電撃デイジー(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『電撃デイジー』は、最富キョウスケ作の少女漫画である。2007年から2013年にかけて漫画雑誌『ベツコミ』に連載されていた。主人公の女子高生、紅林照と、照を「下僕」と呼ぶ不良校務員、黒崎祐、そして謎の人物「DAISY」を中心に、照の兄の死の裏に隠れた大きな事件の謎にせまる。少女漫画でありながら、恋愛、コメディー、友情に加えてバトルあり、サスペンスありとさまざまな要素が織り込まれ、2010年には同雑誌が誇る4大作品「BIG4」にも選ばれた人気作である。

身寄りがなく貧乏だが、清く正しい高校2年生である。3月14日生まれ、黒い長髪で身長156cm、血液型はO型、右利きである。黒崎に対する悪態の定番は「ハゲ」「ハゲろ黒崎」である。中学生のときから変わらない幼児体型のAカップであり、本人も気にしている。座右の銘は「早寝早起き元気に挨拶」。学校には奨学生として通っていて、生徒会からは「貧乏人」と目の敵にされている。成績はトップだが、周りの友達からは「バカ」だと言われる。普段は仲間内でボケ役になっているが、勉強に本気になればボケを忘れて鼻血が出るほどに集中し、短時間で教科書を全て覚えられる。恋愛関係には疎く、友人にも「恋愛力がない」と言われる。好きな男性のタイプは、「悪いことをしたら本気で怒ってくれて、さりげなく元気づけてくれて、思いがけない一面がある人」である。家事は得意で、得意料理はシュウマイである。奏一朗が亡くなったのが長雨の時期だったことから雨の日が苦手であったが、DAISYからのメールを読んで雨が好きになった。
黒崎に出会った当初は反抗心をいただいていたが、ピンチを助けられて気持ちが変わり、今は強い恋愛感情を抱いている。台風の日、DAISYにあげたはずのオルゴールが黒崎の部屋で鳴り、DAISYの正体が黒崎だと確信する。しかし黒崎には、正体を知らない振りをして嘘をついていた。アキラと森の策略によって不本意に黒崎の「罪」のことを知るが、その罪を知ったうえで黒崎を受け入れることを決め、黒崎を迎えに行った。

黒崎 祐(くろさき たすく)

24歳。5月7日生まれ、金髪で身長181cm、血液型AB型、左利きである。アカハゲという麻雀パソコンゲームが趣味で、仕事を照に丸投げしてプレイしていることも多々ある。カレーやハンバーグなどのお子様メニューが好きで、トマトが嫌いである。怖がりなところがあり、テレビの心霊番組が苦手である。笑い上戸で、照の変なくしゃみの音がツボにはまって笑いが止まらなくなったこともある。照が通う高校の公務員として働き、照を下僕と呼んでこき使いつつも、自分の仕事はきちんとこなしている。他の教師からの評判は意外と良いが、優等生の照を気に入っている教師からは嫌われがちである。
照のメールの相手、DAISYの正体であり、照の兄の奏一郎が亡くなって以降、影から照を守り、心の支えとなってきた。照に接することを重ねるにつれ、本気で照を愛するようになる。ハンドルネームがDAISYのハッカーとしても名が知られているが、ハッカーとして活動するのは照を守るときだけである。9歳年下の照に想いを寄せていることから理子達からはしばしば「ロリコン」と言われ、自らも自虐的に「ロリコンだ」ということがある。また、「ヘタレ」と呼ばれているが、喧嘩には非常に強い。かなりのヘビースモーカーである。学校にはほとんど行かず、大検に合格するも、政治家の陰謀に巻き込まれて大学には通えずに終わった。必要な知識はほぼ独学で補ってきたため、漢字の読み書きが苦手である。
奏一朗が亡くなって以来、自分が奏一朗を殺したという罪の意識に苛まれてきた。しかし、照の言葉によってそれを受け入れ、奏一朗の本当の思いを受け取ることができた。照とはずっとお互いの気持ちはわかりつつも一歩踏み込めない関係を続けていた。しかし、Mの遺言事件の最終局面において、自らが危険な仕事に身を投じることになったのを受けて決意を固め、照に自分の気持ちを告白して名実ともに恋人同士となった。照が卒業するまでは大人の関係にならないと決めており、写経を次々とマスターしている。

鬼塚 理子(おにづか りこ)

30代であるが、詳しい年齢は明らかにしていない。かなりの美人で、身長165cmのDカップ、血液型はA型である。照が通う学校のカウンセラーとして働いている。照と黒崎の事情を知る人物で、それぞれからの相談にのりながら二人の関係を温かく見守っている。奏一朗の恋人で、バカと悪態をつきつつも「べた惚れ」であった。黒崎の隣の家で照と同居生活を送っていて、照を妹のようにかわいがっている。黒崎を「ヘタレ」と呼び、しょっちゅうこき使ってる。奏一朗が生きていた頃、奏一郎や祐たちとチームを組んでいた。奏一朗の病気の事を知りつつも、奏一朗が治療をあきらめて黒崎を助けようとするのを止めることができず、自分が奏一朗を殺したのだと自分を責めていた。手先が器用で、照のために花の髪飾りやコサージュを作ったこともある。カウンセラーとしての能力は確かなもので、アントラからの電話によって自分たちが洗脳状態になっていたことにいち早く気付いた。

マスター

本名は増田。バンダナを巻いて眼鏡をかけている。怒ると怖い。「喫茶 洋食 お花畑」の店長で、店ではエプロンスタイルである。店の看板メニューはビーフシチューで、その味は安藤も認めるほどのおいしさである。照と黒崎のことを、やきもきしながらも微笑ましく見守っている。総務省とのつながりがあり、元自衛隊の特殊部隊である。任務中に事故に遭って大けがを負い、後遺症のためにリタイアした。バンダナの下にはケガの跡と開頭手術の跡がある。右目が見えないが、身体能力は非常に高い。人探しと荒事の処理が得意分野である。名目上は要注意人物のハッカーである黒崎を監視しつつ保護する役割を担っている。JFの開発時は、派遣社員のふりをして剣橋電機で働いていた。

安藤 数正(あんどう かずまさ)

照の高校の理事長で、アンディと呼ばれている。黒崎の不在時には校務員の代行も務めているが、生徒たちから理事長だとは認識されていない。初登場時はロッカーから現れ、学校生徒には「メガネで作業着を来て髪がモサーッとした幽霊」と噂されていた。普段はメガネをかけていて、もさっとした黒髪である。照の兄や黒崎、理子の元同僚である。自称ドM。暗いところと女性に殴られることが好き、監禁するよりされる方が好きであるが、かなりS寄りの一面もある。マスターとの仲はあまりよくない様子で、言い争う場面も多いが、信頼も厚い。
剣橋電機の元社員で、JFの開発当初は研究室所属のエリートとして開発にもメインで関わっていた。しかし、身体を壊して担当を外れたことで奏一朗たちのチームの一員になった。慎重なように思えて、無理を押した強行突破的な行動をとることが多い。現在でも優れたITスキルは健在で、そのレベルは照の携帯にGPSやヘルプ機能などの複雑な特殊工作をいとも簡単に施せるほどである。

紅林 奏一郎(くればやし そういちろう)

亡くなった照の兄である。享年28歳。身長172cm、A型である。生前は天才的なシステムエンジニアで、仲間からの信頼は厚かった。照のことを溺愛し、「照は俺の宝物だ」とよく口にしていて、照にシカトされるだけですぐに拗ねていた。変人的な面も多く、照や理子には多くの面で「バカ」と言われていた。見た目や衛生面には無頓着であり、数日風呂に入らないこともザラであった。祐と理子、マスター、安藤のいるチームを率いるリーダーだった。スキルス性胃ガンに侵されて余命半年だと宣告されたが、治療の可能性を捨てて黒崎を救い、亡くなる直前に祐にDAISYになって照を守ってほしいと頼んだ。照曰く、「バカで臭いが、絶対に迷わない大好きなおにいちゃん」であった。

照の同級生

長谷川 清(はせがわ きよし)

照の中学生時代からの友人で、照と同じく奨学生として学校に通っている。身長162cmで、漫画の初めは身長が照より低かったが、そこから大幅に伸びて照を超した。生前の奏一朗とも知り合いで、その死に疑いをもって真実を知るために、奏一朗が勤めていた会社にハッキングした。しかしその行為がバレたことで何者かに脅され、不本意ながら、その人物に代わって照の携帯を狙うことになる。作戦が失敗に終わると口封じのために命を狙われたが、黒崎に助けられる。その後、マスターより一連の事情を聞き、照を守るメンバーに加わるとともに黒崎の下僕2号となった。
ハッキングをするだけあって、パソコンのスキルはかなり優れている。玲奈のことを毛嫌いしていたが、生徒会室のパソコンを直したり、場の流れで玲奈の相談を受けたりすることが続き、次第に玲奈に対する気持ちが変わり始める。事件終息後は玲奈と付き合い、生徒会の副会長になっていた。中学生のときは剣道少年で、今でもそこそこ強い。カラオケが得意で、倖田來未の「バタフライ」を振り付きで歌うこともできる。

沢口 遥(さわぐち はるか)

照の親友である。一見すると体育会系だが所属は美術部である。色恋ネタに敏感らしく黒崎と照の関係にも興味津々で、積極的に仲を進展させようとする言動がよく見られる。DAISYの正体が黒崎であることを知った照が直後に相談を持ち掛けたことで、照と秘密を共有することになる。その後もなにかと照の相談相手になり、森園の事件の際には照たちとともに玲奈を救出に向かった。当初は玲奈に反感を持っていたが、今では打ち解けて親友になった。玲奈とともに照の恋愛相談にのることが多く、三人でお泊り会をすることもある。「下僕部」には仮入部中である。

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