ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』とは2011年のアメリカのドラマ映画。監督はスティーブン・ダルドリー。原作はジョナサン・サフラン・フォアの同名小説。9.11のアメリカ同時多発テロで父親を失ったアスペルガー症候群の傾向を持つ10歳の少年オスカーの葛藤と成長を描いたストーリー。オスカーと母が家族の理不尽な死と向き合い、愛情によって親子関係を修復し、絆を強めていく。映画評論家の反応は賛否両論であり、アメリカの有名な賞にノミネートこそしたが、ほとんど受賞を逃した。

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の概要

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』とはジョナサン・サフラン・フォア原作の同名のベストセラー小説(原題:Extremely Loud & Incredibly Close)を元にした2011年のアメリカのドラマ映画。
監督は『めぐりあう時間たち』(2002年)や『愛を読むひと』(2008年)でアカデミー賞にもノミネートされたスティーブン・ダルドリー監督。脚本は『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年)などを手がけたエリック・ロス。
キャストはまず、主人公の父親役のトム・ハンクスと母親役のサンドラ・ブロックが最初にキャスティングされた。
主演のオスカー役にトーマス・ホーンがオーディションで選ばれた。トーマス・ホーンは本作がデビュー作であるが、アスペルガー症候群の傾向を持つ少年を熱演し、第17回放送映画批評家協会賞の若手俳優賞、第12回フェニックス映画批評家協会賞の若手男優賞、ブレイクスルー演技賞を受賞している。

オスカー・シェル(演:トーマス・ホーン)はアスペルガー症候群の傾向を持つ11歳の少年でニューヨークに住んでいる。
宝石店を営む父親のトーマス・シェル(演:トム・ハンクス)はオスカーが苦手とする人とのかかわりを克服させるために「調査探検」という遊びをよくしていた。
ある日、トーマスはニューヨーク市内の「幻の第6区」があるという話をオスカーにし、オスカーは夢中になって手掛かりの捜索を始めた。
そんな中、9.11の同時多発テロが起こり、世界貿易センタービルにいたトーマスは犠牲になり帰らぬ人となってしまう。最愛の父を失ったオスカーは悲しみにくれ、父の部屋には入れなかった。「調査探検」もやめてしまった。1年後オスカーは父の存在が自分の中から薄れていると感じ、何か残していないか家の中を探し始めたが、なかなかみつからなかった。1年間足を踏み入れていなかった父の部屋のクローゼットを物色していると、偶然、「Black」と書かれた封筒に入った一本の鍵をみつけた。封筒に書かれた「Black」の文字が人名を意味していると考えたオスカーは、父からの新しい調査探検と考え、Black探しを始める。

賛否両論ある映画となり、アメリカの評論サイトRotten Tomatoesでは165件の評論家レビュー中、支持率は47%、平均点は5.6/10となった。
各メディアのレビューの平均点を出す米Metacriticでも、46/100とびっくりするほど低い。
9.11がアメリカ人にとってセンシティブな出来事だということ、主人公のオスカーがアスペルガー症候群の傾向がある少年ということでその障がいについての予備知識を持っていなかった人には、主人公の行動や言動がよくわからず、共感できなかったというのが否定的な評価につながった。
アスペルガー症候群とは特徴に対人関係、コミュニケーションの困難、こだわりが強い、感覚の偏り、運動のぎこちなさが挙げられる発達障害である。
しかし、9.11がもたらした大きな悲しみの中で、アスペルガー症候群の特性を持つ子に対する両親の配慮や愛情を深く感じ取れる作品でもある。

『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』のあらすじ・ストーリー

「調査探検」と父の死

「幻の第6区」の調査探検を始めるトーマスとオスカー

アスペルガー症候群を抱える10歳のオスカー・シェル(演: トーマス・ホーン)は頭の回転が速く、賢く、好奇心旺盛な少年だが、その反面人とのコミュニケーションや人混み、乗り物に乗ることなど苦手なものがたくさんあった。
そんなオスカーのために、宝石店を営む父親のトーマス・シェル(演:トム・ハンクス)は「調査探検」と称した遊びをオスカーと一緒にして、オスカーの好奇心をくすぐりながら人とかかわる機会を作っていた。
ある日、トーマスはニューヨークに昔存在していたという「幻の第6区」を探す、大きな「調査探検」をするようにオスカーに促す。好奇心旺盛なオスカーはすぐにのめりこんで調査を始めた。
トーマスは「セントラルパークは昔、第6区にあった」とオスカーに話し、オスカーはセントラルパークを調査することにする。「幻の第6区」を探す手掛かりとして、トーマスはある新聞記事をオスカーに見せた。その記事にはセントラルパークのブランコの裏で、一枚のメモがみつかり、そのメモは第6区で書かれたものらしいという内容が書いてあった。
それがオスカーがトーマスとした最後の会話だった。

翌日、オスカーは何も聞かされていないまま、学校から帰された。家にはトーマスから6件の留守番電話が入っていた。
帰宅してテレビをつけたオスカーは9.11の同時多発テロが起きたことを知った。トーマスはテロの犠牲になり、命を落とした。

鍵がみつかる

オスカーは1年ぶりに入ったトーマスの部屋のクローゼットから鍵を見つける

1年後、最愛の父を亡くし悲しみに暮れるオスカーは「幻の第6区の調査探検」にも興味を示さなくなっていた。
オスカーは「もしも太陽が爆発したらその光が地球に届くまで8分間は暖かい」とトーマスの死を太陽の爆発に例えた。
「パパと僕の8分間が終わっていく」と、自分の中で父の存在が薄れていくことに不安を感じ、トーマスの部屋に何かが残されていないか入ってみることにした。
母、リンダ・シェル(演:サンドラ・ブロック)もトーマスの部屋のものはなにもいじっておらず、全部そのまま残されていた。
トーマスの部屋のクローゼットの背広のポケットから、「探すの『が』やめない」と書かれた新聞の切り抜きがみつかり、オスカーはそれを自分のポケットにしまった。
棚の上のカメラを取ろうとしたところ、誤って青い花瓶を落としてしまい花瓶が割れた。花瓶の中から封筒に入った鍵が出てきた。
「オスカー、大丈夫?」と一階からリンダの声がしたので、オスカーは鍵を持ち、慌てて部屋を出た。
自分の部屋に帰って、隣のうちに住んでいるおばあちゃん(演: ゾーイ・コールドウェル)に、トランシーバーで「パパから特別の鍵のこと聞いていた?」と聞く。
おばあちゃんは「聞いていない」と答えた。オスカーは「間借り人(演: マックス・フォン・シドー)はまだいる?」とも聞いた。おばあちゃんは9.11の3週間後に男の人に部屋を貸していた。
オスカーは間借り人にも興味を持っていた。おばあちゃんは「会っても口を聞いちゃいけないよ。怒ると怖い人だから」とオスカーが間借り人と接触させたくないようだった。

鍵の謎を解け~ブラックさん探し

オスカーはブラックという人全員を訪ねるために地図を作った

次の日、オスカーはリンダに熱があると嘘をつき、学校を休んだ。なぜなら、トーマスの部屋で手に入れた鍵を持って鍵屋に行こうと考えたからだ。
「鍵に何か秘密があるのではないか?」と考えたオスカーはリンダに言うこともなく、一人でそのカギを調べることに決めたのだ。
鍵屋の店主(演:スティーヴン・ヘンダーソン)は、「鍵は古いものでどれに合うかはわからない。片っ端からさしてみないと」と言う。
「学校はどうした?」と店主に聞かれたオスカーは「キング牧師の日だから」とまた嘘をついた。朝、リンダに嘘をついてからオスカーは自分がついた嘘の数を数えるようになっていた。
オスカーが店を去ろうとすると、店主が「封筒にブラックと書いてあるが、知り合いか?鍵のことを知っているかもしれないぞ」と声を掛けた。
オスカーはブラックいう人に鍵の手掛かりがあると確信し、店主に「ありがとう。あなたは天才だ!」と言って店を出た。

自宅に戻ると、マンションのドアマン(演:エヴァ・カミンスキー)に国政調査の課題が出たと嘘をついて、ニューヨークの電話帳を借りた。
そしてブラックという人をリストアップし、472人もいることがわかった。オスカーは地図にブラックという人の家をマークし、1件、1件訪ねていくことにした。
オスカーはこれはパパが残してくれた「調査探検」で「パパとの8分間」を永遠に引き延ばせるかもしれないと考え、なんとしてでも鍵の謎を解くと意気揚々でリュックに必要なサバイバルグッズを詰めた。
イスラエル製のガスマスク、心を鎮めるためのタンバリン、双眼鏡、調査探検のノート、おじいちゃんのカメラ、ホーキング博士の『宇宙を語る』、携帯、イチジクのクッキー、鍵、パパのメッセージの「探すの『が』やめない」の紙。
荷物を詰めるとオスカーはトーマスとよくやっていたテコンドーの型をつくり、リンダに「コミコンに行く」と嘘をつき、外へ出た。
「携帯の電源は切らないで。1時間ごとに電話して」というリンダの声をうるさいと感じていた。

1人目のブラックさん~アビー・ブラック

オスカーはまず初めにアビー・ブラックの家を訪ねる

オスカーはまずはブルックリンのフォートグリーンに住むアビー・ブラック(演:ヴィオラ・デイヴィス)を訪ねることにした。
9.11以来、オスカーは苦手なものが増えていた。公共の交通機関も苦手なものの1つだったので歩いていくことにした。
特にパニックになるものが橋だった。生前、トーマスが「なんでもやってみることだ」と言っていたことを思い出し、タンバリンを鳴らして心を落ち着かせながら渡り切った。
オスカーはアビー・ブラックの家に着き、チャイムを鳴らした。
アビー・ブラックの家はちょうどその時、離婚をし、夫が家を出ていくという大変な時だった。
「取り込み中よ」と言ってアビー・ブラックはオスカーを相手にしなかったが、オスカーは「のどが渇いた」と嘘を言って、何とかアビー・ブラックの家に入れてもらった。
玄関に涙を流している象の写真が置いてあり、それを手に取ったオスカーは「これ気に入った」と言い、象の知識を披露する。死んだ象の声を生前に録音してその象の家族に聴かせたら覚えていたという話だ。「その象達はどんな気持ちだったでしょうね?」とアビー・ブラックはオスカーに聞いた。オスカーは「さあね」とそっけなく答えた。そして「泣くのは人間だけだ」と言った。
近くでアビー・ブラックの夫がバタバタと忙しく動いていた。
オスカーは「トーマス・シェルを知らない?この鍵に合う鍵穴を探している」と切り出したが、アビー・ブラックは「ごめんね。鍵もあなたのお父さんのことも知らないわ」と答えた。
そして涙を流している象の写真をオスカーにくれた。オスカーは「お気に入りなんでしょ?」と遠慮するが、「気持ちってどんどん変わるものよ」と言う。
オスカーはアビー・ブラックを忘れないように写真を1枚撮らせてもらい、アビー・ブラックの家を後にした。

難航する調査~父のことを想う

オスカーは調査が難航する中、幾度となく父のことを想い、苦しむ

その後も一向に調査が進行しないオスカーはトーマスが亡くなったあの最悪の日のことを思い出していた。
部屋にこもって耳をふさぎ怯えるオスカーはリンダが「開けて」と言っても応じなかった。「なぜ入りたいの?」とオスカーはリンダに聞く。
「愛していると言いたいから」とリンダは答えた。
リンダはオスカーを心配していた。

オスカーはトーマスが亡くなった日のことを回想する。あの日、学校から帰った後、父の留守電を聞き、怖くなったオスカーはベッドの下に潜って、動くことができないでいた。
留守番電話に録音されたメッセージで、トーマスは「いるのか?いるのか?」と何度も繰り返し問いかけていた。
隣に住むおばあちゃんがオスカーを心配し訪ねてきてくれた。しばらくして急いだ様子でリンダも帰宅したが、彼女もまたパニック状態だった。
リンダはオスカーに「パパからの留守番電話はなかった?」と聞いたが、オスカーは首を横に振り嘘をついた。リンダは何度もトーマスに電話をかけるが全く繋がらない。
オスカーは「ママにパパの留守電は聞かせられない」と思い、電気屋で同じ電話を買い、嘘の伝言を吹き込んだ。
トーマスの留守電が入っている電話は自分の部屋に保管した。

オスカーはまた鍵の調査探検はじめ、ハゼル・ブラックやその他たくさんのブラックという名前の人の家を訪ねたが、鍵穴に繋がる情報は得られなかった。ブラックさん1人につき6分ほどの時間をとろうと考えていたオスカーだったが、どのブラックもオスカーに同情し、さらに自分の話をしたがるため時間はオーバーした。オスカーは慰めや友達は要らず、鍵穴のことだけ考えていた。
何度となくトーマスの留守電を聞き、そのたびに苦しくなった。オスカーは留守電を聞くたびに自分のお腹を痣ができるまで強くつねった。

母との確執

オスカーは不安定になり、寝ている母を突然起こし、「僕が死んでも埋めないで」と騒ぎ始める

ある夜、オスカーは寝ているリンダを突然起こし、「僕が死んでも、埋めないと言って。…本当に僕のことを愛している?」と言い始めた。
リンダは最近オスカーが何も話してくれないことを心配して向き合って話をしようとしたが、オスカーは「ママはいつも寝ているか起きていてもぼんやりしている。法律用語でいう不在だ!僕には親がいない」とリンダにきつい言葉をぶつけた。不安なオスカーは「僕が明日死んだら」と続ける。「あなたは明日死んだりしないわ」とリンダが否定し、リンダとオスカーは口論になった。
オスカーはトーマスが亡くなった時に、空の棺桶でお葬式をしたことをとてもばかげていると思っていた。リンダはお葬式は気持ちの区切りの問題だと諭すが、オスカーには受け入れられない。荒れるオスカーは棚のものを投げて部屋をめちゃくちゃにした。
リンダも「どうして事故に遭ったのが私の夫だったのかいくら考えてもわからない。いくら考えてもわからないのは答えがないからよ。理屈じゃどうにもならないの」と叫ぶ。
オスカーは耳に手を当て蓋をし、「うるさい、何も知らないくせに」と大声で叫んだ。
そして「あのビルにいたのがママならよかった」とオスカーは酷いことを言った。すぐ「今のは本心じゃない」と打ち消したが、リンダは「本心よ」と疲れた表情で言った。
リンダはオスカーに父の死という現実を受け入れるように説明したのだが、オスカーの耳には届かなかった。「もう寝なさい」とリンダはオスカーに言い、オスカーは自分の部屋に帰っていった。

リンダはあの日のことを思い出していた。あの同時多発テロの事故の日、仕事を早退し帰宅しようとしていたリンダの携帯にトーマスから電話があった。
トーマスはリンダに「今、ワールドトレードセンターにいる。心配ないよ。これだけは言っておくよ。心から愛しているよ。またすぐ掛け直すから」と言って電話を切った。リンダはトーマスの最後の声が忘れられなかった。

間借り人と一緒にブラックさん探し

オスカーはおばあちゃんの家の間借り人と一緒にブラックさん探しをすることになった

ある夜、隣に住んでいるおばあちゃんにトランシーバーで連絡を取るが、おばあちゃんは出ない。すると間借り人の部屋の電気がついたり消えたりしていた。
オスカーはおばあちゃんの家に行ってみることにした。そこには間借り人がいて、筆談で「しゃべれない」と紙に書いて見せてきた。
なんでしゃべれないのかオスカーはしつこく聞いたが、間借り人は「私の話は私のもの」と書いた紙を見せてきた。
オスカーは秘密を誰かに打ち明けたくなり、「僕の話をしてもいい?」と間借り人に聞いた。間借り人は「イエス」と書いた左手を挙げて答えた。
オスカーは今までのこと、パパが9.11で亡くなって、1年後クローゼットから鍵がみつかり、その鍵の入っていた袋に書いてあったブラックという人を訪ねて、鍵穴を探していることを矢継ぎ早に話した。自傷したお腹も見せた。間借り人は「もう寝る」と紙に書いて行ってしまった。
オスカーが自宅に戻ろうとすると、「よかったら」と間借り人が紙を差し出す。「一緒に探す?」。オスカーは心の中でそんなの絶対だめだと思っていたが、口から出たのは「いいよ。じゃ、土曜の朝、7時に」という言葉だった。

土曜日の朝、間借り人とブラックさん探しをすることになった。オスカーは調査探検のルールを間借り人に説明し出かけた。
公共の交通機関を使わないというのがルールの1つだったが、間借り人は「地下鉄に乗ろう」という。「(年を取っているので)そんなに歩けないし、地下鉄のが早い」というのだ。そして「何も怖くない」とも。オスカーは仕方なく地下鉄に恐る恐る乗ることにした。ガスマスクを被って、タンバリンを鳴らしながら、オスカーは必死に心を落ち着けていた。
そんな様子を見た間借り人は、「無を考えろ」という紙を見せてきた。「矛盾語法だ!」。オスカーはトーマスとよくやっていた遊びを思い出した。テコンドーをしながら矛盾語を言い合う遊びをよくしていたのだ。オスカーはトーマスが亡くなってから初めて心から話せる人ができたような気がした。

調査探検の途中、ある港の小屋に行く過程で、橋を渡ることになった。橋はオスカーが最も苦手とするものだった。
橋の途中まで行くと、間借り人は怯えながら橋を渡るオスカーに「橋を渡ったら、私の話をしよう」という書置きを橋のてすりに置いて先に行ってしまった。
オスカーは何とか橋を渡り切り、その小屋を調べるが誰もいなかった。帰ろうとすると、間借り人が置いていった「先に近くのバーに行っている」という書置きを見つけた。
オスカーがバーに行くと、間借り人は自分の話をメモに書き、バーの店主に読ませた。
「私はあちこちで暮らしてきた。でも、生まれたのはドイツだ。戦争が終わった後、結婚をして、子供が一人できた。だが、父親になるのが恐かった。まだ私が少年だった頃、両親と防空壕に逃げたのに、爆弾を落とされてしまい、両親は死んでしまった」というものだった。
オスカーは「その時話すのをやめたの?」と間借り人に聞いた。間借り人は左手に「イエス」右手に「ノー」と書いた両手を挙げ、「答えたくないこともたくさんある」とメモに書き、店を出ようとした。「これからはずっと一緒に来てくれる?」とオスカーは言った。間借り人は肩をすくめた。そのしぐさがトーマスのそれとよく似ていることに気づき、オスカーは間借り人がおじいちゃんだと確信した。

引き続き調査探検を続けるオスカーと間借り人だったが、調査は難航し手掛かりは一向に掴めない。
オスカーはパニックを起こしていた。間借り人に「鍵に合う鍵穴はあると思う?」と問いかける。「イエス」間借り人は左手を挙げた。「鍵穴は見つかると思う?」と尋ねると、「ノー」と間借り人は右手を挙げた。オスカーが泣きそうな声で「僕も自信がないよ」と言うと、間借り人は「じゃ探すのをやめる?」と書いたメモを見せた。オスカーは「見せたいものがある」と言って間借り人を自宅に招き入れた。
オスカーはまず、ネットで検索し、プリントアウトした9.11の日にビルから飛ばされる人の写真を間借り人に見せた。そしてトーマスの録音メッセージが入った電話を持ってきて、この電話には6件のトーマスからのメッセージが入っていて自分しかこのメッセージを聞いていないということを間借り人に伝えると、メッセージを再生した。間借り人にメッセージを聞かせる時にはその時刻と自分がしていたことを付け加えた。間借り人はとても辛そうな面持ちで、途中「やめろ。もういい」と聞くのを嫌がった。でもトーマスは「最後まで聞いてほしい」と6番目のメッセージを流そうとした。でもボタンを押せなかった。間借り人は「探すのもやめなさい」というメモを見せると去っていった。
オスカーが窓からおばあちゃんの家を見ると、おばあちゃんと間借り人が何か揉めているように見えた。オスカーは気になっておばあちゃんの家に向かうと、間借り人が荷物をまとめ、タクシーを呼び、出ていくところだった。
オスカーは慌てた。間借り人は「君を助けたかった。だが傷つけている」とメモに書き、引き留めるオスカーを振り切って車を出した。
オスカーは叫ぶ。「これっきり?おじいちゃんでしょ?消えたら僕が寂しがると思う?そんな心配要らないよ。それよりお礼を言いたいね。僕のパパは最高だ。あなたが最低のパパだったから」。
そしてパパがどんな人であるか、間借り人を乗せた車が去っても間借り人に聞こえるほどの声でずっと叫んでいた。

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