レッド・デッド・リデンプションII(RDR2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『レッド・デッド・リデンプション2』とは、アメリカ合衆国のロックスター・ゲームスによって、2018年10月26日に世界同時発売されたオープンワールドアクションゲームである。対応ハードはPS4とXboxOneで、PC版も存在する。西部開拓時代末期、壮大な自然と新しい文明の波が入り混じるアメリカが再現された広大なマップを、崩壊寸前のギャング団の幹部アーサー・モーガンとなり、自由に動き回り冒険することができる。

『レッド・デッド・リデンプションII(RDR2)』の概要

『レッド・デッド・リデンプションII』(以下RDR2)とは、アメリカ合衆国のロックスター・ゲームスによって2018年10月26日に世界同時発売された西部劇の世界を描くオープンワールド・アクションゲームである。対応ハードはPlayStation4、Xbox One、PC、Google Stadia。
舞台は1899年のアメリカ。西部開拓期の終盤であり、法執行機関と文明化の流れによってギャングが社会から駆逐されつつある時代だ。プレイヤーはダッチ・ギャング団の幹部アーサー・モーガンとなり、アメリカの各州が再現された広大なマップを自由に動き回り、冒険していくことになる。
前作の『レッド・デッド・リデンプション』は同社が開発する『グランド・セフト・オート』シリーズのゲームデザインを踏襲して作られ、ウエスタンのゲームは売れないという業界のジンクスを破って世界中で大ヒットした。西部劇の世界観と、「贖罪」というシリアスなテーマを前作から引き継いだRDR2は、マップの広さや密度、グラフィックの美しさ、感動的なストーリーなどのゲームのあらゆる要素が前作よりはるかに進化した傑作であった。
民間人や動物を殺害することも可能な自由度と、ゲームプレイ全編にわたる暴力表現から18歳以上推奨(日本ではCEROが規定する)のゲームである。それでも世界中で累計出荷数4300万本を超える大ヒットとなり、IGNなどの世界中の機関から軒並み最高レベルの賛辞が送られ、THE GAME AWARDSを始めとする、優れたゲームを称える賞を世界各国で多数獲得した。

『レッド・デッド・リデンプションII(RDR2)』のあらすじ・ストーリー

チャプター1 「コルター」

雪山でギャング団の再起を図る

1899年、アメリカ。西部開拓の時代は終焉を迎え、荒野と共に生きてきたギャングは文明化の波と大規模に組織されつつある法執行機関に駆逐されようとしていた。
ダッチギャング団(ダッチ・ファン・デル・リンデをリーダーとするギャング団)は新興都市である「ブラックウォーター」でのフェリー強盗計画で大失敗してしまった。法執行官たちの待ち伏せに遭いメンバー2人を殺されたあげくダッチは混乱の中、罪のない一般女性を撃ち殺す失態を見せた。追手が迫る中、物資や金を街に残さざるをえないまま一行は東のグリズリー山脈に逃亡した。
吹雪が荒れ狂う極寒の山中で彼らは棄てられた鉱山街の「コルター」にたどり着く。暖を取ることも十分な食料もままならない中、ダッチはギャング団にとっての最大のピンチであるこの状況を「俺を信じてついてきてほしい」と仲間たちに訴える。彼は即座に右腕であるアーサー・モーガンと一緒に自ら物資を探しに山中を探索するのだった。

激しい雪のなか明かりの灯った民家を見つけると、そこでは住民を殺したばかりで酒盛りをしている敵対ギャングのコルム一味がいた。その場の全員を射殺したダッチとアーサーは家の地下に隠れていたその家の夫人(セイディ・アドラー)を救出すると同時に、コルム一味の強盗計画を横取りすることを思いつく。
ギャング団の再起を図る男性メンバーたちはコルム一味のキャンプを襲い、国の実業家であるレヴィティカス・コーンウォールが所有する列車を襲う計画書を奪う。
法執行官たちに追われていて、潜伏しているべき状況でもリーダーであるダッチは金を稼ぎ、メンバー全員で遠い異国の地に逃げる計画を捨てなかった。アーサーは無謀なダッチの作戦に難色を示すが、これまで圧倒的なカリスマでメンバー全員を導いてきた彼を信じて、列車強盗に身を投じるのだった。襲う相手のコーンウォール氏が想像より大きな権力を持ち、ダッチたちに強い恨みを抱くことも予想せずに。

チャプター2 「ホースシュー高台」

春が訪れ、一行は新たな土地にたどり着く

列車強盗も成功し気候も暖かくなってきたのを機に、ダッチギャング団は南下を試みる。一行は牧畜の町「バレンタイン」の近辺にある「ホースシュー高台」にキャンプを張ることにする。
これまでのダッチの計画は大金を貯めて、法の手の届かない遠い西に逃げるものだった。そのために派手な行動は避けつつも、ギャング団メンバーそれぞれが近辺で金を稼ぐ手段を探すのだった。無法者である彼らは詐欺を働き、強盗や泥棒を繰り返して生きてきた。幹部であるアーサー・モーガンの役割の1つに借金取りがある。メンバーのひとり、レオポルドが金を貸した人々から高い金利で回収するのだ。アーサーはこの仕事を嫌っており、社会的弱者から暴力で金を巻き上げることにうんざりしていた。病気の農民からせきをまき散らされながらも、アーサーはギャング団のために借金取りを含めた様々な悪事を続けるのだった。

金も徐々に集まってきて、メンバーの間でも安心感が高まってきたある日、コーンウォール氏に雇われたひとりの法執行官がアーサーに接触してくる。ピンカートン探偵社のミルトンと名乗る捜査官は、ダッチを捕らえるためにアーサーに取引を持ち掛ける。ダッチの身柄を引き渡せばアーサーの懸賞金を無効にしてやると。アーサーはその申し出を一蹴するが、ギャング団がかつてない規模の勢力に狙われていることを知る。間を置かずにコーンウォール本人が部下を大勢引き連れて、バレンタインに居たダッチを襲撃する。アーサーの助けもあり何とか危機を脱するが、ダッチはメンバー全員で新たな土地に逃げることを決意するのだった。

チャプター3 「クレメンスポイント」

ダッチ一行は南部の町に渦巻く因縁に食い込む

賞金稼ぎやピンカートン探偵社に追い立てられるようにダッチギャング団は国の南部に移動した。そこは南北戦争の爪痕を色濃く残す、赤土と古い慣習にとらわれた土地だった。
「ローズ」という町を中心に金を稼ぐために、近辺の「クレメンスポイント」と呼ばれる川べりにキャンプを張った一行は、この土地一帯を支配するかつての地主であった敵対しあう2つの旧家の存在を知る。ダッチは潜伏しつつもスコットランド系移民の「グレイ家」と英国系の「ブレイスウェイト家」の両家を出し抜き、彼らから大金を奪う計画を練るのだった。
ダッチは持ち前の弁舌とユーモアを生かし、ローズの治安を守るグレイ保安官から、ギャングメンバーのために保安官代理の称号を手に入れる。これによって町に溶け込むことが可能になったメンバーたちに、ダッチはグレイ家とブレイウェイト家に取り入って両家の対立を煽るように命令するのだった。

密造酒製造や綿花を中心とする農業などの彼らのビジネスをしっちゃかめっちゃかにかき回し、ダッチギャング団は徐々に資金を集め始める。ダッチはこの土地での仕事の最後に両家が隠し持つ財産をまるごとかっさらい、ギャング団メンバーと共に再び逃亡する計画を立てていたが、ピンカートン探偵社を始めとする人々は徐々にダッチ一行の行方を突き止め始めていた。さらにダッチにとっての不倶戴天の敵であるコルム一味の首領コルム・オドリスコルは、自らの保身のためにミルトン捜査官と取引を結び、ダッチギャング団壊滅のために動き出す。
潜伏している土地の誰よりも自分たちは賢いとうぬぼれるダッチだったが、彼らを取り囲む網は確実に迫ってくるのだった。

チャプター4 「サンドニ」

工業都市サンドニの上流階級を狙う

ローズでの大騒動が原因でピンカートン探偵社に隠れ場所が見つかってしまったダッチギャング団は、ミルトン捜査官の訪問を受ける。ミルトンはダッチ本人が自首すれば他のメンバーを見逃すと宣言するが、ダッチを含めた全員が拒否。銃を向けられてひるんだミルトンは、次は50人の軍勢で一網打尽にすると捨て台詞を吐いて去っていった。
再び隠れ場所を移動しなければならなくなったダッチ一行はさらに南下し、「シェイディベル」と呼ばれる沼地の廃屋に身を隠すことになる。ワニが多数生息する危険な場所に潜伏することになったダッチたちはもうひとつの問題を抱えていた。ローズでダッチたちが潰した密造酒ビジネスを展開する大物マフィアに目を付けられ、彼にダッチギャングのメンバーであるジョン・マーストンの息子、ジャックを誘拐されたのだ。子供を巻き込むという卑劣な行為に激怒したダッチはアーサーとジョンと共にジャックを取り戻すため、誘拐したイタリアンマフィアであるアンジェロ・ブロンテが事実上支配している大型工業都市「サンドニ」に向かう。

ダッチたちは大胆にもブロンテの邸宅に正面から堂々と乗り込み、アンジェロ本人と対峙する。交渉の結果、アンジェロの仕事に不都合な人物を抹殺するという汚れ仕事をこなせばジャックを返してくれることになる。アーサーとジョンが街中を奔走している間に、ダッチはアンジェロとの話し合いを進めて彼の利用価値を探っていた。アーサーとジョンの働きによって無事にジャックを取り戻せたメンバーたちが隠れ家でお祝いをしている中、ダッチはアンジェロ・ブロンテを利用してサンドニの上流階級から大金を奪う計画を立てる。
アンジェロ・ブロンテと懇意になり彼の情報網を獲得したダッチは部下たちに街での犯罪を開始させ、最後に最大の銀行強盗を成功させて遠くの異国に逃げるつもりだった。しかしダッチは気づいていなかった。アンジェロ・ブロンテが利用されるだけの馬鹿ではなく、狡猾で卑劣な男であること。さらにこの街での銀行強盗はかつてないほど大規模になり、ピンカートン探偵社に狙われている今実行するのはあまりに危険であることを。

チャプター5 「グアーマ」

ダッチたちはグアーマという島に漂着する

サンドニでミルトン率いるピンカートン探偵社の罠にはまり、逃走を余儀なくされたダッチたち(ダッチ、アーサー、マイカ、ビル、ハビア)は港に停泊していた船に忍び込み街から逃げだす。ダッチたちはほとぼりが冷めるまで外国に身をひそめようするが、出航してまもなく大嵐に遭ってしまう。銀行強盗で得た大金のほとんどが海に沈んでしまい、船から投げ出されたダッチたちはグアーマという島に流れ着くのだった。
グアーマはキューバの東端に位置し、知事のアルベルト・フサーが独裁している島だった。グアーマでは労働者たちによる支配階級への労働革命が繰り広げられていて、ダッチたちも本国に帰るための船を手に入れるために労働者たちに協力することになる。アルベルト・フサーもダッチらの懸賞金目当てで襲撃を企てるようになり、両陣営は砦が式設された海岸地帯を舞台に派手な戦いを繰り広げていくのだった。

チャプター6 「ビーバーズ・ホロー」

再びピンカートン探偵社の襲撃を受ける

ダッチたちは船を手に入れてアメリカに帰ってきた。セイディの機転によって難を逃れていた仲間たちと無事再会を果たすが、またもやミルトン捜査官の軍勢から激しい襲撃を受けるのだった。銃撃戦の末に何とかピンカートン探偵社の連中を撃退するが、あまりにもタイミングが良すぎる襲撃から皆の心のうちに裏切り者がいるのではないかとの疑念が起こる。加えて長い逃走生活による仲間たちの疲れや不満がプレッシャーとなってダッチに重くのしかかるのだった。
立てる計画がことごとく失敗し、仲間にも死亡者が続出している状況にダッチは精神的に追い詰められ、自らの誇り高い信条を保てなくなってきていた。敵対者を容赦なく殺すようになり、仲間をも見捨てるような言動を取り始めたダッチに対してアーサーは疑念を深める。仲間たちを守るためにどうすればいいのかと苦悩するアーサーはこの最悪のタイミングで体調を崩してしまい、サンドニで咳の発作に襲われて行き倒れてしまう。

ダッチギャングが決定的に崩壊してしまう

医者に結核であると診断されたアーサーは自分の命がもう長くないことを知る。それ以来アーサーは無法者として生きてきた自分の人生を振り返り、残された時間を何に使うかを真剣に考えだすのだった。
生きがいであったダッチへの忠誠心が自分たちをここまで窮地に追い込んだと考え、さらなる犠牲は出すまいとアーサーは初めてダッチの意志に反して独自に行動を開始する。
一方ダッチは新たにたどり着いた隠れ家である「ビーバーズ・ホロー」近辺で政府と生存を懸けて戦っているインディアンたちに目を向けていた。口では弱きものを助けると言っていても、アーサーから見れば戦いを煽って追跡者の目をくらまし、自分たちが逃げるために利用しているように映った。
アーサーはダッチによってインディアンたちがさらなる不幸に落とされないように彼らの首長と連携を取って戦争を阻止し、そしてジョン・マーストン家族を始めとするギャングの仲間たちをこの窮地から逃がすために全力を尽くし始める。
しかしダッチにとっては最大の危機にアーサーが裏切ったように見えてしまう。絶対だった2人の信頼関係が崩れた時、ダッチギャングは決定的に崩壊してしまうのだった。

エピローグ1 「プロングホーン牧場」

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