牛山辰馬(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

牛山辰馬(うしやま たつうま)とは、『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、アイヌの隠し金塊の在処を示す刺青を施された囚人の1人にして柔道の達人である。大柄で屈強な肉体に石頭、独特な耳の形状が特徴的な人物である。金塊を狙う土方歳三に協力し活動する。「不敗の牛山」の異名を持ち、様々な強敵をその卓越した柔術と怪力で組み伏せる。白兵戦では作中最強の男である。普段は紳士的だが極度の女好きでもあり、一定期間女を抱かないと男だろうと老人だろうと見境なく襲い掛かる一面を持つ。物語序盤から終盤にかけて活躍した。

札幌世界ホテルを訪れる牛山

牛山は札幌の「札幌世界ホテル」というホテルを訪れる。そこで牛山を迎えたのは家永カノ(いえなが かの)という女将の美女であった。実はこの家永は24人の刺青の囚人の1人である。顔は美女だが、その正体は男の老人である。家永は札幌世界ホテルを経営していた老夫婦に取り入ってホテルを乗っ取り、未亡人の女将としてホテルを営業していた。そして自分の好みの客が宿泊すると家永はその客を殺害していた。家永は元医師で「同物同治」という思想を持っている。これは体の悪い部位と同じ動物の部位を食す事で病気が治るという思想であった。家永はこの思想を人間に対して行った。家永が欲しいと思った体の部位を持つ客を殺害してはその部位を食べている。家永は監獄時代は老人の顔で今の美貌とは程遠い顔であった。しかし、脱獄してホテルで食人を行った結果、今の美貌を手に入れた。

家永は牛山と網走監獄で面識があった。しかし、監獄時代と顔の変わった家永に牛山は気付かない。一方で家永は牛山を警戒していた。牛山は家永が未亡人である事を確認する。牛山はホテルの情報を多少知っていた。続いて牛山は、このホテルを経営していた老夫婦の事を尋ねる。家永は主人の両親であると嘘を答えて真実を隠蔽する。家永は牛山が自分の正体に気付いているのではないか、と疑い始める。牛山は家永の正体に気付いていた、と思いきや家永の尻や声の美しさを褒め始めた。牛山は家永の正体に気付かず欲情していたのである。あまつさえ、家永に壁ドンをして「抱かせろ」とまで言った(この時、牛山に壁ドンされた壁は凹んでしまった)。それに対して家永は牛山の逞しい腕を褒め称える。家永が牛山の強靭な肉体を欲しがっている事が明示される。丁度その時に杉元一行が訪れた。家永は接客の為、牛山を置いて部屋を出た。その際、牛山は「部屋で待つ」と鼻息を荒くして欲情していた。

杉元一行は杉元、アシリパ、白石、キロランケの4人であった。キロランケは旅の途中で加わったロシア系アイヌの仲間である。アシリパの父親のウイルクの友であり、鶴見中尉とは別の部隊の元第七師団で工兵をしていた。家永は杉元一行を出迎える。するといきなり白石が家永をナンパし始めた。家永は白石とも面識があるが、白石も牛山同様、家永の正体に気付いていなかった。

札幌世界ホテルは家永が乗っ取ってから改築を重ねていた。その結果、作りが複雑になり、隠し部屋や通路が多く作られた。地下には家永が客を殺して解体する部屋もある。家永はその隠し通路を利用して素早く移動していた。家永は白石と牛山が鉢合わせすれば互いの刺青を巡ってトラブルになる事を恐れていた。家永は白石と牛山が鉢合わせしない様にしつつ、牛山をガスで眠らせて殺害しようと考える。一方、牛山は自室でスクワットをして家永への性欲を発散させていた。が、あまりにも家永が部屋に来ないので痺れを切らして牛山はホテルを探し回る。白石も家永を口説こうとホテル内を徘徊していた。牛山と白石が鉢合わせになりそうになった時、家永は白石を殺す事を判断し、仕掛けを発動した。すると白石の立っている所の床が抜けて白石は穴に落ちていった。こうして、一時的に牛山と白石は出会う事なく引き離されたのであった。

白石を罠に嵌め、地下室に落とした家永。白石の様子を見に行こうとした時、家永は痺れを切らした牛山に捕まり、抱きしめられてキスをされる。家永は牛山の舌を噛み、牛山を誘惑しながら牽制しつつ、牛山から逃れる。家永の性的な魅力に牛山は完全に魅了され、頭が火照っていた。牛山は頭を冷やす為に外に出る事にする。一方、牛山の部屋では、牛山が壁ドンをして凹ませた壁が崩れ始めていた。

外に出て頭を冷やそうとする牛山は途中でアシリパ、キロランケ、杉元と遭遇する。彼等は牛山とは初対面であり、牛山が刺青の囚人である事に気付いていなかった。アシリパとキロランケは牛山を見て「シンナキサラ」と発言する。これはアイヌ語で「変な耳」という意味であった。それを見ていた杉元は牛山の耳は「柔道耳」という柔道の稽古を積んだ人間の耳である事をアシリパとキロランケに伝える。そして杉元自身も相当柔道の稽古を積んだが、体質のせいか柔道耳にはならなかった旨を発言。その言葉に牛山は興味を示し、牛山と杉元は互いに握手を交わす。この握手は単なる友好の証ではなかった。武道の達人同士の握手は互いの力量を押し測る事が出来るのである。杉元は握手する事で牛山の強靭さを知り、驚いていた。同時に牛山も杉元の強さに一目置いていた。互いの強さを知りたい余り、自然と牛山と杉元は組み合う。そこで牛山がこれ以上は殺し合いになってしまうと判断し、杉元から手を離す。牛山は杉元の強さを気に入り、杉元達に洋食を奢る事になる。

牛山は杉元、アシリパ、キロランケと共に洋食屋にエゾシカ肉のライスカレーを食べに行く。そこで牛山達は札幌ビールの飲み比べ勝負を始める。酒瓶をラッパ飲みする牛山は完全に酔い、札幌ビールを使った村橋久成(むらはし ひさなり)について語り始める。村橋は箱館戦争で土方と戦った新政府軍の軍監であった。後に土方は村橋に戦争に負けて悔しいが、彼の作ったビールは美味いと言っていた旨を話し始める。それを聞いていた杉元は疑問を抱く。土方は表向きは箱館戦争で戦死した事になっているからである。口を滑らせた事に気付いた牛山は慌ててその場を誤魔化した。丁度、その時ビールを飲んで酔ったアシリパが牛山の額のコブに掴みかかり、コブを取ろうとする。場が和み、牛山はアシリパに「チンポ講座」を始める。牛山はアシリパにいい女になって男を選ぶ時はチンポで選ぶ様に説く。一度男を抱かせてそのチンポが「紳士」かどうかで男を選ぶべきだというのが牛山の持論であった。その考え方にキロランケは「そのとーり!!」と同調していた。牛山が持論を語り終えた所で飲み会はお開きとなった。

牛山が自室に戻ると、牛山が壁ドンをした箇所が完全に崩れて大穴が空いていた。牛山がその大穴を覗き込み、隠し通路と謎のレバーを発見した。牛山がレバーを引っ張ると床が抜けて地下へと続く落とし穴が出現した。泥酔している牛山は女将を探してその穴の中に落ちていった。穴の底は家永が客を殺す為の解体部屋に繋がっていた。そこでは家永に捕らえられて動けない白石が脱獄を図っていた。白石は家永に落とし穴トラップに落とされた後、家永に薬剤を打たれて今まで眠らされていたのである。薬が切れた白石は両手を縛る手錠を足で器用に開けようとしていた。丁度その側に上から牛山が落ちてきた。白石は突如現れた牛山に驚きつつも、牛山に家永の正体を教えて自分を助けるように求める。が、泥酔した牛山は白石を女将の家永だと勘違いして襲い掛かり、白石の乳首に吸い付いた。そのまま嫌がる白石を無理矢理まさぐる牛山であったが、白石の臭いに気持ちが悪くなり、吐いた。牛山が吐いた隙に白石は手錠を外して拘束台から抜け出す。そして吐いた事で多少落ち着いた牛山に、白石は家永の正体は女装した刺青の囚人の一人であり、網走監獄で白石と牛山が見たことがある老人である事を牛山に伝える。家永の正体が老人である事を知って尚、性的に昂っていた牛山は家永を抱こうと考えており、白石はその見境の無い性欲に退いていた。一方、当の家永は杉元とアシリパの居る部屋に睡眠ガスを流し込んで杉元とアシリパを眠らせていた。そして部屋に忍び込み、アシリパの目玉を食して綺麗なアシリパの目の色を手に入れようとしていた。

白石と牛山は地下室から抜け出そうとしていた。白石は自分達が落ちてきた天井の穴をこじ開けて抜け出す事を牛山に提案する。一方、性欲で昂った牛山は白石の言葉など耳に入らず、白石が縛られていた拘束台をハンマー代わりに持ち上げ、鍵の掛かった出入り口の扉を叩き付けていた。その牛山の様子に見切りを付けた白石は自分だけ天井の抜け穴から逃げていった。その後、牛山は無理矢理扉をこじ開ける事に成功し、牛山も地下室から脱出した。

家永は眠るアシリパの目玉を舐めようとしていた所を杉元に反撃されていた。家永の流し込んだ睡眠ガスは、子供のアシリパを殺さない程度の量だったので大人の杉元には効きが悪かったのである。白を切る家永の元に、脱出した白石がやって来る。そして扉越しに家永が刺青の囚人である事を杉元に伝える。状況が不利になった家永は隠し通路から逃走した。

隠し通路を逃走する家永。そこへ家永を抱こうと興奮して我を忘れた牛山が通路の壁をぶち破って家永の前に立ちはだかる。家永は自分の刺青人皮を狙う杉元の他に牛山からも追われながら逃げる羽目になる。こうして迷路の様な隠し通路が巡らされた札幌世界ホテルを舞台に、家永、牛山、杉元一行の入り乱れた逃走劇が始まる。隠し通路を使い、神出鬼没に逃げ回る家永。壁を破壊しながら家永を追いかける牛山。家永の刺青人皮を狙い、家永を追いかける杉元。そこへホテルから逃げ出そうとしながら家永に手榴弾を投げつける白石も加わり、事態は混乱していく。そして家永は牛山に追われながら、杉元と鉢合わせしてしまう。逃げ道を失った家永は杉元に牛山も刺青の囚人である旨を、逃げながら伝える。それを聞いた杉元は突進してくる牛山と組み合う。が、その余りの勢いに杉元は組み合ったまま壁に叩きつけられる。それでも牛山の突進の勢いは収まらず、杉元は壁をぶち破って牛山と共に客室に乱入する。そこで杉元は牛山の勢いを利用して牛山を一本背負いをする。杉元に投げられ、宙を舞う牛山。そのまま地面に叩きつけられるかと思いきや、牛山は壁を蹴って体勢を立て直す。牛山の巨体と強力な蹴りに耐えられなかった壁は崩れ去る。牛山は杉元を抱え込み、共に壁の向こうの隠し通路に雪崩れ込む。一方、家永はホテルの自爆装置を作動させていた。これによりホテル中の隠し扉や仕掛けが誤作動を始める。

杉元は牛山に腕ひしぎ十字固めを決めていた。が、牛山は関節技を決められても物ともせず、杉元ごと持ち上げ、杉元を天井や床を破壊する程強力に叩き付ける。丁度、杉元を叩き付けた床は地下へと続く落とし穴の蓋だったため、蓋が壊れて杉元は地下に落ちていった。杉元と決着がつかなかった牛山は少し悔しそうであった。

杉元と戦った事で牛山の酔いと性的興奮は収まっていた。そんな牛山の所へ家永に手榴弾を投げながら逃げていた白石がぶつかってくる。白石は牛山にぶつかって吹き飛ばされ、持っていた手榴弾が大量に詰まった袋を落とす。落ち着きを取り戻した牛山は白石がこのホテルにある事を始めて知り、疑問を抱く。その様子に牛山が正気を取り戻した事を察した白石。白石の口から、白石は牛山に辺見一雄の刺青人皮の写しを明日渡す予定であった事が明かされる。この事から、牛山は白石がこのホテルに宿泊に来ていた事を知る。そして牛山は先程戦っていた相手が、白石の連れの「不死身の杉元」だと理解した。一方、ホテルに火の手が回り始め杉元達はホテルから脱出を計っていた。白石も火の手が周るホテルから脱出しようと慌て始めた時、牛山は土方から預かっていた伝言を伝える。その内容は「常に居場所を伝えろ」という内容であった。土方は白石が自分を出し抜かない様に釘を刺したのである。土方の伝言を聞いた白石。その時、白石は自分が持っていた手榴弾の入った袋が無い事に気付き、慌てる。そして白石は杉元が落ちた落とし穴の淵に袋が引っかかっているのを発見する。落とし穴の底の地下室から燃え上がる火の手が袋を炙り、危うく引火する所であった。白石はすぐさま袋を火の手から遠ざけようと袋に駆け寄る。が、躓いて転んでしまい、弾みで手榴弾が一杯入った袋を燃え盛る落とし穴に落とし入れてしまった。それを見た白石は牛山に、爆発するから逃げるよう叫びながら、血相を変えて逃げ出して行った。手榴弾が一杯入った袋を火の中に投げ込んでしまった事を知らないまま、牛山はホテルから脱出を計る。その途中で牛山は崩れ落ちたホテルの木材の下敷きになって動けなくなっている家永を発見する。牛山が木材をどかし、家永を助け出した時点で手榴弾が一斉に爆発。牛山は家永を庇う形で抱え込み、爆炎に包まれた。ホテルは大爆発し、倒壊してしまった。

杉元一行は全員、ギリギリの所で脱出に成功していた。ホテルは瓦礫の山となり、牛山の生死は分からなくなっていた。アシリパは牛山の死を「チンポ先生」と悲しみながら、その場に落ちていた、牛山の額によく似たハンペンを拾った。杉元は牛山が吹き飛び、刺青人皮が一枚失われてしまった事を考えて、札幌ののっぺら坊に直接金塊の在処を聞かなければならない必要性を感じていた。

爆発を聞きつけて野次馬がホテルに集まり始めていた。軍や警察が来る可能性を考えて杉元一行はその場を離れた。一方、ホテルの瓦礫の中からは煤だらけになった牛山が、家永を抱えながら出てきた。牛山はあれだけの爆発と、崩れ落ちてくるホテルの瓦礫の中から生還したのである。

ホテル爆発の翌日。牛山はススキノの街中で白石から別口で入手した刺青人皮の写しを受け取る。牛山はドジっ子の白石が、油断ならない杉元の目を盗んで刺青の写しを作成した事に疑念を抱いていた。渡された刺青人皮の写しも、偽物ではないかと疑っていた。牛山は刺青人皮を写すという行為にそもそも信用を置いていなかった。それでも牛山は、最終的に杉元を倒して本物の刺青人皮を奪い取ろうと考えていたので、一先ず白石から刺青人皮の写しを受け取ったのである。その牛山の背中は昨日の爆発でスーツが焼けて背中のシャツが丸出しになっていた。

牛山は白石を屋内へ招き入れる。そこで白石は死んだと思っていた、ベッドに横たわる家永の姿に驚く。牛山は部屋を一時的に借りて家永の手当てをしていた。白石は牛山が家永に惚れて命を助けたと誤解し、牛山はそれに対して「ふざけるな」と否定した。牛山は「最高の肉体」を追い求めた家永に武道家の立場で共感し、彼を死なせるのを忍びなく思った為、家永を救ったのである。牛山は家永を助けた事で、刺青の囚人に関する有益な情報を得ていた。牛山は白石にその情報を教える。白石はその情報を杉元達に伝える。杉元達は「札幌世界ホテル」の瓦礫の山を捜索し、牛山と家永の遺体を探していた。しかし、いくら捜しても見つからず生死不明状態であった。そこで杉元達は諦めて網走監獄ののっぺら坊に直接金塊の在処を聞き出す事を検討していた。そこへ白石が日高に刺青の囚人が居る情報を伝え、杉元一行は網走監獄へ向かう道すがら、日高へ向かう事になる。結果的な杉元一行は再び土方の思惑で日高へ刺青の囚人を捜索する形となり、牛山はそのメッセンジャーの役目を果たした。

「札幌世界ホテル」で敵だった家永を助け出し、白石から刺青人皮の写しを受け取った牛山は永倉が提供したアジトに帰っていった。そして先の戦いで負傷した家永の介護を行いながら金塊争奪戦の現状を土方、永倉、尾形とともに確認していた。その会話の中で、土方はのっぺら坊がアイヌになりすました極東ロシアのパルチザンである推測を話す。パルチザンとは内戦や革命でゲリラ的な非正規の軍事活動する民兵組織のことである。ロシアでは帝政ロシアと共産党とパルチザンの3つの勢力が殺し合いをしていた。のっぺら坊はパルチザンの一員であり、極東ロシア独立戦争のための軍資金としてアイヌの金塊を奪ったと土方は語る。そしてのっぺら坊は、金塊を樺太経由で持ち出そうとして失敗し、網走監獄に幽閉されたのが金塊争奪戦の発端であったと考えていた。牛山はその話を聞いてあることに思い至る。それは韓国の外にいるのっぺら坊の仲間もアイヌになりすましたパルチザンである可能性が高いと言うことである。この会話により、金塊争奪戦の対抗勢力の一つである杉本一行に新しく加入したキロランケがアイヌになりすましたパルチザンである可能性が示される。キロランケは、杉本一行が道中出会ったアイヌで、アシリパの父の親友、つまりのっぺら坊の親友の男のことである。

夕張にて、鶴見率いる第7師団はある青年と出会う。その男の名前は江戸貝弥作。「江戸貝剥製所」を営む剥製職人である。一見すると大人しそうな青年の江戸貝であるが、その本性は夜な夜な墓を掘り返し、埋まっていた死体を持ち帰って、人間の剥製や人間の皮を使用した服や装飾品、楽器を作る異常者である。

鶴見は江戸貝に取り入り、偽の刺青人皮作成するよう依頼する。そして鶴見は腹心の月島と部下の前山の2人を残し、第七師団を率いて小樽に戻っていった。試行錯誤の末、江戸貝は偽の刺青人皮を6枚作成することに成功する。しかしその時、かつて第七師団を裏切り、土方一派に寝返った尾形が江戸貝を襲撃した。尾形は第七師団が出入りしていた剥製所に目をつけていたのである。時を同じくして杉元と白石も夕張を訪れていた。

紆余曲折を経て、江戸貝と月島、杉本白石、尾形はそれぞれトロッコに乗り偽物の刺青人皮争奪戦が勃発する。最終的に炭鉱内で発生したガス爆発に一同は巻き込まれてしまう。炭鉱は崩落し、江戸貝は足を挟まれて動けなくなってしまう。月島は助け出そうとするが、江戸貝はこれを断り死を覚悟した。そして持っていた偽の刺青人皮6枚を月島に託し、本物との見分け方を月島に教える。月島は偽の刺青人皮を受け取り、その場を後にした。

杉元と白石はガス爆発に巻き込まれて、トロッコから放り出されたものの、生きていた。しかし、炭鉱の入り口が封鎖されてしまった。これは当時、炭鉱で火災や爆発があった際の消火方法である。炭鉱を入口ごと封鎖し、酸素を遮断する事で鎮火させた。その際中に人が残っていようと、問答無用で入口を封鎖してしまう。その為、杉元と白石は逃げ遅れて炭鉱の中に閉じ込められてしまった。閉鎖された炭鉱内には噴き出した天然ガスが立ち込めて行き、逃げ遅れた炭坑夫の命を次々と奪っていく。杉元と白石もガスを吸い込んでまともに歩けなくなってしまう。白石は気を失い、杉元も白石を引きずりながら、自らも這いつくばって移動している状況であった。同じく取り残された江戸貝はガスを吸い込んで絶命していた。一方、尾形も爆発に巻き込まれてトロッコから放り出されていた。それでも軽傷で済み、ガスを少し吸い込みながらも自力で脱出した。これは少し遅れて炭鉱に入った分、入り口に近かった為炭鉱から脱出する事が出来たのである。月島もガスを吸い込み、気を失いかけながらも脱出。そのまま小樽に行き、鶴見に偽の刺青人皮6枚を届けた。

炭鉱に取り残された杉元と白石は、何とか封鎖された出口まで辿り着く。出口は木の板と粘土でバリケードが作られ、密封されていた。意識を失いかけながらも、杉元は銃床で何とかバリケードの一部を壊し、気を失った白石に呼吸をさせる。が、壊したバリケードの穴は人一人が空気を吸えるだけの大きさしか無く、杉元は新鮮な空気が吸えず、死を覚悟した。その時、外からバリケードをぶち破って牛山が突入してきた。牛山は動けない杉元と白石を担ぎ上げ、炭鉱から脱出し、二人を助け出した。実は尾形は牛山と共に夕張を訪れていた。しかし尾形が独断で行動した為、置いていかれた牛山は尾形を探していた。丁度その時、牛山はトロッコに乗って炭鉱に入っていく杉元と白石を見つけたのである。

炭鉱から杉元と白石を助け出した牛山。一行を出迎えたのは、「札幌世界ホテル」で拾った干からびたハンペンを持ったアシリパであった。丁度、そこへ尾形も合流し杉元一行は牛山と尾形と行動する事になる。

尾形は牛山と杉元一行を剥製所へ連れて行く。そして鶴見が6枚の偽物の刺青人皮を作らせていた事実を伝える。更に刺青人皮を作った江戸貝は既に死亡し、共にいた月島は炭鉱を脱出して鶴見に偽の刺青人皮6枚を渡している可能性がある事を話す。流石の牛山も「気色悪い」と嫌悪感を露わにしていた。そこへ土方が一行の前に姿を表す。牛山は事前に土方を剥製所に呼び寄せていたのだ。更にそこへ永倉と家永も加わる。家永は牛山に救われた事で改心し、牛山を慕って土方一派に加入していた。一方、杉元一行の一人であるキロランケもここで合流する。

金塊争奪戦のライバルである土方一派と杉元一行は剥製所にて対峙した。一触即発の緊迫した状況の中、永倉は杉元の持つ刺青人皮を金で買い取る事を提案する。杉元はこの提案に答えず、のっぺら坊に会いに行って確かめたい事がある旨を話す。唐突な杉元の発言に牛山は困惑していた。その時、奥から家永が顔を出し、何か食べるものを作ろうかと提案する。土方一派、杉元一行は一先ず「最後の晩餐」よろしく食卓を囲んで「なんこ鍋」を食べる事になる。なんこ鍋とは夕張を含む空知地方の郷土料理で馬の腸を味噌で煮込んだ食べ物である。

同じ食卓を囲む土方一派と杉元一行。一見すると和やかだが、両者の間には緊張感が漂っていた。そんな雰囲気の中、牛山は黙々と食事をしていた。そうしている間に、話題は偽の刺青人皮の判別方法をどうやって明らかにするのか、になる。現状、土方一派と杉元一行は第七師団の月島の生死を把握していなかった為、炭鉱をまた調べて月島の遺体を探してみる事になる。月島が死んでいれば偽の刺青人皮は鶴見の元へ渡らず、一件落着するからだ。だが、月島の遺体が無かった場合、一同は偽の刺青人皮の判別方法を絶対に探さなくてはならなくなる。その場合に備えた判別方法の足掛かりとして、家永は熊岸長庵(くまぎし ちょうあん)に会うことを提案する。熊岸とは、偽札製造の罪で月形の樺戸監獄に投獄されている囚人の事である。美術家でもあり、偽札だけで無く美術品の贋作も作っていた。樺戸監獄の脱獄経験のある白石の知り合いでもある。贋作の専門家である熊岸ならば、偽の刺青人皮も見抜けるのではないか、というのである。

翌日、月島の遺体捜索が始まった。剥製所には土方、尾形、家永が残り、偽の刺青人皮の判別方法を探る事になる。杉元、牛山、アシリパは炭鉱内を探索する事になる。そして永倉、白石、キロランケは別の場所を捜索する事になった。結果は月島の遺体が見つからなかった。

土方、尾形、家永は剥製所内を捜索し、月島が生きていた場合に備えて判別方法の手掛かりを探す。その時、外から火炎瓶が投げ込まれ、剥製所内に火の手が上る。これを発見した尾形は外に出ようとする家永を止める。尾形は窓を覗き、外に軍人が数名、剥製所を取り囲んでいる事を確認していた。外に出れば狙撃されてしまう状況であったのだ。土方も状況から、第七師団が偽の刺青人皮の判別方法を隠滅すべく、剥製所を襲撃している事を察知。愛用のウィンチェスター銃に弾丸を装填して戦闘態勢に入る。一同は第七師団が剥製所を襲撃した事から、月島が生きて炭鉱を脱出した事を悟る。そして一同は第七師団を撃退しつつ、剥製所から脱出する事になる。しかし、剥製所は窓に鉄格子がしてあり、出入り口は玄関しかない。そこで尾形は第七師団を玄関に誘き寄せて排除して脱出する事を画策する。

尾形は狙撃のしやすい二階の窓から、外の第七師団の軍人数名に発砲する。第七師団は堪らずに尾形の死角になる正面玄関前に集まる。玄関の内側では、土方がウィンチェスター銃を構えていた。土方は玄関のドア越しに銃を発砲。第七師団に損害を与える。正面玄関前から抜け出そうと第七師団はひさしから抜け出す。が、そこを尾形が二階から狙撃する。下から土方が発砲し、上から尾形が狙撃し、第七師団は挟み撃ちに合う。土方一派が優勢に思えたが、ここで第七師団の増援がやってきて形成が逆転する。第七師団は剥製所に突入し、土方一派に襲い掛かる。これに尾形、土方は白兵戦で応戦し、死闘を繰り広げた。

剥製所内の家永は煙に巻かれて窓際に追い詰められていた。窓は鉄格子で閉鎖されており、抜け出せない。家永が絶対絶命のピンチに陥ったその時、牛山が外から窓の鉄格子を素手でもぎ取った。炭鉱の探索を終え、杉元、アシリパと共に牛山は戻ってきたのである。牛山は窓際に立つ家永を抱き上げて救出した。入れ違いに、杉元が歩兵銃を構えて中に突入する。尾形、土方、杉元は第七師団との死闘の末、撃退。牛山、家永、アシリパと共に燃え盛る剥製所から脱出した。この時牛山はアシリパをおんぶしながら逃げていた。

第七師団の襲撃により、剥製所から脱出した一同は、大勢で逃げると目立つので、二手に分かれて月形へ逃げる事になった。前述した通り、月形の樺戸監獄に幽閉されている贋作師の熊岸に会って刺青人皮の判別方法を探る為である。土方と家永は、外出していた永倉と合流してから月形へ向かう事になる。そして杉元、牛山、尾形、アシリパは一足先に月形へ向かう事になった。

杉元達と樺戸監獄を目指す

土方、家永と別れて月形を目指す牛山、杉元、アシリパ、尾形。一行は人目を避ける為、森の中を移動していた。第七師団は一行が接触した人々から証言を得て、それを基に捜索を行う為である。

北海道の春の森は緑が溢れ、川には綺麗な水が流れていた。そんな中、一行はヤマシギを見つける。ヤマシギは曲がった嘴で地面の虫を掘り返して食べる独特な鳥である。アシリパ曰く、脳味噌が美味いらしい。尾形は徐に歩兵銃で狙撃しようとする。が、それをアシリパに止められる。ヤマシギは蛇行して飛ぶ為、狙撃で仕留めるのは難しいのである。そこでアシリパはヤマシギの特性を利用した括り罠を仕掛けた。

翌日、罠には2羽のヤマシギが掛かっていた。が、これだけでは量が足りない。アシリパは自分の罠でヤマシギが思うように取れなかった事に不満気であった。不機嫌になりながらも羽を毟るアシリパ。アシリパは杉元にも羽を毟るように指示した。その横には柔道の鍛錬後なのか、柔道着姿の牛山が座っていた。そこへ尾形が狙撃で仕留めたヤマギシを3羽持ってきた。牛山は散弾銃を使わずに歩兵銃でヤマギシを3羽も仕留めた事に驚いていた。牛山曰く、今朝方尾形は急に居なくなっていたとの事。尾形は昨日、アシリパに銃で仕留めるのは無理だと言われた事にムキになり、朝に抜け出して歩兵銃でヤマギシ狩りをしていたのである。尾形はドヤ顔を見せ、牛山に「腹立つなコイツ」と言われていた。

一行はヤマギシを捌く事になる。アシリパは牛山にヤマギシの頭蓋骨をスプーンのようにしてヤマギシの脳味噌を差し出してきた。その横で杉元がヤマギシの脳味噌を目をキラキラさせながら食べていた。アシリパは獲物の脳味噌が好きで、よく杉元に食べさせるのである。アシリパは牛山を「チンポ先生」と呼び、目をウルウルさせながらヤマギシの脳味噌を差し出していた。アシリパなりの敬意の示し方に、断り辛い牛山は「食っていいものなのかい?それ…」と冷や汗を掻いていた。これに対しアシリパは杉元に「杉元ぉ?ヒンナ(アイヌ語で美味しいの意)だよな?」と聞く。杉元は「ヒンナヒンナ!!(美味しいの意)」と目を輝かせながら答えていた。物語初期から杉元はアシリパに獲物の脳味噌を食べさせられていた。当初はかなり嫌がっていたものの、今やすっかり洗脳されていた。牛山は迷った挙句、脳味噌を食べた。一方、尾形もアシリパに脳味噌を勧められたが、普通に断り、杉元と牛山に衝撃を与えていた。

次に一同はヤマシギを内蔵ごとチタタプする事になる。チタタプとは二本の刃物を両手に、「チタタプ」と言いながら肉を細かく切り刻んでいくアイヌ流の調理作業の事である。一人でやるのでは無く、みんなで代わる代わる行うのが特徴である。牛山はアシリパの指示に従い、「チタタプ」と言いながら肉を刻んだ。

一通りの作業を終え、一同はヤマシギの肉団子と山菜を煮込んだ「ヤマシギのオハウ(アイヌ語で鍋の意)」に舌鼓を打っていた。牛山もそのあまりの美味しさに感動していた。食事の最中の会話の中で、アシリパはヤマシギとクマゲラのカムイの昔話を始める。要約すると、ヤマギシとクマゲラが擬人化したカムイ(神様)が、花びらを「好き嫌い好き嫌い…」と1枚ずつとりながら行う「花占い」を山菜の葉っぱで行い、占いをしていると好きな人が目の前に居て手を取って一緒に出掛けていく。という乙女チックな昔話である。この可愛らしい話に胸をときめかせた杉元は「なんてカワイイお話し」と、何故か牛山と見つめ合っていた。

贋作師熊岸を探して月形の樺戸監獄を目指す牛山と杉元一行。一方、別行動を取っていた白石達は一足先に樺戸監獄に辿り着き、熊岸が死んでいると伝えられた。牛山達はまだその事を知らない。道中、一同はアイヌの集落に立ち寄る事になる。実はその集落は刺青の囚人の一人である鈴川聖弘(すずかわ きよひろ)が偽アイヌに成りすまし、旅人を殺してしまうという恐ろしい場所であった。鈴川は人を騙す事が得意な詐欺師である。この能力を利用し、樺戸監獄の典獄を騙して鈴川は樺戸監獄の囚人達を脱獄させて手下にしていた。鈴川達はアイヌ集落を襲撃し、アイヌの男を殺した。そして女子供だけを生かして偽アイヌに成りすましたのである。牛山達一同は当初騙されて歓待を受けるが、最終的に鈴川達の正体を見破り鈴川を生捕りにし、手下の樺戸監獄の囚人達を返り討ちにした。牛山はこの時、ヒグマと組み合って投げ技で勝利するという伝説を打ち立てた。また、熊岸も実は生きており、鈴川達に脅されて偽アイヌに成りすまして偽札を作っていたが、牛山達の戦いの最中、囚人の放った毒矢に当たって死んでしまった。

偽アイヌを倒した牛山と杉元達。一同はアイヌの女性達から歓待を受ける事になる。オオウバユリを使った料理に牛山達は舌鼓を打った。

食事を済ませた後、一同は捕らえた鈴川の処遇について話し合う事になる。殺して皮を剥ぎ取ろうという案も出たが、鈴川が他の刺青の囚人の情報を知っているというので、一先ず鈴川を連れて土方達と合流する事になる。一同が村を去ろうとした時、アイヌの女性達が呼び止める。アシリパの通訳によると、鈴川達偽アイヌに村の男達が殺されてしまった為、村にずっと居てほしいと言っていた。特にヒグマに勝った牛山が人気でアイヌの女性達は皆口々に「チンポ先生」と言っていた。が、先を急ぐ一同は村を後にする。牛山は村に残りたがっていたが、鈴川と杉元に両脇を抱えられ、引き摺られながら村を後にする。余程名残惜しいのか、「子種だけ置いていけないだろうか」と言っていた。

牛山と杉元達は樺戸監獄から一番近い旅館で土方達と合流する。鈴川と永倉の背丈とハゲ具合が似ている為、牛山は少し混乱していた。永倉は白石が第七師団に捕まった事を牛山達に報告する。

一同は白石を救出する為に手を尽くすが失敗してしまう。白石を追う内に一同は第七師団の拠点がある旭川から25キロ手前の深山村にまで来てしまう。そこで白石をどうやって助け出すかを話し合っていた。牛山は元第七師団の尾形に様子を見て来るように言うが、尾形は脱走兵扱いになっている為、断られていた。一同は白石の救出について考えるが、牛山達は白石の救出を諦めた。しかし杉元だけは助け出そうとしていた為、白石の救出作戦が続行されることになる。そこで出された案が詐欺師の鈴川を使う事であった。

白石の救出作戦に選ばれた鈴川。彼は一同の隙をついて逃げ出し、アイヌの小屋に逃げ込む。が、そこに居たのは先回りしていたキロランケであった。キロランケは鈴川の足にタバコの火種を落とす。火傷をした鈴川は桶に入った水をかけようとするが、背後から隠れていた杉元に銃剣で尻を軽く刺される。堪らず外に逃げ出した鈴川は入口に立っていた土方に足を引っ掛けられて転倒。そこに屋根の上から牛山が降ってきて鈴川を下敷きにした。猿蟹合戦のような連携プレイで一同は鈴川を捕まえた。

鈴川が二度と逃げないように一同は釘を刺す。その中でアシリパはストゥを持ち出して鈴川を脅す。これは悪い事をした者を叩くというアイヌの制裁棒である。アシリパの故郷のストゥと比べると旭川近くのアイヌコタンのストゥはかなり大きな物を使用していた。アシリパ曰く、地方によって大きさが異なるとの事。牛山とキロランケはそれぞれ巨大なストゥを持ち、互いのストゥの大きさを褒めあった。

旭川の第七師団本拠地に杉元、アシリパ、尾形、鈴川が潜入する。白石を救出する事に成功したものの、鈴川は死亡し杉元達は追手を撒く為大雪山に逃げ込む。これにより、牛山達土方一派と杉元達は別行動を取る事になる。

牛山、土方、家永、永倉は駅屯所に滞在していた。ここは旅館、運輸、郵便等を担っていた施設である。そこに土方の部下である夏太郎(かんたろう)が戻る。夏太郎は別行動で刺青人皮を第七師団との死闘の末、入手していた。が、夏太郎は第七師団に泳がされていたようで後を第七師団の兵士に尾けられていた。土方はいち早くその事に気付き、物陰に隠れていた兵士に発砲する。銃弾は外れたものの、これに焦った兵士は逃走を試みる。そこを牛山が捕まえて家の中に放り投げた。兵士は窓をぶち破り、床に叩きつけられる。それでも尚、兵士は室内に居た土方達に襲い掛かろうとするが土方に銃でトドメを刺された。

夏太郎が泳がされていた事が明らかになり、夏太郎が持ち帰った刺青は偽物である可能性が高くなる。牛山は夏太郎を探すが、何処にもいない。牛山は捜索を続け、厩舎の前で夏太郎が着ていたハッピを見つける。牛山が厩舎に入ると家永が裸の夏太郎を縛り上げて解体しようとしていた。家永は夏太郎の若い肌が気に入り、解体して食そうとしていたのである。牛山は溜息を吐きながら家永を止めた。

屈斜路湖周辺に潜伏している盲目の刺青の囚人都丹庵士(とに あんじ)の情報を聞きつけて牛山と土方達は現地を訪れる。現地で唯一営業している「待合旅館」へ向かった所、そこでは杉元達と都丹が交戦していた。土方はその間に割って入り止める。そのまま杉元達と牛山達は合流し、都丹も仲間に加わった。一同はのっぺら坊の正体を明らかにする為、網走監獄を目指す事になる。

牛山達は北見の写真館に立ち寄る。一同には途中でマタギの谷垣源次郎(たにがき げんじろう)とインカラマッとアイヌの子供のチカパシが加わっていた。谷垣は杉元達と以前戦ったものの、後にアシリパやアシリパの祖母達アイヌに命を救われ、杉元達の仲間になる。インカラマッはアイヌの女性で旅をしながら占い師をしており、アシリパの父のウィルクと幼少時に知り合っていた。杉元達とも以前会っている。また、谷垣と恋仲の一歩手前のような関係になっている。チカパシは谷垣とインカラマッが途中で立ち寄ったアイヌコタンに居たアイヌの孤児である。谷垣達に尾いてきて旅をしている。

インカラマッは杉元達と合流した際にキロランケがウィルクを殺したと言う。証拠はウィルク達アイヌが殺され、金塊が奪われた場所に置いてあった凶器からキロランケの指紋が出た事である。しかし、この凶器を回収して調べたのは第七師団の鶴見であった。これにより、インカラマッは第七師団と内通していた事が露見する。杉元は裏切り者を許さない。杉元は裏切りの疑いのあるキロランケとインカラマッの二人の写真を撮り、旅をしながら聞いて回る事で二人の素性を明らかにしようと考えていたのである。牛山達もついでに写真を撮影した。何故か牛山は旭川アイヌコタンの特大ストゥを持ち、家永と写真を撮っていた。

網走監獄に潜入

網走監獄に潜入する牛山

遂に網走監獄に辿り着いた牛山達。そこで一同は網走監獄内に通ずる穴を掘る事になる。苦心の末、穴を開通させたものの、その先に居たのは網走監獄看取長の門倉利運(かどくら としみち)であった。一同は網走監獄内の門倉の宿舎に向かって穴を掘っていたのである。実は門倉は土方と通じており、協力者であった。こうして門倉が仲間に加わり、一同は再来週の新月の夜に網走監獄に潜入する事になった。

網走監獄内への侵入経路を確保した一同。食卓を囲み、談笑をする。そこで牛山はインカラマッに目を付け、口説こうとしていた。しかし、インカラマッと谷垣が憎からず想い合う関係にある事を察して潔く身を引いた。

新月まで少し猶予ができた為、一同はそれぞれ思い思いに準備をしていた。牛山は、家永が若い夏太郎を捕まえて同物同治のために解体しようとしていたのを見て、家永を叱っていた。

新月の夜が到来し、一同は網走監獄に忍び込む。予定では牛山はキロランケと土方と共に門倉の宿舎に待機する事になっていた。しかし、潜入組の杉元達がいきなり見つかってしまった。すぐさま、杉元達は看守を気絶させたものの、姿を見られてしまった。牛山達待機組は宿舎を慌てて飛び出し、看守の身柄を隠そうとした。牛山は軽々と看守を担ぎ上げていた。その間に杉元達は囚人達のいる監獄に忍び込んでいった。

網走監獄に忍び込んだ一同。そこへ第七師団が乱入し、駆逐艦で網走監獄に向けて砲撃を行った。網走監獄の塀は崩れ落ち、建物の一部が崩れ落ちてしまう。インカラマッと谷垣がその下敷きになりかけたその時、牛山がその瓦礫の下に割って入る。巨大な瓦礫が牛山を圧迫する。それを支えながら牛山はインカラマッと谷垣を逃す。
それを確認した牛山は「お前ら、幸せになるんだぜ…」と言い残し、瓦礫の下に消えた。かに思えたが、「どっこいしょ」と支えていた瓦礫を放り投げて生還した。特に怪我は無く、背広が汚れた程度で済んでいた。

土方は教誨堂にて犬童と一対一の死闘を行い、勝利する。牛山、夏太郎も教誨堂へ行き、土方と合流した。が、そこへ網走監獄を制圧した第七師団が流れ込んでくる。牛山たちは第七師団から逃れるべく、教誨堂の隠し地下室に逃げ込んだ。牛山の他には犬童に襲われ、気絶している都丹と、同じく犬童と戦い負傷した土方、第七師団の宇佐見上等兵の銃撃で負傷した門倉の姿があった。

牛山たちはそのまま地下に潜伏し、第七師団をやり過ごす。地上で家永は第七師団に捕まり、永倉は単身身を眩ませて行方不明となっていた。全ての刺青人皮を持っていた永倉が第七師団に捕まった可能性を考え、牛山たちは網走監獄の地下を脱出したら刺青を1枚でも多く集めることを話し合う。こうすることで第七師団の刺青の暗号解読を少しでも妨害する狙いがあった。

網走監獄の地下を抜け出した牛山たち。永倉とは地上で合流していた。一同の傷は癒え、釧路を訪れていた。釧路ではシシャモ漁の季節であった。牛山はシシャモ漁に従事する女性季節労働者の手伝いをしていた。女性たちが背負っていたシシャモの沢山入った籠を複数個背負いながらナンパをしていた。牛山たちは刺青の囚人の一人である土井新蔵(どい しんぞう)を追って釧路まで来ていた。土井新蔵とは偽名であり、「人斬り用一郎」と呼ばれ、幕末に要人暗殺を行った殺し屋である。土方より年上で、昔の京都の街で親善組時代の土方と会っている。土井は30年ほど前に根室のアイヌコタンに流れ着き、そこでアイヌの女性と結婚した。穏やかな生活を送っていたが、ある日土井に親族を殺された男がやってきて土井の妻をさらってしまう。土井は妻を取り戻すため、その男を殺し網走監獄に収監された。が、獄中で妻の命が短いことを知ると土方達とともに脱獄。そのまま根室で妻を看取る。そして土井は釧路の漁上で働くようになった。かなり耄碌しており、認知症が進んでいる。

土井は暗殺を稼業にしていたため、多くの人間の恨みを買っていた。そして土井の働くシシャモ漁場の宿場に、かつて土井に殺された人々の親族複数人が敵討ちの刺客としてやってくる。刀を抜き、土井を殺そうとする刺客たち。認知症で呆然としていた土井であったが、その刀の光を見て昔の記憶が蘇り、刺客を返り討ちにしてしまう。そこに土方も乱入し、三者が睨み合いとなる。その場に、更なる刺客が乱入し、三つ巴の殺し合いとなる。混乱の最中、牛山が刺客の背後から突進し、次々と刺客を吹き飛ばした。その隙をついて土方が銃で止めを刺し、土井も刺客の刀を拾って、自ら血路を開いて逃げ出した。土井はそのまま釧路の自然を走る。彼は昔の記憶と今現在の区別がつかなくなっており、過去の幻影の中をさまよっていた。

土井は海岸にたどり着く。そこで土井は追ってきた土方と刀を交えて致命傷を負った。土井は自らの過去を振り返り、今は亡き妻の姿を見たのを最後に牛山たちの前で絶命した。

阿寒湖周辺で関谷に狙われる

意識混濁状態の牛山

冬の阿寒湖周辺に滞在した牛山。そこで牛山は女郎を抱く。その際、牛山は女郎から「精力剤」を飲まされた。すると牛山の体は麻痺し、動けなくなってしまう。実はこの女郎は24人の刺青の囚人の1人である関谷輪一郎(せきや わいちろう)に買収されていたのである。牛山が飲まされた精力剤の正体は関谷が調合した少量のフグ毒のテトドロキシンであった。

関谷は毒の専門家で頭が良く、冷酷さと狡猾さを併せ持つ殺人鬼である。その殺人手法は独特で、関谷とターゲットと親しい人物を毒で動けなくしてから誘拐し、生き埋めにして隠す。ここで肝心なのは関谷は無闇に人質を殺さないという点である。関谷は単独で犯行を行う為、生かしたまま棺に閉じ込めて生き埋めにする。そうする事で見張りの人員の必要が無くなり、単独で行動しやすくなるからである。人質を取った状態で関谷はターゲットにあるデスゲームを持ちかける。それは所謂「毒のロシアンルーレット」である。毒物と無毒の丸薬を用意し、関谷とターゲットが互いに丸薬を一つずつ選んで同時に飲み込む。そうする事で相手と自分の命を賭けた運試しを行う事が関谷の目的である。関谷は「この世に神は本当に存在するのか」という命題に思い悩んでおり、神の存在を実証すべく、この様な凶行を行っていた。関谷は金塊を探し出すべく自分の刺青人皮を狙う土方一派を逆にターゲットに定めていた。その手始めの人質として牛山を毒で捕らえたのである。牛山は女好きという弱点を突かれた形になった。

体が麻痺して動けない牛山の身柄を関谷は回収する。そして、阿寒湖周辺にあるアジトの蚕種製造所で牛山にチョウセンアサガオの毒を飲ませて意識混濁状態にし、棺に入れて製造所の一角に生き埋めにした。その上で関谷は牛山を人質にし、土方を氷の張った阿寒湖上に呼び出して毒のロシアンルーレットを持ちかけた。土方はこれに応じ、その結果毒を飲んでしまい関谷に生捕りにされる。土方も牛山同様生き埋めにされてしまう。一方、牛山は関谷の予想を超え、意識混濁状態で覚醒。常人では抜け出せない深さの穴から自力で脱出した。そのままゾンビのように白目を向いたまま蚕種製造所からフラフラと抜け出して行った。牛山はそのまま彷徨い歩き、小動物の様に凍えていた所を近くの子供のチヨタロウに拾われる。牛山が呟いていた「オベンチョ」という単語から名前をオベンチョにされ、ペットのように扱われる事になる。干し桃で手懐けられた牛山はチヨタロウにフィギュアスケートをさせられたり、肩車をさせられたりしていた。が、牛山がいじめっ子達に怪我を負わせてしまった事からチヨタロウは牛山を危険な存在と判断し、阿寒湖の下に葬り去ることを決断。チヨタロウは干し桃で牛山を誘導し、阿寒湖に空いた氷穴の中に牛山を突き落とす事に成功する。チヨタロウはそのまま泣きながら氷上を滑走して立ち去った。真冬の阿寒湖に突き落とされた牛山はそのまま氷の下を移動し、他の場所に空いた氷穴から頭を突き出す。丁度、そこへゲロリという現在のスケートシューズを履いた関谷が滑走してきた。氷上では門倉と関谷が駆け引きを行い、交渉が決裂した関谷がゲロリで逃げている最中であったのだ。関谷は牛山の姿に驚き、方向を急転換して逃げ出してしまう。牛山の意識もそこで完全に覚醒し、門倉に助け出された。が、関谷には逃げられてしまった。実は門倉とキラウシは協力し、関谷が当初逃げようとしていた方向でキラウシが待ち伏せを行っていた。それが牛山の登場で焦った関谷が方向転換をしてしまった為、失敗に終わってしまったのである。関谷の手掛かりを完全に無くしたかに思えたが、牛山の背広から蚕が出てきた事により状況は一変する。キラウシの推理により、蚕種製造所が関谷のアジトだと特定された。阿寒湖周辺の蚕種製造所は全部で二つ。だが、その方角はそれぞれ対岸にあった。そこで一同は二手に分かれる事になる。牛山とキラウシがペアとなり、門倉は一人でそれぞれの製造所を調査する事になった。結局、門倉の方が関谷のアジトで、門倉は関谷に毒を飲まされ倒れてしまう。関谷はそのまま土方の身柄を移動させようと穴を掘り返し、棺を開けたその時、毒から目覚めていた土方に反撃される。関谷は致命傷を負い、死亡した。

関谷の毒で一度は倒れた土方。だが、倒れた際に関谷が用意した他の丸薬を飲み込んでいた。その飲み込んだ毒がトリカブト毒である。土方はその前にテトロドトキシン(フグ毒)を飲んで倒れていた。実はこの二つの毒は真逆の作用を持ち、同時に服用すると互いの毒の効果を打ち消し合い、解毒薬の効果を発揮するのである。土方は関谷の用意した数ある毒の中から奇跡的にこの毒を選び出したのだった。関谷はこの奇跡を、自身が望んでいた「神の実在の証拠」だとして歓喜に震えながら息を引き取る。門倉も同じ原理でテトロドトキシンとトリカブト毒を服用し、奇跡的に生還していた。

釧路で土井の刺青人皮を入手した牛山たち。一同は永倉の用意したアジトへ帰っていた。そこに網走監獄の混乱の中で別れた尾形が戻ってくる。尾形は網走監獄でキロランケと通じ、杉元を裏切っていた。杉元の脳天を狙撃し、のっぺらぼうも撃ち殺してしまう。しかし第七師団に捕らわれていた家永の高度な医療技術と谷垣の必死の援護、杉元自身の驚異的な生命力で杉元は助かり、第七師団と手を組むことになる。第七師団は暗号の鍵を握るアシリパの身柄を確保する狙いがあり、杉元もアシリパを奪い返す為に第七師団と手を組むことを決断した。杉元の持っていた刺青人皮は全て第七師団に奪われてしまった。

その後、尾形は何も知らないアシリパと共に行動していたが樺太でアシリパに勘付かれてしまう。アシリパを殺そうとした所で生還して追いかけて来た杉元、第七師団と戦うことになった。その戦いの最中、偶然、アシリパの毒矢を右目に受けて尾形は死にかけてしまう。が、アシリパに人殺しをさせたくない杉元は必死で尾形を助けた。尾形は右目を失ったものの、生還した。尾形は杉元たちの隙をついて逃げ出し、牛山たちのいるアジトに戻ってきたのである。尾形は杉元やのっぺら坊を殺したこと秘密にし、あくまでも土方や杉元達の味方であると言う立場で牛山と接した。

尾形は牛山と土方たちの前で樺太で得た情報を2つ話す。一つ目はソフィア・ゴールデンハンドのこと。彼女はウィルクとキロランケの昔の仲間であり、パルチザンの女首領である。金塊を狙い、アシリパを奪おうとする新しい勢力であった。もう一つはアシリパが暗号解読の鍵を思い出したということである。牛山は土方達と共にその情報を聞いていた。

札幌にてジャック・ザ・リッパーを追う

札幌に集った面々

アジトに滞在する牛山達。そこへ石川啄木(いしかわ たくぼく)が尋ねてくる。石川は新聞記者をしている土方一派の人間で、最近札幌の街を騒がせている連続娼婦殺人事件の記事を書いた記者である。石川はその事件の情報を土方に伝え、駄賃を貰おうとしていたのである。しかし、新聞にかいてある情報以上の事を石川は知らなかった為、永倉に怒られていた。石川の新聞を読みながら牛山は「酷い殺し方だ」と呟いていた。女好きなだけに思うところがあった様子である。その場で一緒に話を聞いていた門倉が、この事件とよく似た事件を引き起こした刺青の囚人に心当たりがあった。土方達はこの事件の犯人が刺青の囚人の可能性が高いと考える。そして土方は牛山達を率いて札幌に向かう事になる。

同じ頃、第七師団の鶴見も新聞も読み、土方達と同じように刺青の囚人の犯行の可能性が高いと判断。部下の宇佐美と菊田を札幌へ向かわせる。網走監獄での戦いの後、アシリパを連れて逃げたキロランケを追うため、第七師団は杉本たちと一時的に手を結んでいた。しかし彼らが樺太での大冒険の末に取り戻したアシリパは、鶴見の不穏な態度を警戒し以後の協力を拒否して逃走。杉元や白石も仲間であるアシリパの判断を尊重し、第七師団と手を切っていた。鶴見はアシリパ捜索に尽力していた為、部下を札幌に向かわせたのである。

札幌に辿り着いた土方一派。そこで一同は変装をして連続娼婦殺人事件の犯人を探していた。牛山は都丹と共に虚無僧に化けて捜索をしていたが、巨大な筋肉の為、異様に強そうな雰囲気を醸し出していた。

牛山は都丹と共に札幌の町を歩く。歩きながら都丹に近くのライスカレー屋で札幌麦酒を飲まないかと誘っていた。その時、耳の良い都丹は聞き覚えのある声を聞く。都丹は牛山に上エ地圭二(うえじ けいじ)の声がしたことを話す。それを聞いた牛山は「あの悪魔」と嫌そうな反応を示した。

上エ地は刺青の囚人の一人である。網走監獄時代、外役の時に牛山と上エ地はいつも繋がれていた。上エ地は人を期待させてはそれを裏切った挙句、ガッカリした顔を見て笑い転げるという最低な人間であった。更に上エ地には幼い男の子を殺したいという嗜好があり、男の子を何人も殺した罪で投獄されていた。脱獄後は雨売りをしながら北海道中を回り、現在は札幌の人気の無い場所で男の子を考察しようとしていた。そこへ駆けつけたのが牛山である。牛山は上エ地の行為に激怒し、上エ地の背骨をへし折ろうと戦闘態勢にあった。上エ地は牛山の背後を指差し「あの女の人お乳がデカすぎて引きずってるッ」と言い、牛山の気を逸らさせた。牛山が背後を向いた瞬間、上エ地は逃げ出す。が、その上エ地の髪を牛山は引っ掴み、そのまま片手で上エ地の体ごと振り上げ、地面に叩きつけた。上エ地は鼻と口から血を流す。尚も牛山はが上エ地を振り上げたところ、上エ地の髪がちぎれ、地面に落ちる。牛山は地面に落ちた上エ地の足をつかみ、近くの家の壁に叩きつける。叩きつけられた上エ地は家の壁を突き破り、家の中に転がりこむ。そこで上エ地は立ち上がり、玄関から逃げ出す。牛山は壁に開けた穴から入り、後を追う。この時上エ地は玄関の戸を閉めて逃げたため、牛山は玄関に突っ込んでしまう。牛山は壁ごと玄関をぶちぬいて走る。ご丁寧に牛山は壁ごとぶち抜いた玄関の戸を開け、体を乗り出し、玄関の戸を閉めて追いかける。

上エ地と牛山が追走劇を繰り広げていると、その姿を土方と門倉が見かける。一方、近くのライスカレー家では杉元一行が偶然食事をしていた。杉元、アシリパ、白石の他に元ロシア兵のスナイパーヴァシリと24人の刺青の囚人の1人の海賊房太郎(かいぞく ぼうたろう)の姿があった。ヴァシリは樺太で尾形と狙撃対決を行い、敗れて以降、尾形を追いかけて北海道にやって来た。敷香の街にて杉元一行を尾形の仲間と勘違いして襲い掛かるが、尾形が杉元一行の敵である事が分かると行動を共にするようになる。海賊は石狩川を渡る連絡船上にて杉元達と遭遇した。「家臣」と呼ばれる自分の部下たちを引き連れて連絡船の乗客から金品を強奪しようとしていた。白石と網走監獄で知り合っていた為、海賊は杉元一行を仲間に勧誘する。が、後に杉元達が自分の刺青を狙っている事に気付き敵対。杉元は海賊の家臣を次々と倒し、海賊とも壮絶な水中戦を繰り広げた。が、結局連絡船のスクリューに巻き込まれそうになった海賊を杉元は助けて仲間にする。海賊は独自の方法で刺青の暗号を解読することなく、金塊が大昔に隠されていた場所の特定に成功していたからである。第七師団に刺青人皮を全て奪われていた杉元は鶴見を出し抜くための切り札に海賊の情報を使おうと考えたのだ。

なごやかなムードの中、牛山が上エ地を吹き飛ばしながら、壁をぶち破って乱入してくる。杉元たちの食卓は吹き飛び、上エ地も外に吹き飛ばされる。そこで牛山は杉元たちの姿に気づく。アシリパは「チンポ先生ーッ」と牛山とまた会えて喜んでいた。が、そこへ牛山の後を追って土方が乱入し、杉元と戦い始める。杉元は網走監獄で土方に裏切られて死にかけた上に、アシリパを奪われたので恨みを持っていたのだ。そこに牛山が割って入り、戦いを止めようと後ろから杉元を抱え込む。牛山は杉元と土方の二人がここで戦ってどちらかが死んでしまうのは余りにも惜しい事だと考えていた。それだけ牛山は二人の実力を認めていたのである。それでも止まらない杉元は牛山を背負い投げた。牛山は頭からライスカレー屋の床に落下し、床に頭がめり込む。それでも牛山はすぐに立ち上がる。その額にはスプーンが突き刺さっていた。そして杉元の足を掴むと、今度は牛山が杉元を背負い投げた。杉元は床に叩きつけられる寸前に手を付いて体制を整えて着地する。そのまま牛山に膝蹴りを喰らわせ、牛山は鼻血を噴き出した。牛山は杉元に掴みかかり、そのまま二人はライスカレー屋の壁を突き破って屋外へ出る。その牛山の背後から海賊が忍び寄り、テーブルを牛山に脳天から叩きつける。テーブルは牛山の頭にめり込んだ。が、全くダメージは無く、牛山はそこで海賊の姿に気付く。網走監獄で牛山は海賊と面識があったのだ。牛山は海賊に挨拶をすると一瞬で海賊を放り投げ、海賊は床に叩きつけられて無力化された。

牛山と杉元がもみ合う中、杉元は尾形が近くにいる事を聞く。その一瞬の隙をついて牛山は杉元の首にチョークを決めた。それでも杉元は抵抗し、結局決着はつかないまま、割って入ったアシリパと土方の話し合いにより事態は収束した。牛山は上エ地の事を思い出すが、上エ地は逃走していた。その後、再び杉元一行と土方一派は手を組む事になる。その夜、話し合いをする土方とアシリパを除いて、一同はアサヒ麦酒を飲み、酔っ払っていた。海賊は牛山に金塊を集めたら何をしたいのか聞く。牛山は強い人間を集めてトーナメントを開き、その賞金に金塊を使う事を話していた。

杉元一行と土方一派が再び手を組んだ翌日、牛山は捜索を続ける。娼婦に牛山は聞き込みをしていた。その中で牛山は殺された娼婦の親友に行きつく。彼女は苦楽を共にした親友を惨く殺されて泣いていた。牛山はそんな彼女を抱き寄せ、「俺が犯人を踏みつぶしてやる!!」と敵討ちを誓う。自分でも抑えられない性欲を解消してくれる娼婦の存在は牛山にとって観音様のような尊い存在であり、娼婦を残酷に殺すジャックに対して牛山は強い怒りを抱いていたのである。

探索の末、牛山達はジャックの次の犯行現場が札幌麦酒工場であることを突き止める。杉元一行と土方一派は三人一組の半に別れて工場に潜入する。牛山は門倉とキラウシと組む事になった。門倉が女装して囮役になり、キラウシが合図役で牛山が囮に接触してきた犯人の仕留め役である。女装した門倉を見た牛山は「この間抱いた娼婦にそっくりだ」と言っていた。

牛山達が札幌麦酒工場に潜入した同時刻、第七師団もまたジャックの次の犯行現場を特定し、札幌麦酒工場に来ていた。門倉が女装して立っていると、第七師団の宇佐美が話しかけてくる。宇佐美は以前、スパイとして網走監獄襲撃前に潜入していた事があった。この時宇佐美の教育係兼上司が門倉である。結局宇佐美は途中で正体を見破られ、門倉の放った刺客の囚人に殺されそうになるが、これを返り討ちにして逃走した。網走監獄襲撃時には門倉を執拗に狙い、負傷させている。このような経緯から門倉は宇佐美に苦手意識を持っている。が、宇佐美は何故か門倉が気に入っている様子であった。そんな宇佐美は話しかけた相手が門倉である事に気付く。網走監獄襲撃時に死んだものと思い込んでいた宇佐美は門倉が生きていた事に喜び、門倉が男娼にまで身を落としていたと勘違いしていた。門倉は恐怖のあまり叫び声を上げて助けを求める。牛山は背後から宇佐美に忍び寄り、突進していく。宇佐美は土方一派も来ている事を察し、背後から迫りくる牛山を銃床で殴りつけた。が、それに怯む事無く牛山は宇佐美の胸倉を掴む。宇佐美は歩兵銃を至近距離から発砲するが、牛山は重心を掴んで狙いを逸らして躱した。そのまま牛山は銃を奪い取って投げ捨てる。両者はそのまま組み合った。宇佐美はかなりの柔道の腕前を持っており、白兵戦もかなり強い。しかし、組み合った宇佐美は牛山の圧倒的な強さを悟った。牛山は門倉に、宇佐美がジャックでは無いことを確認する。門倉は宇佐美が鶴見の手下であることを伝えた。丁度そこへ宇佐美の仲間の第七師団の面々が駆け付ける。宇佐美は銃剣を抜き、牛山を刺そうとした。が、牛山は宇佐美よりも早く動き、迫りくる第七師団の面々に向かって宇佐美の体を投げつけた。宇佐美は回転しながら宙を舞い、第七師団の面々に突っ込んでいった。第七師団が怯んだ隙をついて牛山は工場の窓をぶち破り、工場内に逃れた。工場内では杉元と第七師団が交戦していた。牛山はそこに加勢し、工場内に並べてあった複数の巨大な樽にタックルをする。樽は転がり、樽の上から杉元を狙っていた菊田は転がり落ちた。

混戦の最中、牛山はジャックを探して工場の外に出る。丁度その時、上の窓から深手を負ったジャックが落ちてきた。上の階では杉元とアシリパがジャックを追いつめ、杉元がジャックを蹴り落したのである。階上に杉元の姿を確認した牛山はその事を察し、殺された娼婦の怒りを込めてジャックの頭を踏みつぶした。こうして牛山はジャックを討ち取ったのである。その後、牛山はジャックの遺体を荷車に乗せて回収し、土方達と合流した。土方は撤収を決断する。が、それに白石は待ったをかけ、杉元とアシリパがはぐれてしまった事を伝える。牛山は先ほどジャックが落ちてきた建物を指さし、あそこにジャックが居たことを白石に伝える。

アシリパは第七師団に攫われていた。更に海賊が白石を庇って死亡してしまう。杉元、白石はアシリパを救出する事に成功するが、アシリパは鶴見に暗号解読の鍵となる単語を教えてしまう。鶴見はアシリパの父ウィルクと因縁があり、ウィルクと関わった事で鶴見は最愛の妻と幼い子供を失っていた。鶴見はその事を捕えたアシリパに話し、動揺させて暗号解読の鍵となる単語を引き出したのである。暗号解読の鍵となる単語は「ホロケウオシコニ」。これはアシリパの母が夫であるウィルクに付けた、彼のアイヌとしての名前である。日本語の意味では「狼に追いつく」。この単語の読みの漢字が書かれた刺青を組み合わせる事で暗号は解読されるというものであった。

杉元と白石はアシリパを救出し、第七師団から逃れて札幌麦酒工場の宣伝車に乗っていた。宣伝車は海賊が札幌麦酒工場で拝借したものである。そこへ馬に乗った牛山が合流し、杉元達を土方の元へ導いた。

牛山に導かれた杉元達は札幌停留所に着く。そこに土方達が待っていた。アシリパはそこで鶴見に暗号解読の鍵を教えてしまった事を話す。更にアシリパは偽の刺青人皮の判別方法を発見した事を一同に話した。偽の刺青人皮は水に浸けた状態で鉄に触れると黒く変色してしまうのである。アシリパは札幌麦酒工場で裏切った海賊との揉み合いの最中に偶然、偽の刺青判別方法を発見していた。これにより一同は偽の刺青人皮の判別に成功する。しかし、鶴見達が刺青人皮の暗号解読を開始してしまった。刺青人皮はすべて集めなくとも、一定の数以上を集めると暗号が完成してしまうのである。そこで杉元達は第七師団を出し抜く為、海賊が特定した大昔にアイヌが金塊を隠していた場所へ向かうことになる。海賊は死ぬ間際に白石に、自分が特定した場所を教えていたのである。その場所とは、函館のロシア領事館であった。一同は汽車でロシア領事館に移動しながら暗号解読を行う事になる。

五稜郭にて第七師団と死闘を演じる

解読された刺青人皮

苦心の末、一同は遂に暗号解読に成功する。刺青人皮は五芒星を描いた。金塊の隠された場所、それは函館の五稜郭であった。同時刻、鶴見達第七師団も暗号解読を完了した。

暗号解読に成功した一同。その時門倉が懐から刺青の写しを取り出す。実は門倉が最後の刺青人皮を持つ人物であったのだ。門倉の刺青は五芒星に合致した。が、正直あっても無くても良い場所に合致していた。

一同は函館に着く。函館ではヤリイカ、スルメイカ漁が盛んで牛山達は焼きイカを食べていた。

一同は五稜郭に辿り着く。五稜郭は戊辰戦争後、明治30年まで陸軍の練兵場として使われていたが、現在は無人であった。ちなみに海賊が特定した金塊を大昔に隠していた場所は五稜郭から南西へ7キロ。函館山のロシア領事館であった。

一同が五稜郭で金塊を探そうとしたその時、3人の第七師兵士と鉢合わせになる。とっさに3人を殺したものの、持っていた電報から第七師団も暗号を解読したことが明らかになる。この3人は鶴見が囚人捜索のために北海道中に部下を派遣していた中の一人であった。金塊の隠し場所が五稜郭であることが判明したものの、具体的に五稜郭のどこに金塊が隠されているのかわからない一同は途方に暮れる。金塊が見つかったとしても、重たい金塊の入った1200もの袋を運ぶ術などない。一方で第七師団は刻一刻と五稜郭に迫っていた。考え抜いた末、一同は五稜郭で籠城戦をすることを決断。

五稜郭で籠城船を決断した一同。土方はソフィアの率いるロシアのパルチザンを味方にしていた。土方の掲げる「蝦夷共和国」という多民族国家の理念に彼らは賛同したのである。120名程のパルチザンが6時間ほどで応援に駆けつける事になっていた。

一同は第七師団を迎え撃つ準備と金塊の捜索を平行して行う。牛山は戦闘準備を担当し、土嚢を積み上げていた。そこへソフィア達パルチザンが合流する。

金塊を捜索する一同はある箱を発見する。箱の中にあったものはとある冊子であった。一同がそれを調べると、それは土地の権利書であった。それは金塊を隠した七人のアイヌが、函館戦争時に一時的に樹立された「蝦夷共和国」の重臣榎本武揚(えのもと たけあき)という人物と契約を交わした時に作成したものであった。内容は北海道の至る所の土地の所有権がアイヌにある事を示すものであった。七人のアイヌは契約を締結し、権利書を受け取る。が、金塊の受け渡し直前になって函館戦争が終結し、蝦夷共和国が無くなってしまう。しかし、榎本は明治新政府にこのアイヌとの契約を引き継いだ。明治新政府もアイヌの金塊が欲しかった為、これを承諾。明治新政府は金塊だけ受け取った後にこの約束を反故にする腹積もりであったが、榎本はこれを読んでいた。榎本はアイヌとの土地の権利書に調印する際、函館に常駐している六か国の公使を立ち会わせていたのである。これによりアイヌとの契約は国際条約となり、明治政府は約束を反故に出来辛くなってしまった。アイヌの金塊はアイヌ達にとって最も大切な北海道の大自然、カムイに置き換わっていたのである。つまり、一同が命がけで求めてきた金塊は既に使われて無くなっていたのだ。これを知った牛山達一同はあまりのショックにズッコケてしまう。

金塊がすでに使われていて無い事が判明した。一同は速やかに五稜郭を撤収することになる。が、その時土方は土地の権利書を読み直してある事を発見する。それはアイヌの支払った金塊が全てではなく、半分である事だった。要するに、金塊はまだ一万貫残っていたのである。丁度その時、第七師団の艦砲射撃が始まった。函館港に鶴見率いる第七師団を乗せた雷型駆逐艦が到着したのである。牛山達はその場に穴を掘り、その中に隠れる。その間に永倉は単身第七師団に投降し、鶴見と交渉を行う。永倉は金塊は既に北海道の土地の権利書になっていた事を鶴見に話し、砲撃を躊躇わせた。その隙に牛山達は金塊捜索を再開し、穴を掘る。掘りながら牛山はアシリパだけでも権利書を持たせて逃がす事を提案する。アシリパはこの提案に異を唱える。アシリパはこの場に残り、みんなの役に立ち、最後まで見届ける決断をした。尚も牛山は説得をしようと口を開きかけるが杉元に止められる。いざとなったら杉元がアシリパを逃がす、という杉元の言葉に従い、牛山はそれ以上何も言わなかった。

金塊を探す一同の元に門倉が戻ってくる。門倉は永倉が第七師団にわざと捕まり、時間稼ぎをしている事を一同に伝えた。その時、一迅の風が吹く。風は門倉の刺青の写しを巻き上げて、刺青人皮が描き出す五稜郭の五芒星の上に乗っかった。丁度、汽車の中で門倉の刺青が合致した場所である。これを見た土方はある重大な事に気が付く。門倉は永倉の事を伝えると、事前に土方と取り決めていたある作戦を実行すべく箱館山へ向かっていった。

一見、無意味な場所に合致した門倉の刺青は実はとても重要な事を示していた。それは五稜郭の中の刺青の場所である。土方はその事に気付き、一同にある場所を掘るように指示を出す。そこは函館戦争時代に馬の飲み水用の井戸があった場所であった。一同が穴を掘るとそこに円形の蓋が出てくる。牛山がその蓋を開けると、昔の馬用の井戸が姿を現した。

杉元とアシリパはロープを下ろし、その中へ降りていく。下に置いてあったのは革袋の山であった。杉元は皆の前革袋の中身を確認しようと、その中の一つを紐で括、牛山に引き上げさせる。が、我慢できなくなった白石が井戸に飛び込んでしまう。白石は宙吊りいなった革袋を掴むが、手を滑らせて杉元達のいる井戸の底へ落ちてしまった。白石が掴んだ事で宙吊りになった革袋の一部が裂け、中身が井戸の底へ降り注ぐ。井戸の底の杉元、アシリパ、白石に降り注いだのは、探し求めていた金塊の砂金であった。こうして一同は遂に金塊を発見したのである。

遂に一同は金塊を発見した。しかし喜ぶのも束の間、第七師団が艦砲射撃を再開した。鶴見は五稜郭に作られた堡塁の外側には土地の権利書は無いと踏んで堡塁よりも外側に砲撃をさせたのである。一同は一旦金塊をもとに戻し、籠城戦に備えた。アシリパは権利書を矢筒の中に隠す。第七師団は砲撃で土方達の作った堡塁の外側と囮の堡塁を吹き飛ばすと、五稜郭内に突撃命令を下した。

戦いの最中、牛山は旗を振って砲撃再開の信号を送る兵士を発見する。牛山はその兵士を歩兵銃で狙撃して倒した。が、信号は送られてしまい、砲撃が再開される。砲撃の雨の中、奮戦する牛山達。指揮をしていた土方は門倉達の作戦に全てを託す。

箱館山の上では門倉、キラウシ、永倉、マンスールが作戦の準備をしていた。永倉は鶴見との交渉の後、血路を切り開いて脱出したのである。マンスールは門倉がパルチザンの仲間の中から呼び出した小柄な男で、腕の良い砲手である。門倉達の作戦、それは箱館山の頂上から第七師団の雷型駆逐艦を砲撃することであった。かつて函館戦争の末期、土方達新撰組は箱館山の観音像の裏の洞穴に、回天丸の主砲を隠していた。戦争末期、土方はこの主砲で新政府軍に一矢報いようとした所で新政府軍の兵士に捕えられたのである。今、門倉達の手で土方が成しえなかった砲撃作戦が実行されようとしていた。

門倉達は主砲で海上の雷型駆逐艦を次々と無力化していく。更に、上空から艦砲射撃を指揮していた気球を打ち落とす事に成功した。これにより艦隊は空の目を失い、精密な砲撃が出来なくなった。が、最後の反撃を喰らい、回天丸の主砲は破壊され、門倉達も負傷してしまう。

五稜郭内では、砲撃が止んだものの、第七師団が徐々に侵入しつつあった。銃撃戦の最中、都丹は土方を守る為に負傷。更に土方を逃がすため、都丹はたった一人で第七師団を食い止めていたが遂に戦死してしまう。戦況は第七師団が優勢となり、遂に一同は五稜郭を脱出して体制を立て直す事を決断する。牛山は土方と共に五稜郭を脱出した。

函館行きの汽車にて第七師団の大軍団を圧倒する

月島の銃剣をガードする牛山

馬に乗り、五稜郭から脱出して第七師団から逃れる牛山達。土方、白石、谷垣、杉元、アシリパも馬に乗り、牛山と共に走っていた。が、馬では走行距離に限界がある。そこで牛山は遠くに走る汽車を発見し、利用する事を提案。牛山は汽車に乗った後、船に乗って逃げようと一同に話す。馬で近づくと函館行の汽車であった。一同は汽車に飛び移る。そして座席に移動しようと車両のドアを開けるとそこに居たのは大勢の第七師団の兵士であった。彼らは五稜郭で戦う鶴見達を支援すべく、函館へ向かっていた第七師団の増援である。牛山達は運悪くこの増援部隊の乗った列車に乗り込んでしまった。

増援の兵士達は牛山達が何者であるのかを察し、攻撃体制に入る。すかさず牛山が動き、兵士たちを掴んでは投げて暴れまわる。兵士達は彼が不敗の牛山である事を悟り、浮足立ってしまう。そんな兵士達に牛山は迷わず特攻を仕掛けて行き、兵士達を次々と倒していく。これに土方が加勢し、兵士達に斬りかかっていく。そんな牛山達の背後では、鶴見が杉元達に襲い掛かっていた。鶴見も馬で汽車に追いつき、飛び移っていたのである。

別の車両では、土方と牛山が倒した兵士の断末魔を聞いた仲間の兵士達が異常を察知していた。そして仲間の加勢に行こうと戦闘準備をしている所に牛山がドアを蹴り破って乱入し、兵士達を次々と吹き飛ばした。牛山は負傷しながらも止まることなく最前線で次々と兵士を倒していった。

牛山は3両目の車両で鶴見の腹心の月島と相対した。月島と牛山が一対一で戦う最中、他の兵士達は銃が使えず、様子を見ている事しか出来なかった。仲間を倒され、憤怒の形相の月島は手にした銃剣を力の限り牛山に投げつける。牛山は左腕を犠牲にし、これをガードした。あまりの勢いで銃剣は牛山の腕を貫通し、牛山の額に剣先が当たる程であった。月島は更に倒れている兵士の銃剣を拾い、一気に牛山に近付こうとする。牛山は右腕で掴んでいた兵士を振り回し、月島を殴りつけようとした。月島はしゃがんでこれを躱す。そのまま銃剣で牛山を突き刺そうとするが、牛山は体を捻って回避。そのまま銃剣を掴んで牛山を抑え込む。両者、組合いになり月島はその牛山の強さを悟る。そんな月島の内心を牛山は読み取り、「どうだ強いだろう」と不敵に言った。

牛山は月島の胸倉を掴むと杉元のいる3両目に向かって投げ飛ばす。月島の体は宙を舞い、飛んでいく。杉元はジャンプをして飛んできた月島を躱した。そして月島を投げつけた牛山の姿を見つけ、互いに命が無事だったら金塊を一緒に拝む事を固く誓った。

牛山は止まらない。屈強な第七師団の数多の兵士をなぎ倒していく。月島も吹き飛ばされ、頭から血を流す。その時、倒れていた兵士の一人が手りゅう弾を月島に渡す。月島は手りゅう弾のピンを抜き、牛山に投げつける。牛山はこれを受け止め、そのまま月島に投げ返した。月島はしゃがんで躱し、月島の背後で手りゅう弾が炸裂した。月島は鶴見に危害が出る前に、牛山を止めるべくある決断をする。それは自爆覚悟の特攻であった。月島は再び手りゅう弾のピンを抜くと、牛山に突っ込んでいく。が、その時牛山の背後から鯉登が月島の自決を止めようと突っ込んでくる。これにより、月島の決意が鈍る。鯉登の面倒を見る形で行動していた月島であったが、その真っ直ぐさに月島は惹かれて行き、自分でも気が付かない内に鯉登の事を大切に思っていたのである。牛山はその隙をついて月島を鯉登諸共吹き飛ばす。月島の手りゅう弾は宙を舞い、牛山の背後に落ちて行った。牛山はそれを目で追い、躱そうとするが落下先にアシリパが居るのを発見する。アシリパは座席の下に隠れていたのだ。アシリパは咄嗟に持っていた権利書を抱きかかえて庇う。牛山は手りゅう弾を抱え込むようにして飛び込み、アシリパを庇った。手りゅう弾は爆発し、牛山は巻き込まれてしまう。

爆炎の後、アシリパが見たものは左腕が吹き飛び、体に穴が空いて血まみれの牛山であった。牛山は自分の身を省みる事無く、「お嬢…怪我ないか?」とアシリパを気遣い、崩れ落ちる。アシリパは牛山を抱きかかえる。朦朧とする意識の中、牛山が見たものは今は亡き家永の姿であった。
「あなたの完璧はいつだった?」
かつて家永に問われ、その時は答えの無かった牛山。「いまだよ…いま」牛山はようやく答えを見つけた。この言葉を最後に牛山は息を引き取った。その生き様を見ていた白石は「喧嘩最強で女に弱くて最後まで恰好良いなんてずるいだろ」と最大限の賛辞を送った。列車の中で語っていた「この牛山をアイヌの神話に加えなよ」という言葉にふさわしい、雄々しくも勇壮な無双の豪傑の最期だった。

牛山辰馬の関連人物・キャラクター

杉元佐一(すぎもと さいち)

本作『ゴールデンカムイ』の主人公。日露戦争の最前線から生還した。「不死身の杉元」の異名を持ち、銃で撃たれようとヒグマに吹き飛ばされようと生還する脅威的な生命力を持つ。日露戦争で戦死した親友の妻で初恋の相手の目の病気を治す為、金塊争奪戦に参加する。

敵に対しては一切容赦が無く、勇猛果敢。刺青の囚人の皮を躊躇いなく剥ぎ取るなど、仲間から恐れられる一面を持つ。しかし、元は優しい性格である。戦争に参加し、己を殺して戦い抜いた結果、残酷な性格を持ってしまった。元の自分に戻れず苦悩している。苦悩の中、アシリパと行動を共にする内にその純粋さに救われて、彼女の為に金塊争奪戦で戦うようになる。

牛山とは「札幌世界ホテル」で出会う。互いに握手した際、掌から伝わる感触で牛山の力量を悟って驚嘆。一方の牛山も杉元の実力を感じ取り、「これ以上互いの力を測ろうとすれば殺し合いになる」と苦笑しながら場を収める。その後は牛山と酒を飲み交わし、親交を深めた。しかし牛山が刺青の囚人である事が分かると殺し合いになり、壮絶な肉弾戦を繰り広げる。結局勝敗は付かず、両者の勝負は持ち越しとなった。この時の牛山は酒が残っている状態だったが、数多の凶悪な敵を打ち倒してきた杉元をして、その彼に明確に土をつけることは出来なかった。その後、牛山と行動を共にする事もあったが、網走監獄で土方が杉元を裏切った事で、札幌で再開した時に杉元と土方は殺し合いを始める。それを止めようと杉元を押さえ付けた牛山を杉元が攻撃し、牛山はこれに応戦。建物を破壊しながら激しく組合い、暴れ回った。結局、この時もアシリパが止めに入った為決着は付かなかった。

アシリパと土方が再び手を組んだ事で杉元は牛山と共闘することになる。五稜郭にて牛山と共に金塊を発見した。そして包囲戦を仕掛けてきた第七師団を相手に、共に籠城戦を繰り広げる。

五稜郭を脱出して函館行きの汽車で第七師団の大軍を相手に、共に死闘を演じる。杉元と牛山は生き延びたら金塊を一緒に拝む事を固く誓い合った。結局牛山は死亡してしまった為、この約束は果たされなかった。

杉元は牛山と戦う事もあったが、一方で何度も牛山に助けられる場面もあった。また、アシリパは牛山に懐いている事や自分以上の柔道の腕を持っている事から、杉元は牛山に敬意を持っていた。

アシリパ

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姉畑支遁(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

姉畑支遁(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

姉畑支遁(あねはたしとん)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。刺青の囚人のうちの一人であり、動物学者。動物、植物をこよなく愛し、研究している。だが嫌がる動物を無理矢理犯したり植物を傷つけて射精するなど異常な性格の持ち主。自分の欲望のままに行為をしたにも関わらず、行為後は大変後悔をする。そして自分が犯した動物や植物に責任を一方的に擦り付け動物は殺害、植物はナイフで傷をつける、とかなり独善的で身勝手な行動をする。

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松田平太(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

松田平太(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

松田平太(まつだ へいた)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。刺青の囚人のうちの一人である。砂金の専門知識を持ち、北海道での砂金の採取に情熱を燃やしている。だが、その本性は多重人格の殺人鬼である。自分がかつて同居していた長兄夫婦、次兄、父親、ヒグマの人格を持つ。自分の家族がヒグマに襲われて殺され、自分もヒグマに襲われて殺される幻覚を見る。その後、自分の体をヒグマに乗っ取られて人を襲って食べるという異常な殺人を行う。

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関谷輪一郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

関谷輪一郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

関谷輪一郎(せきや わいちろう)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。24人の刺青囚人のうちの1人である。際立った戦闘力は無いが狡猾さと独自の信仰心を持ち、他人の命を「試練」と称し運任せで毒殺する異様な殺人を繰り返し投獄される。脱獄後は北海道の阿寒湖のほとりで刺青人皮を巡り土方一派を狙う。一時は土方と牛山を持ち前の狡猾さで戦うことなく倒して生き埋めにした。しかし仲間の門倉とキラウシの活躍で復活した土方に逆襲され力尽きる。

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辺見和雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

辺見和雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

辺見和雄(へんみ かずお)とは野田サトルの漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、体に刺青を掘られた24人の囚人のうちの1人。この刺青は埋蔵金の手掛かりとなっていて、多くの人や組織に狙われている。表向きでは人当たりがいいが、その正体は日本各地で100人以上を殺してきた殺人鬼。幼少期にイノシシに無残に食い殺された弟の死に方に憧れ、自分を残酷に殺してくれる人を求めている。辺見の刺青を狙う主人公・杉元佐一と死闘を繰り広げた後、シャチに海に引き摺り込まれた。想像を超える死に方ができて満足気だった。

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奥山夏太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

奥山夏太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

奥山夏太郎(おくやま かんたろう)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している「土方一派」と呼ばれる組織の一員。 北海道のヤクザの若衆だったが、ある時土方歳三と出会い、その覇気溢れる様に魅了される。同じ若衆だった亀蔵と共に出奔し、土方を追いかけてその一派に加わり、部下として金塊争奪戦に関与する。一方で「土方に認めてもらいたい」との思いからたびたび無茶なスタンドプレイに走る“血気盛んな若者”としての側面を持ち、その都度幸運によって生き延びている。

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マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

マンスールとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、ロシア皇帝の暗殺にも加担したパルチザンのソフィア・ゴールデンハンドの仲間の1人にして砲撃手である。 アイヌの隠し金塊を手に入れるため、ソフィアや仲間たちと共に北海道に乗り込み、主人公の杉元たちに協力。金塊を我が物にせんとする第七師団と壮絶な戦いを繰り広げ、敵の駆逐艦を旧式の大砲で撃破するという大殊勲を挙げた。突如鳴り物入りで登場し、作品の内外からその力量に疑問を持たれるも、鮮やかな活躍で評価を覆したキャラクターである。

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フチ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

フチ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

フチとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、アイヌの老婆にしてヒロイン・アシリパの祖母。 アイヌの古い教えを大切にしながら日々を生きる一般人で、作中で繰り広げられる熾烈な金塊争奪戦とは無縁の立場にある。一方で家族の多くが金塊争奪戦の渦中にあり、たびたびその関係者の来訪を受ける。中でも陸軍兵士の谷垣源次郎とは、瀕死の重傷を負って彼女の家に担ぎ込まれてから交流を重ね、実の家族のように互いを大切に想う間柄。主人公・杉元佐一を気に入り、アシリパを嫁にもらってほしいと考えている。

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土井新蔵(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

土井新蔵(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

土井新蔵(どい しんぞう)とは野田サトルの漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物である。埋蔵されたアイヌの金塊の暗号となっている刺青が体に彫られた24人の囚人の1人である。幕末に土佐藩の勤皇派におり、幕府の要人など何人も殺害した殺し屋であった。その後北海道・根室に流れ着きアイヌの女性と結婚するも、土井に恨みを持つ者が妻を拐った。妻を取り戻すために、妻を拐った人物を殺め、釧路の海岸で捉えられ囚人となった。妻が病で先が短いことを知り網走監獄を脱獄した。最期を看取った後は根室の漁場で働いている。

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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。

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土方歳三(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

土方歳三(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

土方歳三(ひじかたとしぞう)とは、漫画『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、刺青の囚人の頭目にして「新撰組鬼の副長」と恐れられた男。函館戦争で死亡したと思われていたが、極秘で監獄に収監されていた。蝦夷共和国樹立を叶えるため、アイヌの隠し金塊を狙う。同じく金塊を狙う大日本帝国陸軍第七師団を最大の障害と見なし、主人公・杉元佐一や彼の仲間たちとも一時共闘する。普段は穏やかな老人だが、戦闘時には鬼のような気迫を見せて敵と戦う。利害が一致すればどんな人物とも手を組むが、敵と見なす者には一切容赦しない。

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二瓶鉄造(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

二瓶鉄造(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

二瓶鉄造(にへいてつぞう)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、かつて網走監獄にてのっぺらぼうに暗号の入れ墨を入れられた脱獄囚のひとりである。猟師であり一度狙った獲物への執着心が強い。「冬眠中のヒグマもうなされる悪夢の熊撃ち」と評され、その名はアイヌや他のマタギに広まるほど。エゾオオカミ・レタラとの戦いで、レタラのつがいであるメスオオカミに首元を噛まれ、命を落とした。「山で死にたい」という思いがあった二瓶は、山で命を落とすことに満足気であった。その後杉元が入れ墨を剥がし、入れ墨人皮となる。

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犬童四郎助(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

犬童四郎助(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

犬童四郎助(いぬどう しろすけ)とは野田サトルの漫画作品『ゴールデンカムイ』に登場するキャラクターで、網走監獄の典獄である。土方歳三が関わっている箱館戦争にて兄を亡くしているため恨みを持っており、職権を乱用し、私情で彼を幽閉していた。幽閉の日々を送る土方の目から“生きる希望”が消え去るのを待っていたが、アイヌの隠し金塊を巡る陰謀の中で土方は脱獄。「金塊の情報を求めて土方は再び網走監獄に戻ってくる」と予想し、その読み通りに現れた土方と死闘を繰り広げた末に、彼に斬られて息を引き取った。

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上ヱ地圭二(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

上ヱ地圭二(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

上ヱ地圭二(うえじ けいじ)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、刺青の囚人のうちの一人。年端もいかない少年を狙うシリアルキラーだ。脱獄後は飴売りを装いながら子どもを殺し続けていた。裕福な軍人の家に生まれ、「父のようになれ」という周囲の期待に添わなければ見捨てられるという抑圧された幼少期を送る。自分に失望する父と同じような「がっかりした表情」が大好き。金塊を求める大勢の人々をがっかりさせるため、意外な行動に出る。

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青山賢吉(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

青山賢吉(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

青山賢吉(あおやま けんきち)とは野田サトルの漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、秋田県出身のマタギ。第七師団の谷垣源次郎とは同郷かつ親友である。源次郎の妹・フミを嫁にもらったが、疱瘡に罹ってしまった彼女の意を汲んで殺害し、家を燃やした。その後陸軍に入隊した。日露戦争にて、手投弾を体に巻きつけて突進してきたロシアの兵士を身を挺して食い止めるも、爆発に巻き込まれて致命傷を負う。この時自分を妹の仇として追ってきた源次郎と再会し、フミを殺した経緯と真相を彼に話して息を引き取った。

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花沢勇作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

花沢勇作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

花沢勇作(はなざわ ゆうさく)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、尾形百之助の異母兄弟。清廉潔白な人格で周囲の人々に愛された美男子だ。日露戦争の二〇三高地で味方を鼓舞する旗手を務めていたが戦死し、物語の開始時点では既に故人となっている。敵に殺されたのではなく、後方にいた尾形が狙撃した。将校である父が芸者に産ませた子どもである尾形を、階級が下であるにも関わらず「兄様」と呼んで慕っていた。金塊争奪戦を引っ掻き回す尾形の前に、たびたび幻覚として現れる。

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岩息舞治(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

岩息舞治(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

岩息舞治(がんそくまいはる)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、屈強な肉体と暴力への飽くなき欲求を併せ持つ男だ。樺太にあるロシア人の村で、男たちが集団で殴り合う競技「スチェンカ」に参加していた。キロランケやアシリパを追跡する杉元と出会い、拳を通して心を通わせる。刺青は剥がずに書き写された後、強者との出会いを求めてロシアへ渡っていった。

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家永カノ/家永親宣(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

家永カノ/家永親宣(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

家永カノ/家永親宣(いえなが ちかのぶ)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、患者を殺して血液や臓器を摂取していた外科医。家永カノは脱獄後に名乗っていた偽名だ。「同物同治(どうぶつどうち)」という、体の不調な部分を治すには食材の同じ部位を食べればいい、という思想を信じている。見た目は妙齢の美女だが実際は年老いた男で、同物同治の思い込みだけで美しい容姿や声を保っている。危険人物だが、外科医としては極めて優秀。

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津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

津山睦雄(つやま むつお)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、「三十三人殺し」と呼ばれている。本編には登場せず、第七師団の鶴見中尉が刺青人皮を持っている。津山から剥いだ刺青人皮をベストのように着こなす鶴見中尉の姿は、多くの読者に衝撃を与えた。「三十三人殺し」という経歴から、モデルは「津山三十人殺し」の都井睦雄(とい むつお)であるという見方が一般的だ。

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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。

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マイケル・オストログ/ジャック・ザ・リッパー(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

マイケル・オストログ/ジャック・ザ・リッパー(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

マイケル・オストログ/ジャック・ザ・リッパーとは、とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、刺青の囚人のうちの一人。札幌の町で私娼ばかりを狙う、連続殺人事件の犯人だ。遺体から臓器を持ち去ったり新聞社に犯行声明を送る手口からジャック・ザ・リッパーの模倣犯と思われていたが、後に札幌でロンドンの犯行を再現しようとするジャック・ザ・リッパー本人と判明した。聖書の聖母マリアのように、女性は処女で子どもが産めると信じていて、娼婦は罪人であると思い込んでいる。

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熊岸長庵(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

熊岸長庵(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

熊岸長庵(くまぎし ちょうあん)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、偽札製造で捕まった贋作のプロ。もとは画家だったが売れず、絵の贋作を作る贋作師をした後に偽札づくりに手を染めた。本人は生活のために仕方なくやっていたが、それでも芸術家として「本物を超えてやろう」という気概があった。樺戸集治監を脱獄した後は刺青の囚人である鈴川聖弘ひきいるヤクザたちに偽札を作らされていた。毒矢が腹部に刺さって死亡するが、偽の刺青人皮を判別するヒントを残した。

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キラウシ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

キラウシ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

キラウシとは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、土方歳三に道案内に雇われたアイヌの男性。コタン(アイヌの村)の周辺を蝗害に襲われて食糧難になったため、出稼ぎに出ていたところを土方たちに出会った。網走監獄で看守部長をしていた門倉利運(かどくら としゆき)と仲が良く、ふたりで行動することが多い。取り立てて強いわけではないが、五稜郭での最後の戦いではアイヌの土地の権利書を守るため勇敢に戦った。

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門倉利運(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

門倉利運(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

門倉利運(かどくら としゆき)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、のっぺらぼうを収監していた網走監獄の看守部長。冴えない中年男だが、実は土方歳三の内通者として情報を流していた。網走の攻囲戦の後は土方と行動を共にする。のっぺらぼうが隔離される前に最後に刺青を入れた男だが、刺青はすべてが揃わなくても解けるため、門倉の刺青はさほど重要ではないと思われていた。しかし最終局面で、思わぬ鍵が隠されていたことが判明する。

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