舟を編む(小説・映画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『舟を編む』は三浦しをんによる出版社の辞書編集部を舞台にしたヒューマン小説。女性ファッション雑誌『CLASSY.』に連載され、2011年に光文社から単行本が発行された。2012年には本屋大賞を受賞している。2013年には松田龍平主演で映画化、2016年にテレビアニメ化された。「玄武書房」に勤める馬締光也は、新しく刊行される辞書『大渡海』の編集メンバーとして辞書編集部に異動となる。辞書制作のために集まった個性の強い編纂者たちが奥深い辞書の世界にのめり込み、言葉に向き合う物語。

林香具矢(はやし かぐや)

出典: www.funewoamu.com

アニメ:坂本真綾
映画:宮崎あおい
馬締の暮らす下宿先「早雲荘」の大家であるタケさんの孫娘。板前修行のために、職場に近い早雲荘で居候することになった。不器用でど真面目な馬締の理解者で、13年後には結婚し、自分の店として「月の裏」という小料理屋を開店している。馬締の遠回りな言葉にじっくり耳を傾け、助言をしたり寄り添ってくれる存在。長い黒髪のさっぱりとした美人で辞書編集部の面々からも気に入られている。

大家さん(タケさん)

画像左側が大家さん

アニメ:谷育子
映画:渡辺美佐子
馬締の暮らす下宿先「早雲荘」の大家をしているおばあさんで、香具矢の祖母。馬締のことは「みっちゃん」と呼び、晩御飯をご馳走したりしている。馬締の相談にのったり、香具矢と馬締の仲を取り持ったりとお節介で優しい老人。13年後にはすでに亡くなっており、早雲荘を馬締と香具矢に譲っている。

宮本慎一郎(みやもと しんいちろう)

出典: rancolle.com

アニメ:浅沼晋太郎
映画:宇野祥平
玄武書房辞書編集部から『大渡海』の印刷を請け負っている「あけぼの製紙」の営業部員。『大渡海』の紙の開発のために奮闘する。

三好麗美(みよし れみ)

出典: rancolle.com

画像右側の女性が三好麗美

アニメ:斎藤千和
映画:池脇千鶴
西岡の交際相手で玄武書房宣伝部員。西岡とは大学の後輩で腐れ縁でもあり、その後結婚する。明るい髪色に派手な風貌で、献身的に西岡を支える一面を持つ。映画では営業部に所属し、職場恋愛の設定になっている。

『舟を編む』の用語

『大渡海』

玄武書房から出版される中型百科事典。完成までに10年以上を要し、約24万語を収録している。松本先生は作中で、辞書のことを「言葉の海を渡る舟」だと表現しており、『大渡海』は言葉の大海原を渡る一艘の舟という意味を込めて名付けられた。

用例採集カード

辞書作りのために集めた言葉を書き溜めていくメモ用紙。言葉とともに、使用例や意味を一緒に書いていく。日常会話や街の看板、本やテレビ、ラジオといったあらゆる場所で出会う言葉を記入するように荒木は辞書編集部入りたての馬締に説明している。

『言海』

国語学者の大槻文彦が明治時代に編纂した日本で初めての近代的な国語辞典。元々は文部省から刊行されるはずだったが、予算が足りず大槻の実費で出版された。辞書編集部が『大渡海』編纂のための人員やスケジュール的に会社側から無理を強いられた際に、松本先生が引き合いに出した辞書でもある。

『舟を編む』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

馬締「体を北へ向けた時、東へ当たる方角」

辞書作りに向いた人材を探す荒木が、第一営業部で見つけた変わり者の社員馬締に、「右を説明しろと言われたらどうする」と尋ねた際に返ってきた答え。「体を北へ向けた時、東へ当たる方角」には箸を持つ方でも心臓のない方でもなく、方角にすることでその言葉を受け取る人全てに当てはまる「右」を説明しようという意識が感じられた。広い視野で言葉を探す辞書編集部員には欠かせない能力がよく現れているセリフ。また、この言葉は辞書編集部に13年後異動してきた岸辺も、「右」の説明時に用いている。

松本先生「辞書は言葉の海を渡る舟です」

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@syary

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