ローマの休日(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ローマの休日』とは、1953年にアメリカで製作されたロマンティック・コメディー映画である。舞台はヨーロッパ。小国の王女アンは締め付けられた生活を疎み、滞在中のローマでこっそりと大使館を抜け出してしまう。ローマの街へと繰り出したアンは、アメリカ人記者のジョーと偶然出会うことになる。世界中から高い評価を受けた、身分違いの2人が繰り広げるラブストーリー。主役は名優グレゴリー・ペック、ヒロインにはほぼ無名ながらも今作で有名女優となったオードリー・ヘプバーンが務めている。

『ローマの休日』の概要

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『ローマの休日』とは1953年にアメリカで製作あれたロマンティック・コメディー映画である。制作・監督はアメリカを代表する映画監督のウィリアム・ワイラー。主演のアン王女は本作がアメリカ映画初出演となったオードリー・ヘプバーン、新聞記者のジョー役はブロードウェイからデビューした名優グレゴリー・ペックが務めている。
本作の評価として、アカデミー賞では主演女優賞、衣装デザイン賞、アカデミー原案賞を受賞しており、ノミネートされた賞も多数である。また、ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞を始め、数多くの受賞タイトルを獲得しており、非常に高い評価を得ている。アメリカだけでなく、日本の映画雑誌における洋画ベストといったアンケートでトップ10に常にランクインしており、日本でも高い評価を得ている。

舞台はヨーロッパ。小国の王女アンは、常に従者がつきまとう生活を疎み、滞在中のローマでこっそりと大使館を抜け出してしまう。ローマの街へと繰り出したアンは、偶然出会ったアメリカ人新聞記者のジョーに介抱される。ジョーは特大スクープを手に入れるため、アン王女だと知りながらも気づいていないフリをして、さらには新聞記者という身分も隠しアンと一日を過ごす。アンも王女という身分がバレていると知らず、アーニャという偽名を使い嘘をつく。お互いが嘘をつきながら2人はローマを巡っていく。だが、その日の夜にはアンは元の生活に戻らねばならないと考え、2人は別れてしまう。ローマのあらゆる観光地を舞台にした身分違いの2人の1日だけのラブストーリー。

『ローマの休日』のあらすじ・ストーリー

アン王女の苦悩

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左がアン、右がヴィアルバーグ伯爵夫人

伝統的な歴史をもつ小国のアン王女はヨーロッパ各国を親善旅行として周遊していた。ロンドンから始まり、オランダのアムステルダム、パリを訪れ、今回はローマを訪れていた。テレビのニュースでは「多忙な予定にも、疲れは一切見えません」とアンを褒めたたえていたが、実際はそんなことはなく、アンは多忙な公務に嫌気が差していた。ある夜、アンの寝室で付き人のヴィアルバーグ伯爵夫人が明日のスケジュールを分単位でアンに伝えていると、アンはその忙しさにヒステリーを起こしてしまう。夫人は医者を呼び、安定剤をアンに打たせる。同席していたアンの国の将軍プロブノは、アンに安定剤が打たれたことを見て、ショックのあまり気を失って倒れてしまう。その後、アンの様子が落ち着いたと思った大使たちは部屋から出ていった。しかし、その効き目が弱かったのか、アンはこっそりと大使館を飛び出し夜のローマへと出て行ってしまう。自分とは違う人々との暮らしぶりを始めてみたアンは笑顔を浮かべ、ローマの夜を楽しんでいた。しかし、少しづつ安定剤の効果が効いてきたのか眠気がアンを襲う。その頃、新聞記者のジョー・ブラッドレーは仲間たちとポーカーをしていた。賭けに負け続けたジョーは明日のアン王女の記者会見が朝早いこともあり、先に帰ることになる。帰り道、道端で寝ぼけている女性を見つける。それはアンであった。ジョーはアンを置いて帰ろうとするが、良心が痛むのか結局タクシーを呼び、とりあえず一緒に乗ることにした。ジョーの家に着き、ジョーはタクシー運転手に「この女性を家まで送ってくれ」と頼む。しかし、タクシー運転手に「こんな遅くまで付き合ってられない」と断られてしまい、仕方なく自分の家で介抱することになった。その頃、大使館ではアンが失踪したと大変な騒ぎになっており、大使館内でこの件は他言無用ということになった。アンの失踪は急病としてメディアに発信されることになった。

ジョーと支局長の賭け交渉成立

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左がアン王女の写真を確認するジョー、右が支局長

翌朝、ジョーが目覚めると時間は昼の12時。王女の記者会見は11時45分であり、ジョーは完全に遅刻したと焦り、急いで会社へと向かう。会社に着き、支局長に会うと遅刻したことを責められる。ジョーはとっさに「王女の記者会見に行ってきた」と嘘をつくが、ヘネシー支局長から王女が高熱を出し、今日の予定は全てキャンセルになったことを知らされる。支局長に「朝刊を読む癖をつけろ」などと説教をされながら、朝刊を眺めるとそこには昨日介抱した女性とそっくりな人物が写っている。ジョーはこの時自分が介抱した女性がアン王女であったことを知ったのだ。支局長の話も聞かず電話へと走り、自宅の管理人であるジョバンニに電話をかける。ジョーは「自分の部屋に誰かいないか確認してくれ」と頼み、ジョバンニが確認すると「べっぴんさんがいる」と答える。ジョーはジョバンニに感謝を述べ、誰も部屋に出入りさせないよう頼む。ジョバンニとの電話を切り、急いで支局長の下へと行くジョーは一つの提案を支局長にする。それは「もし王女のインタビューを取れたらいくらの報酬がもらえる」というものだった。支局長は「写真付きなら5000ドルだ」と答える。しかし、支局長はジョーがインタビューを取ることができるはずないと思い、「賭けをしよう。インタビューが取れなかったら、俺に500ドルだ。すでにお前はおれに500ドルの貸しがあるんだぞ。」と話す。ジョーはそれに構わず、「交渉成立だ」と答え、支局長の部屋を後にする。

ローマの街へ冒険に行こう

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アイスクリームを食べるアンと「冒険をしよう」と声をかけるジョー

ジョーが自分の家に戻ると、アンはまだ寝ている。ジョーは持ってきた朝刊の王女の写真と照らし合わせ、本物のアン王女であることを確信する。アンは寝ぼけて前夜のジョーとの出会いを「素晴らしかった」とぼやきながら目を覚ます。しかし目を開けた景色がいつもと違うことに困惑し、ジョーに挨拶されはっきりと意識を取り戻す。ジョーは前夜にあったことを説明し、怯えるアンをホッとさせる。お互い挨拶を交わし、アンは王女だとばれるのを避けるために、アーニャと名乗る。アンがお風呂を済ませている間に、ジョーは記者仲間であるアービング・ラドビッチに電話を掛け、「特ダネがあるから急いで来て、写真を撮ってくれ」と頼む。しかしアービングは忙しいと渋る。そんなアービングにジョーはアン王女にそっくりな人がいると説明するのだった。部屋に戻ると、アンは介抱してくれたお礼をジョーに述べ帰ってしまう。アンはジョーに少しだけお金を借り、ローマの街へと一人歩き出す。ジョーはこのままでは特ダネが取れないとこっそりアンをつけていく。アンは街中で美容院に訪れた。そこで美容師のマリオ・デラーニに髪をばっさり切るようにお願いする。マリオはアンの長い髪を切ることを何度もためらいながら、アンに確認する。しかし、アンの意志は変わらず何度も「切って」とマリオに伝える。マリオは覚悟を決めて、思い切って髪を切るのだった。その後髪を切ったアンがとても美しくマリオは褒めたたえた。マリオは夜に船上で開かれるパーティにアンを誘うも丁重に断られてしまう。アンはまたローマの街へ繰り出すのだった。アンがローマの街並みを楽しんだ後、階段に座り休んでいるとジョーが偶然を装って現れる。アンはジョーに「寄宿学校から逃げてきた」という嘘を話す。そんなアンに対しジョーは「一緒に丸一日冒険しよう」と提案し、アンは「カフェのテラスに座ったり、ウィンドウショッピングをしたりワクワクすることをしたい」とたくさんやりたいことをあげながら快諾する。

ジョーの嘘

ランチを共にするジョーとアン

2人はテラス席でランチをしながら、話しをしていた。そこでジョーはアンから仕事の質問をされ、記者であることを隠し、「物を売る仕事だよ」とあいまいな回答をする。そこにアービングがやってきた。アービングはアンと挨拶を交わすが、本物そっくりであることに驚きを隠せない。ジョーは仕事のことを口走りそうになるアービングを連れていき、詳しい事情を説明する。ジョーはアービングに「アン王女の写真を撮ってくれ。支局長からもらえる5000ドルの25パーセントが君の取り分でどうだ」と交渉をもちかける。アービングは快諾し、2人でアンの下へ戻るのだった。

アンとジョーの一夜の恋

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ローマの街をスクーターで回るアンとジョー

その後、アン達はスクーターでローマの街を乗り回すなど、ローマでの冒険を楽しんでいた。真実の口に訪れ、ジョーはアンに「言い伝えでは嘘つきが手を入れると食いちぎられるそうだ。試してみないか」と言う。アンは恐る恐る手を入れるが何も起きない。次にジョーが手を入れると、なんと手が抜けなくなってしまう。絶叫するアンに手を差し出すジョー。これはジョーの悪ふざけであったのだ。夜になり2人は船上のパーティにやってきた。ジョーとダンスを踊った後飲み物をもらいにいくと、そこに美容師のマリオがいた。マリオはアンをダンスに誘い、2人は踊りに行く。ダンスを楽しむ2人だったが、そこに黒い服を着た大勢の大人が集まってくる。彼らはアンを探しに派遣された部隊だったのだ。アンが見つかり連れていかれそうになると、ジョーや後からやってきたアービングが部隊と交戦状態になる。そこにアンも参戦し、最終的には警察も駆けつけるなど大きな混乱状態となり、部隊を退けることに成功する。アンとジョーはさらに追ってくる部隊から逃げるために、川に飛び込み橋の下に身を隠す。突然の騒動に笑い合う2人は、見つめ合いキスを交わすのだった。
ジョーの家に戻った2人。しかしアンは「もう行かなくては」とジョーに話す。アンは何人もの人間から追いかけられ、ジョーたちを危険に巻き込んでしまった。自分は一国の王女であり、そこからは逃げることはできないと悟り、ジョーに別れを切り出したのだ。別れを悲しむ2人は抱き合う。ジョーは「最後に言わなくてはならないことがある」と言うが、アンは「なにも言わなくていい」と答える。ジョーはアンを家の近くまで車で送ることになった。車を出る前、2人は再び抱き合い、最後のキスを交わすのだった。涙を流しながらもアンはジョーのもとを去っていった。

アンは王女へと戻る

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王女へと戻ったアン

アンが大使館へと戻ると、大使が王女としての責任感をもつよう説教を始めようとする。しかしアンはそれに屈せず、「私は責任感をもっています」と毅然とした態度を取る。そして、自分を一人にするよう命令する。一人で部屋にいるアンは窓の外を眺めるのだった。翌日、ジョーの部屋に支局長が訪れる。支局長は王女失踪の噂を聞きつけ、ジョーがそれに関わってると考えたのだった。はやくインタビューを出せと催促する支局長にジョーは「そんなものはなにもない」と話す。そこにアービングが写真をもって訪れる。アンの写真を見せようとするアービングであったが、それをジョーは止める。支局長はジョーに「今日の王女の記者会見に行って、記事をとってこい」と指令を出し、去り際に「500ドルの貸しだ」と言い放った。アービングはジョーに説明を求める。ジョーは「写真に見合う、記事をかけないんだ」と悲しい表情をする。アービングはジョーの気持ちを察したのか、写真を一緒に見ることを提案する。2人は写真を眺めながら、記事にするならどんな見出しにするかを話し談笑していた。アービングは改めてジョーを説得しようとするが、ジョーは気乗りしないようだった。2人は記者会見で会う約束をし、アービングは出ていった。

アン王女と新聞記者ジョー

記者会見で最後の挨拶を交わすジョー(左)、アービング(真ん中)、右(アン)

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