懐かしき90年代 邦楽シーン / 小沢健二の魅力

1990年代の邦楽シーンにおいて、フリッパーズギターで"渋谷系"ムーブメントを起こし、そしてソロになった後も数々のヒット曲を送り出し、当時の邦楽界に君臨していたアーティストの一人である小沢健二。その後、2000年代に入ると活動も落ち着き、メディア等で見かける事も少なくなりましたが、やはり今聴いても彼のサウンドは眩しい限りです。今回はソロ・小沢健二の代表曲などをご紹介したいと思います。

小沢健二

1989年、大学在学中からアマチュアバンド「ロリポップ・ソニック」で活動。プロデビューを果たすと同時に「フリッパーズ・ギター」と改名する。アマチュア時代から5人編成だったが、デビューしてすぐに小沢健二と小山田の圭吾の2人編成となる。オリジナルアルバム3枚を残して1991年に解散。
フリッパーズ・ギター解散後、ソロで音楽活動を開始する。1993年、シングル「天気読み」でデビュー、1stアルバム『犬は吠えるがキャラバンは進む』をリリース。1994年、ヒップホップ・グループのスチャダラパーと共演したシングル「今夜はブギー・バック」をリリースし、50万枚を超えるヒットとなる。
以後、"渋谷系の王子様"として数々のヒット曲を世に生み出し、メディアにも連日登場していたが、1998年リリースのシングル「春にして君を想う」以後、活動休止状態となる。以来、メディアに出るなど主立った活動は無く、現在はアメリカを生活の拠点に南米などで環境問題に基づくフィールドワークを行っているという。
しかし、2010年に13年ぶりのコンサートツアーを行うことが決まり、更に2011年11月29日にはUstreamの番組に登場しコンサート活動を発表するなど、スローペースではあるが、コンスタントに音楽活動を行っている。

代表曲

小沢健二「天気読み」
1stアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」に収録されているシングル楽曲。この頃はまだ爆発的な人気を迎える前であり、いわゆる世間一般が認知している"王子様キャラ"になる前の小沢健二である。しかし、この頃こそ、フリッパーズギター解散後に小沢健二がソロとしてどういった方向に向かおうとしていたかが伺える時期であり、いまでも小沢健二フリークの中ではこの時期の楽曲を好む人が多い。

小沢健二「今夜はブギー・バック」feat.スチャダラパー
小沢健二のソロキャリアで初めに大々的なヒットとなったのがこの楽曲である。また、レコード会社の枠を超えたコラボレーション楽曲として、小沢健二がメインの"nice vocal"バージョンと、スチャダラパーがメインの"smooth rap"バージョンが2枚同時でリリースされ話題を呼び、コラボレーション作品のさきがけとして著名な作品となっている。50万枚を越えるヒットとなった。

小沢健二「ラブリー」
この楽曲が収録された2ndアルバム『LIFE』から徐々に小沢健二の人気に火がつく。"渋谷系の王子様"と称されるまでの人気を博するようになり、最終的にはNHK紅白歌合戦にも出場した。しかし、この「ラブリー」のサウンドは実はアメリカのソウルシンガー、ベティ・ライトの「Clean Up Woman」をサンプリングしていたりと、知る人ぞ知る一部の音楽通には一目置かれている楽曲でもある。

小沢健二「春にして君を想う」
1998年のシングル。これを機にほぼ活動休止に近い状態になる為、最後のシングルと言われている。この後、小沢健二は表舞台から姿を消してしまうが、4年の沈黙を破って2002年にリリースされたアルバム『Electric』では、それまでの音楽性も大幅に変わり、新生・小沢健二を衝撃的に印象づけた。以後、コンスタントに活動を続けている小沢健二であるが、90年代後半の頃に見られていた"王子様キャラ"からは上手く脱却し、現在では非常に味のあるミュージシャンとなった。

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