ベルサイユのばら(ベルばら)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ベルサイユのばら』とは、池田理代子原作の漫画作品である。通称「ベルばら」。1972年から1973年にかけて、『週刊マーガレット』(集英社)で連載された。フランス王妃マリー・アントワネット、男装の麗人オスカル、スウェーデンの貴族フェルゼンの三人を中心に、ルイ15世末期からアントワネット処刑の頃までを描いている。1974年に宝塚歌劇団でミュージカル版が上映されると、続々とテレビアニメ化・劇場版アニメ化され、爆発的な人気となった。発行部数2,000万部を突破するなど、愛され続ける作品である。

17世紀から19世紀の間存在した牢獄。元々は、建造当時(1383年)の国王・シャルル5世の居城であったサン・ポール城を守る砦として建造された。完成には13年もの歳月をかけた。1659年以降は、王家に逆らう政治犯を主用する刑務所として使用されるようになる。それ故、民衆達の恐怖と憎悪の対象となった。1789年7月14日、民衆たちがこの地を占領。フランス革命勃発の地となった。フランス革命時に、民衆達によって襲撃されて陥落する。革命後は解体された。

その他の建造物・家系

ルイ・ル・グラン学院

出典: mapio.net

パリにある公立の中等教育機関。フランスのエリート教育に長けており、多数の政治家や文学者などを輩出している。
ロベスピエールは優れた頭脳で奨学金を得て学院に入学、研究科で法律を勉強し高等法院の弁護士となった。

高等法院

出典: www.expedia.co.jp

現在の最高裁判所。王室を批判する権利を持っており国民たちからは支持を得ていた。
法官は貴族の身分ではあったが宮廷への出入りが許されず、王室との確執は根深いものであった。
王室の財政が厳しくなっていた1788年、増税と借金を提案する王室側に強く反発、三部会の開催をするよう申し立てをした。

バロア家

フランス王国の王家のひとつ。ブルボン王朝になる以前のバロア王朝の流れをくむ貴族で1328年から1589年までの間に13代の王を出した。
ジャンヌの母ラ・モリエールが女中として働いていたのは落ちぶれかけていた分家のひとつであるサン=レミ家であるとされている。

事件

首飾り事件

フランス史上に残る、王室を巻き込んだ詐欺事件。贅沢な暮らしを夢見るジャンヌが自らの野望を叶えるためにマリー・アントワネットの名を語り、宝石商べメールから高価な首飾りを買い取った。マリー・アントワネットにそっくりの娼婦オリバを使ったり、聖職者として強大な権力を持つローアン大司教を騙したりと、その手口は巧妙。裁判では「マリー・アントワネットはレズビアンだ」「オスカルはレズビアンの相手」などと虚偽の供述をし、有罪判決を受けて投獄された。しかし浪費ざんまいのマリー・アントワネットに反感を持っていた民衆たちは、むしろジャンヌに味方する。何者かの助けを借りてジャンヌは牢獄を脱走し、事件の暴露本を次々と執筆して大儲けした。
ジャンヌの夫ニコラスが近衛隊の部下だったことから、オスカルが自ら名乗り出て、脱走したジャンヌ討伐へ出る。ジャンヌとニコラスは新型爆薬を使って迎え撃つが、結局自ら放った火の中に落ちて命を絶った。

黒い騎士事件

パリの新聞記者ベルナール・シャトレは、本業の傍ら、宝石や武器を盗んで平民に横流しする盗賊業を営んでいた。真っ黒な衣装に黒い仮面をつけていることから、「黒い騎士」と呼ばれ、王室も警戒。宝石だけでなく武器も盗むことに違和感を覚えたオスカルは、自らの手で黒い騎士を捕まえようと策略する。アンドレの片目が犠牲になるも、オスカルは黒い騎士を捕まえ、ジャルジェ家の屋敷に匿った。黒い騎士ことベルナールと話す中で、オスカルは平民たちの貧しい暮らしを目の当たりにし、王室や貴族中心のフランス社会に疑問を抱くようになる。黒い騎士事件をきっかけに、貴族ばかりの近衛隊から、平民出身者の多いフランス衛兵隊への転属を願い出た。

『ベルサイユのばら』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

マリー・アントワネット「きょうはべルサイユはたいへんな人ですこと」

ルイ15世の圧力によりフランスとオーストリアが同盟の危機に陥った際、アントワネットがデュ・バリー伯夫人にかけた一言。因縁の相手デュ・バリー伯爵夫人に対し、マリー・アントワネットが初めてかけた言葉でもある。
フランスに嫁いできてから、2年もの間元娼婦のデュ・バリー伯夫人を軽蔑し無視し続けていたマリー・アントワネット。だが祖国オーストリアの為に、自分の意思を曲げて夫人に声をかける事となった。これによりアントワネットとデュ・バリー伯夫人の対立に決着がついた。
フランス王太子妃として元娼婦のデュ・バリー伯爵夫人に負けを認めたマリー・アントワネットは、悔しさからこの言葉を何回も頭の中で繰り返した。屈辱に涙する彼女の誇り高い姿に、オスカルは感銘を受けた。

オスカル「妃殿下はただいまここで妃殿下に恋している20万の人々をごらんになっているのでございます」

17歳のアントワネットがパリ訪問の際民衆たちの前でオスカルに言われた台詞。若く美しいアントワネットに民衆たちの期待が寄せられていることがよく分かる場面。
多くの人々の愛情を得られることに感銘を受けるアントワネットだったが、この幸せな出来事をいつしか忘れ去っていった。
革命ののちにベルサイユを追われたアントワネットはこの言葉を思い返し涙を流していた。

ポリニャック伯爵夫人「もんくがあったらいつでもベルサイユへいらっしゃい!」

1215chika
1215chika
@1215chika

Related Articles関連記事

ベルサイユのばら(ベルばら)の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

ベルサイユのばら(ベルばら)の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

『ベルサイユのばら(ベルばら)』とは、池田理代子による漫画である。1972年から漫画雑誌『週刊マーガレット』で連載され、アニメや宝塚歌劇団による舞台、映画などが展開された。フランス・パリを舞台に、時代が革命へと突き進んでいく中でフランス王妃マリー・アントワネットと「男装の麗人」オスカルらの人生を描く。史実に基づくマリー・アントワネットの恋模様や、オスカルをめぐる恋の駆け引きが見どころである。

Read Article

ベルサイユのばら(ベルばら)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

ベルサイユのばら(ベルばら)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『ベルサイユのばら』とは、池田理代子が描いた少女漫画で、1770年から17789年頃のフランスを舞台とした物語である。週刊マーガレットで連載以来、少女たちを中心に人気に火が付き、アニメ化や宝塚化などを果たした。 ロマンチックな恋のセリフや、時代の波に飲まれながらも必死に生き抜こうとする格好良いセリフの数々は、読者に長年愛され続けている。

Read Article

40年ぶりに新しいオスカル様に会える!「ベルサイユのばら」が再始動

40年ぶりに新しいオスカル様に会える!「ベルサイユのばら」が再始動

『ベルサイユのばら』は、池田理代子によって描かれた国民的ともいっていいほど有名な少女マンガです。フランス王妃マリー・アントワネットとフェルゼンの恋と、男装の麗人オスカルとその恋人アンドレの悲劇的な運命は日本だけでなく、世界中の少女たちの涙を誘いました。40年以上も前に連載が終了していた「ベルばら」ですが、2014年から今年にかけて再び新作が発表され、マンガ界に衝撃を与えました。

Read Article

奇抜な仮装が名物の京都大学卒業式!2020年は式典自体が中止に…【京大】

奇抜な仮装が名物の京都大学卒業式!2020年は式典自体が中止に…【京大】

京都大学の名物行事、コスプレ卒業式についてまとめました。新型コロナ感染拡大の影響で2020年は卒業式自体が中止になり、地元の記事やネットでは奇抜な仮装を見られないことを嘆く声が上がりました。ここでは式典中止を残念がるネットの反応や、カオスっぷりがすごい過去の卒業式の様子を紹介していきます。

Read Article

少女漫画『ベルサイユのばら』のスマホ待ち受け画面&PCデスクトップ壁紙まとめ!

少女漫画『ベルサイユのばら』のスマホ待ち受け画面&PCデスクトップ壁紙まとめ!

「ベルばら」の愛称でお馴染みの少女漫画『ベルサイユのばら』のスマホ壁紙とPCデスクトップ壁紙をまとめて紹介する。主人公のマリー・アントワネットやオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェなど、キラキラとした世界観の登場人物・キャラクターたちを壁紙として楽しもう。

Read Article

【ONE PIECE】黒子のバスケの「喪服の死神」騒動だけじゃなかった!漫画・アニメ関連の脅迫事件まとめ【ベルサイユのばら】

【ONE PIECE】黒子のバスケの「喪服の死神」騒動だけじゃなかった!漫画・アニメ関連の脅迫事件まとめ【ベルサイユのばら】

漫画・アニメに関する脅迫事件といえば、2012年にあった『黒子のバスケ』の「喪服の死神」騒動が記憶に新しいですよね。実は、これ以外にも脅迫などの被害に遭っていた作品や関係者がいるので、この記事でまとめました。その中には、あの『ONE PIECE』も…。変なヤツが現われるのは人気作の宿命とはいえ、あまりにもやり方が卑怯です。言いたいことがあるなら、隠れてないで面と向かって言いなよ!

Read Article

金沢美術工芸大学の仮装卒業式について紹介!ハイクオリティ&ユニークなコスプレがいっぱい!

金沢美術工芸大学の仮装卒業式について紹介!ハイクオリティ&ユニークなコスプレがいっぱい!

2015年の金沢美術工芸大学の仮装卒業式についてまとめました。ユニークな人材を輩出する名門校とあって、コスプレ・仮装のクオリティや着眼点も、他とはちょっと違うと感じさせるものばかりです。『ベルサイユのばら』のオスカルとマリーのハイクオリティなコスプレや、スマホや酒瓶になりきった卒業生の姿など、おもしろ画像をたっぷり紹介していきます。

Read Article

今年で25周年の1991年のアニメ作品10本

今年で25周年の1991年のアニメ作品10本

今年2016年は、「きんぎょ注意報!」「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」などの作品の、25周年、四半世紀にあたる。1991年は、サンライズのロボットアニメが活況な年だった。エルドランシリーズの「ライジンオー」、勇者シリーズの「ファイバード」のほか、ガンダムシリーズも「F91」「0083」が競い合うかのように作られた。そんな時代を代表する、10本の作品を選んでみた。

Read Article

目次 - Contents