TOTO(トト)の徹底解説まとめ

TOTO(トト)とは、アメリカ、ロサンゼルスの凄腕スタジオミュージシャン達が集まって1977に結成されたバンドである。1978年、アルバム『TOTO~宇宙の騎士』でデビュー、1982年のアルバム『TOTO Ⅳ~聖なる剣』はグラミー賞6部門を制覇、「ロザーナ」「アフリカ」といったロック史に残る名曲を発表した。また、メンバー各々がスタジオミュージシャンとしても活躍し、関わったアルバムは5000枚にも及ぶといわれている。結成40周年を超えた今も世界を巡り活動を続ける、ロック界のレジェンドである。

Turn Back(ターンバック)

01. Gift with a Golden Gun
02. English Eyes
03. Live for Today
04. A Million Miles Away
05. Goodbye Elenore
06. I Think I Could Stand You Forever
07. Turn Back
08. If It's the Last Night

1981年リリースの、TOTOの3rdアルバム。ファーストアルバムのヒットを受け発売された前作『Hydra』はセールス的には停滞し、それを受けてよりロック色を強めたキャッチーな楽曲を揃えたが、ビルボードアルバムチャートで第41位と、前作をさらに下回り、売り上げも、アメリカでゴールドディスク(50万枚セールス)を逃すなど奮わず、全世界でわずか100万枚のセールスとなり、デビュー時の勢いは全く失われてしまった。しかし日本ではこのアルバムはゴールドディスク(10万枚)を記録する大ヒットとなった。オープニングを飾る、スティーブ・ルカサーの爽快感溢れるギターのリフで始まる「Gift With A Golden Gun」は、LAの陽射しを感じるような開放感のあるロック・ナンバー、構成美のある楽曲が多かった前作『Hydra』に対して、本作は極めてシンプルでストレートな曲が多い。特にへヴィネスとグルーヴの両方を備えたジェフ・ポーカロのドラムスがシャッフルする「Goodbye Elenore」はこのアルバムの白眉。ビルボードのシングルチャートでは107位と、100位以内にチャートインしなかったが、TOTOの数ある名演の中でも、最高レベルと評価するファンも多い。また、ハードなロック・ナンバー以外にも、「A Million Miles Away」「If It's The Last Night」のようなロマンティックなバラードや、「Turn Back」のようなミステリアスな曲もあって、静と動のコントラストも効いている。曲作りの中心はデヴィッド・ペイチで、メンバーとの共作も含めて8曲のうち6曲(1.2.4.5.6.8)を担当している。アルバムジャケットのラフで力強いデザインも特徴的。シングル・ヒットが生まれなかったのでセールス面では振るわなかったが、ロック・バンドとしてのTOTOの魅力を味わうならば一番の作品である。

TOTO IV(聖なる剣)

01. Rosanna
02. Make Believe
03. I Won't Hold You Back
04. Good for You
05. It's a Feeling
06. Afraid of Love
07. Lovers in the Night
08. We Made It
09. Waiting for Your Love
10. Africa

1981年のクリストファー・クロスのアルバム『南から来た男』に続き、「グラミー賞総ナメアルバム」として当時の人々を驚かせたTOTOの大傑作アルバム。グラミー賞8部門でノミネートされ、「Album of the Year」「Record of the Year (Rosanna)」を始めとする 6部門を制覇し、まさに1983年のグラミ賞ーをTOTO一色に染めた。当時のスティーブ・ポーカロの彼女の事を歌った「Rosanna」はビルボード全米チャート4位をマーク、ジェフの普遍のリズムが光るTOTOにとって初の全米No.1ソングの「Africa」この2大ヒット曲が輝きを放つが、その他にもルカサー作、ボーカルのセンチメンタルなバラード「 I Won't Hold You Back」キンボールのソウルフルなボーカルがシャウトするグルーヴィーなナンバー「Waiting for Your Love」も必聴。とにかく捨て曲無しの大名盤である。

Dune(デューン 砂の惑星)(サウンドトラック)

01. Prologue
02. Main Title
03. Robot Fight
04. Leto's Theme
05. The Box
06. Floating Fat Man (The Baron)
07. Trip to Arrakis
08. First Attack
09. Prophecy Theme
10. Dune (Desert Theme)
11. Paul Meets Chani
12. Prelude (Take My Hand)
13 .Paul Takes the Water of Life
14. Big Battle
15. Paul Kills Feyd
16. Final Dream
17. Take My Hand

1984年の映画『デューン』のオリジナル・サウンドトラック・アルバム。
『聖なる剣』の成功後、ベースのデヴィッド・ハンゲイト、ボーカルのボビー・キンボールの脱退と、バンドは混乱状態であった。『聖なる剣』の凱旋ツアーを早々に切り上げ、取り掛かったのは、デヴィッド・リンチ監督の映画『デューン』のサウンドトラックだった。殆どの曲をTOTOが作曲し、1曲をブライアン・イーノが担当している。
「TOTO はこんな音楽まで作れるのか」と言わしめる内容だが、内容的にはシンフォニックロックと呼ばれるように映画の為の効果音楽のような作品で、従来のTOTOらしいナンバーは、「Dune (Desert Theme)」 一曲くらい。一時期はCD化がされておらず、熱心なマニアにとってはコレクターアイテム化されていたが、今は音楽配信サイトなどで手頃に聴く事が出来る。「TOTOが全面参加したアルバム」であり、「TOTOのアルバム」としては認知されないことが多いが、TOTOファンにとっては外せないアルバムである。
当時、全米で大ヒットした同じサウンドトラックの『フットルース』に参加していたスティーブ・ルカサーは「『フットルース』ではなく『デューン』を選んでドゥーム(破滅)した俺たち」と語った。

Isolation(アイソレーション)

01. Carmen
02. Lion
03. Stranger in Town
04. Angel Don't Cry
05. How Does It Feel
06. Endless
07. Isolation
08. Mr. Friendly
09. Change of Heart
10. Holyanna

前作『聖なる剣』で大成功を収めたTOTOだったが、バンドにとって大きな転換期が訪れる。家族との時間を優先しベースのデヴィッド・ハンゲイトが脱退、更にボーカルのボビー・キンボールがドラッグの問題で声が出なくなり、ジェフ・ポーカロより解雇を言い渡される。ここにきてオリジナルメンバーの2人がバンドを去ることとなった。デヴィッド・ハンゲイトの代わりにはポーカロ兄弟の次男マイク・ポーカロが就任したが、後任のボーカル選びは難航した。最終的には、「トリリオン」「エンジェル」「ルルー」などを歴任してきたボーカリスト、ファーギー・フレデリクセンに決定した。ファーギーはキンボールと比べるとソウルフルな要素は少なく、よりハードロック的な金属質の声をしていたが、『聖なる剣』以降、同じくヒットしていたジャーニーの様なアリーナ・ロックを志向していたTOTOにとっては適任であった。1984年、新ラインナップで発表されたアルバムが本作『アイソレーション』である。新加入のファーギー・フレデリクセンの強力なハイトーン・ヴォイスを前面に出したロック色の強い作品となったが、全米チャートではトップ40を逃した。結果的にはゴールド・ディスクは獲得したもののプラチナには届かなかった為、特大ヒット・アルバムの次の作品としては期待外れの結果に終わった。そして結果としてTOTOは『聖なる剣』で頂点に達し、この『アイソレーション』から衰退していくことになる。
1stシングルは「ストレンジャー・イン・タウン」で、ビルボードホット100で30位、メインストリームロックチャートで7位まで上がり、アルバムをリードした。当初は「エンドレス」が1stシングル候補だったが、レコード会社が「アフリカ」により近いとされたこの曲に決定。曲調は全然違うが、ペイチ→ボビーと繋がるヴォーカルが、ペイチ→ファーギーと繋がる所に類似性があると考えられた。2ndシングルはペイチ作の軽快なポップチューン「ホリーアンナ」。前作の「ロザーナ」の作風に近いナンバーでヒットを狙ったが、全米71位にとどまる。3rdシングルはルカサー作のバラード「ハウ・ダズ・イット・フィール」で、これも前作のルカサー作全米10位の「ホールド・ユー・バック」を踏襲したチョイスだったが、残念ながらチャートインは逃した。結局、新ボーカリストのフレデリクソン以外のメンバーが歌う曲のみがシングルカットされ、フレデリクソンもこのアルバム1枚に参加しただけでバンドを去る結果となる。しかしフレデリクソンがリードを務める「エンドレス」「アイソレーション」「エンジェル・ドント・クライ」等の一連のナンバーは今までの作品よりもよりエッジの効いたソリッドなロックナンバーとなっており、シャープで精巧なフレデリクソンのハイトーンボイスはファンの間でも人気が高い。これらのナンバーからシングルカットしていれば違った結果になっていたかもしれないと言うファンの評価もある。チャート的には振るわなかったものの、前作の大ヒットからの人気はキープしており、MTVをはじめ、音楽シーンでのTOTOの存在感は依然絶大であった。

Fahrenheit(ファーレンハイト)

01. Till the End
02. We Can Make It Tonight
03. Without Your Love
04. Can't Stand It Any Longer
05. I'll Be Over You
06. Fahrenheit
07. Somewhere Tonight
08. Could This Be Love
09. Lea
10. Don't Stop Me Now

1986年リリースの、TOTOの6thアルバム。
このアルバムから3代目ヴォーカリストとしてJoseph Williams(ジョセフ・ウィリアムス)が加入。著名な映画音楽の作曲家であるジョン・ウイリアムズの息子で、TOTOの主要メンバーとは地元の仲間同士だった。前作のハードロックな路線から、AORアダルトオリエンテッドな路線にシフトしたが、作風の変化に寄与したのは、ドン・ヘンリー、マイケル・マクドナルド、デイヴィッド・サンボーン、マイルス・デイヴィスといった多くビッグアーティスト達である。彼らの参加により、TOTOのサウンドはいっそう洗練され、優しいサウンドに仕上がった。
1stシングル「I'll Be over You」は元ドゥービーブラザーズのマイケル・マクドナルドがバックコーラスとして参加した隙のない完璧なAORバラード、全米シングルチャートで11位、アダルトコンテンポラリーチャートでは2週連続のNo.1を記録した。もう一つの珠玉のバラード「Lea」には、元イーグルスのドン・ヘンリーがバックボーカルとして参加、デイヴィッド・サンボーンのサックスが心地よく響き、美しいメロディーと極上のサウンドを生み出している。更に「Could this be love」では前ボーカリストのファーギー・フレデリクセンがバックで歌い、レゲエ調の佳曲「Somewhere Tonight」ではポーカロ兄弟の父ジョー・ポーカロがパーカッションで参加している。「Don't Stop Me Now」ではJAZZ界の巨匠マイルス・デイヴィスが参加し話題となった。
ビルボード誌アルバムチャートで40位、アメリカでのセールスは50万枚、世界では120万枚の売り上げと、前作『アイソレーション』とほぼ同じくらいの成績にとどまった。
この頃になると、TOTOに限らず、ジャーニー、フォリナー、シカゴ、サバイバー、REOスピードワゴンといった、80年代前半まで一世を風靡していたアメリカンロックバンドが軒並み勢いを失いかけていた。LAではハードロックやヘビーメタルのバンドの人気が勢いを増す一方、従来の形式のバンドグループが陰りを見せ出した時代だったとも言える。一例を挙げればこの頃、まるでTOTOと入れ替わるようにブレイクし出した「ボンジョビ」は、ジョン・ボンジョビという稀代のカリスマがバンドを引っ張っていたのに対し、TOTOは全員がテクニシャンである代わりに、バンドを牽引するフロントマンが不在であった。
この作品を最後にキーボードのスティーヴ・ポーカロが映画音楽に専念すべくグループを脱退した。

The Seventh One(ザ・セブンス・ワン〜第7の剣)

1. Pamela
2. You Got Me
3. Anna
4. Stop Loving You
5. Mushanga
6. Stay Away
7. Straight for the Heart
8. Only the Children
9. A Thousand Years
10. These Chains
11. Home of the Brave
Bonus track on Japanese copies of the album
12. The Seventh One"

1988年発表の7作目。ジェフ・ポーカロが生前にリリースされた最後の録音作品であり、ジョセフ・ウィリアムスが1989年の脱退前にリード・ボーカルをとった最後の作品である。アルバムのレコーディング中、キーボードのスティーブ・ポーカロもバンドを去ることを発表したが、ゲストという形でアルバムには全面的に参加しており、このアルバムのツアーにも同行した。
アルバムは、彼らの最大のヒット・アルバム『聖なる剣』を意識してか、AOR(アダルト志向のロック)の要素を強くし『聖なる剣』に近い作風になっている。「Pamela」「Stop Loving You」「Anna」「Mushanga」などの人気曲を収録。「Stop Loving You」を作曲したペイチとルカサーは「Stop Loving You」「Pamela」の両曲のヒットを確信し、コロンビア・レコードも『セブンス・ワン』がバンドの最強アルバムの一つであると信じていた。1stシングル「Pamela」はコロンビアによって大々的に宣伝されたが、リリース直後、コロンビアのアル・テラー社長はレーベルを去った。彼の不在の間に、「Pamela」のプロモーションは後退し、ビルボードホット100では22位にとどまり、その後すぐにチャートから脱落した。「Pamela」ほ結果的にアメリカでの最後のトップ30ヒットになった。「Stop Loving You」はベルギー、オランダでは2位を記録したが、アメリカではチャートインしなかった。結果的に『セブンス・ワン』は『ターン・バック』以来、全米チャートのヒットが1曲だけのアルバムとなり、その時点でTOTOにとって最も低いチャートアルバムとなった。しかしこのアルバムは、オランダで1位、スイスで2位、フィンランド3位、ノルウェーとスウェーデンで4位と絶好調、日本でもオリコン3位を記録し、アメリカと大きく差がでた。これには当時のアメリカのヒットチャートの状況も影響している。まず前作までは依然、レコードが主流だったが、このころにはCD全盛期となり、音楽制作の状況も様変わりした。更にそれまでの全米チャートは白人アーティストの独壇場で、ブラックミュージックと言われた黒人アーティストはR&Bチャートなどに棲み分けられていたが、この頃には黒人アーティスト達が大挙してポップチャートに進出してきた。白人アーティストもソロアーティストの個性に注目が集まり、必然的に従来のバンド主体のグループは圏外に押しやられる状況になっていた。時代が、明らかにTOTOのようなアメリカンアリーナバンドを必要としなくなっていた。ルカサーは「私たちスターがアメリカで衰退し、勢いを取り戻すには何年もかかる」と述べた。しかし、ファンの間ではこのアルバムの評価は高く、これまでのアルバムに収録されていたTOTOの魅力を凝縮した名作と言われている。2017年に米クラシック・ロック系サイトのアルティメット・クラシック・ロックは『聖なる剣』に次いで、TOTOの2番目に良いアルバムとしてランク付けした。
TOTOのアルバム、ベスト3というと、『宇宙の騎士』『聖なる剣』そしてこの『第七の剣』をあげる専門家やファンは多い。そして完成度でいえばこのアルバムこそが屈指の出来栄えである。「このメンツこそTOTOのベストメンバーだ!」とのスティーヴ・ルカサーの思いとは裏腹に、その後まもなくジョセフが薬の影響で声がでなくなり、ツアー終了後に解雇された。

Past to Present 1977–1990

01. Love Has the Power(新曲)
02. Africa
03. Hold the Line
04. Out of Love(新曲)
05. Georgy Porgy
06. I'll Be Over You
07. Can You Hear What I'm Saying(新曲)
08. Rosanna
09. I Won't Hold You Back
10. Stop Loving You
11. 99
12. Pamela
13. Animal(新曲)

1990年発表のTOTOの初めてのコンピレーション・アルバムで、1978年から1988年までの7枚のアルバムから9つのヒット曲と、4代目新ボーカリスト、ジャン=ミシェル・バイロンとの4つの新曲が含まれている。バイロンはこのアルバム1枚で解雇され、1991年以降はスティーブ・ルカサーがリードボーカリストを担当した。

Kingdom of Desire (キングダム・オヴ・デザイア〜欲望の王国〜)

01. Gypsy Train
02. Don't Chain My Heart
03. Never Enough
04. How Many Times
05. 2 Hearts
06. Wings of Time
07. She Knows the Devil
08. The Other Side
09. Only You"
10. Kick Down the Walls" (absent on some European pressings )
11. Kingdom of Desire
12. Jake to the Bone (Instrumental)
13. Little Wing (Bonus Track for Japan )

1992年発表、スタジオアルバムとしては8作目。ジェフ・ポーカロ生前最後の録音作品となった。自分達が希望するハイトーンボーカリストが雇えないことに業を煮やし、バンドは史上初めてリードボーカリスト探しを断念。代わりに全編、ギターのスティーヴ・ルカサーがリードボーカルを担当することになった。それまでのAOR〜ポップロック路線は影を潜め、アルバム全体を通してルカサーのギターがリードするハードロック色の強い作品となった。このアルバムの完成直後(発売直前)にバンドのリーダーであったジェフ・ポーカロが死去。彼の遺作となった。アルバムに伴うツアーはジェフの追悼ツアーとなり、代役にはその後正式メンバーとなるサイモン・フィリップスが務めた。

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