ファースト・ミッション（香港映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

香港警察

ウォン警部 （演：メルヴィン・ウォン）

CV：若本規夫
特捜科の警部であり、シャンヤンの上司でもある。急に部屋に入って来た部下に対し、ノックをして入室する事をやり直させたりと、細かい事に煩い。刑事に就任したシャンヤンに早々、麻薬患者を診療所に連れて行くという任務を任命する。シャンヤンが診療所で麻薬患者に罠を仕掛けた男達と格闘をした際、警官隊と共に現場に駆け付け、シャンヤンに刑事だから英雄ぶるなと警告した。
カムのもとへ宝石密輸の件で、捜査に向かうが、コーに宝石の入った鞄を持って逃亡させ、カム自身は何も知らないとシラを切る。またカムの仲間であるコーから、警官から宝石を没収され組織から狙われているから証人として自首したいと連絡が入るが、証拠が無いうえ宝石も没収していないと告げる。しかし宝石が無いと自分は始末される、組織を取り押さえて欲しいとコーが訴え、仕方なくシャンヤンに供述を取る様に指示し、他の警官達も見張りを付ける事となった。やがて宝石の窃盗容疑にシャンタクの名が上がり、シャンヤンの自宅に数人の警官達と向かう。そしてシャンタクを逮捕しようとするも、彼は怖がり抵抗した挙げ句、その場から逃げ出してしまう。シャンヤンも、シャンタクは自分が連れて行くから乱暴しないでくれと説得し、それに同意し警官達とその場を撤退する。
シンジケート一味にさらわれたシャンタクを助けに向かう為に、機動隊を振り切り、シンジケート一味がいる建設ビルへ向かったシャンヤンや他の警官達の後を追う。一味を倒しシャンタクを助たシャンヤンのもとへ行き、宝石窃盗容疑が掛かっているシャンタクに手錠をかけようとするが、シャンヤンが止める。シャンヤンが自らシャンタクの手に手錠をかけるのを見計らい、その場を立ち去る。
ウォン警部役を演じたメルヴィン・ウォンは、1974年に芸能界入りし、『検事Mr.ハー／俺が法律だ』（1986年）や『食神』（1996年）といった作品に出演、シリアス、コメディー、アクション等、幅広い分野で活躍。

イアン（演：マン・ホイ）

CV：塩屋翼
シャンヤンの同僚の警官であり、小柄だが短気で喧嘩っ早い。シャンヤンが仕事中のジェニーのもとへ向かい、自分が船員に採用された事を伝え、結婚して共に乗船しないかと言っているところへ他の同僚警官達と現れる。そしてシャンヤンに対し、兄シャンタクを置いて船旅をするな、ジェニーときちんとした家庭を持てとシャンヤンに告げる。そんななか、ジェニーが数人のチンピラに絡まれているのを見かける。そこへ彼等に真っ先に文句を付け、レストラン外でシャンヤン達と共にチンピラ数人と格闘を繰り広げる。シャンヤンがチンピラ達を次々と倒していく一方、イアン自身はチンピラの一人に殴り飛ばされていた。そのうえチンピラ達が去って行った後、シャンヤンらにあまり大口叩くなと叱責されていた。
街のある食堂の店主がシャンタクに、動物の真似等という醜態をさせる場面に遭遇する。それに怒り、悪びれる様子が無い食堂店主の腹を殴り、シャンタクを連れて店を後にする。その後、シャンタクが街の食堂で酷い仕打ちを受けた件について、シャンヤンを咎める。それに対し逆上したシャンヤンと大喧嘩をしてしまう。最終的にシャンヤンは兄シャンタクと涙ながらの和解をし、その様子を見てイアンも思わず涙する。
シャンヤンや同僚達と共にシンジケート一味のいる建設ビルに向かい、銃を片手に持ちながら自身の身軽な体で奮闘する。そして最後は数人の同僚の警官達と共に、シンジケートの手下達に向けて手りゅう弾を投げつけ、彼等はビルの下へ吹き飛ぶ。シンジケート一同は取り押さえられるが、さらわれていたシャンタクを助け出したシャンヤン、及び自分を含む同僚達も逮捕され刑務所での生活を送る事となる。シャンヤンより先に刑務所を出所した為に、彼が出所するまでの間、他の同僚達やジェニーと共にシャンタクの面倒を見ていた。
イアン役を演じたマン・ホイは、春秋戯劇学校出身で子役時代から『帰って来たドラゴン』（1974年）等に出演し、1980年代以降はミシェール・ヨー主演『レディ・ハード 香港大捜査線』（1985年）や『ファイヤー・ドラゴン』（1986年）といった作品に出演、その特徴的なキャラクターで注目される。2000年代も、ドニー・イェン主演『カンフー・ジャングル』（2014年）等に顔を出している。

特警隊隊員1（演：ユン・ワー）

CV：田原アルノ
シャンヤンの同僚警官である。シャンヤンが、ジェニーの仕事先のレストランにて自分が船員に採用された事を伝え、結婚して共に乗船しようと伝えているところへ、イアン達と共に現れる。兄シャンタクを置いて船旅はせずに、ジェニーとちゃんとした家庭を持つ様にシャンヤンに伝える。そこへジェニーが数人のチンピラに絡まれているのを見たイアンが文句をつけ、その結果チンピラ数人とレストラン外で格闘を繰り広げる事となった。チンピラと頭突きをしたり投げられたりと、体を張った。チンピラ達が去って行っていくなか、彼等に文句をつける、かつ一番弱かったイアンを𠮟責していた。
シャンタクがシンジケート一味にさらわれた際、シャンヤンに助けを求められ協力を承諾する。そしてイアン達と共にカム達がいる建設ビルへ向かい、手下数人と格闘を展開する。最後はイアン達と共に、手下達に向けて手りゅう弾を投げつけ、彼等はビルの下へ吹き飛ぶ。シンジケート一同は取り押さえられるが、シャンタクを助け出したシャンヤン及び同僚達も逮捕されてしまい、刑務所での生活を送る事となる。その後シャンヤンより先に刑務所を出所し、彼が出所するまでの間、イアン達やジェニーと共にシャンタクの面倒を見ていた。
特警隊隊員1役を演じたユン・ワーは、サモ・ハン・キンポー、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウらと同じ中国戯劇学院の出身であり、1970年代にはブルース・リーのスタントを多くこなし、その身軽な身体能力は周囲から支持を得た。やがて俳優業にも進出し、『イースタン・コンドル 』（1987年）や『サイクロンZ』（1988年）等における強烈な悪役キャラや並外れたアクションは、観客の度肝を抜いた。2000年代以降も、『カンフーハッスル』（2004年）や『イップ・マン外伝 マスターZ』（2018年）といった作品に顔を出し、多くのファンを喜ばせている。

特警隊隊員2（演：チン・カーロウ）

シャンヤンの同僚警官で、シャンヤンの彼女ジェニーが仕事先のレストランで数人のチンピラ絡まれていた際、シャンヤン及びイアン達と共にそのチンピラ数人とレストラン外で格闘を繰り広げる。チンピラから背中を強く痛めつけられたり、逆にチンピラの首を失神寸前まで絞め上げていたところをシャンヤンに止められていた。
物語後半、シャンヤンの兄シャンタクがカムが率いるシンジケート一味にさらわれた際、シャンヤン達が彼等がいる建設ビルへ向かう。機関銃を手にし、カムの部下達に対抗した。そしてイアン達と手りゅう弾を部下達へ投げつけ、彼等はビルの下へ吹き飛んだ。シンジケート一味は取り押さえられるが、シャンタクを助け出したシャンヤン及び同僚警官達も逮捕され、刑務所での生活を送る。その後シャンヤンよりも先に刑務所を出所、彼が出所するまで、イアンやジェニーらと共にシャンタクの面倒を見た。
特警隊隊員2役を演じたチン・カーロウは、1980年代にサモ・ハン・キンポーのスタントチームのメンバーとして活躍。俳優としても『霊幻道士完結篇 最後の霊戦』（1988年）や『フル・スロットル 烈火戦車』（1995年）といった作品に出演。2000年代以降は監督業に専念する様になり、岡村隆史主演『無問題2』（2002年）や『ワンナイト・イン・モンコック』（2004年）等での監督やアクション演出を手掛ける。

特警隊隊員3（演：チャン・ルン）

CV：塩屋浩三
シャンヤンの同僚警官で、シャンヤンやイアン達と共に数人のチンピラに絡まれていたジェニーを助ける為に、彼女の仕事先のレストラン外で格闘を繰り広げる。チンピラと共に腕競べをするかの様な格闘をするなか、他のチンピラ達との勝負をしたシャンヤン達が集まり、自分と格闘をしていたチンピラはシャンヤン達を見て、他のチンピラ達と逃げ出した。
物語後半、シャンヤンの兄シャンタクがカムが率いるシンジケート一味にさらわれた際、シャンヤン達が彼等がいる建設ビルへ向かう。ビル内にてイアン達がカムの部下達と戦うなか、建物内の一角で足を踏み外し、失神。その後、シンジケート一味を取り押さえ、シャンタクも助け出すがシャンヤンや同僚警官達も逮捕され、刑務所での生活を送る。シャンヤンよりも早く刑務所を出所し、彼が出所するまでの間、イアンやジェニーらと共にシャンタクの面倒を見た。
特警隊隊員3役を演じたチャン・ルンは、1970～1980年代に映画に脇役として多く出演、『モンキーフィスト／猿拳』や『妖術秘伝・鬼打鬼』（1980年）等、サモ・ハン・キンポーやユン・ピョウ出演作品にも度々顔を出した。

特警隊隊員4（演：ユン・ケイ）

CV：小室正幸
シャンヤンの同僚の警官であり、数人の同僚警官の中では一番出番が少ない。シャンヤンの彼女ジェニーが仕事先のレストランにて数人のチンピラ絡まれていた際、シャンヤン及びイアン達と共にそのチンピラ数人とレストラン外で格闘を繰り広げた。
シャンヤンの兄シャンタクがカムが率いるシンジケート一味にさらわれた際、シャンヤン達が彼等がいる建設ビルへ向かい格闘を展開するなか、現場には向かわなかった。そして一味と共にシャンヤン達が逮捕される際、特警隊隊員として現場に向かい、逮捕される同僚達と遭遇、何故自分も誘わなかったと聞く一方、厄介事に巻き込まれずに済んだとも告げた。
特警隊隊員4を演じたユン・ケイは、サモ・ハン・キンポーやジャッキー・チェンらと共に中国戯劇学院を出て、自身は主に裏方としての仕事に就き、真田広之主演の『龍の忍者』 （1982年）で監督デビュー。以降、『方世玉』2作品（1993年）や『ターゲット・ブルー 』（1994年）といった数多くの作品を手掛け、『X-メン』（2000年）や『トランスポーター』シリーズ（2002・2005・2008年）等の海外作品でも、そのスピーディーでキレのあるアクション演出は評価が高い。俳優としても、『チャウ・シンチー 新精武門 』やアンディ・ラウ主演『神鳥聖剣』（1991年） 等に出演。

特警隊指揮官（演：ラム・チェンイン）

CV：沢木郁也
特殊警察隊の指揮官であり、シャンヤンら警官達を厳しく指導する。ゲリラ隊と防衛隊という設定での訓練のなか、ゲリラ隊の一人に扮したシャンヤンに銃を突きつけるが、スキを突いたシャンヤンが銃を払い彼と格闘した後、逆にシャンヤンに銃を突きつけられる。ここで、一同に訓練終了の合図を送り、一同を集める。そして訓練は成功だが、行動は最低だと厳しく評価し、一同の休暇を取り消し、みっちり訓練を行うと告げる。
物語後半、シンジケート一味に連れ去られたシャンタクを助け出す為に、一味の仲間であるコーを連れて一味のもとへ向かおうとしたシャンヤン達に対し、コーのいるビル周辺にて特警隊員達と共に厳重な警備を敷く。シャンヤンがビルの入口にてクラクションを鳴らし車で逃走、それに気付き特警隊員達とバイクや車で追跡する。街での激しいカーチェイスの末、シャンヤンに逃げられてしまう。その後、シンジケート一味と対決し、シャンタクを助け出すも、連行されるシャンヤンのもとへ歩み寄り、出所したら面倒みてやると告げたのだった。
特警隊指揮官役を演じたラム・チェンインは、1970年代よりスタントマンとして活躍、ブルース・リー作品にも出演、『燃えよドラゴン』では武術指導補佐を務めた。1980年代からはサモ・ハン・キンポーのスタントチーム「洪家班」のメンバーとして活躍する傍ら、俳優としても活躍し始める。なかでも1985年からシリーズ化された作品『霊幻道士』の道士役は当り役となった。晩年は病魔と闘いながら撮影に臨んだが、1997年11月に44歳の若さで亡くなった。

シンジケート

カム・ティンチュン（演：ジェームズ・ティエン）