咲-Saki-(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『咲-Saki-』とはスクエア・エニックスの『ヤングガンガン』で連載されている小林立による麻雀漫画である。麻雀に青春を捧げる少女たちの熱い思いや人間関係、丁寧に描かれる対局の様子が魅力であり、シリーズ累計発行部数は1000万部を突破。多くのスピンオフ作品が描かれ、アニメ作品にもなっている。舞台となるのは麻雀が広く浸透した世界。主人公の宮永咲は原村和という美少女と出会って麻雀の楽しさを知る。そして麻雀を通してなら仲違いしている姉とも話せるかもしれないという思いから全国大会を目指すことになる。

『咲-Saki-』の概要

『咲-Saki-』とはスクエア・エニックスの『ヤングガンガン』2006年4号から6号にかけて短期掲載され、その後同年の12号より連載が開始された小林立による麻雀漫画である。麻雀に青春を捧げる少女たちの熱い思いや人間関係、丁寧に描かれる対局の様子が魅力。

2021年1月時点でのシリーズ累計発行部数は1000万部を突破しており、2009年、2014年にはアニメが放送された。2016年には深夜ドラマとして実写化された他、2017年には映画が公開された。また派生作品として五十嵐あぐり作画の『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』や『シノハユ the dawn of age』、木吉紗作画の『咲日和』や『咲とファイナルファンタジーXIV』、めきめき作画の『怜-Toki-』や『染谷まこの雀荘メシ』、極楽院櫻子作画の『咲-Saki- re:KING’S TILE DRAW』、大和田秀樹作画の立『-Ritz-』がある。

舞台となるのは高校生による全国大会が開催されるほど麻雀が社会に広く浸透し、一部の人間は「特定の牌を集める」などの特殊な能力を持つ世界。長野県にある清澄高校の1年生、宮永咲は読書好きの目立ったところがない女の子だった。しかし友人の須賀京太郎に連れられて訪れた麻雀部で半荘を3回ほど打ったところ、部長の竹井久にその類稀なる麻雀の才能を見抜かれる。

家族麻雀が原因で麻雀が好きではなかった咲は、麻雀を打つことに消極的だったが、全国中学校大会で優勝した過去を持つ原村和との対局を通して麻雀の楽しさを知る。もっと麻雀を打ちたい、そして仲違いしてしまっている姉の宮永照とも麻雀を通してなら話せるかもしれないという思いから、咲は清澄高校麻雀部へ入部を決意し、仲間と共に全国大会を目指すのであった。

『咲-Saki-』のあらすじ・ストーリー

清澄高校麻雀部の始動

家族麻雀が原因で麻雀から距離を置いていた宮永咲は、清澄高校に入学してから迎えた初めての夏に、友人の須賀京太郎に連れられて麻雀部を訪れる。そこで咲は京太郎に加え、麻雀部に所属する同じく1年生の原村和と片岡優希と卓を囲んで麻雀を打つことになった。あまり乗り気ではない咲は素人同然の打ち筋で数局ほど打ち、すぐに辞去した。
咲の点数は3連続でプラスマイナスゼロだった。傍で見ていた部長の竹井久(たけいひさ)はそれに意図的なものを感じ、翌日に咲を呼び出した。他のプレイヤーがプラマイゼロを阻止しようとする中で、再びプラマイゼロで対局を終える咲。その次の対局では、久の言葉に従い、役満をあがってトップになる。
その後、咲は疎遠になってしまった姉、照とも麻雀を通してならば話せるのではないかと考えて麻雀部への入部を決めた。
麻雀部は全国大会、特に5人が順番に戦う団体戦での全国大会を目指している。咲は他のメンバーとともに強化合宿を行い、さらに腕を磨いて県予選の日を迎えた。

長野県予選団体戦

決勝進出

団体戦は各校が10万点を持ってスタートし、5人が半荘(はんちゃん)を戦ってトップだった学校がトーナメントを勝ち上がるルール。清澄高校は先鋒を優希、次鋒を2年生の染谷まこ、中堅を久、副将を和、大将を咲が務めることになった。

清澄高校は1回戦、2回戦と無事に勝利を果たし、決勝は清澄とシード校の龍門渕高校と風越女子高校、それから無名校の鶴賀学園に決まった。

決勝戦

決勝戦はそれぞれが半荘を2回ずつ戦い、大将戦が終了した時点で最も点数が高かった1校が全国大会への切符を手にする。前日から引き続き先鋒を務める優希は気合十分に対局室に移動する。

しかし優希は持ち込んだタコスを龍門渕の井上純に間違えて食べられてしまったこともあり、前半戦、得意な東場でもまったくあがることができなかった。後半でも変わらず純に苦戦を強いられるが、風越女子のキャプテン・福路美穂子のアシストで点数を取り返す。
続く次鋒のまこは鶴賀の妹尾佳織(せのおかおり)の、素人丸出しの打ち方に苦戦。清澄は次鋒戦で最下位まで転落してしまう。

最下位でバトンを受け取った中堅の久。彼女は悪い待ちほど和了(ホーラ)できるという自身の性質を利用して他家を翻弄し、トップに躍り出た。

副将戦、流局が多い堅い対局が続く中、和が龍門渕の龍門渕透華、鶴賀の東横桃子を抑えて点数を稼ぎ、1位のままバトンをつなぐ。大将戦では咲が開始早々に得意な嶺上開花であがるも、咲に素早く対応した鶴賀の加治木ゆみに他家が加槓した牌であがる槍槓で和了され、すっかり縮こまってしまう。それに幻滅した龍門渕の天江衣(あまえころも)が暴れ始める。衣は昨年のインターハイ団体戦の1回戦で2校、2回戦で3校を同時に飛ばすという離れ技を披露したことで知られるトッププレイヤーだ。この対局でも咲、ゆみ、風越女子の池田華菜を圧倒する。自信喪失していた咲は、前半と後半の休憩時に和に叱咤激励されたことで本来の調子を取り戻した。
後半では咲が連続で和了して追い上げる。一度は衣に突き放されるが、最後は彼女から役満をあがって逆転を果たして優勝を決めた。

長野県予選個人戦

団体戦の予選の後は個人戦の県予選が始まった。咲は1年生である自分よりも先輩たちが全国大会へ行った方が良いと考え、予選ではプラスマイナスゼロで終える戦い方をしていたが、チームメイトから激励され気持ちを新たにし、怒涛の追い上げを見せて3位に滑り込んで個人戦でも全国大会出場を決めた。

全国大会団体戦

2回戦

長野県予選が終わった後、決勝に進んだ4校で合同合宿が行われ、咲たちはさらに実力を伸ばした。そして、暦は全国大会、すなわちインターハイが行われる8月に突入し、清澄の面々は張り切って上京する。
トーナメントの抽選の結果、清澄は南大阪代表の姫松高校、鹿児島代表の永水女子高校という強豪がいるブロックとなった。

1回戦を突破した清澄は姫松と永水女子、そして岩手代表の宮守女子高校と激突。先鋒では優希が調子を上げて後半戦のオーラスまで1位を保っていたが、最後に永水女子の神代小蒔(じんだいこまき)に振り込んでしまい、3位に転落した。

次鋒戦はまこが他家を翻弄する打ち方で、1位で終える。中堅の久はプレッシャーから本来の実力を発揮できずにいたが、姫松の中堅・愛宕洋榎(あたごひろえ)の言葉で「まずは自分が楽しめなくては始まらない」とメンタルを立て直すことに成功。どうにか2位で副将の和につないだ。

副将戦では北家の時に役満を狙える能力を持つ永水女子の薄墨初美(うすずみはつみ)と、相手の能力を塞ぐことができる臼沢塞(うすざわさえ)のバトルになる。初美は塞に封じられて点数を伸ばせず、塞は能力を塞ぐことで体力を消耗していく。結果的に能力などのオカルトを信じない和が終始マイペースに打ち、点数を伸ばすことに。

大将戦の前半は姫松の末原恭子が、宮守女子の姉帯豊音(あねたいとよね)の追っかけリーチに何度も振り込んでしまう。後半になると永水女子の石戸霞(いわとかすみ)が攻めに転じて点数を稼ぐ。一方の咲はカンを利用して手を進める打ち方で豊音や霞の能力を躱し、点を稼いで1位で大将戦を終えた。準決勝の切符を掴んだもう1校は2位の姫松となった。

準決勝戦

準決勝まで進んだ清澄の相手は、2回戦でも戦った南大阪代表の姫松高校、清澄高校と同じく初出場の南北海道代表有珠山高校、そして第2シードの東東京代表臨海女子高校。
先鋒戦では鳴きを多用する優希、爆発的に点数を稼ぐ姫松の上重漫(うえしげすず)が活躍するものの、昨年度インターハイ個人戦3位の実力を誇る臨海女子の辻垣内智葉(つじがいとさとは)には及ばなかった。要所要所で優希や漫を抑え、智葉が1位で次鋒戦に進む。

3位でバトンを受け取ったまこは中国麻雀が混ざる臨海女子のハオに苦戦。見たことがない打ち筋に対応できずに点数を減らしてしまう。

中堅の久は大きく削られた4位の有珠山が飛ばされる前に2位の姫松をまくろうと攻め、点数を伸ばしていく。終盤では風牌を集める臨海女子のミョンファに自身の悪待ちであるほどあがることができる性質をぶつけ、久はこれを制した。
しかし副将戦では臨海女子のメガン・ダヴァンの「決闘(デュエル)」という能力の標的にされることが多く、和が点数を減らしてしまう。

大将戦では咲が序盤から恭子に得意のカンを封じられて苦しい展開になる。中盤では有珠山の獅子原爽(ししはらさわや)が五色雲という能力や連れてきたアイヌの神々・カムイを用いて役満をあがる活躍を見せるも、後半戦の最後の3局に自身の”波”が最大に来るよう調整していた臨海女子のネリーが1位で決勝進出を果たした。咲はどうにか2位で決勝への切符を掴んだ。

5位決定戦

決勝戦の前には5位決定戦が行われた。5位決定戦は今までとは異なり前後半がなく、半荘1回ずつで行われる。5位決定戦に進んだのは姫松高校と有珠山高校、そして逆の山からは北大阪代表の千里山女子高校と福岡代表の新道寺女子高校。

先鋒戦では漫が爆発。しかし1巡先の未来が見える千里山女子の園城寺怜(おんじょうじとき)が、新同時女子の花田煌(はなだきらめ)と協力して彼女を抑える。次鋒戦は大きな点数の変化が見られずに終了、中堅戦へと進む。姫松の中堅・洋榎と千里山女子の中堅・江口セーラはライバルの関係にあり、対局は2人のバトルとなった。手堅くあがる洋榎に対し、セーラは高得点の役であがる。軍配は洋榎にあがり、姫松が2位に躍り出た。

副将戦では新道寺女子から白水哩(しらうずまいる)が登場。彼女は大将の鶴田姫子とリンクするリザベーションという能力を持ち、哩が能力を使って和了すると、大将戦の同じ局で姫子が哩のあがった翻数の倍の翻数であがることができる。これを止めるには哩のあがりを阻止するほかないが、彼女も実力者である。5位決定戦でも2度ほど能力を使用してあがり、姫子へとつないだ。

大将戦、一番苦しい展開になったのは有珠山の爽だった。準決勝でカムイの力をほとんど使ってしまった彼女は、はったりでどうにかしのぐ。終盤には千里山女子の清水谷竜華がゾーンに入り、一気に点数を稼いだ。最終局、姫子がリザベーションの能力で三倍満をあがったものの、千里山女子には及ばず2位に終わった。3位は姫松高校、4位は有珠山高校だった。

決勝戦

5位決定戦後、いよいよ始まった決勝戦。決勝まで進出したのは清澄高校と臨海女子高校、それから咲の姉・照がいる西東京代表白糸台高校と和の友達がいる阿知賀女子学院の4校である。

先鋒では起家(チーチャ)の優希がダブルリーチであがると、一本場では配牌から捨てる牌がない役満「天和(テンホー)」をあがって一気に他家と点差をつける。その勢いは凄まじく、チャンピオンの照が智葉と協力して東場を流そうとするほどだった。そして南二局で照があがるとそこから連続和了が始まり、9回目に難易度の高い役満「九蓮宝燈(チューレンポートウ)」を決める。
調子のよい優希は後半戦も早々に2度目の天和をあがったが、その後は火力のある他校に押し負けて最下位で先鋒戦を終えることになった。

次鋒戦の開始直前、久は急ぐ記者たちとぶつかった清掃員を助け、そのはずみで階段から落下してしまう。右腕を激しく痛めるが、病院に行くと中堅戦までに戻って来られない公算が高いため、鎮痛剤を飲んで耐えることに。心配されるのを嫌がって久はトイレからまこの試合を観戦する。

次鋒戦、まこは苦手な臨海女子のハオと再度対局。白糸台の弘世菫(ひろせすみれ)、阿知賀女子の松実宥(まつみゆう)も癖のある打ち手で、まこには終始苦しい展開となる。それでも終盤に役満の緑一色(リューイーソー)をあがり、久へとバトンをつないだ。

『咲-Saki-』の登場人物・キャラクター

清澄高校

長野県にある公立の高校。麻雀では特に有名でもなく、久が入った時には麻雀部は廃部寸前だった。

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