沙耶の唄(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『沙耶の唄』とは2003年12月にゲーム会社ニトロプラスにより発売されたPC専用アダルトゲームである。主人公・匂坂郁紀はある時事故にあったことから生死の境をさまよい、奇跡的に助かったものの郁紀は五感のすべてが事故前とは大きく変わってしまった。景色は豚の内臓をぶちまけた様なものになり、人間は奇妙な肉塊に見えてしまい発狂しそうな生活の中で、唯一人間の姿をしている美少女・沙耶に出会ったことで郁紀は沙耶に惹かれて共に生活を送ることになった。
脚本を『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄が務める。

『沙耶の唄』の概要

『沙耶の唄』とはアダルトゲーム会社のニトロプラスより2003年12月に発売されたPC専用アダルトゲームである。

ジャンルはサスペンスホラーADV。脚本をアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本を務めた虚淵玄(うろぶちげん) が担当する。キャラクター原画を中央東口が担当する。

プレイ時間が5時間ほどと短い物のなっており、そのためゲームの価格も他のゲームと比べて安いのが特徴。他作品は5000円以上するが、『沙耶の唄 Nitro The Best! Vol.2 Windows 10対応版』はパッケージ版が2800円+税、ダウンロード版が2300円+税となっている。更に2009年7月には廉価版『沙耶の唄 Nitro The Best! Vol.2』が発売。2013年2月にはあそべる!BDゲームでBD-PGへの移植版が発売。2013年4月には一部演出を変更したAndroid移植版ビジュアルアーツのアプリマーケット『アニゲマ』にて配信開始された。

本作の大筋である狂った世界の中で人間として見えるヒロインという構図は漫画家手塚治虫の作品である『火の鳥 復活編』のオマージュであり、さらに別の宇宙からやってきた生命体などクトゥルフ神話の要素が合わさったものになっている。クトゥルフ神話の要素として表立った用語は登場しないが、クトゥルフ神話ならではの異界、狂気、禁忌といった要素が色濃く出ている。

エンディングは全部で3つある。

ニトロプラスは処女作である『Phantom』以来ハードな作風のゲームでファンから愛されていたが、『沙耶の唄』はこれまでのニトロプラスのゲームとは雰囲気が違うと話題になった。キャッチコピーは「それは世界を侵す恋」とあり、ハードで鬱要素の濃いシナリオ書くことで定評のある虚淵玄が恋愛ものを書いていると強調した宣伝がおこなわれていた。
また、通販サイト「げっちゅ屋」の紹介記事に添えられていた宣伝文では普通の恋愛もののように書かれていた。
以下、宣伝文。

ニトロプラス・アクションシリーズでお馴染みの虚淵玄&中央東口の両氏が、今回は得意とするアクション活劇路線はあえてとらず、男女の恋愛物語、そしてアダルトゲームとしてのHCGの充実など、新しい作風へとチャレンジした意欲作となっている。医科大学に籍を置く男女4人の恋物語。そして、ある日とつぜん郁紀の家へと転がり込んでくる謎の少女・沙耶。人知れず悩みを抱えた一人の青年が、様々な人々との出会いと別れを経験し、ついには自分なりの人生を切り開いていこうと歩み出す…。内容はアドベンチャータイプのマルチエンディングを採用。低価格設定の短編ものではあるが、両氏の作り出す新しい作品に触れてみてはいかがだろうか。

出典: web.archive.org

しかし、このあらすじは「嘘は言っていないが、同時に真実も言っていない」といったもので、サスペンスホラーの要素を意図的に隠したあらすじであり、発売後は修正されている。
以下、修正後の宣伝文。

ある日、交通事故によって生死の境を彷徨うハメとなってしまった主人公“匂坂郁紀”。
なんとか一命は取りとめたものの、手術のために一時的に視力を失うことに。
そして、治癒が進み、徐々に視力が回復するにしたがって、彼はこの世界が狂気を帯びた姿に変貌していることに気づく。
あらゆるモノがすべて、彼の記憶にないカタチをとり、時として人の言葉さえ異界の響きに感じる。
だが、彼の周囲では見慣れたはずの街並みが広がり、馴染みの友人たちがいて、ありふれた日常が繰り返されていた。
郁紀ただひとりが、当たり前の日常を認識できなくなってしまったのだ。
彼に親しい者たちが異変に気付き、救いの手を差し伸べようにも、友人たちの声は決して郁紀に届かない。
そんな郁紀の前に、一人の謎の少女が現れたとき、彼の狂気は次第に世界を侵蝕しはじめる……。

出典: www.getchu.com

短編で値段も安価であることなどからメーカーサイトから「ニトロプラス入門ゲーム」との謳い文句が付けられているが、非常に人を選ぶ作品となっており、グロテスクな描写が苦手な人やホラーの耐性がない人には辛い作品となっている。

代わりに、ファンからの評価は非常に高く「愛について考えさせられる純愛ゲーム」と評価されている。

『沙耶の唄』のあらすじ・ストーリー

はじまり

主人公・匂坂郁紀(さきさかふみのり)は目の前で金切り声を上げて会話をする3つの肉塊に不快さを感じていた。目の前に広がる光景は酷い物で、豚の内臓をぶちまけたような壁や床に、不気味な肉塊が金切り声をあげて喋っている。
豚の内臓がぶちまけられたようなこの空間はカフェラウンジであり、傍で喋っている3つの肉塊は郁紀の友人たちであった。3か月前に事故に遭い生死の境を彷徨って以降郁紀の生活は激変してしまったのだ。
郁紀の目には世にもおぞましい光景が広がり、常に悪臭が漂い、人間のはずのものは不気味な肉塊になり果てて金切り声を上げる生物になってしまったのだ。
郁紀はこの変化に嘆き泣き明かしたが、現状がそれで変わることもなく、残ったのは嫌悪だけであった。そして、檻付きの病院への収容を避けるために適当に友人であろう肉塊に話を合わせていた。肉塊たちの言葉は注意さえすれば雰囲気で聞き取れる程度であり、適当に相槌を打ち、性急に会話を終わらせて郁紀は座っていた椅子から立ち上がった。
郁紀は肉塊の一つから制止の声が上がったのに気付いたが、このままでは嫌悪の衝動のままに椅子なりなんなりで叩き殺してしまいそうだったために逃げるようにその場から立ち去った。郁紀は自身の目にどう物が映っていようとも、正常なのは肉塊たちの方で異常なのが自身であるとわかっていたのだ。

残された肉塊、もとい郁紀の友人たちは郁紀の適当な相槌など他者へ不快感を与えるような態度、逃げるようにその場を去ったことで重い沈黙に包まれていた。
そんななか高畠青海(たかはたおうみ)は「やってられない」とため息交じりに呟いた。そんな青海を恋人である戸尾耕司(とのおこうじ)が咎める。郁紀は両親とともに3か月前にタンクローリーの横転事故に巻き込まれてしまった。その時に両親を亡くしてしまったことで心に深い傷がを負ってしまったと耕司は考えていた。事故当時に見舞いに行った際に錯乱してベッドに縛り付けられていた郁紀の姿を思えば、社会復帰までしたことを耕司は「素直に喜ぶべき」だと青海に伝える。しかし、青海は「郁紀が自身たちを見る目は人間を見る目ではない」と不満を漏らす。耕司はさらに青海を強く咎めた。それはその場にいた津久葉瑤(つくばよう)を気遣うものであった。
瑶は郁紀に想いを寄せており、告白までしたが郁紀から返事が返ってくることはなく、そのまま郁紀は事故に遭いなあなあになってしまっていたのだ。そのことに歯がゆさを感じながらもどうしようもないことに瑶はもんもんとしていた。

一方、瑶達との会話を切り上げた郁紀は事故後から通っているT大附属病院に来ていた。通院の理由は、事故で脳挫傷を負った郁紀に行った脳神経医学で最先端の治療技術後の経過観察である。この治療法は最先端であるが故にデータが揃っておらず、危険性の伴う方法であった。そのため、施術後に重大な脳障害をきたしたケースの報告が来ていると郁紀の担当医である丹保涼子(たんぼりょうこ)は説明した。
涼子の話を聞いている間も郁紀は会話をしている体を装いながらも他者を拒絶している動作を見せた。郁紀の様子を見る限り手術は成功したにも関わらず何らかの問題を抱えているような予感が涼子はしていた。涼子は改めて医師である自身を信頼して、郁紀自身の状態についてきちんと話をしてほしいと促す。郁紀は涼子の言葉に「奥涯雅彦(おうがいまさひこ)について何か解ったことはあるか」と聞いた。奥涯とは以前にここT大附属病院に勤めていた人物であり、現在は失踪してしまっている。
奥涯の名を病院の部外者である郁紀の口から出るのは初めてではなく、先週も同じ問いを涼子はされていた。そして、涼子は郁紀の問いへの返答に窮した。郁紀は奥涯の身内の人間と懇意にしていて、その人物から調査を頼まれているからとして病院を辞めた理由を聞き出そうとするが、涼子の口は重い。奥涯はT大付属病院でとある不始末をしでかしており、警察が介入すればまずいほどのことであるが故に関係者は証拠の隠滅に当たらねばならなかった。涼子も例外ではなく、そのために郁紀の質問を嘘ではぐらかしていた。
そして、涼子は郁紀も嘘をついていると確信していた。奥涯を気にかける縁者がいないことは確認済みであったからだ。涼子は改めて奥涯について詳しく知らないと答えると郁紀はそれ以上質問をすることなく診察室を去っていった。

郁紀は目の前のおぞましい光景についての原因を自身が医大生であり脳神経外科学を専攻していたことから、ある程度の予想をつけていた。郁紀の症状は病理的なものではなく、失認症の1種であり、それも未知のタイプの失認症であると考えていた。郁紀と同じ治療を受けて脳障害になった患者がいたと涼子が言っていたため、自身もその失敗例の1つなのだろうと結論付けた。
郁紀は一生この障害とうまく折り合いをつけながら生きていくしかなく、おぞましい光景にも慣れるしかないのだと、この生活を受け入れるしかなかった。たやすく受け入れられるわけもない光景のなかでも郁紀は絶望していなかった。こんな郁紀にも希望はあったのだ。郁紀はその希望のために家路を急いだ。
山の手の郊外にある閑静な住宅街の1軒家が郁紀の自宅であり、扉を開けると弾むような少女の声が郁紀を出迎えた。その声は、肉塊が発声する金切り声とは程遠く鈴の音のような愛らしさだった。声の主に郁紀が返事を返すと、声の主は郁紀に向かって駆け寄ってきた。
声の主、沙耶(さや)は郁紀の帰宅を喜んだ。郁紀の失認症の唯一の例外の沙耶は肉塊ではなくきちんとした人の姿をしていた。沙耶は靴を脱ごうとした郁紀に抱き着く。冷たくもない粘着も悪臭もしない、紛れもない人間の肌に郁紀は安堵を覚える。もし、沙耶に出会うことがなければ、おぞましい世界で孤独に狂気に冒されていたことを考えれば、沙耶の存在は郁紀の希望であった。

昼の料理番組を見ていた沙耶が真似て作ったものを食卓に運んできてくれて、郁紀は口に入れるが、胃が痙攣しそうなほどの味であった。これは沙耶の料理が下手なのではなく、郁紀が受け付けられないだけである。沙耶は郁紀の状態を理解しているために怒ることはなく、いつか食べられるものが見つかるかもしれないと慰めた。
郁紀は奥涯について病院で聞いてきたと沙耶に報告した。沙耶は奥涯の娘であり、行方不明になっている奥涯の失踪の謎を解くことを郁紀は沙耶と約束していた。しかし、何かを知っているだろう病院側は奥涯の詳細を隠していたために、なかなか進展はしなかった。沙耶は郁紀の報告を聞いても落胆することなかったが、どこか煮え切らない表情をしていた。しかし、すぐにかぶりを振ると郁紀に笑顔で礼を述べた。そして、沙耶はまるで新妻の様に疲れている郁紀を労わるために風呂へと促した。
沙耶との情事に耽ったあと郁紀は知らずのうちに涙を流していた。沙耶がなぜ自身にここまで尽くしてくれるのかという気持ちと、自身だけが沙耶に惹かれていき、沙耶がいなくては耐えられなくなっていく気持ちが混ぜ合わさった複雑な感情に郁紀は飲まれていた。
どうやったら沙耶を失わずにいられるのか、献身的に尽くしてくれる沙耶にどう報いたらいいのか沙耶に問うと、沙耶は抱いていてと囁き答えた。身内を失った沙耶も郁紀も世界から切り離された孤独を抱えている。その孤独を埋めるすべは同じ孤独を抱える者同士でしかできないのだ。沙耶の答えに郁紀は世界がどう歪もうとも沙耶が側にいてくれるだけでいいと改めて思った。

ある日、瑶は郁紀と面と向かって話をしようと決めていた。郁紀と同じ講義を受ける時間があるのでその時を狙おうと思っていた。しかし、郁紀は事故前は瑶の近くに座っていたのに、今は人目に付きにくい最後列の席に座って瑶の近くに来ることはなかった。そんな郁紀の様子にやるせない想いを抱えつつ、瑶は講義終わりに郁紀に話しかけることに成功した。
話かけられた郁紀はあからさまに嫌な態度を取るが、以前と変わってしまった郁紀を心配して瑶は最近の郁紀の様子がおかしいと指摘する。そして、何かを我慢しているのではないかと続けた。瑶の言葉を否定しない郁紀に瑶はさらに言葉をつづけた。瑶は「辛いときにこそ友達である自身たちを頼ってほしい、1人で抱え込まなくていい」と悩みの発露を促す。しかし、郁紀は「やめてくれ」と殺意交じりの嫌悪を露わにした怒声を発して瑶の言葉を遮った。そして、郁紀は以前に瑶から告白を受けていたことを覚えており、その返事として瑶のことは「顔も見たくないほどに嫌いだ」と告げた。そのあとも冷たい言葉を郁紀から吐きかけられて、傷ついた瑶は泣き崩れるという無様を晒す前に郁紀の前から走り去った。
郁紀が瑶に非情な言葉を投げかけ泣かせるところを青海と耕司は目撃していた。青海は郁紀の態度に憤り、耕司は変わり果てた郁紀の態度に困惑していた。郁紀と耕司は大学に入る前からの付き合いであり、郁紀が他人に冷酷な態度を取るところを見たことがなかったからである。
青海は瑶と親友であるために、郁紀の態度に一言言ってやらねば気が済まないとして郁紀と2人きりで話をすると決めた。そして、耕司にはその間傷ついた瑶のフォローを頼んだ。

沙耶との出会い

一方郁紀は瑶にキツイ言葉を浴びせたことにスッキリした気持ちと、以前に親交を持っていた人間に酷いことをしたという咎める気持ちが混ざった複雑な感情を持っていた。しかし、他人と向き合って話をすることすら苦痛な郁紀に優しさを求めるのは無理な話だった。沙耶の待つ家へ帰ろうとした郁紀だったが、疲れてしまったことから手近なベンチで休憩することにした。そして、瞼を閉じて視界を遮断することで気休め程度であるが休息を取る。そして、真っ暗な視界の中で沙耶と初めて出会ったときのことを思い出した。

事故に遭い手術を受けたあとの意識回復直後の郁紀は視力がなかなか回復しなかった。この時は視覚嗅覚共に異常は出ていなかったが、視力が回復してから徐々に狂い始めていった。

郁紀と親交を深める沙耶

目に映るものはおぞましいものに、においや音は生理的嫌悪をかきたてるものになっていたことから郁紀は自殺を決意するまで追い詰められてしまう。苦しみの無い死に方を考えていたある夜に郁紀は沙耶に出会った。
化け物のような見た目ではなく、人の姿をした沙耶に郁紀は安堵と喜びを噛み締めた。深夜の病院に似つかわしくない少女の登場に恐ろしさを感じている風ではない郁紀に沙耶は驚いた。しかし、郁紀は沙耶に「なぜ深夜の病院にいるのか」問うと「父親を捜しに来た」と沙耶は答えた。沙耶が怖がる様子のない郁紀をつまらないと評してその場を去ろうとするのを郁紀が制止する。郁紀は人に触れたいという思いから沙耶に手を握らせてほしいと頼んだ。郁紀は沙耶に自身が見えているもの感じているものを説明すると「不思議な人」だと沙耶は言った。
その後、深夜の病室で逢瀬を重ねた2人は親交を深めていった。郁紀は自身の知覚異常を知った医師たちからモルモットのような扱いを受けるのを嫌い、異常を隠すことで無事に退院の日が決まった。郁紀は沙耶と離れたくない気持ちから沙耶に自身と一緒に住むことを提案する。この時に沙耶の父である奥涯の捜索を手伝うと言った。沙耶は「少し考えさせてほしい」と言い姿を消した。
郁紀は退院して自宅に戻ったが、変わり果てた自宅に居場所を失った感覚を覚えた。しかし、自宅以外に行く場所のない郁紀は諦めて自室へと足を踏み入れると、そこには沙耶がいた。「ここにいていいの」と問う沙耶に郁紀は答える代わりに沙耶を抱きしめた。

郁紀の家へ訪れる青海

郁紀に瑶のことについて物申したかった青海は郁紀の自宅前に着いた。荒れ果てている郁紀の家は一見すれば廃屋の様であり、生肉の腐ったような臭いまでしてくることに青海は手入れに関して無頓着すぎやしないかと思った。呼び鈴を鳴らしても郁紀が出てこないことに焦れた青海は呼び鈴のカバーを外すと電池が取り外されていた。郁紀の他人を舐めたような真似に青海は苛立ちを覚え、問答無用でドアを開けて怒鳴りつけてやろうと意気込みドアを開けると思いのほか勢いよく開いた。
開けた途端に押し寄せてくる異臭に青海は息を詰まらせる。ドアに付けられたカウベルが鳴ると、家の奥から「ォガェリナザィ」という人間とは思えない音が聞こえてきた。青海は誰かいるのかと家の奥に向かって問いかける。返事はないが、代わりに濡れた柔らかい物が転がるような音が家の奥へ遠ざかっていくのを感じた。青海は玄関に靴がないことから郁紀がまだ帰ってきていないことが分かった。では、家主がいない家からしたあの音はなんなのかと気になってしまい青海は家の中に足を踏み入れた。もはや先ほどまでの郁紀への怒りは冷めており、青海は息を殺しながら廊下を進んだ。台所に入ると調理中の鍋が音を立てていた。郁紀はいないのに、誰が料理をしていたのかと思い青海は今一度声をかける。不意に青海の足元を薄緑色の粘性の高い液体が触れた。家の中に充満する異臭の元はそれであった。靴を脱いで上がったことを後悔しつつ隣の居間を覗いた。

不気味な存在を感じている青海

居間を覗いた青海の首筋に冷たい雫が滴り落ちてきた。青海は咄嗟に上を仰ぎ見た。「それ」は天井に張り付き獲物である青海へ襲い掛かろうとしていた。青海が悲鳴を上げようとした直前に、「それ」は落下してきて青海の鼻や口を覆いつくした。そして、青海の臍から下腹にかけてを引き裂き、内臓を貪り食いながら「それ」は体内へ侵入してきた。その感触を感じる頃には青海は正気を手放していた。

休息を取っていたことと、電車の混雑に耐えられなくなって徒歩で帰路についていた郁紀はいつもより帰宅が遅くなってしまった。自宅に着くとドアが開けっ放しになっており、中からは舌鼓を打つような音と、奇妙な匂いがしてきた。その匂いは奇妙ではあるが不快感を煽るものではなく、むしろ爽やかな芳香のように思えた。自宅内に入ると、居間に沙耶はいた。沙耶の周りには草のようなものが敷き詰められて、果物や野菜のような大小の塊が散らばっていた。そして、沙耶はそれらを夢中になって頬張っていた。
郁紀が沙耶に声をかけると沙耶は驚き目を見開く。沙耶は「何を食べているのか」と郁紀に聞かれても狼狽しておりまともな回答ができずにいた。あまりの狼狽ぶりに郁紀は申し訳なさを覚えつつも沙耶が食べているものを1つ貰うことにした。沙耶の制止を聞かずに郁紀は床に転がっていたものを1つ口に入れた。桃か梨のような不思議な食感のそれは郁紀が今まで食べてきたどんな食べ物とも味が違ったが、美味しいと感じるものであった。「調理をしているのか」郁紀が問うと沙耶は「捌いて溶かしただけのほとんど生の物」であると答えた。
郁紀が「美味しい」と答えると沙耶はおかしそうに笑い転げた。郁紀も自身と同じものが好きだということに気づき、郁紀の食事を工夫していたことが馬鹿らしくなったのだ。これからは2人で美味しい食事を囲めると思うと2人はうれしい気持ちに包まれた。食べ残したものは冷やしておけば2、3日もつという沙耶の言葉に郁紀は保存するために動いた。小さな果肉はタッパーに、大きい物は鍋やボウルに入れて冷蔵庫へと入れた。食事の楽しみを取り戻した郁紀は沙耶と一緒に生きる楽しみを取り戻せることに喜びを感じた。

郁紀に不信感を抱く耕司

耕司と瑶は青海との連絡が取れなくなって3日が経過していた。2人はそのことで青海の身を心配していた。落ち込む瑶に耕司は努めてポジティブに声をかけるが、瑶の表情は暗いままであった。瑶は耕司に「青海の行きそうな場所を考えよう」と提案する。しかし、耕司は一通りは調べたと曖昧に言葉を濁した。曖昧に濁した理由は青海に最後に会った日に青海が郁紀の家に行くと言っていたのを知っていたためである。まだ郁紀に言われた言葉を引きずっている瑶に郁紀の話題を出したくないという耕司の気遣いであった。気まずさが漂う中講義開始前の予鈴がなったことで2人は別れた。
耕司は青海の行方も瑶のことも心配であった。そして、その心配事の先に行きつく郁紀の存在に耕司は疑問を募らせていた。青海の行方がわからなくなってから耕司は郁紀に問い詰めたが、郁紀の返答はそっけない否定だった。耕司は青海が結局郁紀の家に行かなかったか、道中にトラブルに巻き込まれたのだろうと思おうとしていたが、郁紀が青海の失踪に関与している可能性も捨てきれなかった。親友である郁紀に対する疑問の念が頭を埋める中、耕司は廊下を歩く郁紀の姿を見つけた。耕司は帰ろうとしているかのような郁紀のあとをつけることにした。

耕司は自宅に帰るわけでもなく、通っている病院へ向かうわけでもない郁紀の行動に謎を深めていく。耕司は郁紀の豹変が事故だけの原因ではなく、もっと納得のいく理由を欲していた。それは今の郁紀を信用するために必要なものだあったのだ。やがて、郁紀は郊外住宅地の小さな駅を降りた。さびれた場所であるが故に耕司が郁紀のあとをつけるのは簡単であった。住宅地を進んでいた郁紀はとある一軒家へ入っていった。まるで自身の持ち家のように呼び鈴も鳴らさずに遠慮なく入っていった郁紀の姿に耕司は訝る。家の表札には奥涯と書かれていた。耕司は郁紀が出てくるまで側にある児童公園で待機することにした。
何時間もした後に郁紀は家を出て行った。耕司は郁紀のあとをつけるよりも奥涯宅の正体を探る方を優先して、奥涯宅へと足を踏み入れた。中に入ると電力が来ていないのか明かりがつくこともなく、また異臭で満たされていた。耕司は持っていたライターの火をつけて、その明かりを頼りに家の中を進む。家人が家を出て数か月は経っているだろう様子にも関わらず、家財道具や調度品がそのままであり、あまりの異様な空気に変死体でも転がっているのではないかと耕司は思ってしまった。
耕司は床に残っている郁紀の足跡を追って2階へと上がった。2階は書斎であり、医学書が本棚に詰め込まれていた。積もっている埃の様子から郁紀がここを荒らしたであろうことが分かった。そして、床に郁紀が持ち込んだであろうライトが転がっており、そのライトを使い家の探索を進めた。ライトに照らされた家の中には黒い液状の汚れがそこかしこにこびりついていることに耕司が気づいた。その汚れ方はまるで全身から汚水を滴らせながら生活をしているようであった。気味の悪さを感じながらも耕司が探索を続けていると浴室にたどり着いた。浴槽は猫や犬、ネズミなどの動物の骨が溜まっていた。その骨をまじまじと見れば、すべて解体されてまるで肉を歯でこそぎ落としたような形跡が残っていた。耕司が不気味な謎に包まれながらも郁紀はこのような状態の奥涯宅でなにをしていたのかを考えていた。そこに、いつ戻ってきたのか郁紀が声をかけてきた。
驚き慄く耕司に郁紀は「不法侵入にあたるぞ」と咎める言葉を発する。不法侵入は郁紀も同じだろうと耕司が返すと、郁紀は「この家の人間と知り合いだ」と答えた。郁紀は自身のあとをつけてきた耕司に「迷惑だと」吐き捨てて奥涯宅を出て行った。耕司は郁紀の様子がおかしくなっても心配する気持ちが残っていたが、今の耕司には郁紀が郁紀の皮を被った別の人間なのではと感じた。

奪われた日常

郁紀は耕司と別れ帰路に着くと、隣に住む鈴見洋祐(すずみようすけ)という画家の中年男に話しかけられた。鈴見は手入れの行き届いていない郁紀の家を見て、家政婦を雇って手入れしたらどうだとの提案をしてくるが郁紀は「蓄えを浪費したくないからと」断る。鈴見は「せめて悪臭の漂う庭だけでも手入れしたらどうだ」と食い下がるが、郁紀は再度断り自宅へ入った。耕司のことや鈴見の絡みにイラつきを覚えながら、沙耶と2人きりになりたいと郁紀は願った。
しかしその夜、沙耶は1人で深夜の散歩へと出かけて行った。いつもなら長くても2時間ほどで戻るはずだが、午前5時となっても帰ってくることはなかった。沙耶がいないことで郁紀は落ち着かず過ごしていた。そして、ようやく帰ってきた沙耶はT大付属病院から郁紀のカルテや手術の記録を持ち出してきていた。沙耶は奥涯から教わった知識を元にそれらの記録を調べていく。そして、郁紀の症状は人間の医者では治せないという結論にたどり着いた。沙耶は自身でも治療が難しいため、色々試してみたいと言いながら、記録を読んでいく。その様子に沙耶が冗談や適当で物を言っているのではなく、カルテの内容を理解しているのだと郁紀は驚いた。しかし、沙耶が戻ってきたことに安堵した郁紀は寝ようと沙耶を誘い、2人はその日は眠りにつくことにした。

翌日、鈴見は自身の仕事である画業の合間に家事をしていたところ、庭に続くガラスサッシが開いていることに気づいた。奇妙なことにガラスサッシのカギ付近が薬品で溶かしたような穴が空いていた。その状態に自宅に侵入者が入ったということに鈴見は気づき恐怖した。先ほどまで絵を描いていたために手には何の気なしにパレットナイフが握られていた。しかし、侵入者がどんな奴なのかわからない以上、ただのパレットナイフでは心元ないと感じたため、ガラス製の分厚い灰皿を鈴見は持った。そして、侵入者を探すために動いた。妙な異臭が漂う自宅を散策しようとすると、リビングのソファの下から伸びてきた触手に足を掴まれ転倒した。侵入者は5センチもない隙間に潜んでいたのだ。鈴見は悲鳴を上げて逃げようとするが、無数の手のようなモノに絡め取られてしまう。侵入者は「ォヂヅィデ。ゴワグナィガラ」と鈴見に喋りかけながら乗り上げてくる。そして、触手が鈴見の両耳と鼻から頭蓋へと進入してきた。そのおぞましい感覚を最後に鈴見は意識を手放した。
一方、T大付属病院では瑶と耕司が郁紀の担当医である涼子の元を訪れていた。瑶と耕司は郁紀について聞きに来ており、涼子も郁紀の様子が知りたかったとして2人を診察室へと通したのだ。涼子が郁紀の学校内での様子を聞くと、耕司は事故以前と全く違う郁紀の様子に困惑していることを伝える。涼子が医大生である2人に「郁紀のカルテを見てみたいか問う」と耕司は怪訝そうに「閲覧可能なのか」と聞く。涼子は2人をしばらく見つめたあとに病院の保管庫から郁紀のカルテが盗まれたことを伝える。話を聞いた2人が驚いている様を見て、犯人が2人ではないことに安堵した。しかし、涼子は郁紀のカルテを盗んだ人物は郁紀と関りの人間だろうと踏んでいた。
涼子は「なにか心当たりはないか」と耕司に聞くと、耕司は郁紀が訪れていた奥涯宅を思い出し、その名前を口にすると涼子の表情が変わった。耕司が食い下がろうとするが、涼子は部外者である2人には奥涯はT大付属病院に勤めていたが不祥事を起こして免職したことしか話さなかった。耕司は郁紀が青海の失踪事件に関わっている可能性があること話し、郁紀が関心を向ける奥涯という人物を知れば何かわかるかもしれないとして、病院で起こった不祥事について涼子に詳しい説明を求めた。しかし、涼子は詳しいことは話さなかった。代わりに涼子自身の方で郁紀のことを調べておくと2人に伝えた。そして、郁紀になにか動きがあったときのために連絡先を交換した。

謎の触手に襲われ頭蓋を弄繰り回された意識を手放していた鈴見は気色の悪い感触に意識を取り戻した。目を覚ました鈴見の目に入ってきたのは豚の内臓をぶちまけたような部屋であった。あまりのおぞましさに鈴見の理性は飛んでいき、出口を求めて情けない悲鳴を上げながら廊下へ出るが、どこを見てもおぞましい光景が広がるばかりであった。間取りは慣れ親しんだ自宅のそれなのに、まったく自宅とは違う空間になり果ててしまったことに泣き喚きながら暴れくるっていると玄関の開く音がした。そして、あの触手と同じ身の毛もよだつ声で「パパタダイマ。オナカスイタ」と「買イ物二行ッテルノカナ」と2つの声が聞こえてきた。鈴見はあの化け物が戻ってきたのだと思い、先ほど暴れた際に壊したイーゼルの破片を持ち、やってきた化け物に刺した。ドロドロの肉塊が絶叫をあげる姿に殺せると確信した鈴見は容赦なく執拗に刺して抉った。そして、肉塊が動かなくなったあと、「ぱぱ」という声にもう1体いることに気づいた鈴見は逃げ惑う小さな肉塊を刺し殺した。悪夢のような出来事に鈴見はふらふらと自宅を出る。どこを見てもおぞましい光景に鈴見は正気を保てなくなっていた。そんな状態の鈴見の元に沙耶が現れた。
汚穢(おわい)に埋め尽くされた世界に立っている沙耶の姿はあまりにも美しいと鈴見は感じた。沙耶は鈴見に「わたしがどう見える」と問う。鈴見が沙耶を愛らしいと評すると、沙耶は実験が成功したと喜ぶ。しかし、鈴見は沙耶の言葉など聞いておらず、自身の中にある欲望に身を任せていた。鈴見は沙耶に一緒に遊んでくれというと沙耶のワンピースを引き裂いた。沙耶は驚きと恐怖に引きつった悲鳴を上げて、郁紀の家へと逃げるが鈴見は沙耶を追いかけて郁紀の家へ侵入する。そして、嫌がる沙耶を組み敷いて男の欲をぶつける。沙耶は「こんなはずじゃない」と泣き叫んだ。やがて、抵抗する力の失せてしまった沙耶は鈴見に身体を蹂躙されながら郁紀に助けを求める声を上げ続けた。

郁紀は奥涯宅での捜索にようやく成果を上げていた。見つけた封筒の中には3枚の風景写真であり、裏には3か所の人里離れた町の名前が肉筆でそれぞれに記載されれていた。写真にプリントされた日付は10年前の物であったが、沙耶に聞けばわかるかもしれないと持ってきたのだ。そして、自宅に着くと玄関の扉が開け放たれていた。玄関の奥からは沙耶のすすり泣く声と湿った唸る声が聞こえてきた。郁紀が慌てて自宅へ入ると化け物が沙耶に覆いかぶさり凌辱している姿が目に入った。化け物が郁紀の存在に気づき振り向く。郁紀は台所に入り肉切り包丁を手に取り、化け物の顔面らしき場所を切りつけた。そして、さらに何度も包丁を突き立てて怒りのままに化け物を切り刻んだ。

泣きじゃくる沙耶を抱きしめる郁紀

やがて、思うままに化け物を切り刻んで正常な思考を取り戻した郁紀は傷つき泣きじゃくる沙耶を抱きしめた。沙耶が泣きながら謝り始めたため郁紀は沙耶は悪くないと慰めようとしたが、沙耶は「自身が人間の脳を弄り郁紀と同じ世界を見えるように改造したせいでこうなった」と説明した。沙耶には生き物の身体を組み替えたり、調整することができる能力が生まれつき備わっていたという。
沙耶は郁紀のカルテを通じて郁紀の脳に何があったのかを把握しており、自身に同じことが出来るかほかの人間で実験した結果が今回のことであった。沙耶は脳を改造すれば周りの人間がみんな郁紀のように自身に優しくしてくれるのではと考えたから起こした行動であった。沙耶の話を聞いた郁紀は沙耶を抱きしめつつ、沙耶は一体何者なのかと考えていたが、到底答えが出るものではなかった。しかし、郁紀は唯一わかっていることを沙耶に告げた。郁紀が沙耶に優しいのは、事故に遭って世界が変わったことが原因ではなく、共に過ごした日々の積み重ねが2人の関係を作ったこと、その日々の中で沙耶に優しくして大切にしたいという気持ちを持つようになったことを伝える。沙耶は優しくされるには人の脳を弄るだけではだめなのだと理解して、沙耶には郁紀しかいないのだと改めて自覚して涙を流し笑った。その瞬間2人は今までよりも強い絆で繋がったことを感じた。郁紀は沙耶に「愛している」と口にしようとしたが、沙耶がそれを遮った。沙耶は鈴見を使って人間の脳の弄り方を確認したため、「今なら郁紀の脳を元の状態に戻せる」と言う。そして、沙耶は「郁紀は昔のような暮らしを望むか」を聞いた。

沙耶と共にいることを望んだ郁紀

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