ザックス・フェア（ファイナルファンタジーVII）とは【徹底解説・考察まとめ】

クラウドとの任務

ジェネシス軍に襲われている神羅ビルを守るため現場へと急行したザックスは、ハイウェイで多くの機械系モンスターに囲まれて苦戦する。そこへアンジールが現れてザックスを抱え上げると、一気に神羅ビルへと運んでくれたのだった。
ビル内に侵入していたジェネシスは神羅の科学者宝条博士を狙っていた。宝条の保護を任じられたザックスは身辺警護を行おうとしたが宝条は意に介さずマイペースに過ごしており、ザックスは困惑する。そこへジェネシスが現れて宝条を連れ去ろうとするも、アンジールの介入のおかげで宝条の連れ去りは阻止することに成功した。ジェネシスはザックスの足止めの為に召喚獣バハムート・烈を召喚したがザックスによって討伐され、アンジールの攻撃を受けて撤退する。

事態が一段落したころエアリスの元へ出かけたザックスは、タークスのツォンからモデオヘイムでの急務を言い渡される。逃亡したジェネシスとホランダーが目撃されたとの情報を受けてツォンと共にモデオヘイムに向かう事となったが、乗っていたヘリコプターは途中襲撃を受けて雪深い山中に墜落してしまった。
徒歩で村へ向かう事となるが、ツォンは雪の山道に体力を奪われ徐々にザックスとの差をあけられる。疲弊しているツォンとは対照的に元気に進む田舎出身のザックスだったが、もう一人ザックスのペースに合わせて付いてくる一人の兵士がいた。
兵士の体力に感心したザックスが声を掛けると、「俺も田舎出身なんだ」と返事が返ってくる。その兵士はニブルヘイム出身のクラウド・ストライフだった。同じ田舎者同士という共通点からザックスとクラウドは親しくなり、一足先にモデオヘイムに到着することができた。

厳重警戒がされていた神羅の施設に侵入したザックス、クラウド、ツォンは施設内の捜索を開始する。そこでは劣化が進んだジェネシスがホランダーを捕らえていた。ホランダーを解放するよう迫るザックスだが、そこへアンジールが現れる。ホランダーはアンジールを「息子」と呼びジェネシスと戦うように命じてきた。「俺の父はバスターソードを託して死んだ一人だけだ！」と激しい怒りを見せてホランダーを拒絶するアンジールだったが、ザックスのほうに向きなおると突然モンスターへと変身した。
困惑するザックスに「己を倒せ」と迫ったアンジールはザックスの頬に一筋の傷をつける。こうして絶望の中ザックスは急遽信頼する上司のアンジールと戦うことになったのだった。

バスターソードの継承

信頼していた上司のアンジールを自らの手で打ち破ったザックスは悲嘆に暮れるが、倒されて人間に戻ることができたアンジールは満足げに微笑みながら「ザックス、よくやった」と優しく言葉を掛けた。バスターソードをザックスに手渡し「誇りを忘れるな」と最期の言葉を託すと、アンジールは静かにその目を閉じたのだった。
戦の前にアンジールが行っていたようにバスターソードに額をつけたザックスは、震えながら「夢を持て。英雄になりたければ夢を持つんだ。そして誇りも」という言葉を噛みしめアンジールを見送る。そして教会で子供の様に泣きじゃくるザックスを、エアリスはそっと抱きしめた。

アンジールの死という現実を受け止め徐々に乗り越えたザックスは、少しずつファーストとしての責任感や自覚を身に着けていった。新人兵士として整列しているクラウドを見つけたザックスは「ソルジャーになりたいって？頑張れよ！」と直接声を掛ける。そして出撃を待っていた部下であるサードたちには「夢を抱きしめろ。そしてどんな時でもソルジャーの誇りは手放すな」というアンジールから常に言われていた言葉を贈ったのだった。

花売りワゴンとエアリスの願い

リゾート地コスタ・デル・ソルで休暇を取らされていたザックスは、苛立ちを覚えながら浜辺でスクワットをしていた。アンジールの死を何事もなかったかのように受け流す神羅のやり方に反発心を覚え、ソルジャーを統括しているラザードに連絡をつけようとする。そこに現れたタークスのシスネは「ラザードは会社の金を横領して、ホランダーの逃亡に加担し行方不明になっている」と情報を伝えた。
急転する事態にますます困惑したザックスは今度はエアリスに連絡しようとするも、またしてもシスネから「エアリスはいないわよ」と告げられた。「俺は監視でもされているのか？」と憤るザックスにシスネは「監視されているのはあの子。あの子はこの世でたった一人の古代種よ」とエアリスの正体を明かした。
ザックスはエアリスが何者なのか知らなかったため困惑するが、そこへツォンが現れ港町ジュノンが襲撃に遭っているという情報を持って現れる。ジュノンにはモデオヘイムで捕らえたホランダーが監禁されており、ホランダー奪還を阻止する為ザックスはタークスメンバーと共にジュノンへと急行した。

ジェネシス軍の襲撃によって火の手をあげるジュノンを走り抜け、ザックスはホランダー確保のためエアポートへと急ぐ。ジェネシスコピーとの戦闘を繰り返しながらなんとか辿りつくことができたが、ホランダーはザックスの目の前で逃亡してしまった。
現場に現れたセフィロスから「スラム街も襲撃されている」との情報を受け、ザックスはセフィロスにその場を任せてエアリスの元へと急行する。教会ではエアリスが羽の生えた一匹のモンスターと対峙していたが、そのモンスターは襲撃に現れた神羅の機械兵を撃退しエアリスを守ってくれたのだった。そのモンスターにアンジールの顔が付いていることに気が付いたザックスはエアリスを守ってくれたことに対して礼を言い、「あとはオレに任せろ」と自分に言い聞かせるように呟いた。

エアリスはザックスの思いつめた表情を見つめると、「花売りワゴン、作ろうよ」と優しくザックスを促す。気乗りしない様子のザックスだったが、エアリスが「もう大丈夫」と笑顔を見せるとエアリスの気持ちを汲んでワゴン作りに取り掛かった。
スラム中を歩いて材料を集め完成したワゴンで花を売り終わると、二人は満足そうな笑顔を見せる。ザックスに23個のささやかなお願いがあると告げたエアリスは、紙に書くよう促される。エアリスが紙に書いた言葉は「ザックスはきっと忘れちゃうだろうから、一つにまとめます。もっと一緒にいたいです」というエアリスの気持ちが込められたものだった。

ニブルヘイム

エアリスと約束のワゴンを作り終わってから数日後、老朽化した魔晄炉調査のため、ザックスはセフィロス、クラウドと共にニブルヘイムへと赴いた。村の住人たちと会話を交わした翌朝、クラウドの幼馴染で山岳ガイドを務めるティファとセフィロスと一緒に写真を撮りニブル山へと出発する。ティファと神羅兵のマスクをかぶったクラウドを魔晄炉の前へ残し調査に入ったザックスとセフィロスは、「ジェノバ」と書かれた閉ざされた部屋と高濃度の魔晄漬けにされている人間（モンスター）を発見した。
幼いころから神羅に所属していたセフィロスはモンスターを創り出していたのが宝条だとすぐ看破するが、自分の尋常ならざる力に疑問を抱いていたセフィロスは「俺は人間なのか？」と思わず呟く。そこへ突然ジェネシスが「おまえはモンスターだ」と言いながら姿を現した。

ジェネシスはジェノバ細胞を使った一連の計画「ジェノバ・プロジェクト」の存在と、アンジール、ジェネシスの出生の秘密を明かす。そして「俺の劣化が止まらないんだ。セフィロス、お前の細胞を分けてくれ」と懇願してきた。セフィロスは「くだらない」と一蹴したが「自分は何者なのか」という疑問はぬぐえず、ニブルヘイム村に戻ると「神羅屋敷」に籠ってジェノバ・プロジェクトに関する資料を読み漁り続ける。
そして一週間が経過したころセフィロスはついに「ジェノバ・プロジェクトによって生み出された古代種」であると認識して乱心し、住民を虐殺して村に火を放ったのだった。燃え盛る炎の中で狂気じみた笑顔を浮かべたセフィロスは、ニブルヘイムの魔晄炉へ向けて姿を消した。

魔晄炉での攻防戦

ニブルヘイムの魔晄炉に辿りついたザックスはティファがセフィロスに切られ、倒れている場面を目撃する。駆け寄ったザックスだったがティファは「神羅もソルジャーもアナタも、全部嫌いよ！」と拒絶して背を向けるのだった。ザックスはセフィロスを止めるためジェノバルームの扉を破りセフィロスに呼びかけるも、セフィロスは意に介さずザックスは吹き飛ばされてしまう。ザックスの手からバスターソードが滑り落ちたが、それを手に取ったのが後を追ってきていたクラウドだった。

クラウドは背中を向けるセフィロスに不意打ちで攻撃を仕掛け傷を負わせる。ジェノバの首を抱えたままよろめくセフィロスは「図に乗るな」と叫ぶとクラウドを正宗で貫いたが、クラウドは逆に体重をかけて刀を掴むとセフィロスを魔晄炉内に突き落とすことに成功した。
すぐそばに倒れているクラウドに「よくやった」と声を掛けた後ザックスも気絶する。その二人の様子を事件の調査にやってきた宝条が興味深げに眺め「新しいサンプルだ」と狂気に満ちた笑い声と共に呟いていた。

神羅屋敷からの脱出

ニブルヘイムの事件後ザックスとクラウドは人体実験をされた後魔晄に漬けられ神羅屋敷の地下に捕われていた。ソルジャーであり魔晄に耐性の有ったザックスは自力で目覚めポッドから脱出する。続いてクラウドも救出したザックスだったが魔晄に耐性のないクラウドは、重度の魔晄中毒に陥り自我を失っていた。
神羅屋敷にあったソルジャーの制服をクラウドに着替えさせると、ザックスは自分の制服のポケットにエアリスが書いた「もっと一緒にいたいです」と書かれた手紙を発見した。ミッドガルへ行くことを決意したザックスは重傷のクラウドを連れてニブルヘイムから脱出することに成功する。ザックスとクラウドには大勢の追っ手がかかっていたが、ザックスと親しかったタークスのシスネの協力もあり逃走を続けることができた。

途中ヒッチハイクをして乗せてもらったトラックの荷台で、ザックスはクラウドに「ミッドガルに着いたら何をするか」を話していた。運転手の「若いうちはなんでもやるもんだ」という言葉を聞いたザックスは「なんでも屋をやる」と宣言する。この時クラウドは自我が無かったが、ザックスは決してラウドを見捨てることなく「トモダチだろ」と話しかけ続けた。何とかミッドガルの付近まで辿りつくことができたザックスだったが、トラックを降りた先で待っていたのは銃を構えた大量の神羅兵だった。

ザックスの最期

大量の神羅兵に囲まれたザックスは背中からバスターソードを抜き放ち、かつてアンジールが行っていたように剣に額を押し付けてまじないをする。「夢を抱きしめろ。そしてどんな時でもソルジャーの誇りは手放すな」と自分に言い聞かせたザックスは笑顔で「いらっしゃいませー！」と叫びながら敵陣の中へと走りこんでいく。
目の前の神羅兵を次々切り伏せていくザックスだったが数にはかなわず、徐々に精神が崩壊していく。覚えていたいと願う仲間たちの顔やそれぞれの思い出が壊れていき、ついにエアリスの記憶までも壊れてしまったザックスは弾丸の一斉掃射に遭い倒れてしまうのだった。

雨と血に濡れ地面に横たわるザックスは己の命の限界を悟る。呆然とした表情のクラウドを抱き寄せると「おまえが俺の生きた証、俺の夢や誇り、全部お前にやる」と言葉を掛けてバスターソードを手渡した。剣を受け取ったことを見届けたザックスは満足げに瞳を閉じる。一瞬自我を取り戻したクラウドはこれまでのザックスとのかかわりを思い出して慟哭すると、「忘れない。お休み、ザックス」と呟きミッドガルへ向けて歩みだした。

ザックスはアンジールだと思われる幻に迎えられ、晴れやかな笑顔で天へと昇って行ったのだった。

原作とリメイクの違い・相違点

ザックスの生存