黒須淳／ジョーカー（ペルソナ2）とは【徹底解説・考察まとめ】

全てを思い出し、ニャルラトホテプから解放された淳が、達哉に述べたセリフ。
全てが自分の思い違いによるものであったと知った淳は、達哉達と共にニャルラトホテプこと、偽物の父・明成の策略を止めようと決心する。その決心を顕にするように、淳は自分に話しかけてきた達哉に向かって「なんとしてでも、父さんを止めなくちゃ…！それが、僕にできる唯一の罪滅ぼしなんだ。」と口にする。淳の今まで自分がしてきた事への深い後悔の念を感じると共に、淳という少年が、元来はとても心優しい少年であったという事がよく伝わるセリフとなっている。また「罪滅ぼし」という言葉は、彼がメインキャラクターを務めた『ペルソナ2 罪』のサブタイトルと重なるところがあり、『罪』というそのタイトルにマッチしたセリフにもなっている事がわかる。

「僕は忘れない。犯した罪も、皆と出会った事も。今度こそ、舞耶姉さんを守るんだ。だから、さよならは言わないよ ただ…ありがとう…。」

『ペルソナ2 罪』終盤、世界と舞耶を救う為に、10年前の出来事をなかった事にする事を決めた淳と達哉達。
10年前の出来事がなくなり、これまでの仲間達との日々がリセットされるその寸前、達哉は光消えゆく世界の中で仲間達1人1人から言葉を貰う。このセリフは、淳から達哉へ送られた言葉である。
自分達のこれまでがなくなり、全ての記憶を忘れる事になるとわかっている上で、それでも敢えて「僕は忘れない。犯した罪も、皆と出会った事も。」と述べる淳からは、この世界での記憶が淳にとっていかに大事なものであったかを知る事ができる。そして「今度こそ、舞耶姉さんを守るんだ。だから、さよならは言わないよ。ただ…ありがとう…。」と別れの言葉ではなく、お礼を述べた彼からは、達哉という大事な友人への強い想いと同時に、また次の世界でも会える奇跡を信じている様子が伺える。悲しい別れの中、それでもわずかな希望を信じて消えていく淳に胸打たれるセリフとなっている。

黒須淳／ジョーカーの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

『ペルソナ2』黒須淳と『ペルソナ3』伊織順平のペルソナはどちらも「ヘルメス」

『ペルソナ2』の次作にあたる『ペルソナ3』に、実は淳と同じ名前のペルソナを使うペルソナ使いがいる。それが伊織順平（いおり じゅんぺい）という少年だ。『ペルソナ3』の主人公と同時期にペルソナ使いに覚醒した少年で、年は高校2年生と淳より1つ下の高校生である。彼と淳の間に直接的な関係はない。だが、名前が「じゅん」と「じゅんぺい」と似通っていたり、彼を演じる声優・鳥海浩輔が『ペルソナ2』ではミッシェルを演じていたり等、『ペルソナ2』を彷彿とさせる要素を持った少年となっている。

同じペルソナとはいえ、その外見は作り変えられているようで、ジェット機のような羽を身に着けていた淳のヘルメスと異なり、順平のヘルメスは鳥を擬人化したような姿をしており、身軽な印象を受けるペルソナである。しかしどちらも「羽」や「飛ぶ」事をイメージした作りになっている事には変わらず、ギリシャ神話のヘルメスが持つ「翼の生えた帽子」、「神々の中で一番足が速かった」という伝承をイメージして作られたものである事は明白だろう。

『ペルソナ2』黒須淳と『ペルソナ5』喜多川祐介との類似性

淳に似ていると言われるペルソナ使いが『ペルソナ5』に存在している。それが喜多川祐介というペルソナ使いの少年である。P5主人公と共に「心の怪盗団」としてペルソナ使いの力を使い、「悪人」の改心に勤めている。
キャラクター公開当初、どことなくなよったした体つきや髪型が淳に似ていると話題になった。ゲーム発売後には芸術家の卵という事実も発覚し、芸術肌な部分がロマンチストな一面を持つ淳と重なり、増々似ているとファンを騒然とさせる事となった。
しかし素直で人に優しい淳とは異なり、祐介の方は芸術家としての感性が強すぎる故に天然ボケが酷く、また貧乏な苦学生という設定から酷い貧乏生活を平然と送り続ける見た目とは裏腹にタフな精神を持ち合わせたキャラクターとなっており、似ていたのは見た目と設定だけであるようだ。