私の名前はキム・サムスン(韓国ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『私の名前はキム・サムスン』とは、崖っぷちのパティシエ、キム・サムスンとイケメン若社長のヒョン・ジノンが恋に落ちるラブ&コメディドラマである。どこにでもいる平凡な女性、キム・サムスンを演じたのは女優キム・ソナ。イケメンで裕福だけど性格が悪いヒョン・ジノンを演じたのは、俳優ヒョンビンだ。最終回で最高視聴率50.5%を記録した韓国で大ヒットしたドラマでヒョンビンの出世作とも言われている。恋愛も仕事も上手くいかないサムスンがホテルの御曹司ジノンとの偽装恋愛を始め、次第に惹かれ合うロマンスを描く。

『私の名前はキム・サムスン』の概要

『私の名前はキム・サムスン』とは、韓国のMBCで2005年6月1日から7月21日まで放送された韓国のドラマである。ジャンルはラブコメディーで、全16話。原作はインターネット小説。
少しふくよかな、平凡でどこにでもいるアラサーのパティシエ、キム・サムスンと裕福でイケメンだけど性格が悪い若社長ヒョン・ジノンとのロマンスを描くドラマだ。韓国版『ブリジット・ジョーンズの日記』とも言われている。恋と仕事に奮闘するキム・サムスンの姿や結婚や恋愛にまつわる赤裸々なセリフに、多くの女性が共感し、"サムスン・シンドローム"という社会現象まで巻き起こした大ヒットドラマである。さらに、最終回は視聴率が50.5%をマークし、話題となった。

主人公のキム・サムスンを演じるのは、ラブコメの女王と言われている女優のキム・ソナ。キム・ソナはサムスンの役作りのために体重を10kg増やした。『私の名前はキム・サムスン』が大ヒットし、2005年のMBC演技大賞では、大賞、最優秀女優賞、人気賞、ベストカップル賞と、多くの賞を受賞した。『私の名前はキム・サムスン』以降は、一躍国民的女優となるが、事実無根のスキャンダルでしばらく表舞台から消えることとなった。3年後、復帰して、ドラマ『ラブ・トレジャー〜夜になればわかること〜』で主演を務めた。その後も、ドラマ『シティーホール』、ドラマ『女の香り』、ドラマ『アイドゥ・アイドゥ〜素敵な靴は恋のはじまり』、映画『オペレーション・クロマイト』など、数多くの作品に出演した。

そして、ヒョン・ジノンを演じるのは、俳優ヒョンビンだ。ヒョンビンは、数ヶ月間ドラマ中の水泳とシャワーシーンのために、水泳とウェイトトレーニングで体を作りした。さらに、ピアノ演奏シーンのために、家にピアノを置いて練習して役作りにも励んだ。2005年、『私の名前はキム・サムスン』が大ヒットし、MBC演技大賞で「男性最優秀演技賞」を受賞した。彼にとって『私の名前はキム・サムスン』は出世作ともいえる。日本でも知名度と人気を高めた。ヒョンビンは『私の名前はキム・サムスン』以降、ドラマや映画などで活躍を広めたが、いまいち大ヒット作がなく悩んだ。しかし、2010年にドラマ『シークレット・ガーデン』で『私の名前はキム・サムスン』以来5年ぶりに、出演で御曹司の役を好演し、最高視聴率35%を記録した。2019年にはドラマ『愛の不時着』でも主演を務め、『私の名前はキム・サムスン』、『シークレット・ガーデン』に続く大ヒット作となった。

美人でもないスタイルも良くもない、普通の30歳女性キム・サムスン。職業はパティシエでケーキやお菓子を作る腕は一流。サムスンは、29歳のクリスマス・イブに彼氏にフラれ、その上仕事もクビになった。そんな崖っぷちの彼女は、年下のイケメン御曹司ヒョン・ジノンにスカウトされ、彼が経営しているフレンチレストラン"ボナペティ"でパティシエとして働くことになる。ある日、サムスンは母親の勧めでお見合いすることになり、そこでたまたまジノンも同じ場所でお見合いしていた。お見合いが嫌なジノンは、その場にいたサムスンに恋人のフリをして話しかけた。そのおかげで、サムスンはお見合いの相手を逃してしまう。ジノンはその後もお見合いから逃げるために、サムスンに5000万ウォンと引き換えに恋人のフリをしてほしいと頼む。お金がほしいためにサムスンはその提案を受け、2人は偽装恋愛を始める。偽装恋愛から2人は次第に惹かれ合うようになる。年齢も身分も違う2人が惹かれ合う、そんな現実離れしたストーリーを現実的に描きだした傑作ドラマだ。

『私の名前はキム・サムスン』のあらすじ・ストーリー

人生は箱いっぱいのボンボン・ショコラ

出典: www.hikaritv.net

クリスマスに恋人のヒョヌに浮気をされたサムスン。

2004年12月。30歳の少しふくよかなパティシエ、キム・サムスンには、3年付き合った恋人ヒョヌがいた。しかし、サムスンは彼氏の浮気を疑い、クリスマス・イブに彼の浮気の現場を抑えるため、ホテルまで尾行した。サムスンはヒョヌに尾行していたことがバレてしまい、彼に「とりあえず話そう」と言われ、ホテルのラウンジで話し合う。しかしヒョヌは反省する様子もなく、むしろなぜ尾行したのかとサムスンを問い詰めた。最終的にヒョヌはサムスンに「もう別れよう。」と告げ、サムスンは失恋した。

サムスンは泣きながらその場を去り、ホテルのトイレの個室に入る。失恋の悲しみからトイレの個室で一人泣いていると、突然トントンとドアををノックされた。サムスンが「入ってますよ。」と言ってもその人はドアを叩くのをやめない。入っていると言っているのに、ずっとトイレのドアを叩いてる人にイライラしてしまい、「入っているってば!」とサムスンは叫んでドアを開けた。すると目の前にはなんと男性がいた。サムスンは間違えて男性トイレに入ってしまっていたのだ。
その男性はそのホテルの御曹司で、名をヒョン・ジノンという。ジノンはフレンチレストランを経営している若社長で高身長のイケメンだ。(ここでは2人はまだ自己紹介していないので、お互いの素性がわからない。)

ジノンは失恋で泣き崩れるサムスンに、冷たく「ここは男性トイレですよ、変態なの?おばさん。」と言う。恥ずかしくなったサムスンは急いで扉を閉めた。
恥ずかしくなってなかなか出てこられないサムスンに、ジノンは「浮気されたら、理由なんて聞かないでスネを蹴ればいいですよ。男なんてたくさんいますよ。」と言った。サムスンを慰めたジノンはその後、ホテルを出てタクシーに乗って帰宅した。
ジノンはサムスンとヒョヌが別れ話をした時、同じラウンジにいてサムスンの別れ話を聞いていたのだ。ジノンはお見合いをしていたのだが、お見合い相手のことなどそっちのけで話を全く聞こうとせず、サムスンとヒョヌの別れ話を盗み聞きし面白がっていた。それを見たお見合い相手は呆れ返り、ジノンに水をぶっかけると怒ってその場を去ったのだ。

時は流れ2005年。ジノンは早朝の水泳を楽しんだ後、自身が経営しているフレンチレストラン”ボナペティ”に出勤した。
同じ頃サムスンは昨年のクリスマス・イブに元恋人の浮気を尾行するために休んだことが原因で、パティシエとして働いていた店を解雇されてしまい崖っぷちになっていた。しかし崖っぷちになっても幸せな結婚を夢に見るサムスン。結婚相談所に勇んで行くも、年齢と体型のことで結婚相談所のスタッフには冷たくあしらわれてしまう。

一方ジノンはというと、レストランで働いている外国人パティシエが母の急逝のために母国に帰国してしまうというハプニングにみまわれていた。そのためホテルを経営している母に、ホテルのレストランで雇っているパティシエを一時期だけ貸してほしいとホテルまで行って頼んだ。母を説得するためにロビーから母の後ろについていき、訳を話して頼むジノン。しかし、ジノンの母ナ・ヒョンスク社長は、難色を示し、話をクリスマス・イブのジノンのお見合いの話にすり替えた。「この前のお見合い相手、別の人と結婚が決まったわよ。あなた、いつ結婚するの?ミジュ(ジノンの姪っ子)の入学式に付き添う叔母が必要なのよ。」と怒りながらジノンに尋ねた。するとジノンは「結婚式はパスするよ。ミジュの入学式は俺が行くし、PTAも参加する。だからお見合いは勘弁してください。」と答えた。それを聞いたナ社長は怒ってジノンのことをぶった。
母・ナ社長とともに社長室に着くと、一緒にいたナ社長の秘書であるユン・ヒョンスクにジノンは「ナ社長は最近大丈夫なの?」と尋ねると、「もう年なのよ。」と答えた。ユン秘書はジノンに「まだタクシーを利用してるの?運転が嫌なら、運転手を雇えばいいのに。」と言った。しかし、ジノンは「快適ですよ。」と返した。

出典: kmagazine.biz

ジノンのジャケットのボタンに髪が絡まって抜けなくなったサムスン。

サムスンは新しい仕事に就くために、試作のケーキを持ってホテルのベーカリーの面接を受けた。そのホテルはサムスンが浮気した元恋人を目撃したホテルであり、ジノンの母が経営しているホテルでもあった。ベーカリーの厨房で面接を受けるサムスンだったが、残念ながら面接結果は不合格。落ち込みながらサムスンが帰ろうとすると、厨房でケーキを作るパティシエたちが目に入りふと足を止める。ケーキを作るホテルのパティシエ達の仕事ぶりに見惚れていたのだ。するとちょうどそこにはジノンがホテルのパティシエに自分の店に人手が足りないので従業員を貸してほしいと頼みに来ていた。

サムスンが厨房の扉の前にいるとジノンに突然声をかけられ、2人は昨年のクリスマス・イブぶりに再会した。サムスンは突然声をかけられたことにびっくりして、ジノンにぶつかる。その拍子にサムスンの髪の毛がジノンのジャケットのボタンに引っかかってしまった。なかなかとれない髪の毛に嫌気がさしたジノンは厨房の中に入り、ハサミでサムスンの髪の毛を切ってしまった。
サムスンはこれに怒り、面接のために作ってきた試作のケーキをジノンの顔にぶつけてその場を去る。ケーキをぶつけられたジノンは、顔についたケーキのクリームをなめて美味しいと思ったので、サムスンをパティシエとしてスカウトしようとサムスンを追いかけた。

その頃、「ムカつく!」とブツブツ独り言を言いながら、サムスンはトイレに入った。そこでサムスンはハッとジノンの顔を思い出し、「あいつ、クリスマス・イブに会ったやつじゃない!」と独り言を言った。トイレから出た後サムスンは自分を探していたジノンに見つかり追いかけられる。サムスンは追ってくるジノンを見て怖くなり逃げた。しかしその甲斐虚しく、サムスンはジノンに捕まってしまう。ジノンはサムスンに「あのケーキを作ったのはあんたか?」と聞くが、サムスンは口を利こうとしない。しかしジノンがフレンチレストランを経営している社長だと知ると、サムスンは態度を一変。改めて試作のケーキを作って面接する約束をしたのだった。

面接の日にサムスンは履歴書と試作のケーキやお菓子を持って、ジノンのレストラン”ボナペティ”を訪れた。サムスンの目の前で彼女の履歴書を見るジノン。サムスンはこの時「この人、私の名前に笑わないわね。それに、この人私のことを覚えてない。お願いだから思い出さないで。」と心の中で思った。その後、ジノン、”ボナペティ”の料理長、オ支配人はサムスンが持ってきた試作のケーキやお菓子を試食した。どうやら料理長とオ支配人はサムスンの用意した試作品を気に入ったようだ。それを見たジノンは「いいでしょう。一緒に働きましょう。まずは試用期間3か月で、正式な採用はその後考えます。」とサムスンに言った。そこでサムスンは「ありがとうございます。でも、ちょっと条件が…。」と言った。

サムスンとジノンは、条件のことを話すために社長室に入った。サムスンの言う条件というのは”キム・サムスン”という名前ではなく、”キム・ヒジン”として自分を紹介してほしいというものだった。ジノンは「そのままでいいじゃないですか。」と言うも、サムスンは「あなた、(ダサい名前の)サムシクと呼ばれたらいやでしょ?」と返した。(サムシクは韓国では古臭いダサいイメージのある名前のため。)これにジノンは難色を示したが「では、こうしましょう。名前は変えてもいいですよ。でもヒジン以外でね。」と言った。しかしサムスンは負けじと「それなら別のパティシエを雇ってください。」と反抗する。それにジノンはしばらく黙ったので、しびれを切らしたサムスンは「もう別の人を雇ってください。」と席を立った。仕方なくジノンは「キム・ヒジンさん」とサムスンを呼んだ。サムスンは振り返り「はい、社長。」と返事をする。ジノンはサムスンに「なんでよりによって、”ヒジン”なんですか?」と尋ねた。サムスンは「その理由は、正式に採用されたらお話しします。」と言ってその場を去った。

場面が変わり、アメリカから韓国に向かう飛行機の中。とある女性が飛行機の窓のスライドを開けた。その女性はユ・ヒジン。ジノンの元恋人である。
ヒジンの隣に座っている女性が、ヒジンに「一人だとワインを飲みきれないから、一緒にどう?」と誘った。ヒジンの隣の女性はサムスンの姉キム・イヨンだった。ヒジンはイヨンの誘いを受け、2人はワインを飲みながら会話をする。ヒジンは3年間医学生としてアメリカで暮らしていたこと、イヨンはエリートの旦那と離婚したことを話した。2人は一気に仲良くなった。

レストラン”ボナペティ”では、ジノンが従業員たちの前でサムスンを紹介していた。「今日から一緒に働く、キム・サム…ヒジンさんです。」と、ジノンは約束通り、サムスンを”ヒジン”として紹介した。サムスンは従業員たちの前で「キム・ヒジンです。一緒に働けて光栄です。よろしくお願いします。」と挨拶した。そこで、従業員の一人のチャン・ヨンジャはサムスンに「何歳ですか?」と尋ねた。サムスンは「30歳です。」と答えると、ヨンジャは「2倍にしたら、60歳ですね。」とからかった。その後サムスンは、パティシエのユニフォームに着替え、気合十分に仕事に向かった。

僕たち付き合ってみませんか?

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ジノンにお見合いを邪魔されて、屋台でジノンに愚痴を言うサムスン。

ジノンのレストランで働き始めたサムスン。初出勤日は従業員でパティシエ見習いのイ・イネが厨房の案内や従業員たちの紹介してくれた。サムスンはお店にも慣れていき、なんとか仕事をこなせるようになっていく。仕事は順調だ。

ある日、サムスンは男性のお客様が妻にサプライズするために、ケーキに指輪を入れてほしいという注文を受けた。サムスンの作ったケーキを食べて、中に指輪があると気づいたその男性の妻は、サプライズをとても喜んだ。サムスンはその様子を陰から見て幸せな気持ちになったが、見習いのイネがサムスンに話しかけた。イネ曰く、その男性は浮気者で先週は愛人と”ボナペティ”に来ていたと言う。それを聞いたサムスンは、怒り「ちょっと一言言ってくる。」と言った。イネが止めるも直接そのお客様のテーブルに行き、浮気をするなとほのめかすことをスイーツの話に絡めて話をする。しかしその現場をジノンに見つかってしまった。サムスンは最後には「どうか離婚はしないでください。」と直接的に言ったので、ジノンはサムスンをバックヤードに連れて行き説教した。これにサムスンは「私が嫌いなのは浮気男、許せないのも浮気男で、殺したいのも浮気男なんです!」と主張した。ジノンはそんなサムスンに「公私混同はしないように。ここで仕事するなら、僕の流儀に従ってください。」と怒る。サムスンはジノンの言動から、ジノンは本当は自分のことを覚えているのかと気づき、聞き出そうとしたが結局聞かなかった。

韓国に帰国したヒジンとイヨンは、空港で別れた。ヒジンはリムジンバスに乗り携帯電話を開く。ヒジンは恋人だったジノンとの写真を待ち受けにしており、それを見て「もう怒ってないわよね。」とつぶやく。

サムスンは母親・パク・ボンスクの勧めでお見合いすることが決まった。相手はぽっちゃりが好きだとボンスクが言った。お見合い当日、サムスンは気合十分だ。お見合い会場のトイレで身だしなみの最終チェックをするサムスン。そのお見合い会場はサムスンの元恋人が浮気したホテルだった。サムスンは縁起が悪いなと思いつつも、お見合い相手を待っているとお見合い相手が現れた。その人がイケメンで礼儀正しい人物であることがわかると、サムスンはおしとやかな態度で振る舞った。
その頃、ジノンもサムスンと同じ会場でお見合いをしていた。ジノンはお見合い相手の女性に嫌われるために、意地悪な質問をするも全く効果がなく、ジノンはいったんトイレにた立った。ジノンはトイレに行く途中、お見合いしているサムスンを見かけ、「フラれたホテルでお見合いかよ。」と笑った。しかしサムスンはお見合いに夢中でジノンの存在に気づいていない。

トイレに入ったジノンは、去年のクリスマス・イブに始めてサムスンと会ったことを思い出す。そして、ジノンはお見合いから逃れるために、サムスンに恋人のフリをしてもらうことを思いつき実行に移した。ジノンはお見合い中のサムスンに恋人のフリをして話しかけ、さらにサムスンの腕を引っ張り連れ去ろうとした。サムスンはお見合い中ずっとおしとやかな言葉を使っていたが、ジノンがお見合いの邪魔をしてきたことに我慢できず怒ってしまい、「この野郎!はなせ!」と言ってジノンの頬をビンタした。それを見たサムスンのお見合いの相手とジノンのお見合いの相手は帰ってしまった。それにショックを受けたサムスンは、涙目でジノンを軽蔑し、「退職します。」と宣言してホテルを去った。ジノンはサムスンを追いかけた。

ジノンは黙ってサムスンの後をついて行く。その間お詫びのつもりで給料を上げるとジノンが提案するが、サムスンはまだ怒りが収まっておらずそれを無視した。サムスンが納得のいっていないのを見て、ジノンは「正社員にしますよ。1ヶ月で正社員になれるのは異例です。」と言ったが、サムスンはやっぱりジノンの相手をしなかった。ジノンはサムスンに「じゃあ、僕にどうしろと?」と聞くと、サムスンは「時間を戻して、あの男をあの席に座らせて。」と怒りながら言った。
サムスンとジノンは歩き続け、やがて南山(ナムサン)のロープウェイ乗り場に行きつく。2人はチケットを購入し、ロープウェイに乗るために列に並んだ。ロープウェイが到着し、サムスンが一番最初にロープウェイに乗り込む。その後にジノンが続くはずだがなかなか乗ってこない。サムスンが振り返ると、ジノンは後ろの列の人に何か話しかけていた。そしてジノンがロープウェイに乗ると、扉はすぐすぐ閉まり出発する。ロープウェイにはサムスンとジノンしか乗っていない。サムスンは「え?他の人はなんで乗らないの?」と不思議に思っていると、ジノンは「プロポーズすると言ったんだ。」と返した。これにサムスンは呆れ、「辞められると困るからついてきてるんでしょ。」とジノンを睨みあげた。ジノンはサムスンに「結婚よりも正社員になった方が、安定しますよ。」と言うも、サムスンは「私は結婚したいの!」と主張した。

その頃、韓国に帰国したヒジンも南山(ナムサン)のロープウェイに乗っていた。サムスンとジノンが乗るロープウェイの反対側にヒジンは乗っている。ヒジンの乗るロープウェイとジノンたちが乗るロープウェイはすれ違ったが、ジノンもヒジンもお互いに気が付かなかった。

サムスンの母親は家でお見合い相手の親と電話していた。この時、お見合い相手もサムスンもまだ家に帰ってないので、お見合いが上手くいっていると勘違いして、「秋ごろにはゴールインかもね!」と期待しながら会話をしていた。

一方ジノンの母親・ナ社長の元には、ジノンのお見合いに関する電話がきていた。その電話でジノンが他に”サムスン”という恋人がいると聞かされ、ナ社長は混乱する。ナ社長はジノンを探し、”サムスン”という女について聞き出そうとしたが、ジノンとは連絡がつかない状態だった。

サムスンはストレス発散のためにゲームセンターへ行き、ゲームをしたりクレーンゲームで豚のぬいぐるみを取ったり、カラオケで発狂するように歌って踊った。夜になると屋台で酔っ払うまでまでお酒を飲んだ。ジノンはサムスンの行くところ全てについて行った。屋台で遅くまでたくさんお酒を飲んで、呂律がまわらないくらい酔っぱらうサムスン。サムスンは酔っぱらった勢いで「元彼は私のことを誰にも紹介してなかった。」と浮気した元恋人のことについて零しだした。ジノンはそれについ「やっぱり。あんなの誰が見ても浮気男ですよ。」と答えてしまう。ジノンはハッとして、言ってしまった!というような表情をしたが、サムスンはそれを見逃さなかった。「あなた、やっぱりね。どこまで覚えてるの?」とサムスンはジノンを問い詰める。ジノンは「全部です。全部。」と開き直って言った。

その後、サムスンはお会計をするも、お金が足りず、酔っぱらってフラフラにながらもATMに行こうとした。ATMに行く途中に危うく車に引かれてしまいそうになったが、ジノンが助けてくれた。すると、ジノンの態度が豹変して「死ぬ気か!」と叫んだが、サムスンは「何か?お姉さんのこと、心配してくれたの?」とふざけて言った。
ATMがあるビルになんとかたどり着いたサムスン。サムスンがお金を引き落とそうとした時に、ジノンが後から来て「もう払いましたよ。」と言ったが、サムスンはそれでもお金を引き落とそうとした。しかし出金を終えてビルから出ようとすると、ちょうど閉店時間になってしまい、ビルの明かりは消えシャッターが閉まってしまった。サムスンはお酒を飲みすぎてその場に思わず吐いてしまう。ジノンはやってきたビルの係員に説教をされながら吐瀉物の掃除をする。そして最終的にサムスンをおぶって、ジノンは自宅に連れて帰った。

翌朝、サムスンはジノンの自宅で目覚めた。驚いたサムスンはジノンが自分に手を出したのではないかと疑ってジノンをぶって暴れた。しかし実はサムスンが酔っぱらった後の始末をジノンがしてくれたということがわかると途端におとなしくなった。そこへジノンの母・ナ社長が突然ジノンの家にやってきた。ナ社長がジノンがお見合いに失敗したことを怒っていると、ふとサムスンが視界に入る。ナ社長はジノンの部屋に女性がいることに大層驚いた。ナ社長は息子・ジノンを床に座らせて、サムスンにジノンとどういう関係かを尋ねる。サムスンは「従業員です。」と言うと、ナ社長は呆れていた。サムスンがバスルームで服に着替えている間に、ナ社長はジノンに「今度(サムスンを)家に連れてきなさい。」と言った。ジノンはそれに了承した。

その後サムスンとジノンは一緒に朝食を食べに行く。サムスンはお見合いをジノンに邪魔されたことをまだ怒っており、お店を辞めると言い出した。しかサムスンはいつか自分のお店を開くためにお金が必要だと考え、すぐ正社員に登用してくれるならお店を辞めないとジノンに伝えた。しかしジノンは返事をせず、サムスンを見つめながら黙って聞いた。サムスンはそんなジノンの様子を見て、「ちょっと条件に無理があるな。」と思ったのか、「じゃあ、給料を15%アップでいいよ。」と言う。すると突然ジノンから「僕たち、付き合ってみませんか?」と提案されたのだった。

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ジノンに「付き合うふりしますか?」と言われたサムスン。

ジノンはこれ以上お見合いさせられるのを避けるため、サムスンに恋人のフリをしてくれるよう依頼した。サムスンは驚きのあまり食べていたご飯をジノンの顔にぶちまけてしまった。

その後サムスンとジノンは二人一緒に職場に向かうが、ジノンはタクシー以外の乗り物に乗るのが嫌だと言う。しかしサムスンは「バスに乗るわ。」と言って、ジノンの言うことを聞かなかった。するとちょうどそこへバスがやってきたので、サムスンは迷わずバスに乗った。それを見たジノンも仕方なくバスに乗ることになった。バスの中でもサムスンを偽の恋人のフリをしてくれと説得するジノン。それでも納得いかないサムスンにジノンは理由を尋ねた。サムスンは「私は33歳までに運命の相手を見つけたいの!社長と詐欺ごっこする暇なんてありません!」と言う。さらにサムスンは「社長は遅れて来てくださいね。従業員のみんなに勘違いされると面倒だから。」と言った。

サムスンがお店に着くと、料理長と支配人が従業員に向けのワイン講習会を行っていた。料理長はサムスンを見て「遅刻ですよ。最年長なのに。」と叱る。サムスンは「すみません。」と謝ると、後ろから来たジノンが「しょうがないですよ。昨晩、僕と一緒にいて遅れたんです。」とさりげなく零しながら社長室に颯爽と消えていった。当然従業員はジノンの言葉に驚き、その場に気まずい空気が流れた。

仕事を終え、帰宅したサムスンは、アメリカから帰国した姉・イヨンと会った。サムスンはびっくりして「お姉ちゃん!どうしてここに?!」と言うと、イヨンは「夫が浮気したから、離婚したの。」と返す。そのことにサムスンは大層驚いた。

家の前に着くと、イヨンは離婚したことを母親に怒られるのではないかと思い、なかなか家に入れないでいた。イヨンは「サウナに行こうよ。」とサムスンを誘うも、「夜中にこっそり入るのも大変よ。」と断られる。サムスンが「お母さんが怖いくせになんで離婚したの?」と言うと、「離婚?!離婚したの?!」と驚いきながらサムスン達の母親が現れた。離婚したことを聞かれてまずいと思ったイヨンは「違うの!お母さんに会いたいし、お母さんのキムチチゲも食べたいし。」とごまかすが、母は「このバカ!」と言いながらイヨンを𠮟った。その夜、イヨンはずっと母親にぶたれながら𠮟られたていた

一方、同じくアメリカから帰国したヒジンは、久しぶりに大学の友人と会っていた。友人の近況を聞いて会話を楽しむヒジン。ヒジンの友人が「卒業前になんでアメリカ行ったの?留学でもないのに。」とヒジンに尋ねると、ヒジンは「ただの観光よ。親のお金で遊んだの。」と返した。

出典: www.hikaritv.net

チェリの婚約者が元恋人のヒョヌだと告げられたサムスン。

翌日、レストラン”ボナペティ”が婚約式の予約を受け、その花嫁が準備のためにお店にやってきた。その花嫁は、サムスンの後輩のチャン・チェリだった。チャン・ヨンジャことチャン主任がチェリを案内しようとすると、チェリはケーキを運んでいたサムスンに出くわす。チェリはサムスンに気づき「あ、サムスンお姉さん!」と言った。サムスンはお店ではヒジンと名乗っているので、本名がバレてしまうと焦ったサムスンはケーキを置いて、チェリの口を塞いでお店の外へ出た。それを見たチャン主任は「なんか怪しい。」とニヤニヤしながらつぶやく。

お店の外に出たサムスンとチェリは久しぶりの再会を喜んだ。そして、チェリが結婚を報告するとサムスンは「おめでとう!これでまたライバルが減った!」と喜んだ。そして「相手の人はどういう人なの?」と聞く。チェリが「知ってどうするのよ?」と言ったその時、ちょうどチェリの結婚相手が到着したので、チェリは手を振りながら「あ、ここよ!」と言った。歩いてきたのは、なんとサムスンの元恋人ヒョヌだった。
チェリのそばに来たヒョヌは、サムスンの顔を見て「誰だ?」と聞く。ヒョヌは元恋人のサムスンのことを知らないフリをしたのだ。そんなことも知らないチェリは「仲良くしてる精米店の娘さんよ。」と、ヒョヌにサムスンを紹介するのだった。

婚約式の準備のための会議が始まって、ヒョヌとジノンはお互い自己紹介した。サムスンは厨房で仕事をしていたが、また自分の目の前にヒョヌが現れたことで上の空状態だった。
しばらく仕事をしていると、突然ヒョヌから電話が来た。サムスンは仕事終わりにヒョヌに呼び出され、ヒョヌの車で二人は久しぶりに会話をする。浮気されたサムスンは時が経ってもまだヒョヌへの怒りが収まっておらず、ヒョヌに対して冷たい態度をとった。ヒョヌ曰く、チェリとの結婚は親が決めたことだという。これにサムスンは「婚約式のケーキを私に作らせるわけ?とにかく、婚約式は他のとこでやって。」と言った。しかし、ヒョヌは「無理だよ。チェリは頑固だから。(君の職場だと)知ってたなら全力で止めていたよ。」と返した。そんなヒョヌに「承知で来たなら、ブタ野郎だよ。」とサムスンが言うと、「相変わらず口が悪いな。」とヒョヌは言う。サムスンは「口が悪い女を好きな人もいる。」と返した。するとヒョヌは「もしかして男がいるのか?」と突然サムスンに尋ねる。サムスンは見栄をはって「うん。」と答えた。ヒョヌは驚いて「もう男ができたのか?俺と別れたばかりなのに。俺はお前を忘れないのに、もう俺を忘れたのか?」とサムスンを責めた。

サムスンはバスに乗って涙をながら家に帰った。しかし帰宅するとサムスンの母の叫び声がした。何事かと思い尋ねると、どうやら父が生前に叔父の借金の保証人になっていたことが発覚し、借金返済のためサムスン達の自宅が人手に渡りそうになっていた。母はその事実にパニックになっていた。

翌日、サムスンはジノンの元へ向かった。家族を助けるために、お金を条件として以前ジノンが提案した恋人のフリすることを決心したのだ。「恋人のフリしてもいいですよ。」と言ったサムスンに、ジノンは淡々とした態度で「いくらですか?」と尋ねた。これにサムスンは「5000万ウォン(日本円で約500万円)です。」と言うと、ジノンはその場でサッとネットからサムスンの口座に5000万ウォン振り込んだ。サムスンは「必ず返しますから。」と言ったが、ジノンは「演じきれば、返済は不要ですよ。」と言った。
すると突然ジノンはサムスンの腕を引っ張って、ホテルのホールに連れて行った。そして賄いをとっている従業員皆の前で、「僕たち、付き合っています。2ヶ月前から。」と宣言した。従業員たちは驚き、サムスンは「何を言っているの?」と怒った。

サムスンをナ社長に紹介する当日。先日買い物でジノンが選んだ、ナ社長好みの洋服を身にまとったサムスンはジノンの実家を訪れた。ナ社長は「ご両親はご健在なの?父は何をやっている人?」と、サムスンの家族、父親の職業などを質問した。サムスンは緊張しながらも、ナ社長の質問にひとつひとつ答える。「父は3年前に他界しており、仕事は精米店をやっていました。祖父の代から。父が亡くなった後は、知り合いが継ぎ、現在は母の貯蓄で小さな金融業を営んでいます。」と言う。ナ社長は呆れて驚いていた。ナ社長はサムスンに「息子を愛しているの?」と聞く。サムスンは「はい、愛しています。」と答えた。ナ社長はまた目をまん丸にして驚き、隣に座っているジノンも驚きながらも気まずそうに苦笑いを浮かべていた。

サムスンがトイレに行っている間に、ナ社長はジノンに「あなた正気なの?あなたの相手はホテル社長夫人になるのよ?あんな精米店の末娘で、おまけに年上で高卒…。声もフギャフギャしてて好きじゃないわ。」とサムスンの評価を聞かせた。ジノンは「彼女は、自分の夢を自力で実現しようとしている。親の力で着飾って歩くバカとは違う。」とサムスンをかばった。「よく言うわ。それよりヒジンのことは?お見合いが嫌なのはヒジンが原因でしょう?」とナ社長はジノンに尋ねると、ジノンは「違います。」と否定した。ナ社長は「じゃあ、ヒジンを忘れて、あの子と?」とジノンに尋ねると、ジノンは「はい。」と静かに答えた。ジノンの答えを聞いたナ社長は「じゃあ、様子を見てみるわ。ヒジンを忘れさせたんだから。あと、念のために言っとくけど、ヒジンとはよりを戻さないでね。」と答えた。

ヒジンが自宅のマンションに帰ると、ポストにヘンリー・キムという人物からの届け物が入っていた。ヘンリーはアメリカで会ったヒジンの友人で医者をやっている。届け物はビデオテープでヘンリーがヒジンに英語で「好きだ。」と告白している内容だった。ヒジンは複雑な表情をしながらそのビデオを見ていた。

ジノンの実家に来たサムスンは、幼い女の子と出会った。その子はジノンの姪っ子のミジュという。サムスンは、ミジュに話しかけてもミジュはしゃべらずにこやかにサムスンを見つめていた。その後、サムスンは話さないミジュのことを不思議に思いながらも、キッチンを借りてミジュの前でお菓子を作った。そこへ別行動していたジノンが合流して、ミジュと一緒にピアノを弾いて遊ぶことになった。キッチンを片づけて、サムスンが部屋に入ると、そこにはジノン、ミジュ、そしてユン秘書がいた。ジノンはピアノをしばらく弾いていた。それを見つめるサムスンに、ユン秘書は「なんかリクエストしたら?」と言った。すると、サムスンは「じゃあ、”オーバー・ザ・レインボー”は?」と言うと、ジノンは「それはできない。」と返した。サムスンは「なんでよ。彼女が頼んでるのに?」と言うと、ジノンは立ち上がって何も言わずその場を去った。すると、ユン秘書は「昔の恋人の大好きな曲だったの。」と言った。

その夜、サムスンはジノンと一緒に車で帰宅した。その間もジノンはずっと不機嫌なままだ。道すがら車を止めて寄ったカフェで、ジノンはサムスンに「僕の機嫌を損ねるような要求や質問をしないでください。」と怒った。サムスンは「弾きたくない曲を頼んだのは悪いと思ってますが、5000万ウォンでいきなり強気ですか?」と返した。それに「契約を破棄しますよ。」とジノンが言うと、サムスンは「いいですよ。破棄しましょう。」と言った。そう言ってサムスンは席を立ち去ろうとすると、突然ジノンはサムスンを無理やり席に座らせ、肩を組んだ。「何をするの?!」と言うサムスンに、ジノンは「スパイがいる。母の部下だ。僕たちを監視している。あのトレンチコートの男だ。」と、トレンチコートの男がカウンターに座ろうとしていた。サムスンは「じゃあ、外出先でも芝居しなきゃいけないの?」と言うと、「5000万は大金ですよ。」と言って、サムスンに契約を破棄させないように、説き伏せた。

サムスンとジノンは恋人のフリをすることについての決まりごとをまとめた恋愛契約書を作った。その内容は、「1.ヒョン・ジノンとキム・サムスンは、2005年12月31日まで付き合うフリをする。2.余計なスキンシップを禁ずる。これは双方に該当する。例外的に必要な場合は両者合意のもとに行う。」など、最後に「6.付き合うフリをしても、絶対に本気にならないこと。」と、他も含めて6か条を決めた。
サムスンが帰宅後に、その契約書を姉のイヨンに見せたところ「なにこれ。子供っぽいわね。」と呆れられた。

翌日、レストラン”ボナペティ”で、チェリとヒョヌの婚約式の準備についてジノン、支配人、料理長、サムスンの4人で会議をした。チェリとヒョヌからの要望は、食事はレストラン”ボナペティ”で用意、ケーキは別の流行っているお店で用意するというものだった。何故ケーキをサムスンに頼まないのか、支配人はそれを不思議に思っていた。すると、サムスンは「チェリは負けず嫌いなんです。最高の婚約式にしたいのだと思います。希望を聞いてあげましょう。」と言った。しかしジノンは「僕の説得で全てうちでやるようにします。”最高のケーキを用意すると”。」と言う。サムスンは元恋人のウェディングケーキを作る羽目になってしまい、それを思って複雑な表情を浮かべた。しかし支配人と料理長は別の意味で複雑な表情を浮かべた。支配人と料理長はてっきり恋人だからとジノンがサムスンを贔屓したのでは?と勘違いしたようだ。ジノンはすかさずその空気を感じ取って、「もちろん、個人的な感情は、はさんでいませんよ。あくまで仕事です。」と付け加えた。料理長は「そうかな。」とからかうように微笑みを浮かべて言った。支配人は「気難しい社長には、ヒジンさん(サムスン)がお似合いですね。2人は結婚するのです?」とジノン尋ねたが、ジノンは「なぜ結婚したんですか?」と逆に支配人に質問を返した。支配人は「寒がりだからよ。電気毛布を買うか、結婚するかで迷ったけど、結婚したの。」と優しく微笑みながら答えた。その後、ジノンは午後から済州(チェジュ)島へ出張する予定が入っていたので、「では、午後からは済州(チェジュ)島に行きます。」とスケジュールを伝え、会議が終わった後、一人出かけていった。

ランチタイム後の14:30~16:00の休憩時間に、サムスンはチェリとヒョヌのウェディングケーキのプランを練っていた。サムスンは一人で「なんで私がフラれた元彼のウェディングケーキを作らなきゃいけないのよ。」とブツブツと独り言を言う。するとその時、一人の女性がお店に訪れた。それはジノンの元恋人のヒジンだった。

オーバー・ザ・レインボー

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お客様のためにジノンがピアノを弾いている時に偶然"ボナペティ"に来たヒジン。

ジノンの元恋人・ヒジンが”ボナペティ”にやってきた。サムスンは彼女に気づき声をかける。ヒジンがジノンを探していることを知ったサムスンは、「社長は今、済州(チェジュ)島へ出張に行っていないんです。」と言った。それを聞いたヒジンは「コーヒーはありますか?」とサムスンに尋ねる。しかしランチタイムは既に終わっていたため、コーヒーを出すことができない。ヒジンはそれを聞いて立ち去ろうとしたが、サムスンは、「あの、スタッフ用のコーヒーであればありますが、いかがですか?」とヒジンを呼び止める。ヒジンはサムスンの提案を受け入れ、サムスンはそんなヒジンにスタッフ用のコーヒーと試作のケーキを持ってきた。その時ヒジンはサムスンの名札”キム・ヒジン”を見て、「あ、あなたもヒジンさんですね。」と微笑だ。サムスンは「ええ、まあ。」と頷いた。

サムスンはまた席に戻り、ウェディングケーキのプランを練り始めた。しかしサムスンはいつの間にか眠ってしまい夢を見た。その夢は、サムスンがジノンと恋人のフリをしたということで嫉妬した女性従業員からの嫌がらせを受けた夢だった。サムスンが目を覚ますとヒジンの姿は既になかった。サムスンがヒジンのいた席に行くと、”ケーキ美味しかった。キム・ヒジンさん”というメッセージが書かれた紙が置かれていた。それを見たサムスンは「美人は字もきれいね。」と感心しながら呟いた。

翌日、ジノンが出張から帰ってきた。ジノンは厨房のサムスンに「済州(チェジュ)島にあったお店のケーキです。参考になると思って。」とケーキを手渡す。ジノンはすぐに立ち去ろうとしたが、サムスンは彼を引き止め昨日ヒジンという女性がジノンを訪ねてお店に来ていたことを報告した。ジノンはそれを聞いて固まる。「その人は電話番号も残さずに帰りました。何か電話番号でも聞いた方が良かったですか?」とサムスンが尋ねると、ジノンは「いや、いいです。」と立ち去ろうとした。しかしサムスンはまたジノンを引き止め、「もしかして、”オーバー・ザ・レインボー”の人ですか?」と尋ねた。ジノンは突然「契約書の第4条は?」と聞いてきた。サムスンが答えるのをためらうと「答えろ!」と怒鳴る。サムスンは「サムスンはジノンが嫌う質問をしないこと。2回以上しないこと。」と怖がりながら答えた。それを聞いたジノンはその場を去り、社長室へと消えていった。一瞬たじろいだサムスンだったが、ハッとしたジノンを追いかけた。社長室に入っやサムスンは、「2回も質問してないし、それと第5か条覚えてる?ジノンはサムスンの人格を尊重すること、でしょ?なのに、あの態度は何?怒鳴って命令して…。」と怒った。それを聞いたジノンは怒りのあまり、突然壁に右手の拳を打ち付ける。サムスンは怖くなって「キャー!」と叫んだ。ジノンは物にも八つ当たりし始め、物を地面に叩きつけて破壊する。そんな狂気に満ちたジノンを見てサムスンは怖くなった。

翌日レストラン”ボナペティ”では、従業員が開店の準備をしていた。開店の準備を終えたサムスンが賄いを取っていると、サムスンがジノンと付き合っているという事実を知った女性従業員が嫉妬心からサムスンのことを避けていた。仲良くしていたパティシエ見習いのイネもなんだかよそよそしい様子だ。サムスンはそんな彼女を見て「イネさんには噓をつくつもりはなかったの。」と言った。すると、突然ジノンが来て、「この広い宇宙の地球という星で君と出会った。今日は君と出会ってから100日目の記念日だ。」と甘いセリフを従業員の前で言いながら、持ってきたバラの花束をサムスンに渡した。それを見た従業員たちはヒューヒューとからかいながら盛り上げた。サムスンは無理してにこやかな表情を作りバラの花束を受け取った。

サムスンとジノンはタクシーに乗って、スイーツが評判の良いお店だというライバル店の味を確かめに行った。サムスンが楽しくスイーツを食べていると、チェリとヒョヌがお店にやってきた。ヒョヌと再会したことで、サムスンはまた気まずくなり「ちょっとトイレに行く。」としばらく席を離れる。その間にチェリが「一緒に食べよう。」と提案し、ジノンとサムスンがいるテーブルを一緒に利用することになった。その時ジノンは去年のクリスマス・イブのことを思い出した。それはサムスンがヒョヌにフラれた日。ジノンはヒョヌを見て”あ、この男か。”というような表情を浮かべ、ヒョヌがサムスンの元恋人であることに気がついたのだった。

チェリは、「そういえば、ジノンさん彼女できたって?どんな人?美人?家柄は?」とジノンにたくさん質問した。「彼女は美人とは言えないけど、かわいいよ。年は30歳で、少しふくよかで抱きしめると綿菓子みたいに柔らかい。精米店の末娘だ。」とジノンが言うと、ヒョヌは驚いた表情をする。ジノンはさらに「仕事は専門職で、結婚願望が強い。何より自分の立場をわきまえている。」と続けていると、ちょうどそこにサムスンが戻ってきた。ジノンは「紹介します。僕の彼女は韓国一のパティシエ、キム・サムスンさんです。」とヒョヌとチェリにサムスンを紹介した。

それを聞いたチェリはサムスンをお店のテラスに呼び出し、「どうやって誘ったの?」と怒った様子で言った。「そんなこと、私に聞かないでジノンさんに聞いてよ。」とサムスンが言うと、チェリは「納得できないわ!サムスン姉さんは顔は平凡で、太めだし。私の親は銀行の頭取なのよ!」と続ける。サムスンは呆れたように、「だから何?」と言うと、チェリはサムスンを睨み上げた。「おー、その顔こわいわ。」と言いながらサムスンはその場を離れ、席に戻った。

お店を後にしたサムスンとジノンは電車に乗って帰宅した。電車内では、ジノンが「申し訳ないです。事情を知っていれば、ウェディングケーキを頼みませんでした。」とサムスンに言った。続けてジノンは「ミン・ヒョヌさんはどんな人ですか?」と尋ねると、サムスンは「いい人かどうかは、わかりません。」と返した。「3年も交際したのに?」とジノンが聞くと、「じゃあ、社長こそ元恋人はどんな人だったんですか?」と聞き返す。ジノンはそれに黙ってしまった。サムスンはジノンがまた怒るのを恐れ、「また第4か条ですか?」と言ったが、返事はない。サムスンは続けて「人は自分の都合のいい見方しかしない。都合よく解釈して…。結局人のことなんてわからないんです。」と呟いた。それを聞いたジノンは、「でも3年は長いですよ。有効期間は2年です。」と言う。サムスンは「有効期間ですか?」と尋ねた時、電車が降りる予定の駅に到着した。電車を降りたサムスンとジノンは、駅の長いエスカレーターに乗って話を続ける。ジノンは「男女は出会うと最初に性ホルモンが分泌され、恋に落ちる段階でドーパミンとセロトニンが出ます。セロトニンが分泌すると一時的に判断力が鈍る。」と、医学的に男女の出会いや恋愛について述べた。「その次で、男女は親密になることを望み、オキシトシンが分泌されます。セロトニンは相手の欠点を認識させず、盲目状態にするので、セロトニンが出ているうちは忠告も無駄です。でも、ホルモンが高濃度で維持されるのは2年。そのため、有効期限は2年です。」とジノンは続ける。このジノンの言葉は、医学生であり、元恋人でもあるヒジンからの聞いた知識だった。ジノンはサムスンに「彼を恨まないことです。自然の摂理ですから。」と諭すように言う。しかしサムスンは「やつの肩を持つの?」と不満げに答えた。ジノンは「散々痛い目にあったのに、まだ恋愛に期待しているなんて変ですよ。」と言う。サムスンは「軽い気持ちで恋をした一度だってないわ。始まるときも終わるときも悩みます。ホルモンに関係なく、本気で向き合ってきました。」と返した。

サムスンとジノンが話を続けていると、ジノンは突然体に痛みを感じ具合が悪くなった。二人はしばらく駅のホームのベンチに座り、ジノンの回復を見ていた。こんな場所ではゆっくり体を休められないだろうと考えたサムスンは、快適に休める場所があるとシアタールーム(個室で映画が楽しめるカラオケボックスのようなもの)に行こうとジノンに提案した。サムスンの提案を受け入れ、二人はシアタールームで一休みしながら映画を観ていた。しかし隣の部屋のカップルがイチャイチャしている声が聞こえてきて、サムスンとジノンは一気に気まずくなる。しかしジノンの具合はまだ良くなっていない。サムスンはジノンに「まだ痛いですか?どこが痛いですか?」と気遣った。ジノンは「左脚の関節に人工骨があるんです。交通事故にあったんです。」と言う。それを聞いたサムスンは、「それで運転しないんだ。」と呟いた。

「お母さまは、なんでそんなに結婚を急かすんですか?」とサムスンはジノンに尋ねる。ジノンは「ミジュですよ。ミジュの保育園の送り迎えする叔母が必要だから。」と答えた。これに驚いたサムスンは「それだけのために?違うでしょ?」と再びジノンに尋ねる。「一般の若い男性のように、普通に恋愛を楽しんでほしいみたいです。」とジノンが言うと、「じゃあ、楽しめば?」とサムスンは言った。ジノンが「嫌です。」と言うと、「もしかして、男が好きとか?」とサムスンが言う。ジノンはムキになりながら「まさか。」と言い返し不機嫌そうに顔を歪めた。そんな様子のままシアタールームに行く前に買ってきたケーキを食べていると口にクリームがついてしまった。サムスンはそれを見て「全く子どもみたい。」と言いながら、ジノンについたクリームを指で掬い取る。すると突然ジノンに押し倒され、キスをされそうになった。サムスンは驚いて目をギュッと閉じた。するとジノンはサムスンから離れて「これで男に見える?」と言った。

その夜、サムスンは暑くて眠れなかった。昼間のシアタールームでジノンに押し倒されたことを思い出してしまい、胸がドキドキしていた。サムスンは「きっとご無沙汰だから。」と自分に言い聞かせるように呟き目を閉じて無理やり眠った。

一方ジノンが自宅で寝ていたところ、一本の電話がかかってきた。ジノンは電話を取るが、相手は何も喋らない。ジノンは電話相手がミジュだと察し、「ミジュ?眠れないの?」と言って子守唄を歌ってあげた。電話の向こうではミジュが黙ってにこやかにジノンの歌を聞いている。「ミジュ、歌を歌ったから眠れるかな?チューして。」と言うと、ミジュは受話器にチュッとキスをした。そして、ジノンも受話器にチュッとキスをして電話を切った。

結局眠れなかったサムスンは明け方に家を出て、お店に行きお菓子を作った。サムスンは父がなくなった時、職を失った時、落ち込んだ時はこうして朝早くにお菓子を作るのが習慣になっていた。お菓子を作り終えて、温かいコーヒーでホッとした一息つく。しかしふとした瞬間、またジノンに押し倒された時を思い出してしまい心臓がバクバクとけたたましく音を立てるのだ。するとそこへジャージ姿のジノンが現れた。ジノンが「朝早くからお菓子を作りに?」とサムスンに尋ねると、「まあ、昨日アイディアが浮かんで。」とサムスンは返した。ジノンはサムスンが作ったお菓子を一つ味見するとそれが気に入ったようで、「メニューにしましょう。」とその場を去っていった。

”ボナペティ”はいつものようにお客さんでいっぱいで繫盛していた。お客様の中には以前妻に指輪のサプライズした常連客の男が愛人と来ている。その男は妻にサプライズをしたようにケーキに指輪を入れるように”ボナペティ”にオーダーした。
チャン主任は、そのケーキを受け取るためにサムスンのところへ行く。そしてチャン主任はニヤニヤしながら「ヒジンさん。」と呼び、サムスンの”キム・ヒジン”という名札をチラッと見た。サムスンは「何か?」と言うと、「別に何も。じきにわかるわ。」と微笑みながら去っていく。実はサムスンが”ヒジン”という偽名を使っていることは、チャン主任にバレていた。以前チェリがサムスンを本名で呼んでしまったことをきっかけに怪しいと感じたチャン主任は、社長のデスクを漁ってサムスンの履歴書を見つけていたのだ。

サムスンが作ったサプライズのケーキが常連客の男の席に運ばれた。愛人がそのケーキを食べると指輪が出てくる。男の愛人はそれに喜んだが、そこへ突然お店に常連客の男の妻がやってきて幸せなふんいきが漂っていた空間はあっという間に修羅場となった。現場は混乱し、男の妻は愛人を殴った。オ支配人が止めに入るも突き飛ばされる始末。男が暴走する妻を止め殴ろうとしたところ、ジノンが男の手を掴みそれを制した。男はそのままお店を出て行った。
残された男の妻はその場で泣き崩れ床にへたりと座り込む。そんな彼女をジノンとオ支配人は椅子に座らせた。サムスンはワインとチョコレートを持ってきて、「失恋にはチョコレートが一番です。」と言て男性の妻に差し出す。ジノンとオ支配人はそれを黙って見守っていた。男の妻は、「失恋?亭主に浮気をされたのよ。」と言うと、サムスンは「私も同じ経験をしています。去年のクリスマスに恋人が他の女とホテルに。」と言った。それを聞いた男の妻は「それで?」とサムスンに尋ねる。サムスンは「結局諦めました。」と返した。男の妻は「なんで半殺しにしないのよ!」と激昂する。しかしサムスンは落ち着いた様子で「離れた心は戻りません。今日は特別な日の初日です。失恋した女性にワインとチョコレートのサービスをしています。」と言うと優しく笑った。「失恋したという証明は?」と尋ねられると、「目を見れば分かります。それにピアノの演奏もあります。」とジノンの方を見ながら「社長が弾きます。」と言った。ジノンは少し嫌がりながらもピアノを弾く。浮気をされた男の妻は「では、オーバー・ザ・レインボーがいいわ。」と曲をリクエストした。事情を知っているサムスンは少し気まずくなった。“オーバー・ザ・レインボー”は、元恋人のヒジンが好きな曲だったため、ジノンは弾くことに戸惑ったが、お客様のために仕方なくピアノを弾き始める。そしてジノンが“オーバー・ザ・レインボー”を弾いている間に、偶然元恋人のヒジンがお店に現れた。

ピアノを弾き終えたジノンは、ヒジンはカフェに行き3年ぶりに話をした。ヒジンは「ピアノ前よりうまくなったわね。もしかして、他の子のため?ずっと忙しかったんでしょ?」と明るくふるまって話した。しかし、ジノンは不機嫌な表情をしている。それを見たヒジンは「怒っているの?」と聞くと、ジノンは「用件は?どうして訪ねてきた?」とぶっきら棒に尋ねた。ヒジンは「戻るって約束したでしょ?」と言うと、ジノンは「君の仕打ちは忘れるもんか。事故の後にすぐに海外に行った。電話もない。」と言った。さらに「この3年間はとにかく忙しかった。5回も手術して、リハビリして、お店もオープンした。忙しさで君を忘れていたよ。」とジノンは言った。それを聞いたヒジンは「そんなこと言われたら私も傷つくわ。あの時は、ああするしかなかったの。」と涙をこらえる。「私たちの絆は強いって思ってた。約束したでしょ?今も信じてる。」とヒジンは言った。そのまま立ち去ろうとするジノンの手を握りヒジンは止めたが、ジノンはヒジンの手を振りほどきヒジンを残してそのまま去っていく。ヒジンは静かに涙を流した。

閉店後の”ボナペティ”では、サムスンがまだ厨房で作業をしていた。私服に着替えてきた見習いのイネが「ヒジンさん、まだ帰らないんですか?」と聞くと、サムスンは「うん。これをやってからね。」と言った。するとイネが「あの女性って社長の元恋人ですか?」とサムスンに聞くと「うん、そうだよ。」とサムスンは返した。イネは「え、いいんですか?」と目をまん丸くして聞くと、サムスンは「イネさんにはまだわからないけど、元恋人でも時間がたったら友達になれたりするのよ。」と言った。イネはそれをふーんと聞いて、少し納得してサムスンを残し帰った。

作業が終わり、私服に着替えたサムスン。他の従業員が帰ったので、お店は真っ暗だ。帰ろうとした時、バーカウンターでジノンがお酒を飲んでいるのを見かけ、サムスンは驚く。
サムスンは酔っぱらっているジノンに話しかけた。「社長、お店のお酒勝手に飲んでるんですか?」と聞いたが、ジノンは酔っぱらっていて返事しなかった。すると、サムスンはグラスをもう一つ取り、自分もお酒を飲んでジノンに「ミジュは遊戯治療をやっているんですか?提案ですが、毎月ここでパンケーキやお菓子を一緒に作るのはどうでしょうか?」と提案した。ジノンは「いいと思います。」と返した。サムスンは「でも、なんで話さないんですか?」と聞くと、「話せるけど、話さないんです。前は話してましたけど、ある日突然口を閉ざしたんです。」と言った。これにサムスンは「小さいのに複雑なのね。」と静かに呟いた。そして、サムスンはヒジンについて聞いた。「彼女のこと、本当に好きだったんですね。美人だし、雰囲気あるし。お似合いでしたよ。」とジノンに言った。さらに、サムスンは続けて「彼女の苗字はなんですか?イ?キム?パク?」と聞くと、ジノンは「ユ・ヒジン。」と答え、突然ジノンは倒れた。

恋はもともと子どもじみたものです

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ヒジンにサムスンは自分の恋人だと言ったジノン。ショックで呆れて帰ったヒジン。

酔っぱらって寝てしまったジノンを彼のお家まで運んだサムスンは「社長も人の酒癖言えないじゃない。」とブツブツ独り言を言いながら介抱した。サムスンは、ベッドの上で、寝ている彼の上着や靴下を脱がした後に、帰ろうとした。しかし、ジノンが寝ぼけてサムスンを引っ張って、サムスンがジノンにギュッと抱きしめられた状態で、2人は一緒に横になってしまった。離れようと思っても、離してくれないジノンにサムスンは戸惑ってしまう。すると、ジノンが「ヒジン…。」と寝言を言った。サムスンは「それはどっちのヒジンなの?」と聞いたが、ジノンは寝ているので返事はなかった。

ジノンは学生時代の夢を見ていた。英語の授業中に、隣の席のヒジンがジノンの足にわざとトントンと触れた。ジノンも返事するかのように、ヒジンの足に触れた。そして、だんだんスキンシップが大きくなり、ジノンの足がヒジンの足を捕らえた時に、別の生徒がペンを落として拾った。その生徒はサムスンだった。サムスンは、机の下でイチャイチャするジノンとヒジンを見て「イチャイチャしやがって!」と怒り、ヒジンに向かって「おい、お前!離れろ!」と叫んだ。
夢の中のサムスンの声で、ジノンはハッと目が覚めて起きた。すると、昨晩ジノンのことを介抱してくれたサムスンがやってきて、「起きないと遅刻しますよ。朝ご飯できてますから食べてください。」と言った。家にサムスンがいることにびっくりしたジノン。サムスンは驚くジノンを見て「社長もなかなかの酒癖ですよ。」と呆れながら言った。

ジノンが起きて、サムスンと朝ご飯を食べているところに、ヒジンがジノンのお家にやってきた。ヒジンはジノンに「話がある。」と言って、部屋の中に入ると、そこにサムスンがいること驚き、「あ、あの時のケーキの…。」と呟いた。サムスンは気まずそうな感じで、会釈した。一方、ジノンは動揺せず、サムスンを隠すことなく、むしろ堂々としている。
ヒジンは動揺したが、優しくサムスンに「少し席を外してもらえますか?話があるんです。」と言った。サムスンはそれに従おうとすると、ジノンがサムスンを引き止め、「この人(サムスン)が僕の彼女だ。彼女に隠し事したくない。」と、ヒジンに向かって言った。ヒジンはそれを聞いて、ショックを受けて部屋を出て行った。
サムスンはそんな態度のジノンに向かって「追いかけなよ!好きなんでしょ!あんなことを言われた女は傷つくの!」と大きな声で怒ると、ジノンは「あんたに何がわかる!第2か条に”お互いは協力し合う”と決めただろ。」と返した。サムスンは「協力と利用は違う。あんたの恋愛に私を利用しないで!」と強く反論した。

その頃、ヒジンは帰宅するために泣きながら駐車場に向かっていた。カバンの中から車の鍵を探すヒジン。ショックを受けて泣きながら探すも、見つからない。やけになって、カバンの中身を全部その場でぶちまけて、しばらく泣き崩れた。そして「大丈夫よ。大丈夫。きっとうまくいく。」と呟きながら、散らばった私物を回収し、車に乗った。

その日、”ボナペティ”はいつものように繫盛していた。
ところが、食べ物を残しているお客様がいると、料理長のイ・ヒョンムがイライラしていた。確認するとB3テーブルのお客様だ。イ料理長は、そのイライラを従業員にぶつけていた。そして、我慢できなくなったイ料理長は、自ら特製のクレープを作り、そのB3テーブルのお客様のもとに向かった。そのお客様は、サムスンの姉・イヨンだった。
イ料理長は、作ったクレープをイヨンに差し出すも「頼んでないんですけど。」とイヨンは言った。しかし、イ料理長は負けじと、「本当に美味しいです。ぜひ召し上がってください。」と言ってもイヨンが「ダイエット中だから。」と拒否した。
イ料理長は諦めて厨房に帰ろうとするが、やはり我慢できず、爆発してしまい、イヨンがいる席に戻り「食べろ!」とクレープを食べることを強要した。イヨンが「何よ!」と怒って席を立つも、イ料理長はイヨンの腕を捕まえて離さない。すると、騒ぎにかきつけたオ支配人や他の従業員が止めに入った。その時、イ料理長が手に持っていたクレープが飛んでしまい、遅れて出勤したジノンの顔についてしまった。サムスンも騒ぎにかきつけた。サムスンは「お姉ちゃん!何しているの!?」と驚き、さらにジノンを見て「社長も何やっているんですか?」と言った。

その後、サムスンはイヨンをお店の外に連れ出し、「何しに来たの?」と聞いた。イヨンは「なんで外泊したの?なんで携帯電話の電源切ったの?」と質問した。これにサムスンは「お母さんに怒られそう?」と恐れながら言うと、イヨンはその話をさえぎって「男と一緒にいた?彼氏できたの?」とさらに質問した。サムスンは「知らないよ!」と言って、仕事場に戻ろうとしたが、イヨンが引き止め「社長でしょ?そうでしょ?」と諦めずに聞いてきた。サムスンが黙ってしまうと、イヨンは「やっぱり。昨日彼の家に泊ったのね!何があったか言いなさい。」と言うと、サムスンは「別に何も。ただ隣に寝ただけ。」と言った。イヨンはニヤニヤしながら「本当に?マジな関係なの?!」と驚いた。サムスンは「違うよ。社長には恋人がいるし…。」と、イヨンは「え?じゃあ、あんたがなんで恋人の芝居をするの?」と聞くと、「知らないよ!」とサムスンは怒って仕事場に戻った。

その頃、厨房にはオ支配人が皿洗いしていた。そのそばでイ料理長は「参ったな。勘弁してください。降参です。本当にすみません。」と謝る。すると、オ支配人が「ホールの責任者は私です。人の縄張りを荒らすなんて!この騒ぎは私の教育が至らなかったから、その責任として、一週間皿洗いします!」と宣言した。イ料理長はそれを聞いてばつが悪そうに「本当に申し訳ございませんでした。僕が悪かったです!」と必死に謝った。
これにオ支配人が「これで何度目ですか?」と怒りながら、まだ皿洗いをした。イ料理長はタジタジになりながら「反省してます。もうしません。」と言って、さらにこの光景を見ていた従業員に向かって「ほら、支配人をお連れしろ!」とオ支配人に皿洗いさせないようにした。

イヨンを帰した後、サムスンはトイレに行こうとする時に、ジノンのと出くわした。その時、サムスンはジノンにヒジンとはちゃんと話しをしたのかと聞いたら、彼に「引っ込んでろ!」と怒られた。これにサムスンは「じゃあ、私のことを利用しないで!もうこれっきりよ!契約破棄ね!!」と恋人のフリをやめると言った。すると、ジノンは「いいですよ。では、5000万ウォンをすぐに返してください。」と言い放ちその場を立ち去った。
サムスンは、これじゃ家が危ないと思い、ジノンがいる社長室に行って「あんたにとってただの5000万ウォンでも、あたしにとって大事な5000万ウォンなの!お金で自殺する人もいるのよ!」と言って、続けて「だから、工面できるまではこのまま契約は続行ね。その代わり、私を二度と利用しないで!私が不機嫌な時は私を利用してるとみなすわ!それと今度ため口言ったら、ぶっ殺すよ。」と言った。ジノンは黙って冷静な表情でサムスンの話を聞いていた。

休憩時間に従業員と一緒にまかないを食べるサムスン。そこで、イ料理長がサムスンのテーブルに来てまかないを食べた。そして「すまないな。お姉さんに失礼をした。」とイ料理長はサムスンに言った。サムスンは「気にしないでください。罰当たりですよ。こんな高いお店で、ご飯を残すなんて。」と言うと、イ料理長は「ありがとう。」と言って青色のスカーフを渡した。「正社員だろ?そのスカーフ(黄色)は後輩に渡しとけ。」とイ料理長は言った。サムスンは嬉しそうに「ありがとうございます。」と、青色のスカーフをつけた。

そして、そこにチャン主任がやってきて「キム・サムスンさん。」とサムスンに向かって呼んだ。サムスンは「はい。」と反応すると、笑いながら「サムスンさんって呼んだのに。」と言った。しまった!というような表情をしたサムスン。すると、チャン主任は突然「ヒジンさんの本名を発表します。”キム・サムスン”これが彼女の本名です!」とキム・サムスンの名札を持ってきて、意地悪をしてきた。しかし、従業員の反応は微妙だった。実は、オ支配人から事前に聞いていたので、すでに従業員のみんなは知っていた。イ料理長は「ヨンジャさん(チャン主任)は知らなかったの?」というと、「チャン主任です!」と少し怒りながら返した。「君も改名したら?何がいいかな…。ヨンスンとか?」とイ料理長が言うと、「自分の娘にそうつけたら?」と返した。すると、サムスンは立ち上がり、「もうそこまにでして。」と言って、”キム・ヒジン”の名札を外して、チャン主任が持ってきた”キム・サムスン””の名札をつけ、さらに「本当は改名したいけど、このままサムスンでいきます。」と宣言した。チャン主任は意地悪がうまくいかなくて、不貞腐れた表情をした。イ料理長は「改名する必要ないじゃないか。ヒジンなんて平凡だ。」と言ってサムスンをフォローした。

閉店時間になると、サムスンや従業員たちはお店を閉めてお互いに「お疲れ様。」と言い合い、それぞれ帰宅に向かう。その時、サムスンのことを待っていたヒジンが現れ、「話したいことがあります」と言って、2人は喫茶店に行くことになった。
2人は向かい合って座って、少し緊張感のある空気が流れる。ヒジンはサムスンに「ジノンといつ付き合ったのですか?」と聞くと、サムスンは「まだ日が浅くて、この前100日目を迎えたばかりです。お店に働き始めた時ですかね。」と言った。ヒジンは「彼のこと、よく知っているんですか?」と聞くと、サムスンは「実家にお母さんと姪っ子がいて、数年前に交通事故にあって足をケガしているとか、それで運転を嫌いタクシーばかり利用しているとか…。ちょっと気難しいですよね。」と答えた。ヒジンは、こんなにも知っているのかという少し驚いた表情をして、その後「ジノンの実家に?交際は認められたんですか?」と尋ねると、「まあ、ご挨拶に。”付き合ってみろ”と言われました。」と答えた。少しずつ気まずい雰囲気になってきたので、ここで一休みするかのように、2人はそろって同じタイミングで飲み物を飲んだ。

すると「今度は私が質問してもいいですか?」とサムスンが聞くと、「ええ。」とヒジンは頷いた。サムスンは「何年ぶりに会ったんですか?」と聞くと、「3年ぶりです。」とヒジンが答えた。そして「今まではどこに?」とサムスンが聞くと、「カルフォルニアです。」と言った。「なんで遠くに行ったんですか?」と聞くと、ヒジンは黙ってうつむいた。
「あ、ごめんなさい。」とサムスンは謝り、続けて「それでよりを戻したいんですか?」と聞くと、ヒジンは「まだ続いているんです。事情があって、離れただけです。彼は誤解しているんです。彼は私の話を?」と言った。「恋人がいたのは知っていたけど、彼からは何も…。」とサムスンが答えると、ヒジンが「キム・ヒジンさん、ジノンを愛していますか?」と尋ねた。
このことを聞かれて、サムスンは突然頭に5000万ウォンがよぎった。そして、「社長、いいえ、ジノンさんのこと愛しています。事情があるのはわかるけど、邪魔しないでください。終わってないというけど、それはあなたの言い分でしょ?」と強気で言った。ヒジンは驚きながら「まだ、終わってないんです。そちらは100日だけど、こっちは8年ですよ。」と言うも、サムスンは負けじと「教えてあげる。思い出は思い出にすぎない。だから身を引いてください。」と言い返した。ヒジンも「いいえ、あなたが身を引いてください。」と言うと、サムスンは「じゃあ、彼を半分に分ける?」と聞き返した。これにヒジンは「子供っぽいですよ。」と言うと、サムスンは「恋はもともと子どもじみたものですよ。」と返した。
ヒジンは、諦めて立ち上がり「やっぱり、彼と離すべきだったわ。先に帰ります。失礼します。」と、伝票を持って帰ろうとすると、「いや、私が年上だから私が払うわ。」とサムスンは伝票を奪う。すると、ヒジンは「いいえ、私が誘ったので私が払います。」と伝票を奪うも、また「だめです。」とサムスンは言い返し伝票を奪う。ヒジンは「じゃあ、ワリカンで。」と言うと、サムスンは「お互い相手の分を払いましょう。」と提案したら、ヒジンはそれを受け入れた。

ヒジンは車で帰宅し、サムスンは徒歩で帰宅した。先に徒歩で帰ったサムスン。後から車で来たヒジンは前にいる歩いているサムスンを見て、良からぬことを考えた。ヒジンは、サムスンを車で引こうと思ったが、我に返って車を止めた。その後、サムスンが運転席に向かって行き、車の扉を無理やり開けて、「なにすんのよ!このアマ!今私を引こうとしたね!」と叫びながら、ヒジンの髪を引っ張るという妄想をした。
そんな妄想をしたヒジンはふとハッとして、車の扉にロックをかけた。そして、再び車の運転をして、帰宅した。その時、サムスンは「なんであんな強気なこと言っちゃったんだろう。」と独り言を呟いた。

お家に着くと、イヨンと一緒に顔パックしながら、ヒジンとのことを報告した。イヨンは「適当にかわせばいいのに。」と言うと、「だっていろいろ聞きたかったし。」と言った。「てか、あんたマジなの?サムシクに惚れた?」とイヨンが聞くと、サムスンは「まさか。」と否定した。イヨンは「全然、興味ないのね?」と聞くと、サムスンは少し遅れて「うん。」と返事すると、イヨンに「返事がワンテンポ遅かった。」と言われた。

一方、ヒジンも自宅に着いた。疲れてソファーに横になると、電話が来た。それは、アメリカで出会った、ヘンリー・キムだった。ヘンリーによると、6ヶ月休暇をもらったとのこと。そして、その休暇で翌週から韓国に行くと言われ、ヒジンは驚く。

その頃、サムスンはなんでヒジンに強気なことを言ったのか、家の庭で考えていた。サムスンは「彼を好きになるなんて、ありえない。きっと、彼女に嫉妬したんじゃない。きっとあの2人の過去に嫉妬したんだ。」と考えていた。

出典: ameblo.jp

遊戯治療のために"ボナペティ"に来たミジュ。

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