カイン・ハイウインド（ファイナルファンタジーIV）とは【徹底解説・考察まとめ】

ゴルベーザの洗脳から目覚めたカインは再びセシル達の仲間に加わったが、ゾットの塔の脱出時に、ゴルベーザ四天王の紅一点である風のバルバリシアに寝返ったことを咎められる。「みんなそろったところで仲良くほうむり去ってやろう！」というバルバリシアの挑発に対して「フッ、空中戦はおまえだけのものじゃない！」と返す。バルバリシアは竜巻で対象を瀕死にする「トルネド」を使い、自身の長い髪の毛でバリアを作ることができる風の使い手である。だがカインの「ジャンプ」もまた、高く飛び上がり空中から攻撃する強力な技である。カインが自分の力を認めているのと同時に、バルバリシアの力も認めている言葉であることが想像できる。

「大丈夫だ…おれは…もう…しょうきにもどった！」

闇のクリスタルを守るために「封印の洞窟」を訪れた一行は、クリスタルを手に入れて出口まで戻ってきたが、カインはここで再びゴルベーザに洗脳されることになる。「カイン…帰ってこい」というゴルベーザの声が聞こえた後に膝をつくカインだが、立ち上がり「大丈夫だ…おれは…もう…しょうきにもどった！」とセシル達に告げる。しかしその直後、セシルを突き飛ばし闇のクリスタルを奪い取ったカインは、ゴルベーザの元へ戻ってしまう。この「しょうきにもどった」という言葉は、洗脳されたカインにとって「洗脳前の自分の方がおかしい」という状態であることから、セシル達ではなくゴルベーザに向けて伝えていることが推測できる。カインが再び裏切るという印象的な場面であり「カインといえばこの台詞」と言っても過言ではないほど、プレイヤー達の中では有名な台詞である。

「もしもその時は遠慮なく俺を斬るがいい。」

崩壊に向かう「バブイルの巨人」内からセシル達を導いて脱出したカインは「ようやく自分を取り戻すことができた」と、洗脳が完全に解けたことをセシル達に伝える。カインはローザから、ゴルベーザがセシルの兄だという事実と、ゴルベーザもまたゼムスによって操られていたと知らされる。カインは「ならば、俺もこの借りはゼムスに返さねばならんな…」とセシル達と共にゼムスと戦うことを決意する。エッジには「また操られたりしなきゃいいんだがな！」と悪態をつかれるが「もしもその時は遠慮なく俺を斬るがいい」ときっぱり伝える。カインの「自分を取り戻すことができた」という言葉が真実であり、カインの本心であることが理解できる台詞である。この言葉によってエッジはカインを信用し、仲間として迎え入れることとなった。

カイン・ハイウインドの裏話・トリビア／エピソード・逸話

人気投票では上位

「裏切り者」の印象が根強いながらもカインの人気は高く、2020年に発表されたNHKの『全ファイナルファンタジー大投票』においてはキャラクター部門で全シリーズのうち18位にランクインし、これはファイナルファンタジーIVのキャラクターの中ではトップであった。本作のその他のキャラクターのランキングでは、大人になったリディア（37位）、パラディンになったセシル（40位）がカインに続く。嫉妬心や裏切りなど、ネガティブな面がクローズアップされながらも、完璧な善人ではない部分に人間臭さが感じられるのがカインの魅力である。

カイン起用でネタバレ防止

本作のタイトルロゴには、このゲームの主人公セシルではなくカインが起用されている。セシルが起用されなかった理由は、「パラディンになる」というネタバレが発生することと「暗黒騎士」ではイメージが良くないということで、これらの理由からカインを起用することになったといわれている。なお、DS版ではカインからゴルベーザに変更されている。

周回数でカットが変わる

DS版のみ、周回数に応じてエンディングのカインのカットが一部変化する。一周目は兜を外した後にカインの後ろ姿が映し出されるが、2週目以降は兜を外した後に後ろ姿ではなく、口から下の正面の姿が映し出される。本編中では兜を外すことがなかったカインの貴重なシーンであるが、エンディングを迎えても最後まで表情については謎に包まれたままである。