも見た目で判断しないでください!改名には断固反対です!」と言ったことで、蛇錦は思い直しどくフラワーの改名を取りやめる。しかし結局は、スポンサーの意向で、「どくフラワー」の名前を「らぶフラワー」に、色も変えることになった。

友人

服部 龍峰(はっとり りゅうほう/演:大谷亮平)

つけ麺を否定する服部。

田宮丸の友人。趣味はワードバスケットで、優勝経験もある。餃子店でアルバイトをしており、以前は焼き鳥屋でもアルバイトをしていた。いつも頭にバンダナを巻いている。

田宮丸のバカらしいとも言える食のこだわりに、真面目に向き合ってくれる貴重な親友。
田宮丸が「つけ麺ってなんなんだ?温かいラーメンでもない、つゆはどんどん温くなっていく…どんな気持ちで食べたらいいんだ?」と服部に相談した際にも、服部は「俺は断然ラーメン派だ!つけ麺なんてものはブームになっているからみんな食べているだけ!」とキッパリ言い放った。
また田宮丸が「どうしてみんな焼き鳥を串から外すんだ?」と悩んでいる時には、「串のまま食べると口周りが汚れるから俺は串から外す。こまめに口を拭く方が女々しくて嫌だね」と己の見解をぶつけた。

また食器洗いはクリエイティブではないという理由から、極力食器を出さない生活をしている。ご飯をラップの上で食べたり、即席ラーメンは鍋のまま食べるなどである。
田宮丸とはまた違う食に対するこだわりがあるが、田宮丸のように人との違いに悩むことはない。

田宮丸のことは親友を思っており、田宮丸がいっときの感情で若月と関係を持ってしまった時には代わりに説得に行った。

志岐 カオル(しき カオル)

メガネをかけているのが特徴的な志岐。

田宮丸が小学生の時の同級生で、学級委員長だった女性。知的でクールな性格。バツイチ。宝石店に勤めている。

偶然、田宮丸と再会し共にパンケーキを食べる機会があった。そこで志岐は「パンケーキにバターを全体に塗ってから、3枚重ねのパンケーキを8等分する。そしてメイプルシロップをかける」という食べ方をしていた。その理由は、メイプルシロップをパンケーキに染み込ませたいから。
そんな食に対するこだわりを持っており、このことから夫と揉めて離婚している。みふゆと食べ方ですれ違っている田宮丸から言い寄られるも、「みふゆさんとのことハッキリさせたらまた会いましょう」と言って去る。

その後、田宮丸がやはり食べ方の相違からみふゆと別れ、志岐の元へやってくる。しかし、「志岐の食べ方に合わせるよ」と言った田宮丸のパンケーキの食べ方が「パンケーキにバターを全体に塗ってからメイプルシロップをかけ、8等分する」だったため「食べ方が違う」と怒って帰る。その後は田宮丸と連絡を取ってない。

終盤で田宮丸がみふゆにプロポーズしようと、偶然志岐が勤めている宝石店を訪れ再会する。
みふゆの指のサイズも分からない田宮丸に、「指輪を買うときはサイズが重要なのよ」と笑ってアドバイスをするほど関係は良好。

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