ひとりで飲めるもん!(漫画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ひとりで飲めるもん!』とは2017年8月から2019年2月までコナリミサトが『まんがタイムオリジナル』で連載していた漫画作品、及びそれを原作としたテレビドラマ。
主人公・紅河メイ(べにかわめい)はコスメ会社の広報部で働くキャリアウーマン。社内でも一目置かれる彼女は、サクッと飲めるチェーン店飲みが大好き。仕事に疲れた時や自身のキャリアに悩み、迷った時には美味しい食事とお酒でリセットし、また明日頑張ろうとメイは前を向く。

『ひとりで飲めるもん!』の概要

『ひとりで飲めるもん!』とはコナリミサトによる漫画作品、及びそれを原作としたテレビドラマである。芳文社『まんがタイムオリジナル』において2017年8月号から2019年2月号まで連載。コミックスは全1巻。
テレビドラマはWOWOWオリジナルドラマとして、2021年6月から全8話が放送された。主演は大政絢。ドラマ内では実在する外食チェーン店(天丼かつや、餃子の王将、吉野家、はなまるうどん、かつや、フォルクス、カレーハウスCoCo壱番屋、スシロー)が登場している。また各チェーン店の定番メニューはもちろんのこと、知られざるちょい飲みメニューも登場しており、視聴者が実際に来店した際に注文したくなるというグルメドラマになっている。
作者のコナリミサトの作品では他にも2019年に黒木華主演の『凪のお暇(なぎのおいとま)』、2021年に中村倫也主演の『珈琲いかがでしょう』と2作品がテレビドラマ化されている。

主人公の紅河メイ(べにかわめい)は28歳。「cosmeze(コスメーズ)」ブランドを展開する新参コスメ会社の広報部に所属している。その容姿と仕事ぶりから社内では一目置かれる存在のため、やっかみも多い。そんな彼女の趣味はお手頃価格のチェーン店でひとり飲みをすること。毎日のストレスはそこでリセットし、また明日から頑張ろうと前向きになるメイの様子を窺い知ることができる。

『ひとりで飲めるもん!』のあらすじ・ストーリー

1軒目 天丼とビール

プロジェクトが大成功し、注目を集めるメイ。その美貌に「あれは相当食にも気を使ってるだろうね」との声も聞こえてくるが、メイが向かうのは天丼のチェーン店。リーズナブルにサクッと飲めるチェーン店めしが大好きなのだ。
小天丼と小ビールを注文。その美貌には店員や客の注目も集まる。しかしビールを口にして「なまらうみゃ〜(とても美味しいという意味)」と心の声が出ると、全ての緊張が途切れ頭身が縮んで子供のようになってしまうのだ。
食後は元の姿に戻り「こんなに美味しく食べて飲めて千円以内。最高」と颯爽と店を後にする。

2軒目 餃子とビール

プレゼン用資料をチェックするメイの良い香りに後輩たちはうっとり。「餃子食べてる紅河さんとか、絶対想像できない!」という声はメイの耳にも届き、帰社後向かったのは「餃子の王様」という餃子のチェーン店。
餃子、小ライスとウーロンハイを注文。店内のポスターには「ニンニク抜き餃子」が紹介されているが、メイは断然ニンニクたっぷり派。タレは醤油+ラー油、お酢+コショウの2種類。ウーロンハイで口をさっぱりとさせ、餃子にかぶりつくと「なまらうみゃ〜」と頭身が縮む。餃子を満喫していると後輩からヘルプの着信。
消臭効果のあるリンゴジュースでブレスケアを流し込み、愛用のハッカ油で香りもリセットしたメイは餃子を食べたことなど匂わせもせず、颯爽と仕事に戻るのであった。

3軒目 チーズケーキと赤ワイン

取引先との打ち合わせ後、仕事の熱が高まっているメイはカフェチェーン店で広報案をまとめることにする。仕事はサクサク終わり、ケーキとコーヒーを注文しようとすると「アルコール始めました」の文字が目に入る。
早速NYチーズケーキと赤ワインを注文。チーズと赤ワインは相性が良いから、きっと美味しいはずと考えたのだ。ケーキとワインを口にしたメイは「なまら合う!?(とても合う)」と感動し頭身が縮む。
メイが立ち寄った店舗のアルコール売上は爆発的に上がったという。そしてメイは広報案を10パターンも提案していた。早さだけでなく、そのクオリティの高さにも驚く社員たちであった。

4軒目 コロッケそばとビール

新作アイカラーのプレスパーティーで広報部代表として挨拶をするメイ。商品の発注数もうなぎのぼりで同期からも賞賛される。しかしがメイがいなくなれば陰口や妬みばかり。それはメイの耳にも届いていた。
パーティー中食事ができなかったメイは「丸丸そば」というそばのチェーン店に立ち寄る。コロッケそばと生ビールを注文。冷えたビールを一口飲み、そばを啜ると「なまらうみゃ〜」と頭身が縮む。
コロッケをぐちゃぐちゃに崩していくと陰口のストレスも少しずつ薄れていく。食べ終わる頃にはモヤモヤした気持ちはどうでも良くなり、新商品をたくさんのお客さんに届ける事の方が大事と再認識したメイだった。

5軒目 麦焼酎と和食小鉢

複数のプロジェクトに追われるメイ。周囲には顔色ひとつ変えずにこなしているように映っており「紅河さんて、まるでロボットみたいだよね」と揶揄される。しかしあまりの多忙さにさすがのメイも心が摩耗していた。そんな時に立ち寄るのは和食チェーン店。
麦焼酎ロックと小鉢のアラカルト(手作り豆腐、切り干し大根、ほうれん草の胡麻和え、オクラ・とろろ・納豆のねばねば小鉢)を注文。よく冷えた麦焼酎と豆腐を口にすると「なまらうみゃ…っ」と頭身が縮む。
丁寧に食べ進めながら、自分は今「人間」をしていると感じるメイ。ロボットになってしまえれば楽かもしれないが、ロボットのようにこなした仕事は人に響かないものであって欲しいと考えるのだった。

6軒目 黒ビールとフィッシュ&チップス

大雨の日、電車遅延に巻き込まれるメイ。周囲の乗客たちのイライラにうんざりし、タクシーで帰ろうと改札へ向かう途中、小さなパブのチェーン店を見つける。
フィッシュ&チップスと黒ビールを注文。黒ビールを一口飲み、揚げたてのフライを手掴みで頬張ると「なまらうみゃ〜」と頭身が縮む。
ふっくらとした白身魚フライとカリカリのポテトに「おいしい+おいしいに往復ビンタされてる気持ちだわ!」と興奮気味のメイ。店内に流れるUKロックとタバコの煙も雰囲気を盛り上げる。
すると運転再開のアナウンスが流れる。遅延の時には駅で飲みながらまったりと待つのもオツかもしれないと思いながら帰路につくのであった。

7軒目 フライドチキンとコークハイ

クリスマス後の社内。社員たちは、メイが超ブルジョワなクリスマス過ごしたのではないかと噂する。しかしメイはこの時期は多忙でクリスマスなど頭になかったが、久しぶりにフライドチキンのチェーン店へ行ってみることに。
コークハイ、フライドチキンとビスケットを注文。チキンにかぶりつき、コークハイをグッと喉に流し込むと「なまらうみゃ〜」と頭身が縮む。子供の頃の楽しいクリスマスを思いだしながら、今は一人、コークハイを飲む自分に侘しさを感じる。彼氏の話をする女の子らの楽しそうな声が侘しさに追い討ちをかける。
すると女の子の一人が「cosmeze(コスメーズ)」の限定コフレの話を始めた。メイの会社のものだ。「ブランド側のクリスマス愛溢れてる!」と喜ぶ声がメイの耳にも届く。
「その笑顔が最高のクリスマスプレゼントよ!」と元気になったメイは颯爽と店を後にするのであった。

8軒目 チョコレートケーキと赤ワイン

2月14日、社員たちは憧れのメイから義理チョコをもらえると浮ついていた。皆どこのブランドのチョコか知りたがるが、メイは秘密だと教えない。去っていくメイの後ろ姿を見ながら「紅河さんの本命のチョコもらえる人羨ましすぎ」と話す社員たち。しかしメイは本命のチョコなど全く頭にない。
帰社後、スイーツチェーン店「ケーキコーナー」へ。チョコ系のケーキで一杯お酒をやるのがメイのバレンタイン定番イベント。赤ワインとケーキを口に含むと「なまらうみゃ〜」と頭身が縮む。メイは「私が今一番好きな人は、間違いなく『私』だな。だからこれが私が私に捧ぐ私による『本命のチョコ』」とケーキとワインを楽しむ。
そしてメイの義理チョコは、大袋入りの駄菓子のチョコであり、100均の折り紙で個別包装をした簡単な物だと読者に明かすのであった。

9軒目 牛丼とビール

メイは同期で戦友である後藤の転職を祝うべく、2人でフレンチを食べに来ていた。一緒にのし上がっていこうと誓っていたが、後藤は今の会社での限界が見え、悩んだ結果転職を決めたのだった。後藤はメイに申し訳ないと言うが、メイは勤め先が変わっても戦友だと返す。
後藤と別れたメイは吸い込まれるように牛丼のチェーン店へ入店し、牛丼と生ビールを注文。紅生姜をたっぷりと乗せ、ひと思いにかき込むと「なまらうみゃー!!」と頭身が縮む。
脳裏には後藤と組んで仕事をしていた時の事が蘇る。明るく後藤を送り出したメイだったが、本当は寂しさでいっぱいであった。ここまでやってこれたのも後藤がいたからだったのだ。寂しさで空いた穴を牛丼とビールで埋めるかのようにかき込むメイであった。

10軒目 うどんとビール

広報部に新入社員・烏丸(からすま)がやってきた。社員たちが「教育係の紅河さんが気の毒」と噂するように、空回りばかりしている。挙句に指示されたメール返信を忘れ、メイがクレーム処理に追われることに。
上層部の厳しい目に晒されたメイは、胃に優しいものが食べたいとうどんチェーン店へ。あえての素うどんと瓶ビールを注文。ビールも一口目は少量にし、うどんを啜ると「なまらうみゃあ」と頭身が縮む。
素うどんでも美味しいのは、軸となる元々の麺が美味しいからだとメイは思った。仕事も同様で、烏丸はやる気はあるが、あれこれトッピングして軸となる麺が見えなくなっているうどんと同じだ。烏丸の空回りっぷりは入社当初のメイとそっくりだったため、自分がしてもらったようにきちんと指導しなければと考えるメイであった。

11軒目 長崎皿うどんとビール

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