フツーに聞いてくれ（藤本タツキ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『フツーに聞いてくれ』の概要

『フツーに聞いてくれ』とは、原作：藤本タツキ、作画：遠田おとによる、少年の告白から始まる珍騒動を描いた読み切り漫画。
藤本は『ファイアパンチ』、『チェンソーマン』といった作品で高く評価され、2022年の7月に『チェンソーマン』の第二部スタートを控えての新作発表という形となった。遠田はその藤本が『ファイアパンチ』を描いていた頃に彼のアシスタントを務めており、師弟のタッグによる作品という点でも注目を集める。

高校生の“少年”は、中学の頃から憧れていた同級生の“少女”に告白しようと、自作の歌を動画にしてネットにアップする。結局告白に失敗して“少年”が意気消沈する一方、クラスメイトたちがおもしろがって拡散した動画には、幽霊が映っていたことが明らかとなる。
ここから動画は大評判になり、陰謀論者に取り上げられて「現代社会への警鐘」や「大国への批判」が内容に含まれていると解析され、果ては世界的な話題となっていく。望まぬまま世界的な注目を集めることとなった“少年”は、己の想いを込めた新たな動画を公開する。

フツーに聞いてくれ - 藤本タツキ/遠田おと | 少年ジャンプ＋

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鬼才と新鋭！強烈タッグが放つ珠玉の短編読切！

ルックバック（藤本タツキ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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『ルックバック』とは、『ファイアパンチ』、『チェンソーマン』で知られる藤本タツキによる、2021年7月19日に公開された読切漫画。2024年に押山清高監督で劇場アニメ化した。
小学生の藤野歩は、自作の4コマ漫画を学級新聞に載せてもらうのが趣味だった。しかしある時、引きこもりの京本という同級生の圧倒的画力に激しい衝撃と劣等感を抱く。画力で勝てないと挫折する藤野だったが、その京本が自身の漫画の大ファンだと知って有頂天になる。2人はコンビで漫画家を目指すも、その道は次第に擦れ違い、断絶していく。

さよなら絵梨（藤本タツキ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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『さよなら絵梨』とは、映画好きの少年・伊藤優太の半生をドキュメンタリー映画風に描いた藤本タツキの読み切り漫画である。『チェンソーマン』などの話題作を次々と送り出した作者の新作ということで、公開前から注目を集めた。
母の闘病から死までを撮影した自作映画を撮った伊藤優太だったが、それが酷評されたことで自暴自棄となるも、ふとしたことから出会った絵梨という少女に作品を絶賛され、彼女を題材にもう一度映画を撮り始める。その絵梨もまた余命いくばくもないことを知り、優太は映画作りにのめり込んでいく。

『フツーに聞いてくれ』のあらすじ・ストーリー

告白と自作動画

高校生の“少年”は、中学生の頃から憧れていた同級生の“少女”に告白しようと、自身の想いを込めた自作の歌を動画にしてネットにアップする。これを聞いて返事を聞かせてほしいと“少女”に頼み込むも、彼女からは「ごめんなさい」と返され、“少年”は意気消沈する。
しかし「めっちゃウケた」という理由から、“少女”は動画をラインで友人たちに向けて拡散してしまう。“少年”の歌う姿は学校中の話題となり、彼はクラスメイトたちからさんざんにからかわれる。

どうしてあんなことをしてしまったのかと、今さら頭を抱える“少年”。しかし彼が動画を消そうとした時には、その話題は歌い手以外の部分に移っていた。動画の中に、幽霊が映っていたことが明らかとなったのである。

望まぬ注目

「下手に動画を消すと呪われる」と学友から忠告された“少年”が対応をこまねいている内に、彼の動画は世間の注目を集めていく。ついには「スカイフィッシュが映っている」やら「アメリカの銃社会への批判になっている」やらといった、“少年”がまったく意図していないことまでが話題となり、総再生回数は4億を突破。一躍時の人となった“少年”に、「早く新作動画を作ってほしい」という声が届けられるようになる。

世界から注目を集めるようになった“少年”だったが、その全てはただ煩わしいだけのものだった。彼はただ、想いを寄せる少女に告白したかっただけなのだ。
意を決して、彼は己の想いを込めて新たな動画を発表する。

ありのままの想い

“少年”が新たに発表した動画「フツーに聞いてくれ」は、高校生が作った素人相応のものでしかなく、それまでの熱狂が嘘のように世間から一瞬で飽きられる。動画を削除し、その日も電車で登校する“少年”の隣に、不意に“少女”が座り込む。彼女が“少年”の耳に差し込んだイヤホンからは、彼が消したはずの2つ目の動画で歌った歌が流れていた。

こんなものはみんなダウンロードしているから消したって無駄だと言い放ち、“少女”は続けて「1曲目も2曲目も、中学の美術の授業で私をデッサンした時のことを歌っている」と指摘する。一番聞いて欲しかった相手が、自分の歌を「フツーに聞いて」いてくれたことを悟って、“少年”は安堵する。
電車が駅につくまでの間、2人は同じスマホで“少年”の想いが込められた曲を聞き続けるのだった。

『フツーに聞いてくれ』の登場人物・キャラクター

“少年”

高校生の少年。本名不明。
趣味で音楽をたしなんでいるらしく、ギターを所有している。中学校の頃から同級生の“少女”に想いを寄せており、意を決して彼女に告白することから物語が始まる。

告白用の歌を動画にしてネットにアップするなど、熱意が高じてややトンチンカンなところもあるが、世界的な話題の中心人物となってなおそれに浮かれるより「意中の相手に自分の想いを聞いてほしい」と考える一途な性格。自分の部屋で撮った動画に幽霊が映っていた時は驚いていたが、特に騒ぐでもなく「嫌だな」とだけ語るなど、良くも悪くも鈍感な気質である。

“少女”

“少年”の同級生。本名不明。
“少年”とは中学校からの知り合いで、美術の授業でデッサンの相手となるなど級友として普通に接してきた間柄。特に好きでもなければ嫌いでもないようで、彼からの告白を受けた際は「あっそ、ありがと。それで？」と素っ気なく言葉を返している。

当初は彼の想いを込めた動画をおもしろがって友人に拡散するなどけんもほろろの対応をしていたが、世界的な話題の中心人物となっていった“少年”が、あくまで自分だけに向かって一生懸命に動画を作ったことを知って態度を軟化させる。
中学の頃の思い出を歌にしたことについて「キモい」とは語りつつ、自ら“少年”に近づいて2人でその歌を聞いており、まったく脈無しというわけではなさそうである。