パレス・メイヂ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『パレス・メイヂ』とは、2012年7月より久世番子(くぜばんこ)が『別冊花とゆめ』にて連載した宮廷ロマンス系少女漫画。架空の明治時代を舞台に、少女天皇・彰子と、彼女に仕える子爵家の次男・御園公頼が互いを尊重し、身分の差を飲み込みながら緩やかに惹かれあう様を描いた物語。筆者はデビューこそ少女漫画であったものの、『暴れん坊本屋さん』をはじめとしたエッセイコミックをメインに活動しており、少女漫画はこの作品が6年ぶりとなっていた。

帝や女官達の生活の場。男子禁制だが、侍従職出仕の「少年」のみが男とは見なされず、出入り可能となっている。

渡御廊下(とぎょろうか)

表御座所と奥御座所を繋ぐ廊下。この廊下を通れるのは、帝の他は侍従職出仕のみとなっている。

鶏の杉戸(とりのすぎと)

鶏の杉戸。前に立つ二人は公頼の先輩出仕である久我理彦と東辻実親。

渡御廊下の前にある、奥御座所と表御座所を仕切る扉。その名の通り、鶏の絵が描かれている。

天長節(てんちょうせつ)

天皇の誕生日。作中では彰子の誕生日が描かれる。この日は宮中で盛大な儀式と宴会が開かれる。

『パレス・メイヂ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

公頼「陛下の籠になりとうございます!」

女帝は生涯結婚も出産も許されず、自由に外に出ることもできない。籠の鳥に例えられる彼女の籠を壊すこともできなければ、籠から連れ出すほどの身分もない。ならばせめて、少しでも居心地の良い籠になれないかとの願いから、「陛下の籠になりとうございます!」と公頼は言い放つ。この言葉に、公頼を解任しようとしていた彰子はその考えを撤回し、「ならば、面白き籠になるがよい」と微笑むのだった。

威彦「鳥と番になれるのは鳥だけだ」

威彦が公頼に自分の立場をわきまえているのか、と問い、「私はただ、陛下の籠になれたらと」と返された際、威彦は爆笑した。籠では鳥とは番になれないからだ。「鳥と番になれるのは鳥だけだ」と言い放ったのは、自分こそが籠の鳥である彰子に相応しい、比翼の鳥だと信じていたからだった。

『パレス・メイヂ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

「宮殿」のモデルはかつて実在した「明治宮殿」

宮中正殿東溜の間

パレス・メイヂの舞台となる「宮殿」は、明治時代から第二次世界大戦まで実際に皇居に存在していた、「明治宮殿」をモデルとしている。作中では震災による被害もほぼ受けなかった宮殿だが、史実では第二次世界大戦中の1945年5月25日、空襲によって全焼した。

『パレス・メイヂ』は当初、1話読み切りで終わる予定だった

本作は当初、1話読み切りの予定で掲載された。だがその後、せっかくならば単行本が出せるようにしようと編集部から提案があったため、4話まで描くこととなった。だがその後、1巻の発行直前に「アンケートがよかったので連載にしよう」と更に提案があり、現在の形となった。

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