ベルサイユのばら(ベルばら)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ベルサイユのばら』とは、池田理代子原作の漫画作品である。通称「ベルばら」。1972年から1973年にかけて、『週刊マーガレット』(集英社)で連載された。フランス王妃マリー・アントワネット、男装の麗人オスカル、スウェーデンの貴族フェルゼンの三人を中心に、ルイ15世末期からアントワネット処刑の頃までを描いている。1974年に宝塚歌劇団でミュージカル版が上映されると、続々とテレビアニメ化・劇場版アニメ化され、爆発的な人気となった。発行部数2,000万部を突破するなど、愛され続ける作品である。

マリー・テレーズ(マリー・テレーズ・ド・フランス)

ルイ16世とマリー・アントワネットの長女。長いこと子宝に恵まれなかったルイ16世とマリー・アントワネットの第一子にあたる子どもであり、実在する人物だる。名前は彼女の祖母、そしてマリー・アントワネットの母にあたるマリア・テレジアの名前をフランス語読みしたものがつけられている。作品中の描写は少ないが、マリー・アントワネットの子どもたちの中で唯一天寿を全うしている。

ルイ・ジョゼフ(ルイ・ジョゼフ・グザビエ)

ルイ16世とマリー・アントワネットの長男。実在した人物である。『ベルサイユのばら』作中では近衛兵として活躍するオスカルに憧れ、次第に恋心を抱くようになる。美しく聡明な少年であったが、難病脊椎カリエスを患ってしまう。余命いくばくも無い中フランス国史を読むなど勉強熱心ではあったが、三部会開催前日体調が悪化。7歳でこの世を去った。

ルイ・シャルル

ルイ16世とマリー・アントワネットの次男。実在した人物である。兄・ジョゼフが病気により亡くなった後に、王太子の称号を継ぐ。だがフランス革命によりルイ16世が処刑された後、母マリー・アントワネットととも引き離され、市民の1人として育てられる。次第に自分の出自や地位を忘れ、革命の兵士と一緒に革命家を歌うまでになる。史実では虐待に遭い、10歳で亡くなった。

マリア・テレジア

マリー・アントワネットの母に当たる人物。神聖ローマ帝国カール6世の長女として生まれ、後にオーストリア女帝として君臨した実在の人物である。政治的手腕に優れており、長年にわたるフランス・ブルボン王朝との覇権争いを終わらせる為にマリー・アントワネットをルイ16世を政略結婚させた。無邪気で考えることの苦手なマリー・アントワネットの行く末を常に案じており、彼女が王妃として国民の為に尽くすことを願っていた。だが彼女の願いも虚しく、マリー・アントワネットはプチ・トリアノン宮に籠り、政治を放棄してしまう。そんな娘の姿にマリア・テレジアは深くショックを受ける。
1780年、肺硬化で危篤に陥り、子どもたちの幸福を願いながら63歳で逝去した。

デュ・バリー伯爵夫人(デュ・バリー夫人/マリ=ジャンヌ・ベキュー)

ルイ15世の妾であり、実在した人物。元は下町の娼婦である。貴族のデュ・バリー伯と偽造結婚をした翌日、彼を毒殺する。その後、伯爵夫人としてベルサイユ宮殿に出入りするようになる。その際、ルイ15世を肉体と美貌で取り入る。彼の妾となってからは贅沢し放題の日々を送る。また正式な王太子妃であるマリー・アントワネットに敵対心を持っており、勢力争いを繰り広げていた。「赤毛のちび」とマリー・アントワネットを罵るものの、身分差で勝てない事に苛立ちを覚える。
ルイ15世の崩御後は、ベルサイユを追放。修道院に入れられる。

ポリニャック伯爵夫人(マルティーヌ・ガブリエル・ド・ポリニャック)

しとやかで天使のような瞳をした貴婦人。貴族のポリニャック伯爵の妻として、実在した人物である。控えめな雰囲気のある女性だったが、実はかなりの野心家で、アントワネットに気に入られてからはベルサイユ宮廷の影の支配者として長年君臨していた。一時は、マリー・アントワネットさえも操る強大な権力を誇った。
またロザリーの実母でもある。ポリニャック家に嫁ぐ前、貴族として傾きかけていたバロア家のサン・レミー男爵と恋に落ち、ロザリーを出産した。だが男爵は女中のラ・モリエールにも手を出していた。誰にも相談できない中助けてくれたラ・モリエールに、生まれたばかりのロザリーを預ける事となる。その後、ポリニャック伯爵と結婚。伯爵との間に、シャルロットという娘をもうけた。
フランス革命後に王宮の力が一気に失われてからは、誰よりも先に国王一家から離れていった。

シャルロット・ド・ポリニャック

ポリニャック伯爵夫人の娘。母がベルサイユで台頭するに伴い社交界では強気に振る舞っていたが、本心では友達ができず寂しい気持ちを抱えていた。またオスカルに恋心を抱いており、彼女と親しくしているロザリーに突っかかっていた。後に、政略結婚の話を聞かされ落ち込んでいる時にロザリーが優しく慰めてくれた為、彼女と和解する。だが結婚の日が近づくにつれ絶望感が膨らんでいき、「今度生まれてくるときは貴族じゃないところにする」と言い残してポリニャック伯爵夫人の前で投身自殺をしてしまう。夫人が入信していたキリスト教徒では自殺はタブーとされていた為、死後は葬式すらあげられなかった。
なおロザリーとは父親違いの姉妹にあたるが、そのことをシャルロットが知る事はなかった。

ノアイユ伯爵夫人

マリー・アントワネットのフランスでの教育係。マリー・アントワネットがオーストリアからフランスへ引き渡された時、ノアイユ伯爵夫人を見て安心から泣きついた。しきたりに厳しく、マリー・アントワネットからは「エチケット夫人」と呼ばれたこともある。

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