やたもも(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『やたもも』は、『ハッピークソライフ』や『カラーレシピ』などでも有名な漫画家・はらだによるコメディBL漫画である。2014年から2017年ににかけて『Qpano』で連載され、単行本化もした。単行本は全3巻。
生活能力のないビッチ・モモとその彼氏・八田(やた)ちゃんが、モモの過去に起因するトラブルを解決しながら仲を深めていく様子を描いている。ドラマCD化もされており、BLファンから根強い人気を誇る名作である。

飲食店や夜の店を経営している。モモの母親が以前勤めていた店で彼女の担当をしており、その縁でモモと知り合う。そのままモモを養い、生活や金の面倒を見ていた。モモ曰く「八田ちゃんよりチ〇コ小さいし持久力もないしプレイも変態くさいのばっか」な男。妻と幼い息子がいる。

須田の妻

もとは須田に雇われた家政婦。須田とモモの性行為を見ても動じず、汚れたシーツや部屋の掃除も顔色一つ変えずにこなす。表情が変わらず、何を考えているのかわかりづらい。しかし、須田の子を妊娠した時にはモモに「須田をわたしにください」と涙ながらに懇願した。須田とは一度別居したが、よりを戻した。

モモの母親

16歳の時にレイプされ、一人ぼっちでモモを産み育てた。家に連れ込んだ彼氏をことごとくモモに寝取られ、モモを男性に売って金を得ていたことも。関係が悪化したままモモを見捨てて出ていった。モモとのことをずっと思い悩んでおり、結婚・海外移住を前に過去を清算しようとモモと八田の前に現れる。

ホームレスのおっちゃん

物語の合間合間に現れる、モモと仲良しのホームレスの老人。物語終盤では、彼の浮気が原因で別れたパートナーとよりを戻している。

『やたもも』の用語

パトロン

一般的には特定の個人、団体などの経済的な後援者のことをいう。須田は、モモの衣食住を整えるなど世話をしていたが、その対価として激しい性行為やプレイを要求していた。

『ちぎられたロマンス』

栗田が執筆し、書籍化されたボーイズラブ小説。モモと八田をモデルにしている。

『やたもも』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

拉致されたモモを須田の自宅まで助けに行くシーン

薬を盛られ、元パトロンの須田に拉致されてしまったモモ。そんなモモの帰りが遅いことを心配した八田は須田の家まで向かうが、モモはすでに開放された後だった。手ひどく抱かれ叩かれた跡もあるのにへらへらと笑うモモに「なんでこんなことされたのに笑ってんだ」と怒り、涙を流す八田。痛みに鈍感になってしまったモモと、そんな彼を救いたい八田の振る舞いが切ないシーン。

八田「我慢して笑うのやめろよ」

母親と再会し、自らが母とそのレイプ相手の間にできた子だと知ったモモ。傷ついた心を隠していつも通りに振る舞うが、八田には内面を見抜かれてしまう。いつものように性行為に持ち込もうとするモモに向かって、八田が諭すように伝えたセリフが「我慢して笑うのやめろよ」という一言。この一言をきっかけに、モモは初めて涙を見せて本心を吐露した。

モモ「俺は八田ちゃんに出会ってからもっとダメダメになっちまったなあ」

八田の優しさに触れ、つらいことをつらいと認識できるようになったモモ。

号泣しながら八田にすがり、気持ちを吐き出したモモ。母親に敵視されいろんな男に金と引き換えに抱かれ、苦しい過去を笑って受け流すことで自分を保っていたのだった。しかしそれをよしとしない八田との出会いにより、モモは徐々にその苦しさ、つらさを自覚していく。八田に甘えてしまっている自分を自覚しているモモがが涙ながらにつぶやいたのが、「俺は八田ちゃんに出会ってからもっとダメダメになっちまったなあ」という言葉。目の前の嫌なものから表面的に逃げ続けていたモモの、成長と変化のきっかけとなったシーンである。

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