ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』とは2011年のアメリカのドラマ映画。監督はスティーブン・ダルドリー。原作はジョナサン・サフラン・フォアの同名小説。9.11のアメリカ同時多発テロで父親を失ったアスペルガー症候群の傾向を持つ10歳の少年オスカーの葛藤と成長を描いたストーリー。オスカーと母が家族の理不尽な死と向き合い、愛情によって親子関係を修復し、絆を強めていく。映画評論家の反応は賛否両論であり、アメリカの有名な賞にノミネートこそしたが、ほとんど受賞を逃した。

「ものすごくうるさくて」というのはオスカーをパニックにさせる街の騒音のこと。
「ありえないほど近い」というのは鍵の持ち主のこと。
400件以上のブラック家を訪ねたのに、鍵の持ち主は1件目の家の人物だったから。

人の温かさを揶揄した表現

オスカーにとって街やそこにいる人と言うのは、とてもうるさくて苦手なものだったが、本当は自分と同じように9.11のテロ事件でみんな大切な何かをなくし、悲しんでいた温かい人たちだった。オスカーが会ったどのブラックさん達も温かく、オスカーに寄り添ってくれた。その人の思いやりを揶揄した表現である。

テロ事件そのもののこと

父が亡くなってからオスカーを襲い続ける、悲しみや後悔や不安という騒音のようなもの。
父の留守番電話のメッセージの声や、イライラさせる街の喧騒、人と接するのが苦手なのに対話したブラックさんたちの声などがオスカーの頭でなり響いていた。

オスカーの頭の中で響いていた音

飛行機が突っ込む音、救急車のサイレンの音、ビルが崩れる音など騒音、騒動がかなり身近なところで起こったということ。

オスカーのマンションはマンハッタンのブロードウェイ

シェル家のマンションの住所は 215 West 98th Street and Broadway, Manhattan.

オスカーが意を決して、タンバリンを鳴らしながら走る様子が撮られた場所はマンハッタンブリッジ

オスカーがタンバリンを鳴らしながら心を落ち着けて走る姿が映し出された印象的なシーンが撮られた場所。
勇気をだして恐怖を克服した大事な場所である。

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の主題歌・挿入歌

主題歌:アレクサンドル・デスプラ『Extremely Loud And Incredibly Close』

【映画音楽】 ものすごくうるさくて、ありえないほど近いより

主題歌:アレクサンドル・デスプラ『Extremely Loud And Incredibly Close』

予告編でのみ使われた主題歌:U2『Where The Streets Have No Name』

予告編でのみ使われた主題歌:U2『Where The Streets Have No Name』

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の関連映像

予告編1

予告編1ではオスカーがトーマスに「ものの見方が独特だ」と褒められたというセリフから始まるが、そのセリフがオスカーがアスペルガー症候群を抱えていることを何となく匂わせ、同時にトーマスがオスカーを認め愛していることが伝わってくる。
次の飛行機が空から落ちるシーンでは、映像を必ずしもストーリー順に持ってくるのではなく、これからオスカーに起こる映像を数多く、ランダムに持ってきたことで、オスカーがたくさんのことを経験することがわかる。
また、作中では使われなかったU2の『Where The Streets Have No Name』の使い方がここで使用される。曲の盛り上がりと共に、オスカーが鍵探しに奔走し、出会った数多くのブラックという人々や間借り人の姿が映し出される。オスカーがトーマスの死後、鍵探しを通じて大きく成長する姿がよくわかる。
最後の締めくくりに、オスカーの「愛してる」、リンダの「あなたのそばにいるわ」というセリフを使うことで、両親の愛と親子の深い絆がテーマだということがよく伝わる。

予告編2

予告編2では、ほぼストーリーの順で映像が使われている。
トーマスとオスカーが調査探検をし仲睦まじい様子が最初に映し出され、9.11の同時多発テロが起こり、トーマスを喪った後、オスカーが鍵を見つけ、その鍵を調査していくというあらすじがわかりやすい。
映像の最後では、トーマスのセリフ「探すのが簡単なら価値がない」も使われている。

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