ワンルームワンコ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ワンルームワンコ』とは、正田しろくまによる『フレックスコミックス』から出版された犬好きの為の漫画である。第8回メテオ・ポラリス彗星賞佳作と審査員特別賞を同時に受賞した作品。6畳のワンルームで暮らす飼い主の六条ひとみとサモエド犬ぽてまるの可愛さが詰まった日常系犬漫画。サモエド犬への愛情がたくさん詰まっているだけでなく、アパートの住人やそこに住むワンコとの交流も描かれて、楽しい作品となっている。サモエド犬だけではなく、いろいろな犬種の犬が出てくるので犬好きにはたまらない作品である。

『ワンルームワンコ』の概要

『ワンルームワンコ』とは、正田しろくまによる『フレックスコミックス』から出版された犬への愛が溢れた漫画である。作者の正田しろくまは本作で第8回メテオ・ポラリス彗星賞佳作と審査員特別賞を同時に受賞し、デビューした。まっしろでふわふわな毛並のサモエド犬のぽてまるは、6畳ワンルームのドッグラン付きアパートで飼い主の六条ひとみとふたり暮らしをしている。ひとみとぽてまるの可愛すぎる日常を描きながら、ハイツ犬養でさまざまな住人とワンコたちと出会い、ぽてまるとどう過ごしていきたいかを見つけていく物語。ぽてまるを溺愛する飼い主視点で描かれていて、犬を飼ったことある人からするとあるあるな日常がとても可愛く魅力的な漫画である。

『ワンルームワンコ』のあらすじ・ストーリー

ぽてまると六条ひとみの日常編

OLの六条ひとみはサモエド犬のぽてまるとドッグラン付きアパート「ハイツ犬養」で暮らしている。ひとみの朝はぽてまるに起こされることから始まる。ひとみが起きて初めにすることは宇宙1可愛いぽてまるを抱きしめる事だ。思う存分ぽてまるをなでると着替えてぽてまるの散歩に出かける。散歩中、ハイツ犬養の住人、二ノ宮とチワワの童金やハイツ犬養の大家兼管理人である犬養柴江と4匹の柴犬達、光春、夏海、秋葉、冬星と出会うことも多く、ひとみはつい時間を忘れて話してしまい出社時間ギリギリになってしまうこともあった。それに毎日の散歩は大変なこともある。特に雨の日の散歩はぽてまるが大嫌いな合羽を着せるのに苦労し、やっと散歩に出られたと思ったら水たまりで遊んで泥だらけになってしまうのだ。だが、晴れの日にはぽてまるのシャンプーをしたりして真っ白なぽてまるを楽しむこともできるのでひとみは雨の日も晴れの日も楽しかった。ある日はぽてまると昼寝、又ある日はブラッシング、ぽてまると暮らす前と比べるとひとみの生活は楽しいことがたくさん増えていた。
ある日、ぽてまるをシャンプーしようとしたひとみだったが、シャンプー嫌いのぽてまるはなかなか洗わせてくれない。そこでひとみはぽてまるの機嫌を取るため好きなだけ庭を掘らせてあげた。

庭を好きなだけ掘って満足したぽてまるはやっとひとみにシャンプーさせてくれることになった。そこへ通りがかった二ノ宮は、水にぬれて体積が半分になり、別の犬種のようになったぽてまるを見てびっくりする。そこでひとみはサマーカットしたサモエドの写真を見せた。
二ノ宮とひとみはサモエドのほとんどは毛によって成り立っているんだと思ったのだった。

ハイツ犬養の交流編

ひとみはぽてまるとハイツ犬養に越してくる前までは6畳のワンルームでは大型犬は飼えないと思っていた。だがハイツ犬養には毎日使えるドッグランが中庭についていて運動不足の心配がないのでぽてまると暮らすことができていた。
ドッグランが付いてることで運動不足の心配がなく、ぽてまるも他のワンコと遊べて楽しそうだ。そしてドッグランが付いている物件で良かったことがもう1つある。人見知りのひとみでもドッグランだとワンコと飼い主に話しかけられることだ。ある日ぽてまるをドッグランで遊ばせていると、ひとみは初めて見るダルメシアンがいることに気づいた。ちょうどコリーの芽龍とチワワの童金を連れてきた二ノ宮にダルメシアンの飼い主の事を聞くと、ちょうど部屋から出てきて紹介してもらえることになった。ダルメシアンの飼い主は103号室の三峰友子。ダルメシアン2匹はマサムネとコジュウローといった。ひとみはぽてまると一緒に三峰とダルメシアンたちにあいさつし仲良くなることができた。人もワンコものびのびできるドッグランに感謝するひとみなのだった。

お留守番編

ぽてまるがひとりの時に何をしているか気になったひとみは、出かけてる時もスマホで見守れるWEBカメラを購入した。さっそくひとみは、ぽてまるがよく映る位置にカメラを置き、おもちゃに段ボールを渡して出勤する。通勤中WEBカメラをスマホで見てみると、段ボールに夢中になっているぽてまるが映った。段ボールをかじったり中に入ったりするぽてまるが可愛すぎて時間を忘れてしまったあかねは電車に乗り損ねてしまう。昼休み、またWEBカメラを見ていたひとみはぽてまるがゴロゴロしているだけでも可愛くて全部を録画したい気持ちにかられる。だけど何よりも早く帰ってぽてまるに会いたくなったひとみ。家に帰るとぽてまるは遊び疲れて寝ていた。
お留守番中のぽてまるが見たくてWEBカメラを買って、楽しみは増えたが、見ると会いたくなって仕方がなくなるひとみだった。その後、WEBカメラのおかげで楽しくなかった通勤が楽しくなったが、ぽてまるをスマホで見るのに夢中になって電車によく乗り遅れることになるひとみなのであった。

ちょい悪ワンコ編

ある日の散歩中、ひとみとぽてまるはやんちゃな男の子2人組に出会い仲良くなった。ぽてまるを撫でてもらっていると、強面の男性が歩くのを嫌がるトイプードルを抱っこして連れて行こうとしていた。それを見た男の子たちは犬攫いじゃないかと警戒して強面の男性を捕まえようとする。騒ぐ男の子たちにひとみはどうしたら良いのかと焦っていると、柴犬を散歩していた大家さんに出会う。男の子たちとなぜか縮こまっている強面の男性はどちらも大家さんの知り合いだったようでどうしたのかと声をかける大家さん。大家さんはひとみと男の子たちに、強面の男性は実はハイツ犬養の住人で木場熊五郎、トイプードルはあんずだと紹介する。男の子たちは勘違いしたことを熊五郎に謝ったのだった。
熊五郎はあんずとの散歩を再開しようとするが、あんずは道に寝っ転がって歩けないアピールする。あんずが疲れて歩けないんだと思った熊五郎は抱きかかえて帰って行った。だが、男の子たちは熊五郎が見ていない時ぽてまると沢山遊んでいるのを見ていた。ほんとはまだ元気いっぱいなのに抱っこして欲しくて歩けないふりをしていたあんずはちょい悪ワンコだと言う男の子たち。大家さんはそんな男の子たちに飼い主と犬にはそれぞれの一緒に楽しく過ごすワンダフルライフがあって、熊五郎とあんずもあれがお互いのペースで楽しいからいいんだと言った。飼い主とワンコについてのワンダフルライフについて考えさせられたひとみであった。

ワンコとごはん編

ひとみが台所でお弁当を作っているとキャベツを見つけたぽてまるはキャベツ欲しさに猛アピールを開始した。ひとみは包丁を持っていたので、後でかまってあげようとぽてまるを放っておいた。すねたぽてまるは冷蔵庫の前に陣取り、冷蔵庫を使わせない作戦に出る。根負けしたひとみはぽてまるにキャベツをあげるのだった。ぽてまると出会う前はキャベツを好きだと思わなかったひとみだったが、ぽてまるがキャベツ好きなのでつられて好きになっていた。
ひとみは昼ごはん中、WEBカメラでぽてまるを見ながらお弁当を食べていた。
ひとみはキャベツのおかずを食べてはキャベツを食べて喜ぶぽてまるを思い出し、鶏ささみを食べれば鶏ささみごはんに喜ぶぽてまるを思い出して幸せを感じていた。楽しそうにご飯を食べているひとみに同期で営業課に所属している犬井が声をかけてくる。犬井はいつも弁当を作ってきているひとみに感心していると、ひとみは好きなものを作ってあげた時の残りもので作ったりするので大したことないと謙遜する。ひとみはぽてまるにご飯を作っている話をしていたが、ぽてまるの事を知らない上に、ひとみのことが好きな犬井は彼氏がいるのかと焦る。告白する前に玉砕かと悲しむ犬井だったが、ひとみの笑顔をみてやっぱり諦められないとネバーギブアップを誓ったのだった。

それぞれの換毛期編

毛の生えかわりの時期である換毛期は犬の飼い主には大変な時期である。
毎日のブラッシングと片付けと掃除。それでも毛が大量に抜けるので日に何回も掃除機をかけることもある。ハイツ犬養の面々もそれぞれ換毛期を乗り切るための工夫をしていた。ぽてまるはふさふさの毛が魅力的だが抜け毛も大量にあるのでひとみはマスクをして兎に角ブラシをかける。三峰は2匹分の抜け毛を目立たなくするため模様替えをして部屋をダルメシアン柄にし、二ノ宮は抜け毛が目立たない色合いの服ばかり着ているようだった。その苦労があってもブラッシングでスキンシップができて、かわいいワンコたちに癒される飼い主たちなのであった。

初めてのモフモフ編

ある日、営業から直帰していた犬井はジャージ姿でジョギングするひとみを見つけて後を追った。公園で立ち止まったひとみを見ると先程は木に隠れて見えなかったぽてまるの姿があった。犬井は子供の頃大型犬にじゃれつかれたことで犬が苦手になっていた。犬井は声を掛けられずに戸惑っているとひとみに見つかってしまう。ひとみは善意からぽてまるに触らせてくれようとする。ひとみのことが好きな犬井は犬が苦手だと言い出せずに伸ばした手をぽてまるになめられて顔色を悪くする。顔色を心配したひとみに犬井は飲みすぎたとごまかしたが、ひとみはぽてまるを犬井に預けコンビニまで水を買いに行くことにした。ぽてまるの傍から離れられなくなった犬井は、仲の良さそうなひとみとぽてまるに自分も(ひとみのことが)好きだとつい口にしていた。水を買って帰ってきたひとみはぽてまるに好きだと言っている犬井を目撃する。
ぽてまるに好きだと言っていた犬井にひとみはまた遊んで欲しいと言って帰って行った。犬井はそれから次にひとみとぽてまるに会った時の為にインターネットで犬の克服法を探したのだった。

初雪ハイツ編

ある冬の日、2度寝をしようとしていたひとみはぽてまるに布団を剥がされて起こされた。散歩の用意を終えたひとみは窓の外に雪が積もっているのを発見して中庭で遊ぶことにした。
はしゃぎまわるぽてまるはふわふわの毛に雪がこびりついて大変なことになっていたが雪ダルマみたいなぽてまるも可愛すぎて写真を撮るひとみ。サモエドにはやっぱり雪が似合うと思ったひとみだった。
二ノ宮家では冷たい雪に驚いた童金は二ノ宮に抱っこされて中庭を散歩していたが、雪が好きな芽龍につられて雪を克服した。
三峰家は三峰が雪国育ちのためマサムネとコジュウローと一緒にカマクラ作りをして楽しんだ。犬養家の柴犬4匹はそれぞれ庭を駆け回って雪を楽しんでいた。
大家さんが雪像で柴犬たちを作ってプチ雪まつりになったハイツ犬養なのであった。

ワンダフルなご縁編

とある日会社で先輩の小川からぽてまるの写真を見せられた犬井。犬井はひとみとの接点がなさそうな小川がなぜぽてまるの写真を持っているのか気になってしまい小川を問い詰める。彼女もちの小川がひとみとメール交換をしたと聞いた犬井は小川を責めるが、小川からしたら犬好き同志としてアドレス交換しただけだった。必死な様子の犬井に小川はぽてまるをそんなに好きなのかと犬好きとして嬉しく思っていた。一方、ひとみのことが好きな犬井は気持ちがばれなくてほっとしていた。犬井はつい口を滑らせてぽてまると直接会ったことがあると自慢してしまい、それによって小川とひとみは小川の彼女も含め公園で遊ぶ約束をすることになる。犬井は自分も休みの日にひとみに会いたいと思い切って参加していいか聞くとひとみは快く承諾してくれた。日曜日になり、約束していた公園で小川と飼犬のキング、小川の彼女の南と飼犬のアシュリーとあったひとみとぽてまる。ぽてまるは初めて会うアシュリーとキングとすぐに仲良くなった。一方犬井は待ち合わせ場所に来ていたが犬がいるところに入っていくことを躊躇していた。だが、草むらに隠れていた犬井をぽてまるは見逃さなかった。気づかれてしまった犬井は慌てたが、インターネットで調べた犬克服法を思い出して平常心を保ちながらこの日のために用意した犬用おもちゃをぽてまるに差し出した。おとなしく犬井の差し出したおもちゃを咥えるぽてまるに犬井は以前よりも恐怖心が薄れているのを感じた。犬井がほっとしたのもつかの間、アシュリーが飛びついてきて悲鳴をあげそうになる。だがすぐに南の一声でおすわりをしたアシュリー。すぐに言う事を聞いたアシュリーに犬井は襲われるのを覚悟していたので驚いた。その後犬井のあげたおもちゃでぽてまるとアシュリーは仲よく遊び、キングは小川とフリスビーをして遊ぶことにした。ひとみはフリスビーで楽しむ小川とキングを見てぽてまるとやってみたいと思った。

ひとみの様子に気づいた南はフリスビー遊びのお手本をアシュリーと見せぽてまるにもやってみるように勧める。かっこよくフリスビーをキャッチしたアシュリーに感動したひとみは早速ぽてまるとフリスビーにチャレンジしてみることにした。ひとみはぽてまるのためにゆっくりとフリスビーを投げる。すると何をしたらいいのかわからないぽてまるはフリスビーが落ちてから不思議そうな顔をしながらもフリスビーを咥えてひとみの元へ戻ってくる。ひとみとぽてまるを見ていた犬井は『はじめてのおつかい』を見ている気分になって和み、2人の姿を写真に残して今日公園へ来てよかったと思ったのだった。喜ぶ犬井を見て南は犬井がひとみのことを好きなのに気づいて小川にこっそり話すと、全く犬井の気持ちに気づいていなかった小川はびっくりしたが、応援しようと思った。そして犬井はぽてまると遊んだことでついにひとみと連絡先を交換することができた。ぽてまるに感謝する犬井なのだった。後日布でできたフリスビーを買ったひとみだったが、サモエドは体重が重く足腰に負担がかかりやすい為フリスビーには向いてないと雑誌に書いてあるのを見つけてしまい、フリスビーを引っ張りっこして遊んだのだった。

ドッグカフェとワンコたち編

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