はたらく細胞BLACK(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『はたらく細胞BLACK』とは原作原田重光、作画初嘉屋一生で『モーニング』で2018年27号から2021年8号まで断続的に連載された漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。ブラック企業のような劣悪な体の中で働く赤血球を主人公に、喫煙や飲酒などで蝕まれていく体の健康問題を細胞視点で綴っていく。擬人化された細胞やロボット兵器のような薬剤や抗生物質が登場し、シリアスかつ殺伐とした雰囲気の中奮闘する様子は、不摂生な生活をする人に警鐘を鳴らすディストピア作品。

『はたらく細胞BLACK』の概要

『はたらく細胞BLACK』とは2018年から2021年にかけて断続的に原田重光原作、初嘉屋一生作画を担当した『モーニング』で連載していた青年漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。2018年27号から36・37合併号まで第1部、同年45号から2020年35号まで隔号を中心に第2部、2020年52号から2021年8号まで第3部が掲載された。清水茜の『はたらく細胞』のスピンオフ作品で、清水茜は監修を担当している。2020年3月には、福岡市が推進する福岡市乳がん検診受診率向上プロジェクトで特別編「乳がん検診を受けよう!」も描かれた。
擬人化された細胞たちを通して健康の大切さを知ることができるアニメとして話題となった。2021年1月11日には1時間スペシャルが制作された。
赤芽球から脱核したばかりの新米赤血球AA2153。職場紹介映像は明るい雰囲気だったが、実はストレスを感じている体の中は劣悪で過酷な労働環境だった。先輩から無茶振りされる仕事に戸惑いながら働く新米赤血球AA2153とそれを取り巻く細胞達が、体内の様々な異変に振り回されながら懸命に職務を全うしようとするディストピア漫画である。

『はたらく細胞BLACK』のあらすじ・ストーリー

第1話:喫煙、細菌、終わりの始まり。

赤芽球から脱核した赤血球たちは、希望に満ちた気持ちだった。明るい雰囲気の職場紹介映像をみてこれから仕事に邁進しようと思っていた新米赤血球AA2153は、研修で先輩赤血球から十分な指導を受けることなく、いきなり実践として体中に酸素を運ぶ仕事をすることになった。先輩赤血球AD6614と共に仕事をする新米赤血球AA2153。しかし喫煙者である体の主の血管は、赤血球が2人通れるほどの広さしかなく、思うように進めない。さらに肺炎球菌が、赤血球AA2153を襲う。その時白血球1196が、新米赤血球AA2153を助けてくれる。なんとか先に進むことができた赤血球AA2153ら。しかし進んだ先の動脈は一酸化炭素が充満してヘモグロビンと結合することで赤血球は動けなくなる状態になっていた。先輩赤血球AD6614は新米赤血球AA2153に安全な場所へ酸素供給するように伝え、自身は動脈の中突っ込んでいき命を落としてしまう。

第2話:肝臓、アルコール、誇り。

赤血球AA2153が酸素を届けに行くと、細胞が燃えていた。驚く赤血球AA2153だったが、それは口内炎が原因だった。口内炎が潰れ、細菌が入ってきたところで、白血球1196らが助けてくれる。白血球は細菌を食べる貪食で撃退に成功した。その後も十分な休息なく働き続ける赤血球AA2153たち。そんな時ベテラン赤血球JJ4141の予告通り、アルコールのシャワーが降ってくる。アルコール濃度が高くなった赤血球らは、ベテラン赤血球JJ4141に連れられて肝臓(キャバクラ)に抜きに行くことに。肝臓(キャバクラ)では、肝細胞に接待を受けながら酵素を飲まされ、アルコールを分解することになった。肝細胞と接する中で、肝細胞の人も辛い中頑張ってることを知るAA2153。AA2153らに肝臓(キャバクラ)の遊び方を教えてくれたベテランのJJ4141の寿命が尽き、後は頼んだと言い残しクッパー細胞の養分となる。肝細胞と親しくする赤血球JJ4141をみて、白血球1196は嫉妬する。

第3話:興奮、膨張、虚無。

酸素を運ぶことが最優先の仕事である赤血球。しかし、生殖行為のために海綿体に血液を満たし、勃起させるという重大なミッションが赤血球らに課せられる。赤血球AA2153らは動脈に向かい、先輩赤血球の嫌がらせを受けながらも、壁を押し広げたり、狭い場所に入ったりと勃起させるために奮闘する。一方白血球は、勃起の妨げにならないように緑膿菌を倒す。勃起と同時に射精の準備をしている精巣では、精原細胞と精原細胞の世話をしているセルトリ細胞が勃起を待っていた。しかし、体の主はストレスで勃起不全になってしまい上手く行かない。もう勃起は難しいかと思われたが、体の主がバイアグラを飲んだことで何とか成功する。重労働の後で、精原細胞が卵子と出会えることを期待する赤血球AA2153。しかし、ただの性欲処理の可能性が高いと先輩赤血球から指摘され落ち込む。さらに先ほどの生殖行為が原因で、淋菌が体内に侵入してしまう。

第4話:最前線、淋菌、葛藤。

淋菌が体内に侵入し、苦戦する白血球たち。しかし淋菌の増殖スピードが速く、感染率も生殖行為1回あたり30%と強敵のため上手く対処できない。怯える他の細菌達。戦い続ける白血球達だが、白血球1196は一旦全員の撤退を決める。白血球は総力戦を決めるが、淋菌の固い細胞壁に上手く対処できない。マクロファージも手助けにくるが、白血球の隊長を始めとする多くの白血球が亡くなり、淋菌に負けそうになる。しかし、ピンチのところで抗生物質のペニシリンが投与されたことで形勢が逆転。なんとか淋菌を撃退する。

第5話:過重労働、脱毛、錯乱。

白血球が数を減らしてしまったため、ヘルパーT細胞の命令を元にキラーT細胞が異物を排除することになる。一方赤血球AA2153は、苦難を乗り越え、仕事に誇りを感じるようになっていた。そんな時赤血球AA2153が毛根近くまで酸素を運んだとき、細胞分裂を頻繁に行う毛母細胞たちをキラーT細胞がガン細胞と勘違いして攻撃している現場を目撃する。ヘルパーT細胞が誤った命令を出し続けるだけでなく、キラーT細胞にサイトコカインを分泌してより強い力で毛母細胞を攻撃。毛が抜け続ける円形脱毛症という最悪の事態になってしまう。赤血球ははなんとか自分にできることをしようと思い、懸命に酸素を毛母細胞に届けようと努力する。最終的にステロイドが投入され、ヘルパーT細胞とキラーT細胞は正気を取り戻し攻撃を止める。

第6話:腎臓、尿路結石、涙。

仕事に慣れてきた赤血球AA2153と赤血球AC1677は、仕事中に付いた水不足による血管の汚れを落としてもらうために腎臓に足を運ぶ。腎臓では、寡黙な糸球体達が血液をろ過する仕事をしていた。腎臓にいた若い糸球体は、赤血球AA2153らに尿管の近くを通る際注意するように忠告する。その後赤血球AA2153が尿管の近くの輸出細動脈に酸素を運ぶと、奇妙な音が聞こえてくる。壁を突き破って、尿路結石が血管内に侵入してくる。尿路結石は、レーザー手術で砕かれた。しかし尿道から尿路結晶を砕くために挿入されたレーザー手術のための機械のせいで細菌が体内に侵入する。白血球が応戦するも、尿路結石にはかなわない。細菌は腎臓まで到達する。脳細胞の指令室では、腎臓は2つあるため1つは断念することを決意。腎臓に到達した細菌は、糸球体のリーダー格ババ様を亡き者とした。白血球1196らが助けにきたことに加え、抗生物質が投与されたことで、他の若い糸球体達は助かった。

第7話:カフェイン、誘惑、嫉妬。

赤血球AA2153が最優秀新人賞を受賞する。一方赤血球AC1677が運んだ酸素が活性酸素に変化する事故が起き、一般細胞を老化させてしまう。赤血球AA2153の活躍に嫉妬を感じた赤血球AC1677。先輩赤血球に元気になれる所に行こうと誘わるも、一度は断る。その後赤血球AA2153と赤血球AC1677は、皮脂腺細胞のところに酸素を送る仕事をする。今日で退職するという皮脂腺細胞は、皮脂腺細胞ごと皮脂を破裂させることで職務を全うする。ところが皮脂腺細胞に届けた酸素が活性酸素に変化していて、加齢臭が発生してしまう。責任を感じた赤血球AC1677は、先輩赤血球と一緒に中毒性の高いカフェインを浴びに行ってしまった。疲れを感じなくなった赤血球AC1677は快調に仕事をするが、カフェインを取り過ぎた体は鼻血が出て多くの赤血球が流れて出てしまう。カフェインを浴び過ぎた赤血球AC1677はカフェインが切れたことで、力が出ず逃げられない。赤血球AA2153が助けにはいったことで、赤血球AC1677は救われる。赤血球AC1677は、カフェインを浴びることを止める。

第8話:ふくらはぎ、肺血栓、機転。

体の持ち主は丸2日眠っておらず、ずっと同じ体勢で過ごしていた。喫煙やアルコールの機会も増え、労働環境はさらに悪くなっていく。アルコールを抜いてもらうため肝細胞の元を訪れるが、アルコールのせいで中性脂肪が増え、以前のような華やかさはなく肝臓の機能が弱っていた。さらに赤血球の数が減り、ふくらはぎまで急きょ酸素を運ぶ仕事をすることになった。ふくらはぎ周辺には深部静脈で赤血球が積みあがって血栓ができており、先輩赤血球の嫌がらせで赤血球AA2153とAC1677も深部静脈に落ちそうになるが、白血球1196に助けられる。さらに急に体の持ち主が体を動かしたことで、血圧が上がり、血栓が上半身に進行、逃げる先輩赤血球を巻き込みながら肺動脈まで到達。その結果、肺動脈を詰まらせエコノミー症候群になってしまう。赤血球AA2153らは狭い気管支動脈を使い、酸素を肺に運ぶことを決意し肺を救うことに成功する。

第9話:異変、水虫、働く意味。

白血球1196は、仲間の数が減っていると感じる。度重なるウィルスとの戦いで、白血球は生成される数よりも消費される数の方が多くなっていた。赤血球AA2153も宿主の勃起が少なくなり、精子の数も減少していることに気が付く。体の状態は悪化し続けていた。赤血球AA2153は偶然新人赤血球達の研修を見かけるが、後輩の数は赤血球AA2153が新米の時に比べて数が減っていた。AA2153は新人研修の実務を任されることになるが、後輩の面倒を見ながら酸素を運ぶことで疲れを感じる。疲れを感じながら足の先まで酸素を運ぶ赤血球AA2153だったが、水虫の菌に遭遇する。白血球の数が足りないため、水虫の菌に苦戦するが薬のアシストもありその場をしのぐ。しかし全身に回った菌と戦うため、白血球は休む間もなく次の現場に向かう。働き続ける白血球を見て、働き続けないといけないと思い込む赤血球AA2153。AC1677は見かねて赤血球AA2153を自分のサボりスポットに誘い、休むことの大切さを伝える。

第10話:胃潰瘍、友情、喪失。

緊急招集がかかった赤血球は、持てる限りの酸素を持って胃に向かう。胃では潰瘍が発生し、大きな亀裂ができていた。漿膜に穴ができれば、胃がメルトダウンしてしまう可能性がある。胃の細胞が修復を試みるも、間に合っていない状態だった。赤血球は漏れ出た胃酸で体を溶かされて命を落とす危険と隣り合わせな状態で、胃や胃の細胞に酸素を供給する。しかし胃潰瘍の原因にもなっている胃酸の中でも生きられるピロリ菌が、胃粘膜を傷つけ事態を悪化させていく。数少ない白血球が立ち向かうものの、倒せない。抗生物質が投入されたおかげでピロリ菌を倒すことに成功する。危険な中で酸素を供給していた赤血球AA2153だったが、胃酸が足にかかり怪我をしてしまう。上手く動けない赤血球AA2153を助けるため、AC1677は胃酸に落ちて命を落としてしまった。ショックが大きい赤血球AA2153は、無気力になってしまう。

第11話:自暴自棄、痛風、反乱。

syunnkannsettyakuzaiw4
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