飲兵衛ジョシ漫画「ワカコ酒」第四巻 "たまらん"メニュー!

昨年ごろからよく書店で平積みにされている「ワカコ酒」(新久千映)。現在第5巻まで発売中で、2015年夏現在、2分アニメが放送中です。20ウン歳の飲兵衛女子の主人公がふらふらと飲み歩くだけの、「何も起こらない」漫画なのですが、作中で描かれる料理の描写がもう、"たまらん"のです。深夜に呼んでしまったら「飯テロ」ならぬ「酒テロ」に襲われること間違いナシのメニューを1巻ごとにご紹介します。

4巻第86夜「筑前煮」

会社からの帰り道に、雨に降られてしまったワカコは、雨宿りがてら立ち飲み屋さんへ入ってみることに。

立ち飲み屋って、安い代わりに手の込んだメニューはやっていないイメージがあります。
実際のところどうなんでしょう。
ただ、手のかかっていないものこそ、極上のおつまみになったりするものです。

作中でワカコがお酒のお供に選んだのもまさにその系統の「ツナ缶マヨ焼き」。
シーチキンの缶を開け、マヨネーズとスライスした玉ねぎを載せてバーナーで炙ったお手軽おつまみ。
しかしこれ、お手軽とはいえど非常にそそられるおつまみです。
ツナ缶というのはそもそもが油に満たされたこってりとしたもの。
その油を切ったりせずに、上からマヨネーズを載せてしかも炙るなんていう贅沢。
間の玉ねぎが無かったら脂っこくてすぐに飽きてしまうでしょう。

手間暇かけないおつまみに見え隠れする、試行錯誤のあと。
こういったところを見逃さない酒飲みでありたいものです。

4巻第93夜「豚キムチ」

唐揚げと同じく、酒飲みを凶暴にするおつまみの代表例「豚キムチ」。
なぜ4巻まで出なかったのか疑問に思うほど、ビールのお供の定番ではないでしょうか。
自分で作った時なんかは、フライパンに箸を突っ込んで、台所で飲んだりしますね。

仕事でちょっと恥ずかしい思いをしたワカコが、気分を変えるためにチョイスしたのもこの豚キムチです。
単純でガツンとくる味なので、ぐいぐいビールが進み、イヤなことを忘れる飲みのおつまみには最適ですね。

甘辛の中に、時々酸味。
口の中に固形物が無くなったら、ビール。
ワカコはその一連の流れの中に、ふと「無」になる瞬間を感じます。
あ、今イヤなこと完全に忘れてた。

辛いことを噛みしめながら飲み酒も悪くないですが、ビールと一緒に胃袋の奥に押し込んでしまう夜も、アリだと思います。

4巻第99夜「厚切りベーコン」

一つ上の豚キムチに、厚切りベーコン。
まとめていて思いましたが、4巻は凶暴なおつまみの比率が高い気がします。

分厚い肉の塊は気分がアガります。
それが目の前の鉄板で焼かれていたりしたら、焼けた匂いが鼻先をくすぐっていったら、それだけでビールをイケちゃいます。

そして、作中のワカコはさらにその上を行きます。
「誰かが言っていた。鉄板焼きが焼ける間、目を閉じて待つと、音で美味しさを感じられると!」
確かに、肉に限らず、餃子や魚など、食べ物が焼ける音って、美味しいですよね。
家のフライパンでも、ワカコの楽しみ方の疑似体験ができますが、楽しみすぎて焦がさないようにお気を付けください。

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