ガタカ(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ガタカ』とは1997年にアメリカで製作されたSF映画。
遺伝的優劣によって人生が左右される近未来社会の中で、遺伝的問題を抱えた1人の青年が不屈のチャレンジ精神で人生を切り開き、夢を叶えようとする姿を描いている。遺伝子がすべてと言われる世界の中で、当り前である概念を打ち砕き、不可能を可能としようとする姿に周囲が心動かされていくヒューマンストーリーでもある。現実感のある設定と名言の詰まったセリフの数々は、見る者の心に訴えかけ、今もって語り継がれる作品となっている。

アイリーン・カッシーニ(演:ユマ・サーマン)

吹き替え:田中敦子

ガタカの職員。
遺伝子操作を受けて産まれたが、心臓病発病の可能性高しとの診断を受けた。
そのため宇宙飛行士に選ばれることはないと落胆している。
最初は上司殺害の犯人はビンセントではと疑っていたが、遺伝子を全く気にしないビンセントの態度に好感を持ち、デートを重ねた。
ジェロームの正体がビンセントであるとわかりショックを受けるが、最終的にはビンセントを受け入れる。

ジョセフ(演:ゴア・ヴィダル)

吹き替え:阪脩(VHS・DVD版)/稲垣隆史(BD版)

ガタカ航空宇宙局長。
ガタカの仕事にプライドと特権階級意識を持っている。
タイタンへの打ち上げに執念を燃やし、それに反対する職員を殺害。
しかしタイタンへの打ち上げが確実に決定されるとあっさり自供した。

ヒューゴ捜査官(演:アラン・アーキン)

吹き替え:山野史人(VHS・DVD版)/水野龍司(BD版)

ガタカで起きた殺人事件の捜査を行った捜査官。
何度も血液検査を強行したり、不適正者居住区を強制捜査したりと、執拗な捜査を繰り返す。
その執念で、最終的には被害者の遺体から証拠を見つけ、真犯人逮捕を成し遂げた。

シーザー(演:アーネスト・ボーグナイン)

掃除をしながら夢を語るビンセント(右)を軽く受け流すシーザー(左)

吹き替え:藤本譲

ビンセントが当初勤務していた清掃会社の課長。
厳しく清掃員たちを指導している。
清掃員時代にビンセントが宇宙飛行士になりたいという夢を彼に語るが、シーザーに鼻であしらわれてしまう。
しかしビンセントがジェロームとしてガタカの職員になると、急にへりくだった態度で接するようになる。

レイマー医師(演:ザンダー・バークレー)

吹き替え:仲野裕

ガタカで血液検査などを行う医師。
タイタン出発の直前抜き打ちの血液検査が行われ、レイマー医師にジェロームは実はビンセントであることがばれてしまう。
しかしレイマー医師は自分の息子には遺伝的欠陥があり、ビンセントを尊敬していると告白する。
そして見て見ぬふりをして、ビンセントをタイタンに送り出した。

遺伝学者(演:ブレア・アンダーウッド)

吹き替え:立木文彦

ビンセントの両親が二人目の子どもを作るために相談した遺伝子学者。
妊娠はある程度自然に任せた方がいいのではと考えているビンセントの両親に対して、遺伝子操作がいかに素晴らしいものか力強く訴える。
この流暢な説得を聞いて、両親は遺伝子操作による妊娠を選択し、弟アントンが産まれた。

ジャーマン(演:トニー・シャルーブ )

吹き替え:千田光男

優れた人間の遺伝子を売買している闇のブローカー。
ビンセントにジェロームを紹介した。
紹介しただけでなく、ビンセントがジェロームに完璧になりすませるように指導する。
生活上の注意は勿論、歯や視力の矯正や身長を伸ばす手術さえもやってのけた。

アントニオ・フリーマン(演:イライアス・コティーズ)

吹き替え:小室正幸

自然妊娠で生まれたビンセントが長くは生きられないと知って落胆するが、愛情を込めて名前を付ける。
息子の宇宙飛行士の夢を諦めさせようとアントニオが発した「ガタカに潜り込むには清掃員になるしかない」という言葉が、結果的にビンセントをガタカに導いた。

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