上杉秀彦(女神異聞録ペルソナ・P1)とは【徹底解説・考察まとめ】

ブラウン/上杉秀彦(うえすぎ ひでひこ)とは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の1作目に登場するキャラクターである。P1主人公/ピアスの少年のクラスメイト。赤髪とゴーグルがトレードマークの男子高校生である。陽気なお調子者キャラとしてクラスの人気者だが、少々騒がしすぎるところが玉に瑕。物語展開が2パターン存在する『女神異聞録ペルソナ』において、どちらの物語にも参加可能な選択メンバーであり、P1主人公達と共に御影町で起きる異変について探っていく事となる。

神取を追いかける為、元の御影町へ戻る方法を模索するブラウン達。そこで昔から神隠しの噂がある「幽霊屋敷」に何かヒントがあるのではないか、という結論に至り、幽霊屋敷へ向かう事になる。向かった幽霊屋敷にてブラウン達は、自分達の世界の園村麻希の母親と遭遇する。だが、この麻希の母親は現在ブラウン達と同行している麻希の母親ではなかった。実は今ブラウン達と同行している麻希は、彼らの住む世界の麻希ではなく、この異世界「御影町」に住む麻希だったのである。

異世界の事など何も知らない麻希の母親は、自分の娘が無事であった事に安堵し、麻希に駆け寄る。麻希とブラウン達は、麻希の母親に自分達が置かれている現状を説明し、この麻希が彼女の娘の「麻希」ではないことを伝える。
現状を知った麻希の母親は、自分ならなんとか異世界に行く為の機械を扱えるかもしれない、という事をブラウン達に告げる。実は麻希の母親は、セベク社の社員だったのだ。神取が危険な研究をしている事に気づいた彼女は、それを阻止しようとしていたのだが、神取に気づかれ邪魔される。その結果、この世界に飛ばされてきてしまったようだった。

麻希の母の助け借りて、元の御影町へ帰る事になるブラウン達。しかし機械をいじる人間が必要である事から、麻希の母親は1人この異世界に残る事を選ぶ。「娘の事をよろしく頼む」と述べてきた麻希の母親の言葉を胸に、ブラウン達は自分達が住む御影町へと帰還する。

神取との最後の戦い、己と向き合ったブラウンが見つけ出した「生きる理由」

自分のもとへやってきたブラウン達に「生きている理由」を問う神取。

元の御影町に戻ったブラウン達は、神取がいるダンジョン「御影遺跡」をどうにか攻略し、最奥で自分達が来るのを待っていた神取と対峙する。

しかし向き合った神取の様子は、異世界「御影町」にいた頃とは異なっていた。どこか意気消沈した様を見せる神取に戸惑うブラウン達。すると神取はブラウン達に「なんの為に生きているのか」という問いかけをしてくる。実は「神になる」という野望を叶え、誰もが自分に従う力を手に入れる事ができた神取だったが、自分の野望が全て叶ってしまった事で逆に自分の「したい事」を失い、生きる気力を失ってしまっていたのである。

そんな神取からの問いかけに、P1主人公が「そんなことはわからない」ときっぱりと言い返す。するとその答えに同意するように、仲間達が自分達なりの「生きる理由」を次々に神取に答えていく。ブラウンも仲間達と共に自分が「生きる理由」として「自分を越えるため」と神取に答える。自それは仲間達との戦いの中で、自分を見つめ直したブラウンが導き出した答えだった。
そうして、生きる意味を失い、生きる事に悲観している神取の現状を仲間達と共に否定する。ブラウン達の言葉に逆上した神取は、彼らに攻撃を仕掛けようとする。そんな神取に応戦する形で、ブラウン達は神取との戦闘を開始。神取との最後の戦いの火蓋が切って落とされた。

神取から明かされた衝撃の真実

明かされた衝撃の「事実」に取り乱す麻希。

激闘の末、なんとか神取を倒す事に成功するブラウン達。だが戦闘が終わったその時、神取の口から驚きの真実が明かされる。それは、異世界「御影町」が、全てブラウン達の住む世界の麻希によって作られた、彼女の幻想郷のような場所であったという事実だった。

神取曰く、デヴァ・システムが完成したのは、今から一月前のこと。しかしそれよりも以前から麻希とシステムの波長が、霊的にシンクロしていたのだという。ブラウン達の世界に住む麻希は、病弱だった事もあり、聖エルミン学園に入学してからその殆どの時間を病院で過ごしている状態にあった。病院には、麻希の友人達がやってきてくれていたりしたが、それでも普通の高校生としての日々を過ごしたかった麻希にとって、元気に学校に通う彼らは憎い存在であり、同時に羨む存在でもあった。
その結果、いつからか彼女は、自分の心の中に、自分が理想とする世界や自分の姿を思い描くようになっていく。そんな彼女の強い理想から生まれた世界が、デヴァ・システムの波長とシンクロし、生まれてしまった世界が、異世界の「御影町」。この世界の創造主だという2人の少女、まいとあきも、麻希の心から生まれた存在だったのである。

全てを知った麻希は、予想外の事に取り乱し、その場から逃げ出してしまう。混乱するブラウン達に神取は、「麻希は孤独だった」、「彼女は本当の自分の心を知る必要がある」と告げる。そうして最期に「そうしなければ、自分の二の舞になるだろう」と言い遺し、ブラウン達の目の前で息を引き取ったのだった。

麻希の「心」の救出

追いかけた先に居た3人の「麻希」に愕然とするブラウン。

飛び出した麻希を探しに出るブラウン達。無事に麻希を発見するも、全てを知り混乱している麻希は自分を追ってきたブラウン達を拒み、異世界の「御影町」へ逃げてしまう。さらに異世界の「御影町」側から、彼らがこちら側に来れないように通路を閉ざしてしまう。

それでもブラウン達は、これまで共に戦い続けてきた「仲間」を見捨てるわけにはいかない、と麻希を苦しみから救う為に彼女のもとへ向かう事を決める。そこでブラウン達は麻希が居た部屋で眠っている「本物の麻希」が持っていたコンパクトが光っている事に気づく。それは麻希がずっと大事にしていたコンパクトだった。不思議な光を放つコンパクトに、何かしら異世界の「御影町」へ向かうヒントがあると思ったブラウン達は、部屋に落ちていた異世界の麻希が持っていたコンパクトを拾い、2つのコンパクトを持ち合わせて「麻希のもとへ行かせてくれ」と願ってみる。すると、その願いを聞き届けたかのようにコンパクトは光を強く発しながら、ブラウン達を異世界へ連れて行く。

再び異世界の「御影町」に行く事ができたブラウン達は、そこで麻希の母親と再会。事情を説明し、麻希を助けに行く事を告げる。それを聞いた麻希の母親は、自分も一緒に連れていってくれ、と頼む。麻希の母親の本気を感じたブラウン達は、彼女も連れ、麻希のもとへ向かう。するとその最中、泣いているまいと出会う事になる。
大泣きしているまい曰く、あきが「1番悪い自分」のところに行ってしまった、とのこと。この異世界を滅ぼし、本物の自分を殺す為、「パンドラ」と名乗る自分のもとへ行ったという彼女の話を聞いたブラウン達は、「パンドラ」と書かれた謎の扉が学校にあった事を思い出す。そこにあき、もとい麻希の分身が居ると気づいたブラウン達は、麻希もきっとそこに居るはずだ、と結論付ける。そうして、世界の滅びを前に泣くまいを麻希の母親に託し、彼らはパンドラのもとにいる麻希のもとへと向かう。

向かった先、ブラウン達の予想通り、そこには麻希の姿があった。しかし全ての元凶であった自分の醜い思いを見られたくなかった麻希は、ブラウン達を拒絶、パンドラの力を使い彼らに攻撃を始める。
ブラウン達はペルソナの力を使って、麻希との戦闘を開始。なんとか彼女を落ち着かせる事ができた彼らは、麻希を励まし、自分達のもとへ帰ってくるように訴える。そんなブラウン達の真っ直ぐな言葉を聞いた麻希は、自分の汚い一面と向き合う事を決意。ブラウン達のもとへ戻る事を選ぶのだった。

後日談:卒業式

事件から2年後、卒業式の打ち上げをする為に、仲間との待ち合わせ場所にやってきたブラウン。

無事に麻希を救出する事に成功したブラウン達は、元の世界へ帰る事にする。しかしそこで麻希が「私は(本物の)園村麻希の影だから、みんなとは一緒に行けない」と告げてくる。衝撃の事実に驚愕するブラウン達。しかしお別れの言葉を述べる間もなく、ブラウン達は麻希の力によって本物の御影町に帰還させられてしまう。

こうしてブラウン達の帰還をきっかけに、御影町で起きていた異変は全て収束する事になる。一連の悪魔騒動の犯人である神取とセベク社の名前は、大々的にニュース等で取り上げられる事となったが、事態を収束させたブラウン達の事は世間に知られる事はないまま、事件は終わりを迎える事となる。

それから2年後。聖エルミン学園を卒業する事になったブラウン達は、卒業式当日、打ち上げを行う為に集まる事になる。そこには元気になった麻希の姿もあった。こうして平和な世界を取り戻したブラウン達は、これからの自分達(未来)に思いを馳せながら、日々を過ごしていくのであった。

ブラウン/上杉秀彦の関連人物・キャラクター

P1主人公/ピアスの少年

本作『女神異聞録ペルソナ』(P1)の主人公。『女神異聞録ペルソナ』内でのデフォルトネームは存在していないが、後に発売された次作『ペルソナ2 罰』にて「ピアスの少年」という通称が与えられた。以降は「ピアスの少年」としてファンからは呼ばれるようになる。
ごく普通のなんの特徴もない男子高校生。ブラウンとはクラスメイトの関係にあたる。ブラウンが提案した儀式「ペルソナ様」をきっかけに、ペルソナ能力を手に入れる事になる。

renote.net

マキ/園村麻希(そのむら まき)

本作『女神異聞録ペルソナ』(P1)に登場するペルソナ使いの1人。ブラウンと同じ「セベク編」のメインメンバーである。聖エルミン学園に通う高校1年生であり、ブラウンとはクラスメイトの関係にあたる。だが入学してから、ほとんど病院で入院生活を送っている為、学校にはあまり来ていない。
セベク編では、突然元気になった姿でブラウン達の前に現れ、皆を驚かせる。

renote.net

マーク/稲葉正男(いなば まさお)

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