レディ・イン・ザ・ウォーター(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『レディ・イン・ザ・ウォーター』とは2006年に公開されたファンタジームービー。『シックス・センス』(1999)など衝撃的な結末の映画が大ヒットしたM・ナイト・シャラマンが監督を務めた。殻に閉じこもった人生を送っていたある中年男が、海の精に出会う。中年男は周囲の人々と協力して、海の精を助け、世界を救うために大奮闘する。天敵の恐ろしい魔物も登場し、危険と困難を伴うミッションを通して、中年男は失っていた自信を取り戻し、人生を見つめ直す。現代に蘇ったおとぎ話が、大きな感動を与えてくれる作品だ。

スクラントとの対決を試みたクリーヴランドだったが、予想に反して襲われそうなる。
しかしちょうどハリーが通り掛かり、人目を嫌うスクラントは姿を消し、なんとか事なきを得た。
クリーヴランドは関係者以外を巻き込まないよう、何事もなかったように振舞い、ハリーが今日見た映画についてさりげなく尋ねた。
するとハリーは映画で登場した雨のシーンをこき下ろし、「なぜ映画の登場人物は傘をささない?」とバカにしたようにクリーヴランドに問う。
クリーヴランドは「それはおそらく、体を浄化し、新しく生まれ変わるという暗喩では?」と答えた。
今作の最後のシーンであるグレート・イートロンの来訪の際にも、クリーヴランド達は激しい雨に打たれる。
この雨が心を閉ざしていたクリーヴランドが、ストーリーとの不思議な体験を通して自信を取り戻し、自らが浄化されていく様を暗喩している。

リーズ氏「人は救われる価値があるかな?」

クリーブランドに問いかけるリーズ氏

クリーヴランドがパーティーへの参加をリーズ氏に呼び掛けると、リーズ氏はいきなり「人は救われる価値があるかな?」と問いかける。
クリーヴランドはその問いに力強く「あります」と返答する。
リーズ氏はクリーヴランドの過去を知っており、「過去からは逃げられない」「私のようにはなるな」と含みを持った言葉をクリーヴランドに投げかけた。
戦争関係のTVばかり見ているリーズ氏は、どうやら過去に戦争で立ち直れない程の経験をし、このアパートに引きこもっているのだろうと推察される。
この言葉をきっかけに、心を閉ざしていたクリーヴランドに過去に向き合おうとする意識が生まれる。
またクリーヴランドは後にこのやり取りを思い出し、彼が「尊い発言をした男」 であることに気付く重要なシーンだ。

『レディ・イン・ザ・ウォーター』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

デュリー氏役は海外ドラマ『ウエストワールド』の俳優

クロスワードパズルを解きながらクリーブランド(右)と話すデュリー氏(中央)とジョーイ(左)

デュリー氏役を演じたジェフリー・ライトは海外ドラマ『ウエストワールド』にて主要キャストの1人を務めた役者である。
『ウエストワールド』とは2016年から放映されているSFドラマシリーズ。
近未来が舞台のこの映画は、体験型テーマパーク「ウエストワールド」において、人間に操られ虐げられてきたAIロボットが反逆を起こすというストーリーだ。
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(2019)の監督など、数々の映画やドラマをヒットさせたJ・J・エイブラムスが製作総指揮を務めた。
練られた脚本と緻密なCG映像が話題を呼び、エミー賞で音響効果賞、特殊効果賞など5部門に輝いた作品だ。

自信家ハリーの最期

物語の登場人物の特徴について自信満々に語ったハリーだが、今作の現代版おとぎ話の中では全くもって見当違いであった。
自信過剰で嫌味なハリーは、歓迎パーティーの主役であるにも関わらず誰にも相手にされない。
そこで酔っぱらってフラフラと歩き回っていた彼は、偶然スクラントに遭遇してしまう。
ハリーは恐怖を感じながらも、もしこれがホラー映画ならば自分のようなキャラクターは助かるはず、とまたもや自信満々に予想する。
しかし、この予想はまたもや見事に外れ、スクラントの餌食となってしまう。
スクラントの恐ろしさが表現されたシーンであるが、ハリーのコケティッシュな様子が笑いを誘う場面でもある。

ゴールデンラズベリー賞にノミネート

この作品は第27回ゴールデンラズベリー賞の最低作品賞他全4部門にノミネートされた。
ゴールデンラズベリー賞とは、アカデミー賞授賞式の前夜にその年で最低と評価された映画を表彰する授賞式。
ユーモアを愛するアメリカらしい賞の1つで、年によっては心底つまらない作品を選ぶ場合もあるが、一方で熱狂的なファンにしか支持されない異色作に与えられることがある。
つまりこの賞を受賞すること自体が話題作という側面があり、栄誉ある賞としても捉えられている。
今作は最低作品賞受賞は逃したものの、最低監督賞・助演男優賞(シャマラン本人)の2部門受賞という結果となった。

『レディ・イン・ザ・ウォーター』の主題歌・挿入歌

ED(エンディング):ア・ウィスパー・イン・ザ・ノイズ 「時代は変わる」

『時代は変わる』(原題:『The Times They Are a-Changin』)は、1964年にリリースされたボブ・ディランの曲。
ロックの殿堂「ロックン・ロールの歴史500曲(500 Songs that Shaped Rock and Roll)」の1曲にも選出されている大ヒットナンバーだ。
この名曲をウェスト・ソードソンを中心とした音楽プロジェクト「ア・ウィスパー・イン・ザ・ノイズ」がカバーした。

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