A-BOUT!(朝桐大活躍編・SURF)のネタバレ解説・考察まとめ

『A-BOUT!(朝桐大活躍編・SURF)』とは、市川マサが『週刊少年マガジン』で連載していた漫画である。『A-BOUT!』と『A-BOUT!!~朝桐大活躍編~』では、主人公・朝桐真之輔が仲間と共に繰り広げる校内の派閥争いや他校との抗争を描いている。主人公の約10年後を描いた『A-BOUT!!SURF』が、2021年より『イブニング』にて連載。29歳となった朝桐がひょんなことから『民宿おだまき』で働くことになり、それをきっかけにサーフィンの魅力に憑りつかれていく様子が描かれている。

『A-BOUT!(朝桐大活躍編・SURF)』の概要

『A-BOUT!!~朝桐大活躍編~』は市川マサが2013年から2014年まで『週刊少年マガジン』で連載していた不良漫画。2年生になった朝桐真之輔は1年生の時に戦った最強の3年生である樋口との戦い以来、燃え尽き症候群となっていたが、朝桐に恨みを持つ依永との出会いによって、かつての闘志を取り戻す。依永との過去の清算、依永が恐れる奥津達との戦い、光嶺を潰すことを企む光嶺討伐隊との勝負、朝桐のライバルである東郷とのタイマンを通して、周囲の人間や自分自身が抱える問題・葛藤を喧嘩で解決していく。不良少年たちの校内・外での抗争をメインに描いているが、主人公が『バカ』でギャグ要素も混ざっているので、バカ不良漫画と称されることもある。

『A-BOUT!!SURF』は、『A-BOUT!!~朝桐大活躍編~』の約10年後の物語を描いており、市川マサが2021年より『イブニング』に連載している漫画。29歳になった朝桐は、光嶺での生活を共にした瀬下、砂原、柾木がそれぞれ勤める職場で働くが、いずれもクビになり無職となっていた。ひょんなことから海沿いにある『民宿おだまき』で働き始めたことをきっかけにサーフィンにハマる。日本で有数のサーファーになった東郷も登場して、物語が展開される。2022年3月地点でシリーズ累計発行部数が200万部を突破している。

『A-BOUT!(朝桐大活躍編・SURF)』のあらすじ・ストーリー

依永編

出典: comic-days.com

光嶺2年生の朝桐(上)と、光嶺1年生の依永(下)。

主人公の朝桐真之輔(あさぎりしんのすけ)が帝王・樋口(ひぐち)との戦いで互角の勝負を演じた事件は、周りから”伝説”と呼ばれていた。そんな朝桐だが、樋口と戦った後の数ヶ月間は、燃え尽き症候群となり、これまでの強さが嘘のような状態になっていた。※樋口は前作の『A-BOUT!』の登場人物で、当時1年生だった朝桐と物語の最後で戦った光嶺最強の3年生。

新学期を迎え、1年生たちは朝桐が同じ教室にいることに驚く。朝桐は留年したのだった。そんな中、朝桐に1年生の依永庸平(よりながようへい)が襲い掛かる。依永は朝桐に個人的な恨みを持っており、その復讐をするために光嶺に入学していた。2人が教室で戦っている最中に、朝桐を狙う1年生の強者が続々と現れて、自ら名乗りを上げるために1年生軍団による朝桐狩りが始まった。朝桐は奇襲に戸惑いながらも、トイレで遭遇した1年生の阿部泰治(あべやすはる)を倒し、この戦いを受けることを宣言した。戦いの感覚を取り戻していた朝桐は、1年生たちの攻撃をかわし再び依永と対峙する。戦いの最中、朝桐は2年前の依永との出会いを完全に思い出していた。依永は将来が有望視されていた野球選手だったが、朝桐の喧嘩に巻き込まれたせいで逮捕され、少年院に入ってしまった。有名校からのスカウトも白紙になり、新聞に載る大事件となった。これが理由で依永は朝桐を恨んでおり、この2年間は復讐をするために生きてきた。朝桐は一切謝罪することはなく、多少苦戦はしたものの依永を倒した。同じ頃、柾木と砂原は光嶺の校門前に立つ依永を探す1人の青年と出会う。この青年は中学時代の依永の友人で同じ野球部に所属しており、朝桐との過去を知る人物だった。柾木と砂原は、その人物から朝桐と依永との間にあった過去を知る。そして少年院の中で、朝桐を見つけ出すために、悪い人間達と知り合いになり、そのうちの1人を怒らせたことを聞くのだった。

時が変わり、少年院上がりの奥津暁(おくつあきら)という男が依永を探すために、光嶺に侵入してきた。依永と奥津は少年院で知り合い、依永は出所後に奥津の下へ就くはずだったが、それを裏切ったのだった。部外者は追い出すという光嶺の掟に従い、依永と複数の光嶺の人間が奥津を倒そうと試みるが全く歯が立たなかった。そこに光嶺の3年生である東郷滋(とうごうしげる)が登場して奥津と対峙する。奥津の仲間である伊吹圭佑(いぶきけいすけ)と上村喜紀(うえむらよしのり)も参戦をするが、その場は一旦引くこととなった。奥津に恐怖を感じている依永は奥津達と共に光嶺を後にした。校外にいた朝桐はこのことを聞き、光嶺に戻る途中で伊吹と遭遇して戦うことになる。朝桐は伊吹に勝利して、その戦いを見ていた阿部が朝桐の強さに惚れて舎弟となった。

伊吹が朝桐に倒されたことを知った奥津は朝桐を標的にして、見せしめに阿部を襲撃した。光嶺の看板・プライドにかけて東郷は犯人である奥津達を探すが、既に朝桐は目の前で対峙しており、三度依永と戦うことになっていた。朝桐と喧嘩をする中で依永は、プライドを奪われたことが恨みの根源であることに気付き、とことん殴り合ったことで気持ちが次第に晴れていった。自分の気持ちに整理がついた依永と、朝桐は奥津を倒しに向かうものの、苦戦を強いられる。そこに1年生軍団が登場して、奥津と戦うが歯が立たなかった。しびれを切らした奥津は持っていた拳銃を周囲に向ける。1年生軍団は動揺するが、朝桐と依永はひるまず立ち向かい、朝桐が奥津を倒す。奥津が倒されたことに驚いた上村は、その場から逃げ出そうとするが、そこを通りかかった東郷の右ハイキックで沈んだ。これで一件落着となったと同時に、朝桐は留年ではないことがわかり、2年生となった。

光嶺討伐隊との5番勝負編

出典: comic-days.com

マネーの敵を討つために光嶺討伐隊のリーダーであるモモ(右)と戦う朝桐(左)。

お金に困っていた朝桐は阿部の紹介でお金持ちの1年生である通称”マネー”に近づいていた。舎弟を賭けた勝負を行い決着は付かなかったが、マネーは朝桐の規格外の振る舞いに衝撃を受け、これをきっかけに行動を共にするようになる。その頃、瀬下や3年生達は、毎年の風物詩となっている他校との抗争が起きないことに違和感を覚えていた。蓮上高校を中心に結成された「光嶺討伐隊」によって、光嶺との抗争を企む周辺校は次々と潰されていたのだ。

時が経ち、朝桐は偶然公園で光峰討伐隊のトップであるモモとその仲間たちと出会う。そこで始まった他校との抗争に、朝桐も巻き込まれ勝利に貢献する。お互いに打ち解けた後に、朝桐はモモに自分が光嶺であることを伝えるが、光嶺の人間らしくないという理由で信じてもらえなかった。その夜、光嶺の3年生の派閥のトップ5人が学校の屋上で蓮上高校の話をしている時に、宣戦布告をしにモモがヘリコプターで登場した。5人は光嶺の鉄の掟に従いモモを倒し、学校から追い出した。モモは重傷となり病院送りになったが、奇跡的に復活を遂げた。その直後に光嶺に落とした自分の携帯に電話を掛け、電話に出た東郷にそれぞれのトップ5が1対1で戦う5番勝負で決着をつけようと提案した。モモの前にヘリコプターで現れた朝桐が勝負を受けて立つと返答する。東郷も、朝桐に決定権は無いと言いつつも、面白そうという理由で勝負を受けることを承諾した。

モモは朝桐が本当に光嶺の人間であることに驚くものの、朝桐の提案である今から2人で勝負をすることを快諾をして喧嘩を始める。しかし瀬下とマネーがバイクにて朝桐をさらい、勝負は強制的に中断した。朝桐はマネーからモモが自分の実の兄であることと喧嘩の天才であることを告げられる。朝桐自身、あのまま続けていたら、自分が負けていたかもと考えるくらい、モモの強さを肌で感じていた。そしてマネーは光嶺の3年生と兄達が本気でぶつかり合えば、死人が出る恐れがあるから、兄弟の絆を信じて自分1人でモモを止めに行くと宣言する。その場を後にした朝桐は道端で東郷と出会う。東郷が朝桐に、5番勝負は3年生が光嶺の看板とプライドを賭けて戦うから、手出しをしないように忠告する。もし手出しをするのであれば、ただでは済まさないと釘を刺す。朝桐は一旦は了承をした。マネーは蓮上高校に単身で乗り込みモモの説得を試みるが、全く振り向いてもらえず、モモの仲間によって病院送りにされる。これを知った朝桐は、怒りを抑えられず敵を打つために単独でモモのところへ向かった。

朝桐は蓮上高校に乗り込みモモと対峙する。東郷も蓮上高校に乗り込み、5番勝負に出るうちの4人を倒す。最後の1人であるモモの場所に辿り着いた東郷は、そこで目にした朝桐に対して、「予想はしていたがガッカリした」と捨て台詞を吐き、その場を後にした。朝桐が東郷の方を向いた瞬間にモモが殴りかかるが、朝桐はそれを交わしてカウンター2発を決めた。勝負が決まったように見えたが、モモは再び立ち上がる。そこにマネーが登場する。マネーは病院のベッドで兄弟の絆なんて無かったと塞ぎ込んでいた。しかし依永に鼓舞され、兄弟の絆をもう一度確かめるためにモモの前に戻ってきたのだ。マネーは兄であるモモに認められたくて、光嶺に入った。でもモモはマネーは自分のようにはなれないから、違う世界で生きるべきだと考えていた。マネーは朝桐にモモと戦わせて欲しいと伝えて、兄弟喧嘩が始まった。終始モモが圧倒するが、マネーは何度も立ち上がり向かう。マネーは一度病院送りにすれば恐怖のあまり、不良の世界には戻ってこないだろうとモモは考えていた。でも再び自分の前に戻り、何度倒しても立ち上がるマネーを目にして、光嶺や朝桐の存在がマネーを変えたことを感じたのだった。マネーが倒れ、再度朝桐とモモの戦いが始まるが、朝桐のパンチで勝負が決まる。光嶺と蓮上高等学校の5番勝負は光嶺が圧倒して終わりを迎えた。

朝桐VS東郷編

出典: comic-days.com

朝桐(下)と東郷(上)のタイマン中に松下が銃で発砲した弾が東郷に当たってしまう。

蓮上高校との5番勝負の一件で光嶺の看板・プライドを傷つけた朝桐に制裁を加えるために、東郷は朝桐を呼び出していた。朝桐もその出来事が終わってから、東郷が自分と口を聞かなくなったことへの不満があった。朝桐にとって東郷は一度拳を交えた仲であり、良き先輩であり、友達と思っていた。そんな大切な存在から無視されることは朝桐にとって、この上なく不愉快だった。

時同じくして、砂原は1年の時に朝桐を車で轢いたことにより、退学した松下と出会う。松下は悪い仲間たちを引き連れており、砂原を仲間に誘うが、断られる。松下は自分が知っている砂原と変わってしまったことへの失望と、変えた張本人である朝桐に憎悪の気持ちを抱く。松下の仲間たちは砂原を仲間にできないとわかると、松下を裏切る。その腹いせに松下は持っていた銃でリーダーの男の耳を撃ってしまう。そのまま松下は朝桐の元へ向かうのだった。

そして朝桐と東郷は周りの仲間が見守るなかで喧嘩を始める。互角の戦いを繰り広げているところに松下が乱入して、朝桐に向けて銃を発砲する。しかしその弾は東郷の胸部に当たってしまう。周囲が動揺する中、朝桐と柾木が松下に立ち向かうが、2人とも銃で撃たれて倒れる。松下の仲間たちが追いかけてきて、リーダーの男が松下に拳銃を向けて動きを止める。そこに砂原が登場して、リーダーの男と松下の2人を倒して、場を収めた。

この事件の1週間後、銃で撃たれた朝桐、東郷、柾木の3人は無事回復しており、再び朝桐と東郷が戦いを始める場面で、物語は終了する。

『A-BOUT! SURF』

出典: comic-days.com

『民宿おだまき』で働いたことをきっかけにサーフィンにハマる朝桐。

『A-BOUT!! 〜朝桐大活躍編〜』から約10年後、朝桐は砂原の建築デザイン事務所や柾木のバー、瀬下が勤める工場で働くものの、いずれもクビにされ、無職であった。海辺にいた朝桐は、溺れている少年を発見する。泳いで助けに向かうものの、自分も溺れてしまう。そこにサーフィンをしていた緒環波平とIRUKAが現れて、この2人に朝桐と少年は救出される。IRUKAは、溺れている少年を救出しようとして、高い波を500m近く泳いだ朝桐に驚いていた。会話が弾んで打ち解けたこともあり、朝桐はIRUKAが働いている『民宿おだまき』に招待される。

そこに波平がおり、その民宿は波平が運営していることを知る。波平やIRUKA達と土鍋を囲んで夕食をすることになったが、友人たちの職場をクビになったのは朝桐自身の責任と言われたことに腹が立ち、土鍋をひっくり返して壊してしまう。その土鍋は50万程する高級品のため弁償を求められるが、所持金が僅かしかなく支払いができなかった。そこでIRUKAの父親に土鍋代を民宿で働いて返すよう命じられ従った。『民宿おだまき』で働き始めたことをきっかけに、朝桐はサーフィンの魅力に徐々に取りつかれていく。

『A-BOUT!(朝桐大活躍編・SURF)』の登場人物・キャラクター

主要人物

朝桐真之輔(あさぎりしんのすけ)

光嶺高校の2年生で本作の主人公である。バカで空気が読めず自己中なゆえに人望は薄いが、不器用ながらも友達思いであるため、慕われてはいる。非常に喧嘩が強く、少年院上がりの奥津や伊吹、光嶺討伐隊のトップ・モモなど強者を倒す。前作で対決した東郷とは良き友達であり、喧嘩のライバルである。『A-BOUT!!SURF』では、『民宿おだまき』で働き始めたことで、サーフィンの魅力にハマる。

東郷滋(とうごうしげる)

通称:不死身の東郷。光嶺高校の3年生で東郷派の頭。依永が少年院で知り合った上村を右ハイキック1発で沈め、光嶺討伐隊のトップ5のうち、モモ以外の4人を1人で倒す強者。光嶺討伐隊の件により朝桐を制裁するために物語の最後で戦う。『A-BOUT!!SURF』では有名なサーファーとして朝桐と再会する。

瀬下聖矢(せしたせいや)

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