来世ではちゃんとします(来世ちゃん)のネタバレ解説・考察まとめ

『来世ではちゃんとします』とは、漫画家・いつまちゃんが『グランドジャンプ』にて2018年2月7日より連載を開始した、CG製作会社に勤める性的に拗らせた5人の男女の日々を赤裸々に描く4コマコメディ漫画である。5人だけでなく様々な事情、性指向を持った人々が登場し、共感できる面も多々あるのが作品の魅力となっている。同社の『グランドジャンプめちゃ』『グランドジャンプむちゃ』にも掲載されている。2020年1月9日から23月26日の間にテレビドラマが放映され、2021年8月12日より2期も放送された。

『来世ではちゃんとします』の概要

『来世ではちゃんとします』とは、漫画家・いつまちゃんが『グランドジャンプ』にて2018年2月7日より連載を開始した、CG製作会社に勤める性的に拗らせた5人の男女の日々を赤裸々に描く4コマコメディ漫画である。略称は「来世ちゃん」。2020年1月9日から2020年3月26日の間にテレビドラマが放映され、NETFLIXの国内総合デイリーランキングで3位に入った。2021年8月12日よりドラマ2期も放送された。
承認欲求と寂しさに振り回されて5人のセフレを抱える性依存気味の大森桃枝、恋愛や結婚について周囲からかけられる圧力が辛いアセクシャルBL好き美人ギャルの高杉梅、ヒモの素質があるメンヘラ製造機なイケメン松田健、彼女を寝取られたトラウマから処女しか愛せなくなったセカンド童貞の林勝、風俗嬢にガチ恋してしまった檜山トヲル。同じCG製作会社に勤める5人のそれぞれが性的に拗らせた日常を描いているが、彼ら以外にも様々な事情、性指向を持った人々が登場するため、共感できる面も多々あるのが作品の魅力となっている。

『来世ではちゃんとします』のあらすじ・ストーリー

あらすじは、2021年4月19日に発売された単行本6巻までのものを紹介している。

スタジオデルタの面々の日常

都内の小さな映像プロダクション、スタジオデルタには、承認欲求と寂しさに振り回されて5人のセフレを抱える性依存気味の大森桃枝(おおもり ももえ)、恋愛や結婚について周囲からかけられる圧力が辛いアセクシャルBL好き美人ギャルの高杉梅(たかすぎ うめ)、ヒモの素質があるメンヘラ製造機なイケメン松田健(まつだ けん)、彼女を寝取られたトラウマから処女しか愛せなくなったセカンド童貞の林勝(はやし まさる)、ソープランド「ベイビーベイビー」に所属するソープ嬢にガチ恋してしまった檜山トヲル(ひやま トヲル)の5人が働いていた。

ある日梅は桃枝を連れて、レズビアン系のイベントに赴く。男性との恋愛は無理そうなので、女性になら恋愛感情を抱けるだろうかと思ったのだ。結果として梅は「女性でも無理」との結論に達したが、女性に口説かれて興奮した桃枝は逆に「性的な目で見られたら男女なく興奮することが分かった」との結論に達するのだった。

彼女が欲しい林はマッチングアプリに登録し、その中で栗山凪(くりやま なぎ)という一人の女の子とマッチングする。可愛いうえに優しく、異性と付き合ったこともないという理想通りの相手に興奮を隠せない林だったが、彼女は彼女ではなく、女装した男だったのだ。会う前にその事実を知らされ悩むも、結局林は凪に会う事にする。実際に会った凪は理想通りの可愛らしい女の子にしか見えなかったが、男であるという事実に林は心がついていかない。それでも流されるままに家に連れ込まれ、強引にフェラチオされてしまう。それが大層気持ちよかった上に、話していて楽しかった林は、悩みつつもまた凪に「来週会える?」とラインを送る。林の顔と身体がドタイプだった凪は、「やった! ちょろいなァ♡」とガッツポーズを決めるのだった。

本命のセフレは彼女持ち、他のセフレも自分のことを「遊ぶにはちょうどいいけど本命はもっとちゃんとした子がいい」と思っている、好きになってくれる人はなんだか冴えない、そんな状況に桃枝は疲れていた。彼氏どころか好きな人ができたことがなく、趣味に生きようと思っても同人仲間が次々家庭を持ち始めて焦燥感は覚えるものの、どうすればいいのかわからず梅は疲れていた。意気投合した二人は突然富士山に登ろうと計画を立てる。

登山中、桃枝の肺活量に驚く梅。

山小屋に一泊付きのツアーを取り、疲れつつも山小屋について修学旅行のような夜を過ごす。「ずっとこのまま将来の事を考えず楽しいまま現状維持できたらいいのにな」と言う桃枝に、梅は同意するのだった。翌朝、酸素の薄さに苦しみつつ二人は急斜面を登っていく。ようやく辿り着いた山頂から見える朝日はとても美しかった。「ご利益がありそうだ」と二人で笑い合うが、「まあなかったとしても運動になったからいいや」「多少の挫折や失敗より登山の方が辛いと知れて良かった」と身も蓋もないことを言い合うのだった。

真夏の休日出勤中、桃枝と松田はエレベーターで一緒になる。暑いねと何気なく話し合う二人だったが、エレベーターは不意に止まった。停電だ。スマホは圏外、休日なのでビル内に人もほとんどいない。二人はたまたま松田が抱えていたもらいものの大量のジュース、桃枝が持っていた塩タブレットやビーフジャーキーなどを分け合いながら助けを待つことになる。4時間経っても助けは来ず、あまりの暑さにこれ以上は危険だと思う桃枝だったが、何故かその状況なのに彼女は非常にムラムラしていた。「同僚と死にかけて興奮するとか最低すぎる」と落ち込む桃枝だったが、松田は松田で「おっぱいでかいな」と考えていた。気まずさの中妙な雰囲気になり、危うく二人は事に及びかける。だがぎりぎりで理性が持った桃枝は、「早く助け来ないかなあ」と松田を引き剥がした。そこで桃枝は気絶し、電気も復旧したので松田が助けを呼んで二人は無事に助かる。互いに「あれはヤレたな」と思いつつ、職場の同僚だしこれでよかったと思い直すのだった。

再び林は凪に会う。会うなり林は悪気なく、「凪って本名じゃないだろう」と言い出した。家に行ったときに見えた卒業アルバムから高校を割り出し、年齢や出身地、飼ってる犬をヒントにフェイスブックのリア垢を割り出したのだ。そのアカウントには鍵がかかっていたが、コメントから本名は「雄次郎」だよなと聞く林に、凪はキレる。「悪気はなかった、お前みたいに綺麗な友達は初めてだからもっと仲良くなりたかった」と弁解する林に、会うのが2回目の相手のリア垢を割り出すのも本名を当てるのも非常識だと凪は怒る。その様子が元カノにあまりに似ており、林は妙に照れてしまうのだった。

それぞれのクリスマスと年末年始への向き合い方

クリスマスがやってくる。檜山は「性の6時間(年間最も性行為を行う人が多いとされる、クリスマスイブの21時~27時)」にガチ恋中のソープ嬢、心に会えるよう予約を取ったが、他の面々はそれぞれ憂鬱さを抱えていた。梅は恋人がいる、予定があるのが当然の空気に苦痛を感じ、桃枝は誰からも本命にされないセカンド女の哀切を突き付けられる。林は結局彼女ができなかったと嘆き、松田はこの時期に女の子に会うのは本当にだるいから、急に仕事が入ってほしいとぼやいていた。そんな松田の不吉な予言を受けてか、当日本当に急な仕事が入ってしまう。どうせ予定がなかったしと気楽な檜山以外の4人だったが、檜山に予定があると知り全員が結束してなんとか間に合わせようと全速力で仕事を終わらせた。無事に仕事は間に合い、結局予定が開いた林は凪に会いに行き、梅と桃枝は友達二人で楽しくクリスマスを過ごすのだった。

松田はセフレの一人に「合コンの人数が足りないから、もう一人誘って誰か来てくれないか」と頼まれる。「合コンに乗り気な友達もいないし」と断ろうとしたが、林がたまたま職場で「合コンを一度でいいからやってみたかった」と言ったので林を誘って参加することにした。合コンが始まると、松田は合コンに不慣れな林のために、林の仕事や趣味などを、積極的に女の子にアピールし始めた。松田が自分を立ててくれることに感動する林だったが、女の子の関心は何故か松田に向いてしまう。後日、結局合コンに実りがなかったとぼやく林は、一緒に帰っていた松田が合コンにいた女の子と名前で呼び合う現場を目撃する。「……もしかして、ヤッた?」と聞く林に、松田は無言を貫き通すのだった。

年末、梅は焦っていた。冬コミに参加するのだが、馴染みの同人仲間が彼氏を作ったり家庭を持ち始めたりで売り子が確保できないのだ。単独参加ではトイレにも行けないと、ダメもとで桃枝に12月29日、売り子を手伝ってくれないかと頼む。快諾した桃枝は当日、梅のスペースを訪れる様々な人やコスプレの様子を見て楽しむ。無事にコミケも終了し、桃枝と梅は忘年会代わりに打ち上げをしようと居酒屋に繰り出す。その夜、帰宅した桃枝はコミケ会場で使うかと念のために用意していたバニーガールのコスプレで、セフレのBくんと姫納めに励んだ。一方梅は結婚をせかされる明日からの帰省への居づらさをひとまず忘れ、自分の新刊の感想のエゴサをしつつ、買ったたくさんの同人誌を嬉々として読み漁るのだった。

帰省中、さぞモテるだろうと家族に言われる林。

同じく年末、林は実家に帰省していた。かっこいいからさぞモテるだろう、結婚はまだかと家族に言われ、自分の現状に林は嘆く。地元に残った友人たちは大半が結婚している状況、祖母の「勝の子供を抱けるまで長生きできればいいんだけどねえ」という言葉に、林は内心で「モテてぇ! ばーちゃんのために今すぐ」と嘆くのだった。年明け、その話をされた松田は結婚するしないなんて自由だろうと林に同情するが、林に「そりゃ期待も心配もするだろ 家族なんだし」とさらりと言い切られ、林がどれだけ愛されて真っ当に育ってきたかを痛感させられ、「…林はいいやつだよな」と返すしかないのだった。

一方檜山は『別冊少年ギャンギャン』から漫画執筆のオファーを受けていた。漫画家になるのは高校からの夢だったが、現在描いている広告漫画は収入もよく拘束時間も短い。連載となれば心に会いに行く時間も金もなくなるかもしれないと、愛と夢の狭間で檜山は悩む。松田や林にも相談しつつ、結局心に「どうすればいいだろう」と言ってしまう。後で後悔されても困るが本指名が減っても困る心は、結局「ひ…檜山さんは全部できちゃう人だと思うの。いつも尊敬してる」と告げ、檜山に全部を両立させる覚悟を決めさせた。なおこの次のページで、心はひとり、「相談って…決断の責任を他人に押し付ける卑怯な行為ではないですか」とぼやいている。

徹夜翌日、残業上がりの深夜2時、松田と桃枝は帰り時間が重なって一緒に帰宅していた。休みの日に何をしているかの雑談中、松田がアクションゲームをいかに早くクリアするかにはまっているという話から、互いにうっかり初めて会う異性と距離を詰める要領で会話してしまい、この後二人で松田の家に行くことになる。二人とも同じコミュニティの異性に手を出すとろくなことにならないという経験はあったが、今更撤回するのもおかしいと困った結果、互いに同じことを考えていると知らないまま「証明してやろうじゃないか、男女の友情って奴を…!」と心を固めるのだった。

よもや心の声が揃っているとは知らない、ヤリチンの松田とセックス依存症の桃枝。

コンビニでもう終電がないと桃枝が言ってしまったり、クッションがないので松田が布団を敷いてしまったりと微妙に危うい橋を渡りつつ、RTAが終わった後松田と桃枝は同じ布団で眠ることにする。背を向け合って寝ようとしたものの、つい視線を合わせた瞬間むらっとした二人だったが、桃枝がしりとりを始めたことでそういった雰囲気は消えた。「我慢なんかやめて、このまま素直に交わったらうんと気持ちいいんだろうな」と二人して思いつつ、睡魔に負けた二人はしりとりの途中で眠った。翌朝、何事もなく松田の家から帰宅した桃枝だったが、その後すぐA君に会い、松田は自分に一途で彼女になりたがっているセフレの桜木亜子(さくらぎ あこ)を呼び出してしまうのだった。

平坦な日常も少しずつなら変わるもの

スタジオデルタに新規アニメの仕事が入ってくる。先方のプロデューサーがげっそりしていたことからさぞやばい案件だろうと怯える面々だったが、思っていた以上にやりやすい仕事で忙しいながらも皆何とかこなしていた。だが檜山だけは今回の仕事の納期と、『少年ギャンギャン』に提出するネームの締め切りが丸被りしていて頭を抱えていた。荒廃した世界へサバイバルオタクと美少女が突然ワープしてしまう設定のネームを提出していたのだが、担当編集からは「それはありふれているので、二人の性別を逆転させてみたらどうか」と提案を受けていた。美少女が描きたいと呻きつつ檜山はネームを修正する。だが提出したネームに対し、「編集長が男主人公をギャルにして見たらどうだ、と言っている」と担当編集に言われてしまう。美人の担当編集に弱い檜山は、また修正かと思いつつ大人しくネームの修正に入るのだった。

林の家で松田と林が夜通しホラー映画を見た翌日、凪が林の家を訪ねてくる。林は松田に凪の話を、凪に松田の話を散々しているので、二人は初対面ではあるものの互いがヤリチンと男の娘であることは認識していた。林が電話で席を外している間、二人は「林を落とそう」と意気投合する。今日中にキスは行けそう、と意気込む凪だったが、兄から「お前の家に向かってるけど鍵を忘れた」とLINEが入り、慌てて帰宅してしまうのだった。

桃枝はセフレのB君に、一緒に大阪旅行に行かないかと誘われる。喜ぶ桃枝だったが、B君は大阪出張であり、ホテルは自由に使ってくれていいとの言葉に交通費は出す気がないことを察し、「長距離出張デリヘルか」と内心で怒る。だがUSJに行こうとの言葉につられ、大阪旅行を承諾した。
大阪に行き、ホテルですることをした翌日、Bくんは本当に桃枝をUFJに連れていってくれた。

Bくんと遊園地を楽しむ桃枝。

アトラクション待ちの間に映画の趣味が合うことが判明したり、浮かれた帽子を買ったりと楽しむ二人だったが、「B君と来れて幸せだった」と告げる桃枝に、「今度は彼氏とゆっくり来なよ」とB君は言い放つ。そんな予防線張らなくてもセフレはセフレだってわかってるのにな、と桃枝は落ち込むのだった。

林はある日、アパートの隣の部屋から落ちた洗濯物を拾う。沢山のブラジャーを前に悩む林だったが、たまたまやってきた凪と共に隣の部屋に届けに行った。林の隣に住んでいたのは、心と同じソープで働く山田梢(やまだ こずえ)だった。一見快活で可愛らしい梢に林が見惚れたことに気付き、凪は嫉妬する。
洗濯物を拾ったことがきっかけで、梢は時々林に田舎から届いた野菜をお裾分けするようになる。「長年支えてくれた彼女を捨てる芸人みたいだぞ」と松田に非難されるも、凪が男であるということがどうしても引っかかって先に進めない林は梢に惹かれていく。だが林は梢がソープ嬢であることを、「風呂屋で働いている」と梢自身に言われても気付けないままでいるのだった。

スタジオデルタの社員旅行

スタジオデルタの面々は、社長の思い付きで社員旅行で千葉に行くことになる。千葉出身の林の勧めで、目的地は牧場をメインに、その後海に向かうことになった。

社員旅行の行き先を話し合うスタジオデルタの面々。

牧場が楽しみな梅と松田、運転免許を持っておけば移動に役立って活躍できたのになと悔やむ林、どちらかといえば房総湾の観光をメインにしたかった桃枝、旅行中は漫画が描けないと焦る檜山と、旅行に対する反応はそれぞれだったが、牧場に行ってみるとそれぞれがそれぞれなりに楽しく過ごせた。海に行く体力はなく、一行はそのまま予約していた旅館に向かう。旅館で温泉に入り豪華な夕飯を味わった後、近くの浜辺で焚火を囲って小さな宴をすることになる。ちょっと海に入ってみたりぐだぐだと飲酒して過ごした後、松田と桃枝は二人でポカリとウコンの力を買いに連れだってコンビニに向かった。「人気のない田舎の夜道…酒で理性が弱まっている二人…商業BLなら事件が起きるぞ」と梅が心配していた通り、松田と桃枝は酔った勢いでキスしかけていた。だが唇が重なる寸前、帰りの遅い二人を心配した檜山が桃枝の携帯を慣らしたことで、二人は我に返って旅館に戻った。
何か起きかけたことを察した梅は、桃枝に「もう付き合っちゃえばいいじゃん」とけしかける。「桃ちゃんの良いところは愛が重いわりにすぐ好きな男ができることでしょ」と背中を押すも、誰かの一番に選ばれたことがない桃枝は、「一度一線を越えたら二度と元の関係には戻れない」と仲のいい同僚のままでいることを選ぶ。一方の松田のスマホには、松田と関係を持ったことで病んでしまったセフレからの連絡が入っていた。元々明るかった女性も、自分と関係を持つと悪い方向に変わってしまう。「今日は手を出さなくてよかった」と松田は一人安堵するのだった。

メンタルが不安定期に入った梢は、店に連絡も入れられないまま引きこもり続けていた。一度は訪ねてきた心に慰められて少し安定したものの、部屋の片付けもできなければ風呂に入ることもできない。ある夜、不眠の辛さに耐えかねて運動しようと外に出たところ、ちょうど帰宅した林とぶつかって動けなくなってしまう。林は彼女を部屋に運び込むが、彼女の臭いと部屋のあまりの汚さに引く。

梢の部屋の掃除をする林。

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