ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ウィザードリィ外伝IV』とは、1996年に発売されたスーパーファミコン専用ソフトで、3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は『胎魔の鼓動(THROB OF THE DEMON'S HERAT)』。日本国産ウィザードリィの第四作である。本作はオーソドックスなハック&スラッシュでありながら、和風テイストな舞台やイベント、ホラー要素を盛り込み、数多くのNPCとの交流や勢力争いを楽しめる。緋蓮城の先代城主の死に端を発する地方の反乱を治めるため、冒険者に「三種の神器」を集めさせるというストーリー。

『ウィザードリィ』正伝シリーズから定番で登場する施設で、治療や復活を担う拠点。
本作では「古の洞窟」クリア後、クリア称号を持ったキャラで地下1階の小部屋(『ウィザードリィ #1(Wizardry #1)』でマーフィーズゴーストのいた部屋)に入ると、カント寺院にテレポートする。

ギルガメッシュの酒場

『ウィザードリィ』正伝シリーズから定番で登場する施設で、パーティの編成を行う拠点。
本作では「古の洞窟」クリア後、イベントを起こすと利用できるようになる。店主はゴブリンのような外見をしており「ある日突然こうなっちまったんだ」とぼやく。

ボルタック商店

『ウィザードリィ』正伝シリーズから定番で登場する施設で、アイテムの売買や呪いの解除を行う拠点。
本作では「古の洞窟」クリア後、イベントを起こすと利用できるようになる。余談だがボルタック商店店主と冒険者の宿の女将だけは、人間の姿を保っている。

リルガミン

『ウィザードリィ #2(Wizardry #2)』で初登場した、冒険者たちの拠点となる街の名称。「ニルダの杖」という強力なアイテムによって外敵から護られている。
本作は『ウィザードリィ外伝III(闇の聖典)』の前日譚であり、滅びる前のリルガミンの街並みを拝むことができる。

ニルダの杖

『ウィザードリィ #2(Wizardry #2)』から登場する、リルガミンの街を守護する強力なアイテムで、同作においてクリアアイテムであった。
外敵から街を守る魔力は完璧という触れ込みだが、ストーリーの都合上、しばしば盗まれたり魔力が衰えたりして、リルガミンは危機に陥っている。
本作では「サンクチュアリ」1Fに、台座に突き刺さった奇妙な杖として登場している。

ワードナの魔除け

『ウィザードリィ #1(Wizardry #1)』および『ウィザードリィ #4(Wizardry #4)』に登場する、強大な魔力を秘めた魔除け。邪悪なる魔術師ワードナが狂王トレボーから盗んだとされる。
本作では隠しダンジョン「ドラゴンの洞窟」最後のおまけ要素アイテム「魔法の魔除け」として登場している。

『ウィザードリィ外伝IV(胎魔の鼓動)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

やり直しの基本、リセット技

戦闘中にリセットする事で、戦闘前の状態に戻る事ができる。これはヘビーモードであっても有効。
また宿屋でレベルアップした時にリセットすると、レベルアップ前の状態に戻れるので、気に入った成長になるまでやり直しも可能(ただし宿屋を出てしまうと、リセットしても元には戻らないので注意)。

エナジードレインを利用した能力値上昇・経験値調整

敵モンスターのエナジードレインを受けても、その時点で下がっているのはレベルだけで、戦闘終了後まで経験値は変化しない事を利用した裏技。
これは正伝の頃から存在したテクニックで、戦闘中に「マロール」や「ロクトフェイト」等で脱出すれば、再び宿屋でレベルアップが可能となる。

解呪呪文「ジルフェ」に関するセーブデータ破壊バグ

本作ではアルケミスト呪文6レベルに「装備してしまった呪いアイテムを消滅させ呪いを解く」呪文として「ジルフェ」が存在するが、これを唱えて電源を切る、あるいはリセットを行うとセーブデータが破壊され、初期化状態になってしまうという致命的なバグが存在する。
これを回避するためには「ジルフェ」を使わないようにするしかない。

アイテム「死者の書」を取ると発生するHP急増バグ

死霊の塔B3にあるクリアアイテム「死者の書」(不確定名:ブック)を入手すると、キャラクターのひとりのHPが65,535(表示上は5,535)になってしまうバグが起こる事がある。この状態はオーバーフローを起こしており、HPゼロとして判定されるため数歩歩くと死んでしまう。
これを回避するためには「死者の書」を入手する際はB3にあるスイッチを全て操作しておき、鉄格子を無理矢理こじ開けないようにする対策が有効である。

三種の神器の持ち帰り方

本作では3つの塔にある神器いずれか1つでも城へ持ち帰ると、戦乱イベントが発生し残り2つの塔のイベントがほぼ全て発生済みとなり、NPCも「レイチェル」「そうじろう」以外の人物が全滅してしまう。特に厄介な仕掛けの多い「幻術の塔」は、このイベントが発生するとテレポート呪文「マロール」を習得できていない場合、探索が困難になる。
そこで神器を入手する際、城に持ち帰らず、預かるためのキャラを用意して塔の入り口に待機させておき、そのキャラに神器を預けておく。それから残りの塔の攻略を行えば、イベントを見逃す事なくゲームを進める事ができる。

「胎魔の魔王」で経験値稼ぎ

本作の戦闘難易度は隠しダンジョン「ドラゴンの洞窟」以外は全般的に低めなのだが、逆に言えばドラゴンの洞窟に入った途端跳ね上がる。このためストーリークリア直後レベルのパーティでは歯が立たない。
そこで「古の洞窟」ボスである「胎魔の魔王」撃破後、育てたいキャラに敢えてクリア称号をつけさせず、ダミーキャラにクリアアイテム「印籠」を手渡してエンディングを見る。
さらに次の「サンクチュアリ」ボスの「ダリア」と戦う時も、上記と同様の処理を行い、「ドラゴンの洞窟」解放イベントまで進める。
すると2つのクリア称号を持たないキャラクターたちは「胎魔の魔王」と何度でも戦えるようになり、低リスクで大量の経験値を荒稼ぎする事ができる。

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