陽だまりの彼女（小説・映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『陽だまりの彼女』とは、越谷オサムによる日本の恋愛小説を原作として2013年に映画化された恋愛映画である。交通広告代理店の営業マンである奥田浩介（おくだこうすけ）が中学時代の同級生の渡来真緒（わたらいまお）に再会することからはじまり、ふたりは恋愛し結婚する。幸せな毎日を過ごしていたふたりだが、真緒に異変が現れる。そして浩介は真緒の驚くべき秘密を知るのだ。恋愛ストーリーの中にファンタジー要素が加わり、可愛らしく心温まる映画となっている。
浩介と真緒が江ノ島デートをしているシーン
映画のロケ地となった江ノ島は、映画のヒットにより多くのファンが訪れるようになった。
ロケ地に使われた「龍恋の鐘」にも多くのファンが殺到したことから、「龍恋の鐘」の横にはシーンで使用された鍵の展示が設置されたという。
さらに2015年1月31日には藤沢市で第12回湘南藤沢フィルム・コミッションフォーラムが開催され、三木監督と宇田プロデューサーによる制作秘話やエピソード、江ノ島のロケ地巡りなどの企画が行なわれた。
映画がヒットしたことにより、江ノ島は話題の観光地となったのだ。
中学時代の浩介と真緒の役作りを徹底
浩介が真緒に勉強を教えているシーン
映画の中で、中学時代の浩介と真緒を北村匠海と葵わかなが演じている。
ふたりは佇まいや雰囲気が近いという理由で選ばれたのだが、それだけではなく、表情の特徴、クセなどを似せることができるよう徹底的に役作りが行われたという。
北村はリハーサルからホクロも松本と同じ場所に付けるほど徹底し、これにより、過去と現在の違和感がない作品に仕上がっている。
男子にこそ見てもらいたい映画
映画『陽だまりの彼女』は甘いラブストーリーだ。ラブストーリーは一般的には女性をターゲットにつくられることが多いが、この映画は男子にこそ見てもらいたい映画に仕上がっているという。
原作となった小説では「女子が男子に読んでほしい恋愛小説」として選ばれたこともあり、三木孝浩監督自身も「この映画は男の子にこそ観てほしい！」と力強く語っている。
自分なんてと思うイケてない男子が好きな女の子に好きになってもらえるというのは、男子の願望そのものである。この映画はそんな男子的な願望が詰まっている作品であり、男子のほうがハマれる映画だという。
松本潤をキャスティングしたのもイケメンがイケてないキャラクターを演じることで、自分にはみんなが気づいていない魅力を持っているという男子の願望を映画の中で再現する目的があった。
『陽だまりの彼女』は男性にこそ見てほしい映画であり、ラブストーリーは女性のためのものという先入観を消してしまうような作品だ。
『陽だまりの彼女』の主題歌・挿入歌
主題歌：山下達郎『光と君へのレクイエム』
『光と君へのレクイエム』は、2013年10月9日に発売された山下達郎通算48作目のシングルである。
この曲は映画『陽だまりの彼女』の主題歌として書き下ろされたもので、作詞・作曲、プロデュースすべてを山下達郎が担当している。
山下達郎は、「何よりまずとにかく、上野樹里さんと松潤くんのクローズ・アップがたまらなく素敵な映画です。彼らの持つ若さと清廉さを歌にしてみたくてこの曲を作りました」とコメントした。
永遠のファンタジック・ラブストーリーにふさわしいアップテンポが心地よい爽やかなナンバーとなっていて、イントロのリズムはまるで恋のドキドキをあらわしたかのようである。
山下達郎のシングルとしては約2年半ぶりとなる作品で、カップリングにはNHKドラマ10『第二楽章』の主題歌である『コンポジション』を収録した贅沢なシングルとなっている。
主題歌：ザ・ビーチ・ボーイズの『素敵じゃないか』
『素敵じゃないか』は、1966年にアメリカのロックバンドであるザ・ビーチ・ボーイズが発表した楽曲である。作詞作曲はトニー・アッシャーとブライアン・ウィルソンとマイク・ラヴが担当し、リード・ボーカルはブライアン、ブリッジはマイク・ラヴが歌っている。1966年5月16日発売のアルバム『ペット・サウンズ』に収録され、同年7月18日「神のみぞ知る」とのカップリングでシングルカットされた後、ビルボード・Hot 100で8位を記録した世界的にも有名な曲だ。
この曲は原作でも劇中でも真緒が口ずさむ曲で、監督は音楽と映像の融合にこだわりこの曲が出てくる箇所は幸せなシーンの象徴として使用しているという。権利元にもこの曲でなければ成立しないということをしっかり伝え、映画の使用を快諾してもらった。
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目次 - Contents
- 『陽だまりの彼女』の概要
- 『陽だまりの彼女』のあらすじ・ストーリー
- 浩介と真緒の10年ぶりの再会
- 幸せな結婚生活のスタート
- 真緒に起こりはじめる異変
- 姿を消す真緒
- 真緒の秘密
- 真緒と浩介が再会
- 『陽だまりの彼女』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 奥田浩介（おくだこうすけ／演：松本潤）
- 渡来真緒（わたらいまお／演：上野樹里）
- 中学時代の奥田浩介（演：北村匠海）
- 中学時代の渡来真緒（演：葵わかな）
- 職場関係者
- 新藤春樹（しんどうはるき／演：玉山鉄二）
- 田中進（たなかすすむ／演：大倉孝二）
- 峯岸ゆり（みねぎしゆり／演：谷村美月）
- 杉原部長（すぎはら／演：小籔千豊）
- 梶原玲子（かじわられいこ／演：とよた真帆）
- 浩介の家族
- 奥田翔太（おくだしょうた／演：菅田将暉）
- 奥田祥江（おくださちえ／演：西田尚美）
- 真緒の家族
- 渡来幸三（わたらいこうぞう／演：塩見三省）
- 渡来真由子（わたらいまゆこ／演：木内みどり）
- その他の登場人物
- 大下（おおしも／演：夏木マリ）
- 平岩夫妻（ひらいわ／演：駿河太郎・安藤玉恵）
- 潮田（しおだ／演：森桃子）
- 区役所職員（演：田中要次）
- 南藤沢中学校教師（演：野間口徹）
- 医師（演：古舘寛治）
- 『陽だまりの彼女』の用語
- セットボード
- 江ノ電
- 『陽だまりの彼女』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- ジャングルジムの前で浩介が真緒にキスをするシーン
- 浩介「お前がどう思おうが知らないが、昔の真緒も今の真緒も俺にとっては誰よりも大切なんだ」
- 真緒がデートで待ち合わせをしている浩介を待つシーン
- 浩介「お前ブライアン喰っただろ」
- 真緒「生まれ変わっても、わたし、浩介を見つけられそうな気がする」
- 『陽だまりの彼女』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- ロケ地の江ノ島にファンが殺到
- 中学時代の浩介と真緒の役作りを徹底
- 男子にこそ見てもらいたい映画
- 『陽だまりの彼女』の主題歌・挿入歌
- 主題歌：山下達郎『光と君へのレクイエム』
- 主題歌：ザ・ビーチ・ボーイズの『素敵じゃないか』