来世は他人がいい(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『来世は他人がいい』(らいせはたにんがいい)とは、2017年10月号より小西明日翔が『アフタヌーン』(講談社)にて連載しているヤクザを題材とした漫画である。関西のヤクザ一家に生まれ育った「染井 吉乃(そめい よしの)」は関東のヤクザの孫である「深山 霧島(みやま きりしま)」との結婚を勝手に決められ、東京で暮らすことになった。吉乃の関西弁でドスの利いた啖呵や、何を考えているのかがわからない霧島、本当に結婚できるのか先がわからない2人の関係性などが魅力的な作品である。

翔真「お前みたいなカスが口に出してええ名前とちゃうんじゃボケ 殺すぞ」

チンピラが吉乃の名前を軽々しく口にしたことにキレている翔真

吉乃の名前を使って翔真を巻き込んだ霧島は、翔真を菜緒が隠れているカラオケ店の一部屋に向かわせる。吉乃が隠れていると言われて駆けつけた翔真は、隠れているのが吉乃ではなかったことに腹を立てていた。そこに赤座しおりの件で霧島と吉乃に恨みを持っているチンピラが現れる。チンピラは霧島と吉乃に復讐しようと大阪に来ており「染井吉乃とどっかで合流するつもりかもしれねー 女見つけたら徹底的にヤッてやれ!」という。その一言に翔真がブチギレてチンピラの顔に膝蹴りを食らわせた。「お前みたいなカスが口に出してええ名前とちゃうんじゃボケ 殺すぞ」と襲ってくるチンピラ達を次々と倒していく翔真であった。

吉乃「お前ら全員私が金出して後処理したるわ 死体なんか溶かしたら終わりじゃ」

極道一家の顔を見せる吉乃

霧島は吉乃の言ったとおりに動かず、翔真まで巻き込んで独断で行動していた。吉乃のことを巻き込みたくない霧島は今のうちに家に帰るよう吉乃にお願いするが、「自分の地元で何しようが私の勝手やろが」と引き下がらない吉乃だった。「ええか それでもやるんやったら誰にもバレんな。全員殺すつもりでやれ。無理やったらお前が潔くその場で死ね。お前ら全員私が金出して後処理したるわ 死体なんか溶かしたら終わりじゃ」と舌打ちしながら吉乃は言う。そんな吉乃に水族館で話せなかった自分の本当の誕生日を告げ、「俺が18になったら籍いれない?」とプロポーズをする霧島であった。

吉乃「アンタが日付変わるまでに全部片付けてそのあとわたしにも勝ったら 恋人でもなんでもなったるわ」

吉乃の無茶振りにやる気を出す霧島

霧島はチンピラや半グレ集団を処理して小津の件の落とし前を付けさせ、午前0時までにすべて終わらせたら彼氏にしてくれないかと吉乃に提案する。吉乃は始めこそ霧島の提案には乗らなかったが、2人の賭けであれば2人で勝負するのが筋だと言う。そして霧島に「アンタが日付変わるまでに全部片付けてそのあとわたしにも勝ったら 恋人でもなんでもなったるわ」と言い放った。それに霧島は恍惚とした表情で「…さすが吉乃 すげえやる気出た」と本当にやり遂げそうな勢いであった。

吉乃「小津くん大丈夫?さっきの続きや 飲み直しながらゆっくり話そか」

小津と話の続きをしようという吉乃と霧島

霧島は夜の公園にあつめたチンピラや半グレ達を一掃し、吉乃は赤座しおりの件でドライヤーで殴った天パのチンピラを倒した。翔真の方も一件落着したところで、天パのチンピラに殴られた小津が目を覚ます。合流した霧島と吉乃は今回の件の元凶である小津に「小津くん大丈夫?さっきの続きや 飲み直しながらゆっくり話そか」と声をかける。

『来世は他人がいい』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

東京にソース選びの自由はない

吉乃の荷物に箱いっぱいのソースを詰める蓮二は、東京に行ったらソース選びの自由はないと言う。関西の人間はウスターソースやとんかつソースを使い分け、どろソースまでも使いこなし、天ぷらにもソースをかける。東京はソース文化が薄いのか中濃ソースでだいたいを済ますので、中濃ソースしか売っていない場合が多い。このことに吉乃は東京で暮らすハードルを初めて感じ、霧島に天ぷらにはソースをかけると言うとドン引きされたのであった。

吉乃の病院嫌い

高熱を出したときに霧島に病院に連れて行かれた吉乃

昔から気に入らないことがあるとメェメェと鳴く吉乃は、東京に来て初めて熱を出したときもメェメェと鳴いていた。病院が嫌いな吉乃は意識が朦朧(もうろう)としている中でも「メ゛ェ~」と霧島に抗議する。

刺青(いれずみ)の目潰し

ヤクザの背中には刺青(いれずみ)が彫られていることが多く、布袋や翔真、霧島の背中にも大きな刺青が彫られている。吉乃は白いシャツ越しに見える虚空蔵菩薩(こくうどうぼさつ)に目潰しするのが癖であり、布袋は吉乃の前では白いシャツを着るのをやめている。成長した今でも吉乃はたまに霧島の背中の虎に目潰しする。ちなみに翔真の背中には龍が彫られている。

萼と霧島は下戸

大阪でのお墓参りを済ませた吉乃一家と霧島は宴をしていた。そこで初めて霧島がお酒が飲めない下戸(げこ)だということが判明する。吉乃はこのことを知らなかったが、霧島の祖父の萼(がく)も下戸で甘い物ばかり食べていたので、蓮二は霧島も下戸なのではないかと思っていた。若かりし頃の蓮二は近くで火事が起きたのにも関わらず、お酒を呑んで寝てしまった萼を背負って1kmほど走ったと言う。

萼とそっくりな霧島

蓮二は萼が初めて買った車を勝手に借りて川に突っ込んだ話をする。その話がツボに入った霧島は大声を上げて笑っているが、若かりし頃の萼も今の霧島のように笑い、捨てられていた自転車に折れた車のサイドミラーをつけて謝りに来た蓮二をボコボコに殴っていた。

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