センセイ君主(漫画・映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『センセイ君主』とは2013年から2017年まで幸田もも子が『別冊マーガレット』で連載していた漫画。主人公は16歳高校1年生の佐丸あゆは。告白7連敗中の彼女の前に現れたのはイケメンで毒舌な先生・弘光由貴。意地悪なのに時々優しい先生に、あゆはは次第に惹かれていく。先生をおとすために大奮闘する生徒と、素直になれない先生の恋愛をコミカルに描いた青春物語である。
2018年には主演に竹内涼真、浜辺美波を迎え実写映画化された。

『センセイ君主』の概要

『センセイ君主』とは、作者幸田もも子が2013年から2017年まで『別冊マーガレット』で連載していた恋愛漫画である。
作者である幸田もも子は、作者である幸田もも子は、幼少期に描いた漫画が友達の好評を受け、漫画家を目指す。父親に反対されたが諦めず、投稿した『別冊マーガレット』にて入選をする。
その後2002年8月号で『たまごやき』が掲載され、デビューを果たす。彼女のデビュー作『たまごやき』は2015年に発売された『幸田もも子 恋愛女子短編集』にて、読むことができる。

幸田もも子が一躍有名になった作品は、2010年4月号から2013年4月号にかけて連載された『ヒロイン失格』である。
『ヒロイン失格』は主人公はとりが思いをよせる幼馴染の利太と、一途に思ってくれる弘光君との間で揺れ動きながら、本当のヒロインになるために様々な困難にぶつかり成長していく物語である。
講談社漫画賞にノミネートされており、2015年には桐谷美玲、山﨑賢人、坂口健太郎など豪華出演陣を迎え実写映画化もしている。
そしてその後に発売されたのが『センセイ君主』である。魅力満載な先生とおちこぼれ生徒の恋愛を面白おかしく描いた本作は、別冊マーガレットでも大人気な作品となった。
また、前作である『ヒロイン失格』の登場人物である弘光廣祐(ひろみつこうすけ)が、主人公の恋の相手役である弘光由貴(ひろみつよしたか)の弟として登場するのも話題となった。本作では主人公佐丸あゆは(さまるあゆは)の助っ人的な役割をする。
2018年には実写映画化を実現させており、佐丸あゆはを浜辺美波が、弘光由貴を竹内涼真が演じた。こちらは原作とは一味違うストーリーで、アレンジを加えた映画化となった。

高校1年生の主人公佐丸あゆはは、今まで彼氏がいたことがない。まっすぐな性格だが惚れやすく、何度も告白しても好きな人にはフラれるばかり。そんな高校生活に超イケメン先生、弘光由貴が臨時担任としてやってくる。教科は数学、頭脳明晰で女子にも大人気な先生だが、「あなたたちに関心はない」と冷徹に言い放つクールな先生。そんな対照的な二人だが、何事にも真っ直ぐ一生懸命に気持ちをぶつけてくるあゆはに弘光先生は徐々に心を開き、惹かれていく。
教師と生徒の恋愛は現実でもマンガ内でもご法度であるが、この『センセイ君主』はそのようなことを感じさせないほどコミカルな要素がたくさん盛り込まれている。
主人公のイラストも状況に合わせバリエーション豊かにテイストが変えられている。また、クールで俺様な先生も読者の胸をつかむ役どころであり、たまに見せる優しさや照れた表情とのギャップもこの作品の見どころである。

『センセイ君主』のあらすじ・ストーリー

先生との出会い

物語は主人公佐丸あゆは(さまるあゆは)が告白の連敗記録を更新し、牛丼屋でやけ食いをするところからスタートする。会計時に財布の中身が空っぽなことに気づき、動揺を隠せないあゆはを助けてくれたのは超イケメンの男性。後日、男性はあゆはの学校の臨時教師、弘光由貴(ひろみつよしたか)先生として学校にやってくる。運命的だと浮かれてしまうあゆはだが、弘光先生はクールで生徒を小馬鹿にしたような態度の腹黒い先生だった。
その後、あゆははクラスメイトに告白をされ付き合ってみることにしたが、どうしても好きになれそうになく数日で別れを切り出した。理不尽に別れを告げられ激高したクラスメイトは、あゆはを池に突き落としてしまう。そんな様子見ていた弘光先生は、「好きでもない奴と付き合って楽して目的果たそうとしてるからダメなんだよ」とダメ出しをする。正しくて厳しい指摘をしてくる弘光先生に苦手意識を持ち始めたあゆはだったが、ある日暇だからという理由で雑用を押し付けられることになる。お礼に勉強を見てもらうことになり、根気よく教えてくれた先生に、苦手だった意識も薄れ徐々に気になる存在になっていく。

クールだと思っていた先生の優しさを知ってしまったあゆはは、あっという間に恋に落ちた。雑用をすすんで引き受けポイントを稼ごうとするあゆはに、勘のいい弘光先生は「もしかして、俺のこと好きなの?」と聞いてしまう。
すぐに恋心を見透かされてしまい動揺するあゆはに、「高校生の時点でありえない」と釘を刺す弘光先生。告白もせずふられてしまったあゆはは、逆ギレし登校拒否になってしまう。登校拒否6日目。あゆはの自宅に訪れた弘光先生に、あゆはは泣きながらもう一度告白をする。しかし「ありがとう、でもダメです。」ともう一度フラれてしまう。それでも諦める様子のないあゆはに弘光先生は根負けし、「そこまで言うならいいよ、俺をおとしてみなよ、おちないから」と挑発的なセリフを言う。おちないことを前提で言われてしまったが、遠回しに好きでいることは認めてもらえたあゆは。持ち前のポジティブさで元気を取り戻しめげずに先生を思い続けることに決める。

その後もあゆはは、気持ちを曲げずに弘光先生を一途に追いかける。最初はうざいとすら思っていた弘光先生だったが、真っ直ぐで素直な姿勢に徐々に心を動かされ始める。「数学で100点取れたらクリスマスデートしてもいい」という先生の言葉であゆはは猛勉強をする。結果として100点はとれなかったが、頑張ったご褒美にクリスマスのデートをしてもらえることになる。しかし当日になり風邪をひいてしまう弘光先生。弟である弘光廣祐(ひろみつこうすけ)の計らいにより看病に向かうあゆはは、買い出し先でクラスメイトの澤田虎竹(さわだこたけ)と遭遇する。先生と家に二人きりなことを心配し一緒に看病を手伝うことにする虎竹。思わせぶりな先生にいら立ちが隠せず、あゆはのことが好きなのかと先生に問う。虎竹は先生に対し宣戦布告をするが、弘光先生は応戦するかのように「やれるものならやってみなよ」と答える。徐々に自分の気持ちを自覚していく弘光先生。
あゆはの学校の先生で、弘光先生の友人でもある松本麦(まつもとむぎ)にも背中を押され、弘光先生と初詣に行くことになる。「俺と付き合う?」と唐突にあゆはに告白をする弘光先生だが、同時に鳴った除夜の鐘に搔き消されてしまいあゆはは大事な告白を聞き逃してしまう。

その後弘光先生の2度目の告白により付き合い始めたあゆはと弘光先生。浮かれるあゆはに対し弘光先生はあゆはの人生の選択肢を減らさないために変装をしたり、遠出のデートをしたりと周囲には秘密の交際を徹底する。あゆはは弘光先生のその気遣いに気付けず、本当は自分のことをそんなに好きじゃないのか、気の迷いだったと思われないかと不安になり涙する。そんなあゆはに弘光先生はおそろいのキーホルダーをプレゼントする。教師と生徒の恋愛は簡単にはいかないが、あゆはは付き合えたことの喜びをかみしめて改めて弘光先生のことが好きになっていく。

波乱万丈なお付き合い

両親がシンガポールで仕事をすることになり、あゆはは弘光先生の一人暮らしの部屋に半ば無理やり転がり込む。ある日、同棲の現場をあゆはのクラスメイトであり問題児である館正臣(だてまさおみ)に見られてしまう。ターゲットにされたあゆはは、先生との交際をマスコミに流すかあゆはが退学するかの選択を迫られるが、先生を守るために退学してシンガポールに行こうと決断する。辛い決断をしたあゆはだったが弘光先生は一連の流れを察しており、知らないふりをしながら一緒にシンガポールに降り立つ。そしてあゆはの両親に挨拶をし、同棲の許可を得ることに成功する。弘光先生は「先生じゃなくなろうが何があろうが、ずっと一緒にいてやるから。帰りますよ。」とあゆはに伝え、晴れて二人は正式に同棲を始めることになった。
その後順調に交際を続けるあゆはは、弘光先生の誕生日を祝うためにホールスタッフのバイトを始める。あゆははそのバイト先でピアノで演奏をする秋香(しゅうか)と出会う。後日あゆはが心配で様子を見に来た弘光先生は、幼馴染である秋香と再会をする。親密な様子見せる二人にソワソワしてしまうあゆは。一緒に来た廣祐から秋香は弘光先生が好きだった人、ということを聞いてしまう。
そんなあゆはを気遣い、弘光先生はあゆはと付き合っていることを明かしたりと不安にさせないよう努力をしてくれた。しかし秋香は「今度こそ捨て身で追いかけたい」と婚約を破談にしてまで弘光先生に気持ちをぶつけることをあゆはに伝える。あゆはは不安のあまり先生の気持ちを信じることができなくなり、秋香の気持ちをバラしてしまう。弘光先生にがっかりされたあゆははショックをうけ実家に帰ってしまう。弘光先生は秋香に「俺 今 さまるん以外考えられないから」と告白をきっぱり断るも、すれ違う弘光先生とあゆはの距離は広がるばかりだった。

あゆはのことを思いながらも、あゆはの幸せを願い身を引いていた虎竹。辛そうなあゆはを見ていられず弘光先生に奪いますよ、と再度宣戦布告。虎竹とあゆはは二人で学校をさぼり家で勉強することに。先生が来なかったらあゆはに告白すると虎竹は決める。
弘光先生は自分にとってあゆはは大事な存在だと改めて実感し、虎竹のもとにいるあゆはを迎えに行こうとするが、電車の遅延や雨など様々なトラブルに見舞われなかなかたどりつけない。虎竹はなかなか来ない先生のためにあゆはに買い出しに行かせ、先生との再会を後押しする。
迎えに来た弘光先生を見てあゆはは「先生、「もうやめる」って言ったの、取り消してもらえませんか?あたし、まだまだのびしろだらけですから。ちゃんと、成長しますから」と伝える。弘光先生は 「俺にはさまるんが必要なんだよ」と、伝えあゆはを抱きしめる。いつも余裕な弘光先生の心からの言葉にあゆはは泣きながら応えた。二人の仲直りを見届けた虎竹はその場を後にした。

弘光先生の大学時代のサークルの旅行に連れて行ってもらえることになったあゆは。ただし土曜までに数学の宿題が全部終わったら、という条件付き。意気込んで終わらせようとするあゆはだが全くはかどらない。
そんな時に「俺やろっか?」と救いの手を差し伸べてくれた謎のイケメン。すらすらと数学の問題と解きあっという間に宿題は終わってしまった。飲み物を買ってきたあゆはが席に戻ると、すでにイケメンの姿はなかった。
無事に宿題を終わらせたあゆはは一緒に旅行に行くことに。着いた先の貸別荘であゆはの宿題を見て、弘光先生は「こんな高等な解き方お前にできるわけがない、誰にやってもらった?」と問い詰められ、嘘がバレる。そしてそのタイミングで数学を解いてくれた謎のイケメン、白川旺(しらかわおう)が登場する。
白川は弘光先生の大学の後輩。数学の才能があり尊敬していた弘光先生が教師なんかをやっていること、バカなあゆはと付き合っていることが気に入らずあゆはに対してもきつく当たるが、あゆはも「先生が逃げて先生をやってるわけじゃない」と反論をする。
その後あゆはの学校で教育実習をすることになっていた白川は、あゆはの魅力を探ろうとする。弘光先生の評価を落とさないように試行錯誤するも空回りばかりなあゆは。白川にはあゆはの魅力がなかなか伝わらなかった。

大学時代の友達の結婚式へ参加することになった弘光先生。家事の苦手なあゆはを家に一人にするのが心配であゆはも一緒に連れていくことに。そこには当然後輩である白川も参列しており、こんなところまでついてきたのか、と嫌味を言われる。
今の弘光先生は本当にショボいと相変わらずバカにする白川に、あゆはは「弘光先生に負けを認めさせたいんですね。自分はすごいって、わからせたいんですね。今の先生をショボイって決めつけるのは変です。先生を否定し続けるのは、むなしいだけだと思います。」と再びの反論。
一方弘光先生は恩師である佐藤先生に呼び出され、もう一度フランスで数学をやる気はないか、という誘いを受けていた。フランス行きに心が揺れる弘光先生であったが、自分が思っている以上にあゆはとの時間が楽しく満たされていることを自覚し、今失いたくないのは数学よりもあゆはだと気づく。フランス行きを断った弘光先生は白川に責められるも「今の生活を変えてまでフランスに行こうと思わなかった」と説明をする。納得ができない白川は、何も知らないあゆはに「フランス行き断ってくれてうれしかった?」と問う。何も知らされておらず驚くあゆは。そして自分のせいで断ったのではないかと思い、弘光先生をフランスに行くように説得をする。絶対にこれだ、という答えを出すように伝え実家に帰るが、弘光先生は再度あゆはのもとを訪れ「やっぱどー考えても離れたくないんだよね。今さまるんと離れる方が、俺の人生、ずっと後悔すると思うんだけど。納得できる?」と伝える。寂しさをこらえていたあゆはは安心し涙する。二人は離れることなく再び同じ家での生活に戻る。

母に彼女がいることがバレてしまった弘光先生。紹介しなさいと言われ、高校生のあゆはは東大生に扮し母に会いに行くことに。
母は息子たちを溺愛しているため、「私にとって息子の彼女は敵。気に入られようなんて、思わないことね。」と初めからあゆはには高圧的な態度をとる。弘光先生はそんな母親にあゆはは実は自分の教え子であること、結婚を見据えた付き合いをしていることを打ち明け、母親の前であゆはに指輪を渡したのだった。突然の結婚宣言に納得のいかない母は、あゆはに過酷な家事をやらせるという試練を課すが、結婚を認められたいあゆはは害虫駆除や天窓の掃除などを文句ひとつ言わずこなしていった。空回りしながらも懸命に取り組む姿に母も少しずつ心を動かされていく。家事のネタが尽きた母とあゆはが昔のアルバムを見ていると、 弘光先生の父が出張を切り上げて帰宅する。父は結婚なんて認めない!と素直じゃない母に対し「この子がいい!って顔に書いてあるけど?」と指摘する。父は「うちのお母さんは本当に素直じゃなくてね。これで可愛いところあるから仲良くしてやってね」、とフォローを入れる。あゆはは弘光家と少し距離を縮めることに成功した。

先生との未来

進路調査票に「先生のおよめさん」と書き、弘光先生に怒られているあゆは。真面目に将来を考えてほしい弘光先生に対し、あゆはは「あたしの持てる時間もエネルギーもぜんぶぜんぶ先生と作る家庭にそそぎたいです!」と熱弁する。弘光先生は「ぎりぎりまでちゃんと考えた方がいいよって言ったところでどうせ一年後も変わらないんでしょ?」と。明らかに認める言葉は言わないが、弘光先生もまんざらでもない様子。
そして時は過ぎあゆははあっという間に卒業間近になる。あゆはは近頃酔いつぶれていたり部屋が荒れていたり、最近様子のおかしい弘光先生を心配する。友人であるアオちんこと中村あおい(なかむらあおい)に相談をしてみると、それはマリッジブルーではないかと言われてしまう。母にも助言をされ、あゆはは弘光先生に直接聞いてみることにする。酔いつぶれていたのはあゆはが無事に卒業できることを喜び、一人で祝杯をあげていたということを聞かされる。また、あゆはが卒業し自分の生徒ではなくなることを寂しく思い、「俺 教師やめよっかな 教師をやってて一番楽しい時間はもう終わったのかもしれない」と、初めてあゆはに弱音を吐いた。あゆははそんな弘光先生に「先生は一生あたしの先生なんです」「先生やめるなんて言わないでください」と伝える。

卒業式を終え友人たちに弘光先生との関係を打ち明けるが、友人たちは前から気づいており、あゆはから打ち明けるのを待ってくれていた。虎竹のあゆはを好きな気持ちもここで暴露されるが、あゆはは「気付かなくてごめん!そんで気づいてもごめんだった!ごめん!」と軽快に、改めて虎竹を振ってしまうのだった。
その後二人は卒業旅行に出かける。大雨で帰宅できなくなった弘光先生たちは急遽宿泊することになる。あゆはは卒業もした手前、一線を越えるのではないかとソワソワしてしまう。弘光先生は何もしないよと安心させるために伝えるが、もっと一緒になりたいというあゆはの雰囲気から、二人はいい空気になる。しかし隣の部屋の家族が楽しそうな声で話しているのが気になり気がそれてしまう。あまりに平和でほほ笑ましい会話を聞き、二人は何もせず寄り添って眠りにつくことに。「これからもいっぱい愛してください。先生の100億倍の愛を一生お返しします」と先生に伝えるもまだ籍を入れていないことに気づかされる。籍を入れてないことをすっかり忘れていて焦るあゆはに、弘光先生は「スーパーじゃなくて市役所寄って帰る?」と伝える。

無事入籍を済ませ、晴れて夫婦になった二人。あゆはは仕事で忙しい弘光先生を支えるため、良い妻になるべく料理を頑張ったり物件探しをしたりと成長していく。
しかしある日、あゆはは財布も携帯もないまま迷子になってしまい、警察に保護されてしまう。弘光先生は警察からの連絡を受け、慌てて迎えに行く事態に。完璧な妻にはなれなかったが弘光先生は「いいじゃん、失敗するぐらいがさまるんぽくて。もっと夫婦なんだから関わらせてよ」と伝える。
疲れているのに自分に時間をさいてもらうのは申し訳ないとイチャイチャ断ちをしていたあゆはだったが、弘光先生に「最近のそれ 普通に傷つくんだけど」と言われてしまう。お互いを思うあまりに我慢をしていた二人は、気持ちを伝えあい、とうとう結ばれる。

弘光先生とあゆはの結婚式

数年後、虎竹やアオちんなど当時の友人たちが集まり弘光家で楽しく過ごしている。二人の間には恵麻という名の娘が一人産まれており、恵麻に結婚式のDVDを見せながら当時を振り返っている。

弘光先生とあゆはの結婚式、挙式は順調に進み、披露宴に移る。披露宴ではあゆはが自ら余興を行い、みんなへの感謝の気持ちをスピーチする予定だったが、過度の緊張によりおなかをこわしてしまう。式の途中で退席をすることになり、弘光先生は会場を任される。
弘光先生の友人たちの無茶ぶりがあり、弘光先生は急遽あゆはへの愛のスピーチをすることになってしまう。照れながらも弘光先生はあゆはへの気持ちを言い始める。「妻とかかわるうちに、彼女の道標でありたいと思うようになりました。でもそんなのは驕りだった。導いてるつもりが俺も彼女から教えられていたんです。誰かを愛しいと思う気持ち全部彼女から学んだことです。」と言ったところで会場にあゆはが戻ってくる。現状が分からず動揺するあゆはに弘光先生は、「俺を好きになってくれてありがとう。」と言われ、「なんですかこれ、ドッキリですか?」と泣き出すあゆは。たくさんの祝福を受け結婚式は大成功を収める。

最後は学生時代のあゆはと弘光先生の他愛のない会話が描かれており、「先生 愛してます!」というあゆはらしい一言で物語は幕を下ろす。

『センセイ君主』の登場人物・キャラクター

佐丸 あゆは (さまる あゆは/演:浜辺美波)

恋に恋する高校1年生。愛称は「あゆは」「佐丸」、弘光先生には「さまるん」と呼ばれている。
関心をもった男の子にはためらいなく告白をする。7連敗後に出会った先生に強く惹かれ、そこからは先生一筋に。
おバカだが、明るく素直で何事にも全力投球なため、周りにも自然と協力者が増えていく。個性豊かなリアクションで見せる、少女漫画らしからぬ顔にも注目だ。
映画化では浜辺美波が演じている。

弘光 由貴(ひろみつ よしたか/演:竹内涼真)

佐丸あゆはのクラスの臨時教師を受け持つことになった先生。担当教科は数学。親しい人物には「ユキ」「ユキちゃん」などと呼ばれている。
俺様で冷静沈着なため冷たく見られることもあるが、あゆはにも的確なアドバイスをしていたりさりげなく優しい一面も持ち合わせている。
ずば抜けた数学の知識の持ち主だが、あゆはと過ごしていくうちに嫌だった教師生活も次第に楽しく思えるようになる。
頭も良く、けんかも強いがピアノのセンスは絶望的に無い。
映画では竹内涼真が演じている。

澤田 虎竹(さわだ こたけ/演:佐藤大樹)

あゆはの中学の同級生。愛称は「虎竹」。
バスケ部とバイトを掛け持ちしつつ、四人の弟妹の面倒も見る勤労学生。面倒見がよく、あゆはの勉強を教えたりもしている。
密かにあゆはに思いを寄せているが、弘光先生に全力投球なあゆはの幸せを願い見守っている。
映画では佐藤大樹が演じている。

中村 あおい(なかむら あおい/演:川栄李奈)

あゆはと同じクラスの友人。愛称は「アオちん」。男らしい言葉遣いで話すが、小学生時代から交際している彼氏がいる。
個性的な前髪がチャームポイント。二次元が大好きで、学校にゲーム機を持ち込むほどのオタク。
映画では川栄李奈が演じている。

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