IA(VOCALOID)の徹底解説まとめ

IA(いあ)とは、音楽や映像、ソフトウェア等の企画・開発・販売を行っている会社「1st PLACE」から発売されている音声合成ソフト・デスクトップミュージック(DTM)用ボーカル音源の1種およびキャラクターである。1st PLACE所属のアーティスト・Lia(りあ)の声をもとに制作された。音声合成ソフトである他、1st PLACE所属の「バーチャルアーティスト」としてバーチャル空間プロジェクト「仮想惑星HABINA」に携わるなど、様々な活動を展開している。

IAの概要

IA(いあ)とは、音楽や映像、ソフトウェア等の企画・開発・販売を行っている会社「1st PLACE」から発売されている音声合成ソフト・デスクトップミュージック(DTM)用のボーカル音源の1種およびキャラクターである。楽器や電子音楽器機のブランドの1つであるヤマハが開発した音声合成システム『VOCALOID』シリーズの3機目にあたる『VOCALOID3』に対応したボーカル音源であり、メロディと歌詞を入力し、音源に歌わせる仕組みとなっている。後続のシリーズには、名古屋工業大学学内ベンチャー企業のテクノスピーチやデジタルサイネージのブイシンク等の複数の企業で構成されているプロジェクト『CeVIO』から開発されたソフト『CeVIO Creative Studio』を使用したIAシリーズも存在する。

なお「IA」という名前は、略称およびファンからの呼称であり、ソフトウェアとしての正式名称は『IA -ARIA ON THE PLANETES-』である。発売日は2012年1月27日。発売当初は『VOCALOID3』に対応した歌声ライブラリのみが搭載されたボカロであった。後に新たな歌声ライブラリとして『IA ROCKS -ARIA ON THE PLANETES-』の発売が行われ、オリジナルの歌声に加え、ロック向きのパワフルな歌声の制作が可能となった。さらに『CeVIO Creative Studio』を用いたソフトの発売も行われる。『CeVIO Creative Studio』は、文章を入力する事で音声を合成し読み上げる「トーク機能(Text-To-Speech)」と、歌詞とメロディを入力する事で歌いあげる「ソング機能(ボーカルシンセサイザー)」、2つの機能を持つ音声合成ソフトとなっており、これによりIAは歌唱以外のボイス音源を作る事が可能となった。そのほかにも『CeVIO Creative Studio』を用いたソフトとして、英語に対応した英語ソングライブラリ『IA ENGLISH C -ARIA ON THE PLANETES-』の発売も行なわれている。

またソフトウェアとして進化し続けるだけではなく、「IA」というキャラクターそのものも1st PLACE所属の「バーチャルアーティスト」として様々な活動展開を開始する。北米での海外ツアーや日本国内ライブの開催、YouTubeでの配信活動、トートバッグやアクリルキーホルダーなどのグッズ販売、さらにはIA専用の音楽ゲーム『IA/VT -COLORFUL-』の発売も行なわれている。2021年からは、1st PLACE企画のバーチャル空間プロジェクト「仮想惑星HABINA」にも携わるようになり、ソフトウェアの壁を越えた新たな活動の展開を続けるボカロとなっている。

IAの歴史

2012年、IA誕生

2012年に発売された『IA -ARIA ON THE PLANETES-』のパッケージ。

2012年1月27日、IA発売。ヤマハの音声合成システム『VOCALOID』シリーズの3機目にあたる『VOCALOID3』を使った音声合成ソフト『VOCALOID(ボカロ)』として、音楽や映像、ソフトウェア等の企画・開発・販売を行っている会社「1st PLACE」にて制作された。
ボイスのもととなったのはアーティストのLia。LiaはIAの開発元である1st PLACE所属のアーティストであり、圧倒的な歌唱力と透明感のある「クリスタル・ヴォイス」を持つ歌姫として称賛されていた。IAはその歌声を受け継いだボカロとして発表される形で売り出された。人気歌手の歌声が音源のもととなっている事や、それまでに発売されてきたどのボカロよりも人間らしく、聞き取りやすい歌声であった事から、ボカロで楽曲制作を行うボカロP達から注目されるようになる。さらには1st PLACE所属のアーティストであり、ボカロP じん(自然の敵P)がIAを使用した楽曲を多く発表した事を通じて、IAは多くのボカロファンの目につくようになる。じん(自然の敵P)はIA発売当時(2012年時点)に『カゲロウプロジェクト』と呼ばれる楽曲シリーズで人気を博す事になったボカロPである。『カゲロウプロジェクト』は、楽曲をもとに小説化や漫画化、さらにアニメ化も行われる大きなプロジェクトとなり、2020年代に入ってからも多くの人々から支持され続けている。じん(自然の敵P)以外にも、投稿楽曲の全てが再生回数ミリオンを達成し続けた伝説の音楽サークル「KEMU VOXX」によるIAソングの発表なども行なわれ、IAは爆発的速度でボカロ界にその存在を知らしめていく。また、じん(自然の敵P)の制作したIAソングの中には、フェスティバルやスポーツ大会などのテーマソングとして制作されたものもあり、IAはボカロ界以外の人達からもその存在を広く認知されていくようになる。

『VOCALOID3』から「CeVIO」への移行

2017年に発売が決まった『IA Talk』の体験版ダウンロードページの画面。

2014年、『VOCALOID3』を用いた新たなIAのソフト『IA ROCKS -ARIA ON THE PLANETES-』(通称:IA ROCKS)が発売される。オリジナルのIAよりも、パワフルな歌声が出せるソフトとして売り出され、IAの歌唱バリエーションを豊かにする事となった。
さらに2017年、新たなIAのソフト『IA Talk -ARIA ON THE PLANETES-』(通称:IA Talk)が発売される。このソフトはこれまで『VOCALOID3』をエンジンとしてきたIAのソフト達とは異なり、複数の企業によるプロジェクト「CeVIO」が制作したソフトウェア『CeVIO Creative Studio』を用いて制作されたソフトとして発表された。『CeVIO Creative Studio』は打ち込んだ文章を読み上げてくれる「トーク機能(Text-To-Speech)」が備えられたソフトウェアとなっており、『IA Talk』はトーク音源制作専用のソフトとして売り出されたものだった。
元々ボカロは歌唱音源を制作する為に作られたDTMソフトウェアであったが、『初音ミク』が生み出した爆発的なボカロブームがネット界に拡散されていく内に、ボカロを歌わせるだけではなく「喋らせる」事に注目した動画の制作も行なわれるようになっていた。本作はその需要性を意識して作られたトークソフトウェアだと推測される。
また『IA Talk』以降、IAは『VOCALOID3』ではなく、CeVIOの作り出したソフトウェアをもととした音声合成ソフトを生み出すようになる。『IA Talk』発売翌年の2018年には、『CeVIO Creative Studio』を用いた英語歌唱ソフトとして『IA ENGLISH C -ARIA ON THE PLANETES-』(通称:IA ENGLISH)が発売。2021年にはCeVIOがAI技術を用いて開発したソフト『CeVIO AI』を使ったトークソフト『CeVIO AI IA TALK -ARIA ON THE PLANETES-』が発売された。なお『IA ENGLISH C -ARIA ON THE PLANETES-』はCeVIO初の英語歌唱ソフトとなっている。
こうして『VOCALOID3』からCeVIOに移項する形で、IAは音声合成ソフトとしてもとに進化をしていく事となったのである。

バーチャルアーティストとしての活動展開

バーチャルアーティスト・IAの初となるワールドツアー『PARTY A GO-GO』のライブ風景。

ソフトウェアとしての発展を遂げていく傍ら、IAは1st PLACE所属のバーチャルアーティストとしての活動も展開していくようになる。
ライブやアパレルブランドとのコラボアイテムの展開に加え、国内最大級の動員数を誇るモータースポーツの大会『SUPER GT』のテーマソングを2年連続担う等、多くのアーティストとしての功績を作りあげていく。その活動は国内のみに留まらず、海外へと活動域を広げていく事となる。なかでも2015年に開催されたIAのワールドツアーは、日本(東京)に加え、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、上海、香港、コスタリカ、全7都市での開催が行われた他、映画館でのライブ上映会が世界100都市で行われ、IAのライブの中において最も大規模なライブとなった。延べ2万人を超える動員数を記録した事も判明しており、人々にバーチャル・シンガー・IAの人気が世界規模に広がっている事を再認識させるものとなった。
また同年1月には、IAの誕生3周年を記念したライブ&トークイベントがネット配信という形で開催されており、視聴者の数は47000人を超えたという。また同年4月には、日本テレビで放送された番組「ミュージックアレンジバトル!歌編」にIAが出演。Twitterのトレンドに「IAちゃん」の言葉が乗る程の大反響を呼ぶ事となった。それから3ヶ月後の7月には、PS Vita用のソフトとしてIAの公式音楽ゲーム『IA/VT -COLORFUL-』も発売。テーマソングはじん(自然の敵P)による書き下ろし楽曲が使用され、IAファンに加え、じん(自然の敵P)ファン歓喜のゲームとなった。
2019年には、実はIAが「惑星ARIA出身の七色に光る魂を持つ精霊」という存在であった事が明かされる。「『生命』、『愛』、『平和』(通称:LLP)を歌い続け調和を取り戻すために地球の危機に飛来した」という事が判明し、IAの予想外の正体にファンは衝撃を受ける事となる。それから2年後の2021年、IAの「惑星ARIA出身の七色に光る魂を持つ精霊」という設定を活かしたMMO型バーチャル空間プロジェクト「仮想惑星HANABI」が開始される。「惑星ARIA」と「地球」、それぞれの星の素晴らしさを取り入れたハイブリット仮想惑星「HABINA」を制作する事が目的のプロジェクトとなっており、IAは1st PLACE所属のバーチャルシンガー兼惑星ARIAの精霊として、本プロジェクトに参加。ソフトウェアの域を超えたボカロキャラクター兼バーチャルシンガーとして、その活動の域を広げていくのであった。

IAのソフト一覧

IA -ARIA ON THE PLANETES-

『IA -ARIA ON THE PLANETES-』版のIA。

IAシリーズ最初のソフト。略称は『IA』。発売日は2012年1月27日である。ヤマハが開発した音声合成システム『VOCALOID』シリーズの3機目『VOCALOID3』をもとに制作された音声合成ソフトとなっている。ボイスは開発元である1st PLACE所属のアーティスト・Liaの声をもとに制作された。得意な歌唱テンポは63 - 228BPM。得意な音域はB2 - A4である。

外見はベージュともピンク色にも見える髪色の長髪が特徴的な、おとなしい雰囲気の顔立ちの少女となっている。対し服装は襟元の広いシャツやピンク色のミニスカートなど、全体的にパンクな雰囲気のものとなっている。キャラクターデザインを制作したのは、イラストレーター兼漫画家の赤坂アカである。「身長は140cm台」、「髪の色はベージュがかった灰色で、光の当たり具合によりピンクや青にも見える。」、「性格は無口・天然。話が通じなさそう。」の3点をイメージしてIAのデザインを行った事が、赤坂アカ本人により明かされている。

IA ROCKS -ARIA ON THE PLANETES-

『IA ROCKS -ARIA ON THE PLANETES-』版のIA。

IAシリーズ、2つ目のソフト。通称、『IA ROCKS』。初代 『IA -ARIA ON THE PLANETES-』同様に『VOCALOID3』に対応した歌声ライブラリである。発売日は2014年6月27日。
初代の歌声よりもパワーのある力強い歌唱表現を可能とした歌声ライブラリ『IA ROCKS』が収録されている。これにより、前作以上の幅広い種類の歌唱制作が行なわるようになった。得意なテンポは95 - 228BPM。得意な音域はB2 - A4である。
キャラクターとしての容姿は、『IA -ARIA ON THE PLANETES-』の頃に着ていたシャツが脱がれ、トップスがタンクトップ1枚になった事を除いては 『IA -ARIA ON THE PLANETES-』の頃とあまり変化がない。

IA Talk -ARIA ON THE PLANETES-

IAシリーズ、3つ目のソフト。通称、『IA Talk』。発売日は2017年3月1日である。
ヤマハの『VOCALOID3』をもとにしていた前作『IA ROCKS -ARIA ON THE PLANETES-』までのIAのとは異なり、複数の企業によるプロジェクト「CeVIO」が制作したソフトウェア『CeVIO Creative Studio』をもとに制作されたトークライブラリとなっている。『CeVIO Creative Studio』に備えられた打ち込んだ文章を読み上げてくれる「トーク機能(Text-To-Speech)」の使用を行う事で、歌唱ボイス以外のボイスの制作が行える。
容姿の変化は特になく、前作『IA ROCKS -ARIA ON THE PLANETES-』と同様の外見が用いられている。

IA ENGLISH C -ARIA ON THE PLANETES-

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